2023年1月10日 22時57分 堺市中区の自宅で昨年11月に遺体で見つかった男性が生前、区役所内や区職員の面前で隣人の男から暴行を受けていたとされる事件で、市が10日、記者会見を開いた。西川明尚区長は「疑問の残る対応が一部あった」と述べ、組織的な判断が不十分だったという見解を示した。 大阪府警によると、男性は無職の唐田健也(たつや)さん(当時63)。隣人の楠本大樹容疑者(32)は昨年10月15日~11月中旬、区役所の相談室や自宅マンションの通路などで計11回、唐田さんの肩や脇腹付近を殴るなどした疑いがあり、今月4日に暴行容疑で逮捕された。楠本容疑者は「じゃれ合う程度だ」と容疑を否認しているという。 区役所内の2回を含め、堺市内の携帯電話会社の店内など計5回の暴行現場に職員が居合わせていた。楠本容疑者は、府警に「(唐田さんから)金の管理を任されていた」と説明。関係者によると、2人は生活保護を受給していたという。 市は、区役所内や区職員の面前で行われたとされる暴行行為について「いざこざの範囲と認識していた」と説明。西川区長は「担当職員は当初、暴行事案とは認識しておらず、記録も残さなかった。上司や警察に相談する必要性を検討すべきだった」とし、ケースワーカーら個人ではなく「組織として判断するようにしたい」と話した。 楠本容疑者は、唐田さんの遺体が見つかった直後の昨年11月21日午後、区役所の相談室で唐田さんの弟(62)を呼び出し、現金約11万7千円を脅し取った恐喝容疑でも12月に逮捕されている。この際も職員が同席していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
迷いクジラ「淀ちゃん」なぜ大阪湾に えさ少ない浅瀬にとどまる理由
【動画】大阪湾・淀川河口付近で発見されて2日目。回遊を続けるクジラ=ABCテレビ撮影 大阪市の淀川河口に体長8メートルほどのクジラが入り込んでから、10日夕で30時間余り。ネット上では「淀ちゃん」の名前で呼び、安否を気遣う声が募る。えさが少ないはずの浅瀬にとどまって、大丈夫なのだろうか? 専門家に聞いた。 大阪湾の生態系に精通する市立自然史博物館の外来研究員・鍋島靖信さん(69)。今回見つかったクジラについて、鼻や背びれの位置、皮膚の特徴から「マッコウクジラではないか」と言う。 海流に流されてきた? マッコウクジラは北極から南極まで広域に生息し、成長するとオスの場合、体長16メートルほどになる。200メートル以上の深さまで潜り、ダイオウイカを主食とする。 大阪湾のイカは小さく、魚は動きが速いため、鍋島さんは「えさを追いかけて迷い込んだとは考えにくい」と話す。「何らかの理由で弱って泳ぐ力が落ち、海流に流されてきた」というのが見立てだ。 鍋島さんによると、1970年ごろから四十数年の間に、大阪湾で生きたクジラが見つかったのは数頭。ふだんは外洋にいるクジラが湾内に入り込むことは珍しいという。 14年前、和歌山では自力で 2009年5月には、和歌山県田辺市の内ノ浦湾に体長約16メートルのマッコウクジラが入り込み、20日後に自力で泳いで太平洋に姿を消したこともあった。 「外海は波が高いことから体力を消耗する」と鍋島さん。今回のクジラが同じような場所にとどまっている理由について、「波の低い浅瀬で体を休めているのでは」と推測する。 えさがなくても、クジラは体に蓄えた脂肪を使って約1カ月は生き延びることができるという。 鍋島さんは「1週間くらい見ないと、呼吸の様子などの変化がわからない。回復すれば自力で出て行く可能性もある。人為的に湾から追い出さず、いまは様子を見るべきだ」と話した。(高井里佳子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保育園嫌がる子の足首に5本のあざ 後絶たない不適切保育、防ぐには
うちの子も虐待を受けていたのでは――。静岡県裾野市の認可保育園で起きた園児への虐待事件を機に、保護者からそんな声があがっている。被害があっても幼い子どもは正確に伝えることが難しく、行政には警察に通報すべき明確な基準がない。保護者が相談に困惑することも。横浜市での事例を追った。 「あのとき、もっとしっかり対応してもらいたかった」。横浜市内に住む30代の夫婦は今も納得がいかない。 数年前、市が認可する保育施設に子どもが入園した。「行きたくない」。半年が経ち、3歳になる頃、毎朝玄関のドアにしがみついて泣き叫ぶようになった。夫婦は「イヤイヤ期なのかな」と思っていた。 同じ頃、子どもの足首に5本の指の跡のようなあざがあった。「見慣れないあざだな」。不審に思ったが、園からも説明はなく、いつの間にか治っていた。 子どもの送迎時に園の職員から耳打ちされた。「かなりひどいしかり方をして子どもを怖がらせる先生がいる。虐待かもしれない」。保護者同士で情報交換すると、ほかにも登園を嫌がる子どもがいた。複数の保護者が「虐待の可能性がある」と市に通報した。 市の調査で、ある職員が不適… この記事は有料記事です。残り1741文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
汚職で贈賄側の中学教科書、使用打ち切りへ 「不公正行為」で全国初
大阪府藤井寺市立中学校の教科書選定を巡る汚職事件を受け、市教育委員会は10日、贈賄側の大日本図書(東京)の数学と保健体育の教科書の使用を新年度から取りやめ、新たな教科書を採択し直すと発表した。文部科学省によると、採択で不公正な行為があったとして教科書を採用期間中に変更するのは全国で初めてという。 市教委によると、今の教科書は2021年度から4年間使う予定だった。今後、各社の教科書を評価する調査員の教員(5人)や、採択候補を選ぶ選定委員(6人)を新たに選び、2月下旬に採択する新教科書を決める。採択事務の透明性を図るため、従来はなかった選定委員会の議事録を作成するとしている。 文科省によると、教科書無償措置法の施行規則が16年に改正され、教科書採択で不公正な行為があった場合、採用期間の途中で別の教科書への変更が可能になった。 第三者委、聞き取り調査の対象人数は「非公表」 一方、市が設置した「市教科書採択に係る第三者委員会」(委員長・畠田健治弁護士)の第2回会合が10日、市役所で非公開で開かれた。 市教育委員会によると、委員3人が関係者に聞き取り調査をする日程案などを決めた。2月中をめどに調査し、その内容などに応じて第3回会合の日程を決める。調査対象の人数は「調査に支障がある」ことを理由に非公開としている。 この事件では、各社の教科書を比較する調査員に任命予定だった教員の氏名や、調査員が作成した資料を大日本図書に漏洩(ろうえい)したとして、教科書選定委員だった元市立中学校長(61)が加重収賄などの罪で昨年11月に在宅起訴された。 昨年12月21日の初公判で元校長は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6カ月を求刑。弁護側は執行猶予つきの判決を求めて即日結審した。 大日本図書の元取締役(65)と社員(35)は贈賄罪で略式起訴され、元取締役は罰金50万円、社員は同30万円の略式命令を受けた。(森嶋俊晴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
護衛艦いなづまが山口・周防大島沖で座礁 自力航行不能、けが人なし
古城博隆2023年1月10日 16時09分 10日午後0時半ごろ、山口県の周防大島南の沖合で、海上自衛隊の護衛艦いなづまから、「船体に大きな振動があり、自力航行できなくなった」と無線で第6管区海上保安本部に連絡があった。座礁したとみられ、現場周辺には油が漏れているが、船体に浸水はなく、けが人の情報もないという。 海上保安庁によると、事故の発生は午後0時10分ごろ。現場は浅瀬で、船底の下にあるスクリューが海底の岩などに接触した可能性があるという。 海自がタグボート3隻を向かわせ、いなづまを現場から引航する方針。いなづまは広島県尾道市の因島にあるドックで整備後、試運転中だったという。(古城博隆) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
平井知事が5選へ立候補表明 3月告示の鳥取県知事選、全国知事会長
2023年1月10日 16時30分 鳥取県の平井伸治知事(61)は10日の記者会見で、3月23日に告示される同知事選に5選をめざして立候補すると表明した。同知事選への立候補表明は、平井氏が初めて。 平井氏は、多くの県民から立候補の要請があったことを挙げ、「それに応え、身を投じるのが、県民の道具としてなすべきことだと思った」と説明した。ポストコロナを見据えた地域経済の再生などに注力する方針を示した。 同知事選を巡っては、昨秋以降、業界団体や県内全19市町村長、自民党県連などから平井氏に立候補を求める要望が相次いでいた。 平井氏は東京都出身。1984年に自治省(現総務省)に入り、鳥取県総務部長や副知事、総務省政党助成室長などを経て2007年の知事選で初当選。21年9月から全国知事会長を務めている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夜通しのナースコール、つい…自分が嫌に そして私は介護職を辞めた
A-stories「ケアワーカーがいなくなる?」 「こんな私が、介護をやってちゃダメだと思うんです」 母校の恩師にそう告げると、涙が止まらなくなった。 2016年7月。日向野(ひがの)由佳さん(28)が埼玉県内の特別養護老人ホーム(特養)で働き始めて、2年目の夏を迎えていた。 その日、入居者のトイレを介助していた。別の入居者が日向野さんの名前を呼ぶ声が何度も聞こえた。トイレに行きたいと訴えていた。 「ちょっと待っててね」 ――また、この言葉を言ってしまった。 本当は待たせたくない。 しかし、ほかに頼める職員はいない。だから、「ちょっと待って」が口をつくことは、それまでにも何度もあった。あとで「何度も呼んでごめんね」と謝られたこともある。 でも、対応できない自分が、悪いのかな。 なんだか、涙が出てきた。 この仕事、向いていないのかもしれない。 短大の介護福祉科で2年間教わった岡田圭祐(よしひろ)さん(45)のもとに、車を走らせた。話を聞いてほしかった。 「私は介護に向いていないのでしょうか。辞めたいんです」 「介護が好きなのはわかるよ。でも少し休憩してみたら? また走り出せばいいんだし」 恩師の言葉に、少し気が楽になった。 しかし、長くは続かなかった。 この特養では70人ほどが暮らす。当時、介護職員は二十数人だった。短大の授業では、高齢者の意思や意見を尊重することが大事だと学んだ。すぐに対応してほしいと思っている入居者を待たせることは、こうした考えに反すると思った。できるだけ待たせないようにと心がけていた。 しかし、実際には、勤務時間の間に食事からトイレ、入浴など、決められたことを「流れ作業」のようにすることで精いっぱい。手が回らないこともしばしばだった。 お年寄りにイライラするなんて、やばい 特に、夜勤の時間は職員も3人だけと少ない。 3人でおむつ交換や服薬などにあたっていると、あちこちの部屋からナースコールで呼ばれる。「ちょっと待ってよ!」。忙しい夜勤中は、口調まできつくなってしまう。 トイレに付き添ったばかりの女性入居者にナースコールで呼ばれ、湿布を貼ってほしいと頼まれた。それを終えて居室から出ようとすると、また名前を呼ぶ声が後ろから聞こえた。 「また?」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Hawks announce signing of former Rangers starter Kohei Arihara
Fukuoka – The Fukuoka SoftBank Hawks announced the signing Tuesday of free-agent right-hander Kohei Arihara, making his return to Nippon Professional Baseball following a two-year stint with the Texas Rangers. The 30-year-old is expected to be part of the starting rotation for the 2022 Pacific League runners-up following the departure […]
廃線になった31駅を訪ね続ける元運転士 急行「能登路」の記憶
石川県にかつて金沢と奥能登を結ぶ二つの路線があった。その区間を走ったのが急行「能登路」。廃止からまもなく21年になる。今年7月に定年を迎える元運転士が当時を振り返った。 能登路は、1964年に準急でデビュー。金沢を出発し、津幡から七尾線に入り、途中の穴水で分割と連結が行われた。能登線(穴水―蛸島)の珠洲方面と、そのまま七尾線終点の輪島まで両線を走った。 七尾線は戦前の1935年に輪島まで、能登線は戦後の64年に蛸島まで全通した。しかし、能登線は国鉄時代から赤字続きで、87年のJR発足の翌88年に第三セクター「のと鉄道」に転換された。91年には七尾―輪島間も同社へ移った。 その後も赤字は改善されず、2001年に穴水―輪島間が廃止、05年には能登線が全線廃止となり、穴水以北の鉄路が地図から消えた。国鉄民営化後に三セクになった路線での全線廃止は、JR西管内では初めてだった。 能登路の定期列車は2002年3月22日まで走った。車両は国鉄の急行用気動車「キハ28」「キハ58」。七尾機関区には多いときは約100両があり、10両編成の列車もあったという。ヘッドマークは、昨年6月の能登地震で斜面の一部が崩落で話題となった見附島が描かれていた。 「今なら映えスポットになったはず」 能登路の元運転士で、JR西… この記事は有料記事です。残り980文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「わかやまポンチ」である三つの条件 土産からコースのデザートまで
大蔦幸2023年1月10日 14時00分 梅の生産量が日本一の和歌山県(2020年農林水産統計)。ミカン、桃、柿、ハッサクなど様々な果物が育つフルーツ王国でもある。ご当地スイーツ「わかやまポンチ」が最近、人気だ。どんな「ポンチ」? ①県産梅の加工品等を使う②一つ以上、県産の果物を使う③果物が県産品であると示す――が「わかやまポンチ」である条件。これさえ満たせば、ゼリーでもケーキでも名乗れる。09年、県と地元飲食店が協力し、果物と梅の魅力をPRしようと始まった。今や県外を含め、72店が登録する。コース料理のデザートで出されたり、お土産として売られたり、様々な広がりを見せ、店ごとに違う「ポンチ」が提供される。県では、21年に「#わたしのわかやまポンチ」と題し、インスタグラムでオリジナルポンチを投稿してもらうコンテストも行った。 「県内外の人に和歌山が食の宝庫だということを、再確認してもらえたらうれしいです」と県食品流通課の戸瀬憲人さん(34)。 全国わかやまポンチ協会総裁で、和歌山市内でバー「サウスウエストカフェ」を営む小山よしおさん(54)は、フローズンのミカンをベースに、イチゴや柿など季節の果物を山盛りにのせた「わかやまポンチ」を提供する。シャリシャリしたフローズンミカンの口当たりがよく、甘さも控えめ。イチゴ、柿、ブドウ、ミカンにキウイ、7種類ほどの果物を順番に口に入れる。多くが県産だ。 「こんなにたくさんのフルーツを一度に食べられるなんて、とてもぜいたくでしょう」と小山さん。(大蔦幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル