北海道から東北地方の太平洋沿岸に多く生息する食用のタコ「ヤナギダコ」の子どもを陸上で大量に育てる技術を、特産地の北海道根室市水産研究所と東海大学の研究チームが開発した。北海道産のタコといえばミズダコが有名だが、近縁種のヤナギダコは食感が軟らかく、卵も美味。稚ダコを大量に孵化(ふか)させて放流することで、資源量の増加につなげるのが狙いだ。 道内では2021年、ミズダコの漁獲量が1万2964トンに対し、ヤナギダコは4678トン。ヤナギダコはミズダコに似た姿だが、目と目の間にクリーム色の帯状の模様があるといった特徴がある。ミズダコよりも小型なことから、根室地方では「コダコ」とも呼ばれる。卵は「たこまんま」とも呼ばれ、しょうゆ漬けなどにして食べられている。 ヤナギダコのオスは夏から秋にかけて、「交接腕(こうせつわん)」と呼ばれる特殊な腕を使ってメスに精子を託す。オスはその後死んでしまい、メスは翌年の春から夏にかけて産卵する。 自然界では、メスは水深40… この記事は有料記事です。残り944文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元法務大臣が訴える死刑廃止 「国家といえども人の命は奪えない」
有料記事 聞き手・桜井泉2023年1月18日 13時00分 「法務大臣は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職」。法相を事実上更迭された葉梨康弘氏の発言だ。元法相で弁護士の平岡秀夫さんは、人の命を軽く見る発言に怒る。平岡さんは死刑制度は廃止すべきだとの立場だ。なぜ死刑廃止を訴えるのか、話を聞いた。 ――葉梨前法相の発言についてどう考えますか。 「死刑は、言うまでもなく人の命を奪う刑罰です。それを笑い話にしてウケをねらったもので、あまりの軽薄さに驚きました。許されません」 ――死刑執行は法務大臣の命令による、と刑事訴訟法は定めています。2011年、民主党の野田佳彦政権で法相に就任、4カ月ほど務められましたね。 死刑存廃について議論を巻き起こしたい 「法相就任時に、死刑を廃止… この記事は有料記事です。残り1985文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
別居中の実子にわいせつ行為と撮影した罪、父親を起訴 地検川崎支部
大宮慎次朗2023年1月18日 10時15分 13歳未満の実子にわいせつな行為をしたなどとして、横浜地検川崎支部が昨年11月、神奈川県内の40代の被告の男を強制わいせつと児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で起訴していたことが関係者への取材でわかった。今月12日に横浜地裁川崎支部で初公判があり、男は起訴内容をおおむね認めた。 起訴状によると、男は2021年7月、自宅で実子に対しわいせつな行為をし、その行為を携帯電話のカメラで撮影して画像を保存したとされる。22年10月にも、自宅でわいせつ行為と撮影をしたとされる。 検察側の冒頭陳述によると、男は実子とその母親と別居していた。検察側は、男が実子を待ち伏せして母親に内緒で2人きりで会うなどし、21年5月以降、男の自宅でわいせつ行為と撮影を繰り返したと主張している。22年10月、実子から被害を打ち明けられた母親が警察に相談したという。(大宮慎次朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アニメに参加、SNSで世界配信 夢かなえた書道講師は金髪になった
有料記事 編集委員・中島隆2023年1月18日 10時30分 大阪市中央区の本町は、ビジネス街。立ち並ぶオフィスビルの中に、「三皷(みつづみ)ペン字・書道教室」があります。カフェのような雰囲気の中、コーヒーなどを飲みながらの文字のお稽古です。書道家の三皷友華(ともか)さん(30)が3年あまり前、楽しく通ってもらえればと開きました。教室を開く夢をかなえた三皷さんの視線は、いま外国にも向いています。 教室は、とあるビルの5階の一室にある。ドアをあけると、右側にある黒板にドリンクメニューが書かれている。コーヒー、カフェオレ、ミルクティー……。三皷さんら3人の講師のうち、手が空いている人が入れてくれる。 「さあ、お稽古を始めましょう」 三皷さんは徳島出身。4歳のときに鉛筆でひらがなを書き始める。小中は書道教室に通う。高校生になって、教室通いが面倒なので小休止。大学の薬学部に通うが、やりたいことではないと感じて1年でやめ、役場の臨時職員になった。 自分がしたい仕事は何だ――、と考えた。 〈書道教室は?〉 知り合いの教室の先生に相談すると、言われた。 「どんなに下手でも、そこに… この記事は有料記事です。残り1114文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長男殺そうとした前町長、罪状認める 町民の25%から減刑求める声
岡山県美作市内の民家で昨年6月、就寝中の長男(40)の頭をバールで殴り、殺人未遂罪に問われた前京都府笠置町長西村典夫被告(73)と、妻の信代被告(66)に対する裁判員裁判の初公判が17日、岡山地裁であった。両被告とも大筋で起訴内容を認めた。 起訴状などによると、両被告は共謀の上、昨年6月25日午前2時ごろ、美作市内の住宅で就寝中の長男の頭をバールで数回殴り、頭の骨を折るなど加療約10日間のけがを負わせたとされる。 冒頭陳述で検察側は、信代被告が、当時中学3年の長男から暴力を受けるようになり、2012年には胸の骨が折れる暴行を受けたと述べた。環境が変われば自立できると長男に言われ、21年からは全国を次々と転居。信代被告が付き添い世話をしたが、長男は信代被告に自殺を迫るなどした。 昨年、美作市内に母子2人で転居し、典夫被告から長男を殺害する考えを打ち明けられ、犯行に及んだという。両被告とも犯行の事実関係は認めた上で、典夫被告の弁護人は、「長男の暴力と暴言に長年苦しんだ信代被告を解放したかった」と、信代被告の弁護人は「積極的に殺したいと思ったことはない」と述べた。 判決は26日に同地裁で言い渡される予定。(神崎卓征) 「地元住民として応援したい」 「西村夫妻が町に戻って生活されることを地元住民として応援したい」 そんな文言で前笠置町長の西村典夫(73)、妻の信代(66)両被告に対する減刑を岡山地裁へ求める嘆願書には、昨年12月から今月5日までの約1カ月で約240人の署名が集まった。 京都府によると、町の推計人口(昨年12月1日時点)は1043人で、府内26市町村で最少。町民のほぼ4人に1人が署名したことになる。 子ども食堂などで典夫被告が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京大が霊長類研元所長を提訴 不適正支出めぐり2億円の賠償求める
才本淳子 北村有樹子2023年1月18日 7時00分 国内外のサル研究をリードしてきた京都大霊長類研究所(昨年3月に解体)での研究資金の不正支出問題をめぐり、京大が所長を務めた松沢哲郎・元特別教授=懲戒解雇=を相手取り、2億円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴していたことがわかった。提訴は昨年10月28日付。今月24日に第1回口頭弁論が開かれる。 訴状によると、松沢氏を代表とする研究事業が、2010~12年度に日本学術振興会の補助金交付の対象となった。しかし、同振興会は、チンパンジー研究用の大型ケージの一般競争入札で、ケージの仕様策定に関わっていた業者が入札に参加したのは入札妨害に当たるとして、補助金の一部を取り消し、交付済みの分の返還命令も出した。 京大側は、松沢氏が仕様策定作業の多くを部下に担当させ、資格のない業者が入札に参加するのを黙認し、入札の公正を害したなどと主張。京大が同振興会へ返還した約3億6100万円(罰金に当たる加算金を含む)のうち、2億円の支払いなどを求めている。 松沢氏の代理人弁護士は「手続き違反の入札や補助金返還は組織として京大が行ったことだ。大学の責任を無理やり個人に押しつける不当な訴訟だ」として、請求棄却を求める考えを取材に示した。 京大は「係争中の案件でもあるので、この事案に関してのコメントは差し控える」と取材に回答した。 霊長類研について、会計検査院は20年11月に発表した検査結果で、11億円余りの不適正な支出があったと発表。京大は同年、特別教授だった松沢氏らを懲戒解雇した。松沢氏は京大を相手取って21年、解雇の無効など地位確認を求める訴えを京都地裁に起こしており、係争中だ。 霊長類研は1967年設立。国際的にも知られてきたが、問題を受けて22年3月に解体。同年4月からは「ヒト行動進化研究センター」などに再編された。(才本淳子 北村有樹子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
SNSより「逆にリアルで」 地元の魅力は雑誌発行、足で稼いで発信
東京の人にも、千葉のカルチャーを参考にしてほしい。そんな思いで、雑誌を作る大学生たちがいる。コロナ禍でもリアルにこだわり、「千葉愛」にあふれた独自情報を集める。 タイトルはSAMPLE MAGAZINE(サンプル・マガジン)。若い世代が「サンプル=見本」にしたくなる人や場所を取り上げる。好きな服を自分らしく着こなす若者の写真、おすすめの古着屋、コーヒー店、本屋――。ふらりと立ち寄れる店や空間を特集する。 「とにかく千葉が好き」と話す編集長の實寶(じっぽう)一眞さん(22)は千葉市中央区に20年以上住む。都内の大学に通いながら、「パトロール」と呼ぶ散歩を欠かさない。週2回は千葉市内を歩き、街の変化をチェックする。 冊子はインテリアの一部に 「首都圏の若い人にとっては、なんでも東京がお手本。参考になるものが千葉にあると発信したい」。アルバイト代を工面して2021年10月に創刊し、これまで2冊を自費出版した。 大学入学後、副主将だった市… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り776文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? 会員限定の有料記事が読める! 多彩なコメンテーターがニュースを深堀り いま話題の最新ニュースもメールでお届け Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビアズリーの「系譜」、独自の視点でとらえる 下関で企画展
有料記事 大分大学教授・田中修二2023年1月18日 7時30分 19世紀末の英国人画家オーブリー・ビアズリーと、彼につながる西洋の画家たち、さらにその日本への影響を紹介する展覧会が、単独の自主企画展として山口県の下関市立美術館で開催されている(29日まで)。 繊細で妖艶(ようえん)な線描と、大胆な白と黒のコントラストによって、人間の心の奥底まで表現したビアズリー。25歳の短い生涯のなかで、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の挿絵など、西洋美術史にのこる名作を生み出した。最初の展示室のガラスケースに置かれた、同館の所蔵品である文芸誌『イエロー・ブック』の表紙と挿絵も、彼の代表作として知られる。 「なぜ下関でビアズリー展?」と、少し不思議に思ったものだが、きっとこれが出発点になったのだろう。そこから自館のみならず、九州の美術館などが所蔵するビアズリーとそれに関わる作品を集めて、その「系譜」を独自の視点からとらえる展示となった。 ロートレックやミュシャのポ… この記事は有料記事です。残り390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電気通信大、25年度から個別入試で「情報Ⅰ」導入 全受験生向け
電気通信大(東京都調布市)は17日、2025年度からの個別入試・前期日程で、全受験生を対象にした選択科目として「情報Ⅰ」を実施する方針を発表した。国立大の個別入試・前期日程で全受験生向けの実施を発表したのは初めて。 情報Ⅰは、いまの高校1年生が受験生となる25年度から大学入学共通テストにも導入される。国立大の個別試験では、高知大が一部の情報系学科で、これまでも情報を課してきた。 電気通信大によると、25年度からの個別試験・前期日程では数学と外国語を必須とし、情報Ⅰ、物理、化学の3科目の中から2科目を選ぶ選択科目を課す。今年中にも試作問題を公表する。後期日程では情報Ⅰは課さない。 また、同じ25年度入試から… この記事は有料記事です。残り204文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小1の娘を殺害容疑、母親を逮捕 過去にDV疑いも 大分県中津市
一緒に暮らす小学1年生の娘を殺害したとして、大分県警は17日、中津市豊田町の無職、嬉野陽子容疑者(40)を殺人の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 県警によると、嬉野容疑者は17日午前0時ごろ、自宅アパートの一室で、娘のいち花さん(7)を殺害した疑いがある。どのように殺害したかについては捜査中としており、18日にも司法解剖して死因を調べる。 嬉野容疑者自身が17日午前7時25分ごろ、中津署に娘の殺害をほのめかす通報をした。署員が駆けつけたところ、いち花さんは寝室に横たわった状態で見つかり、すでに死亡していた。目立った外傷はないという。嬉野容疑者はいち花さんと2人暮らしだった。 中津署によると、2019年9月に嬉野容疑者が関係するDV事案を認知し、いち花さんへの心理的虐待と思われるとして中津児童相談所に通告。21年9月には嬉野容疑者から同署に「子どもとの接し方がわからない」と相談があり、中津児相も把握していたが、署は「この時は虐待は認められなかった」と説明している。 現場は3階建てアパートの2… この記事は有料記事です。残り158文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル