三木一哉2023年1月3日 18時44分 稚内海上保安部は昨年12月27日付で、同年3月31日にさかのぼって、巡視船の男性航海士補(22)を国家公務員法に基づく失職とした。男性航海士補は道交法違反で禁錮刑以上が確定したにもかかわらず申告せず、約9カ月間勤務を続けていた。 同海保によると、男性航海士補は一昨年6月、法定速度60キロの稚内市内の国道で81キロオーバーで走行、道交法違反(速度)で摘発された。その後、旭川地裁稚内支部に起訴され、昨年3月31日に懲役4カ月、執行猶予2年の有罪判決が確定した。 禁錮刑以上の刑確定で失職すると定めている国家公務員法に抵触するが、男性航海士補は、上司に申告せずに勤務を続けた。昨年12月、旭川地検の問い合わせで発覚した。同地検が稚内海保から受け取った別の事件の最近の捜査関係書類に、男性航海士補の名前があったという。 稚内海保では、4月以後の給与の返還を求めることも検討している。同海保の内海雅雄部長は「誠に遺憾であり、大変重く受け止めている。職員への指導を徹底し、再発防止につとめます」とコメントした。(三木一哉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
感情のケチはつまらない人生 芥川賞作家が語る「よりどころ」の意味
日常の細やかな描写を通じて小さく立ち直る人たちを描いてきた、芥川賞作家の津村記久子さんに、「よりどころ」について話を聞きました。 つむら・きくこ 1978年、大阪府生まれ。2005年、「マンイーター」(後に「君は永遠にそいつらより若い」に改題)で作家としてデビュー。09年、「ポトスライムの舟」で芥川賞を受賞した。「この世にたやすい仕事はない」「つまらない住宅地のすべての家」など著作多数。 パワハラ被害 カウンセラーの「大丈夫」に励まされた ――新卒で入った会社でパワハラに遭い、その経験を小説「十二月の窓辺」で記しています。パワハラに遭った時、「よりどころ」にしていたものはありましたか。 9カ月くらい勤めていたのですが、最後の2カ月の間はずっと怒鳴られていました。普通に電話で仕事の話をしているだけで怒られるなど、理不尽なことも多かったです。 印刷関係の会社でしたが、存在しない製版フィルムの紛失を、私が書いたわけではない仕様書のミスで私のせいにされるという事件がおきました。ありもしないことを理由に怒られる、ということをされた時点でおかしいなと思いました。そこで自分は辞めたのですが、早く抜けられてよかったなって思います。 当時は何をしていたのかな。何もなかったんじゃないかな、音楽を聴いていたくらいで。パワハラを受けたのは2カ月くらいの期間だったので、心は保てていなかったけれど、惰性で会社に行けていた、という感じでした。 ――会社を辞めた後は。 「もう会社勤めはできない」と思った時期もありました。そこで職業カウンセリングを受けたんです。私が「能力がないのでもう働けない」と言うと、カウンセラーさんは、「別に普通よ」と答えてくれて。自分と何の利害もない人が「大丈夫」と言ってくれたのが大きかったです。 別れ際に、私がよっぽど不安そうにしていたのか、「自分は火曜日と木曜日の夕方にここにいるから、何かあったら来なさい」って言ってもらえたんですよね。そうやって、人に気にかけてもらえたのが支えになりました。 大きな幸せは書けないけれど ――津村さんの作品では、何らかのきっかけを得て立ち直る人が多く登場する印象です。 そうですね。大きな幸せの話… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3年ぶりに幸運の玉、競り合う 福岡・筥崎宮で正月恒例「玉せせり」
吉本美奈子2023年1月3日 19時30分 締め込み姿の男たちが木の玉を奪い合う、正月恒例の「玉せせり」が3日、筥崎宮(福岡市東区)で行われた。コロナ禍で過去2年は神事のみだったが、3年ぶりに勇壮な競り合いが見られた。 触れると幸運を授かるという玉は、直径約28センチ、重さ8キロ。勢い水を浴びながら、氏子ら約200人が肩車をして玉を奪い合う様子を、約5万人の観客が見守った。(吉本美奈子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
映画館跡地を照らす希望の明かり 旦過市場火災で全焼した小倉昭和館
安斎耕一2023年1月3日 17時30分 昨年8月の旦過(たんが)市場一帯の大火で焼失した北九州市の老舗映画館「小倉昭和館」の跡地で、竹灯籠(とうろう)の温かみのある明かりが不定期にともされている。 小倉城を幻想的に彩る「小倉城竹あかり」の実行委員会メンバーが制作。昨年11月のイベントで使用した竹灯籠が、昭和館の樋口智巳館主に贈られた。 再建に向けて奔走する樋口館主は「またこの地に戻るという決意も込めて、飾らせていただく」。復活を心待ちにするファンたちにとっても希望の灯だ。(安斎耕一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3年ぶりに「かるた始め式」、平安装束の姫が優雅に対戦 八坂神社
華やかな平安装束でかるたの手合わせをする「かるた始め式」が3日、京都市東山区の八坂神社で3年ぶりに開催され、新春の古都に彩りを加えた。 和歌を初めて詠んだとされる素戔嗚尊(すさのおのみこと)をまつる八坂神社が行っているが、新型コロナウイルスの感染拡大で2021年と22年は中止していた。 参拝客でにぎわう境内の能舞台が会場。全日本かるた協会近畿支部の18~29歳の女性8人が、着物姿のかるた姫に扮して2人1組で対戦した。小倉百人一首の上の句を読み上げる声が響くなか、優雅な手さばきで札を取り合った。後藤遥香さん(20)は「ゆったりと取るしぐさが難しかったが、緊張せずに堂々とできました」と話した。 式では、荒川裕理・元クイーンと築山藍四段による競技かるたの披露もあった。(西田健作) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
67歳の新人漫画家 見いだしたのは、「スペリオール」副編集長
岡田昇2023年1月3日 18時00分 小学館「ビッグコミックスペリオール」編集部の副編集長、小鷲夏之さん(48)が「描きたいものが常にある、初期衝動に満ちあふれた素晴らしい新人」と評する漫画家が現れた。北海道在住のハン角斉(かくさい)さん(67)。還暦を過ぎてから漫画家になる夢をかなえ、今年10月には初単行本「67歳の新人 ハン角斉短編集」(小学館、715円)が発売された。 ハンさんが世に出るきっかけになったのは、小学館の「新人コミック大賞」。2019年、「眠りに就く時…」というタイトルの作品が小鷲さんの目にとまった。過去の受賞者には10代、20代が並ぶコンテストにもかかわらず、著者は60代の男性。だが、狂気じみたと言えるほど書き込んだ絵から、手をかけた仕事ぶりが伝わってきた。不条理なストーリーの中に幻想的でエロチックな要素もある。食い入るように読んだ。 一方、編集部内には「絵が古い」「年齢が」と厳しい声もあった。賞には届かなかったものの、ハンさんに興味を持った小鷲さんは担当者になることを名乗り出た。翌年、ハンさんの作品が「ビッグコミックスペリオール」に初めて掲載された。 「眠りに就く時…」など6作品が収められた単行本はすでに重版がかかった。小鷲さんは「ハンさんの作品には人生の不条理を味わった作者自身が反映されている。この年齢だからこそ描ける」と話す。(岡田昇) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
MLB stars put Japan on track to reclaim WBC crown
After back-to-back World Baseball Classic semifinal exits, a strong cadre of MLB regulars have put Samurai Japan in a strong position to claim its third tournament title in March and first since 2009. Two-way star Shohei Ohtani, the 2021 American League MVP, veteran starting pitcher Yu Darvish and outfielder Seiya […]
「待ったかいがあった」 雪残る阿蘇山上、雲ごしに見えた初日の出
城戸康秀2023年1月3日 13時11分 熊本県の阿蘇山上は1日、初日の出を見ようという人たちでにぎわった。阿蘇五岳のひとつ杵島岳(標高1326メートル)は山頂一帯が雲に覆われる中、未明から約50人が待機。午前8時ごろまで粘った人たちが雲ごしのご来光を楽しんだ。 杵島岳は、噴煙を上げる中岳方向に太陽が昇る。1年前にも訪れ、その絶景を満喫した阿蘇市の杉本光さん(33)は「見えるのが当たり前ではなく、昨年がとてもありがたかったことなんですね。(雲ごしとなった)今年も待ったかいがありました」と喜んでいた。 この日、杵島岳南にある草千里駐車場には12月31日深夜から福岡など県外ナンバーの車が続々と登場。防寒着に身を包んだ人たちは、真っ暗な中、中岳や五岳最高峰の高岳を目指した。 比較的標高が低い杵島岳でも、駐車場付近より気温が2~3度ほど下がる。山頂の標柱につけられた気温計は零下5度。風をさえぎる木もない。日の出を待つ人たちは、残雪や霜に覆われたくぼみにしゃがみ込むなどして耐えていたが、帽子や上着は霧氷で白くなっていた。(城戸康秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県で食用エミューに高病原性鳥インフル疑い 県内は今季5例目
山崎毅朗2023年1月3日 13時55分 福岡県は3日、古賀市の農場で死んだ大型鳥エミューから高病原性が疑われる鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたと発表した。県内での鳥インフルエンザの確認は今季5例目。 昨年12月下旬に糸島市内の養鶏場で2例の発生が確認されていたが、県は、距離が離れていることなどから、今回のケースの感染経路は異なるとみている。 この農場では約430羽のエミューを食用で飼育していたが、1、2日にかけて計26羽が死亡したため県に報告した。県は11羽のサンプルを2日に簡易検査し、7羽の陽性が判明。3日朝には遺伝子検査でH5亜型と判明した。 県は農場のエミューの殺処分を進めるとともに、半径3キロ以内を鶏や卵の移動を禁じる移動制限区域に、半径3~10キロ圏内を区域外への持ち出しを禁じる搬出制限区域にそれぞれ設定した。(山崎毅朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
添い寝せがむ1歳、迎え来ぬ3歳 1人親の支え 足立の眠らぬ保育園
東京都足立区の竹ノ塚駅の近く、フィリピンパブや飲食店が並ぶ繁華街。その一角のビルに、「この木なんの木園」はある。 午後8時半ごろに訪れると、子どもたち8人が走り回ったり、絵本を読んだりしていた。その脇で布団が敷かれ始める。 「寝るよー。電気消すよー」 照明が半分落とされ、9時には完全に消えた。 24時間子どもを預かる認可外保育園。夜間利用の場合、園児たちは夕方から深夜にかけてやって来る。 利用する保護者の大半は、夜遅くまで働くシングルマザーだ。 ◇ 園の夜は長い。 午後6時半。抱っこひもで赤ちゃんを抱えたコート姿の女性が来た。 女性は20代。都内のキャバクラで働き始めた。専業主婦だったが、夫と離婚。我が子を育てるために、「稼ぎのいい」夜の仕事を選んだ。 「不自由させたくない」 昼間の仕事の経験はない。水商売のシングルマザーは収入が不安定とみられて家を借りるのが難しいと聞き、専門の仲介業者でワンルームマンションを見つけた。家賃は月9万円で、保育料は月7万6千円かかる。最初の月の給料は24万円。「今はぎりぎりだけど、シングルマザーだからといってこの子に不自由はさせたくない」。週5回、未明まで園を利用している。 午後7時。中国籍の女性(42)が6歳の長女を迎えに来た。 秋葉原の家電量販店で携帯電… この記事は有料記事です。残り1372文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル