有料記事 論説委員・井田香奈子=司法社説担当2023年1月28日 19時00分 生まれてきた赤ちゃんの父親は、法で決まる。子どもを守るはずのこのルールが、思いがけない窮地に母子を追い込むこともある。 そう知ったのは1990年代にさかのぼる。 夫の暴力にたえかね、家を出た女性が、新しいパートナーと出会い、子どももできた。出生届を出すと、「お父さんは『前の人』でしょ」と、職員が赤ペンで父親の欄を直してきた。 「子どもの父親は母親が妊娠した当時の夫」とする民法の「嫡出(ちゃくしゅつ)推定」の規定では、法的な父は前夫となってしまう。何度かけあっても、実の父を父親とする出生届は受理されず、子どもは戸籍に記載されなかった。 事実と違う父子関係をすぐ正せるならまだいい。だが、否定する権利は夫側が独占し、その協力が得られない場合、母子側がとれる手は極めて限られていた。 「なぜ勝手に国が父親を決めるのか」 そんな悲鳴が聞こえるような… この記事は有料記事です。残り845文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
映画館の座席9999円ナリ スクリーン閉鎖で売却、ファン殺到
東京・池袋で22年続く映画館「池袋HUMAXシネマズ」(東京都豊島区東池袋1丁目)が、一部のスクリーンを閉めるのに伴い、座席など館内の設備を売り出した。座席の販売は珍しいといい、応募が殺到。28日には販売会が開かれ、映画ファンらが訪れた。購入者たちは自分で席を取り外し、車などで持ち帰っていた。 今回販売するのは、ドア計6セット(各1万5千円)▽チケットのもぎり台1台(6千円)▽売店で商品を購入した際に渡されるトレー計136個(各400円)など。目玉商品は、ひじ掛けやカップホルダーがついた黒い座席計256席(各9999円)だ。重さは約25キロで、26日まで実際に使用されていたものだ。 運営元のヒューマックスシネマによると、同館の開業は2000年。6カ所のスクリーンで運営してきたが、そのうち2カ所の閉場を決め、その設備を販売することにしたという。 1月6日から同館のサイト上で購入希望者を募ったところ、2週間で応募が上限に達し、締め切った。販売会には事前に予約した人たちが訪れた。同館の広報担当者は「劇場での思い出が残ればいいなと企画しました」と話す。販売会は29日もある。 新築祝いやカフェ作り… それぞれの活用法 販売会には様々な人が訪れた… この記事は有料記事です。残り1311文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
記録的寒波で水道管破裂、石川の1万世帯が断水 鳥取では孤立集落も
2023年1月28日 19時43分 記録的な寒波や大雪のため、28日も日本海側を中心に断水など生活への影響が出た。 石川県では、26日夜から相次いだ水道管の凍結や破裂による断水が28日も続いた。県によると、輪島市など能登地方を中心に、約1万1千世帯が断水の影響を受け、給水車による支援が続いている。輪島市では支援にあたる人員や資材が不足し、27日夜に県を通じて自衛隊への災害派遣を要請。陸上自衛隊金沢駐屯地によると、28日朝から給水トレーラーなど10台を同市に派遣したという。 鳥取県では大雪による倒木や電柱の倒壊で、28日に鳥取市の佐治、青谷両町など5カ所で計394世帯、879人が孤立状態となった。県によると、両町では夜までに緊急車両が通れるようになり、391世帯の孤立が解消された。人工透析が必要な人が2人いたが、病院に運ばれた。体調不良を訴えている人はいないという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松野官房長官の秘書が酒気帯び運転か 店で焼酎3杯、帰宅中に赤切符
2023年1月28日 20時00分 松野博一官房長官(衆院議員、千葉3区)は28日、地元事務所に勤務する男性政策秘書(49)が道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで千葉県警に交通切符(赤切符)を交付されたと明らかにした。秘書は容疑を認めており、近く政策秘書を辞めるという。 松野氏によると、秘書は27日午後8時ごろ、千葉市緑区内で、酒気帯びの状態で自家用車を運転。パトロール中の警察官に止められ、呼気検査をしたところ基準値を超えるアルコールが検出されたという。同区内の居酒屋で1人で飲酒した後、数百メートル離れた自宅に帰る途中だった。店では約1時間の間に焼酎を3杯程度飲んだという。 松野氏は都内で記者団に「法令に違反する行為を行ったことは極めて重く受け止める。管理、監督が行き届かず、国民に率直におわびを申し上げる」と述べた。 秘書は事務所には20年以上勤務しており、勤務態度には問題なかったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雪の影響、奈良の「若草山焼き」にも 燃え方は全体の約10%に
米田千佐子2023年1月28日 21時00分 古都・奈良に早春の訪れを告げる伝統行事、若草山(奈良市、標高342メートル)の山焼きが28日夜にあった。3年ぶりの通常開催を17万人が見守った。約600発の花火が寒空を彩った後、奈良市消防団員ら約300人がほら貝、ラッパの合図で一斉に草地に点火していった。市内はこの日、雪が降ったりやんだりした。消防団員らが懸命に火をつけ続けたが広がらず、燃え方は全体の約10%にとどまった。(米田千佐子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国公立大の部活を応援する会社、社員はホッケー部、アメフト部出身
カンサイのカイシャ ここがオモロイ! みなさま~、たいへん長らくお待たせいたしました。ただ今より、株式会社「部活のみかた」のご紹介をさせていただきます。ひと言で申し上げますと、国公立大で部活をがんばる学生たちを応援する会社でございます。私は東大応援部卒。文中に、○○高等学校出身、と出てまいりましたら、お約束のかけ声、「名門!」と心の中で言ってくだされば幸いです。 まずはスタッフ紹介。登場いただきますのは、大阪府私立(わたくしりつ)大阪星光学院高等学校出身(名門!)、谷村謙一さんで~ございます。 このお方、29歳。もともとはサッカー少年でしたが、中学受験に成功して心機一転、フィールドホッケーを始めました。高校生の先輩たちの優しさにつつまれて練習に励み、高校生になったころにはチームの中心選手となっていらっしゃいました。 小学校の先生になりたくて神… この記事は有料記事です。残り1635文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 #KANSAI 近畿の魅力を再発見する新企画。社会・経済から文化・スポーツまで、地元愛あふれるコンテンツをお届けします。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
廃ホテルに集う80人 「ルフィ」らの詐欺集団、被害は15億円以上
各地で相次いだ強盗事件で、「ルフィ」を名乗って複数の事件を指示していた疑いが持たれている男らは、過去にフィリピンを拠点とした特殊詐欺グループの幹部でもあったとみられている。警視庁は男ら4人の逮捕状を取っており、4人を収容しているフィリピン側に引き渡しの要請を続けていた中で強盗事件が起きていた。 男らが収容されているのは、マニラ郊外の広大な警察敷地の一角にある入管施設。高さ約4メートルのコンクリート製の壁に囲まれ、壁の上には有刺鉄線が張りめぐらされている。警視庁が逮捕状を取得している4人のうち、渡辺優樹容疑者(38)は現地警察の間で「ビッグボス」と呼ばれていたという。 フィリピン司法当局や地元メディアによると、フィリピン警察当局は2021年、渡辺容疑者をオンライン詐欺や恐喝などの疑いで逮捕した。警察当局は調べを進める中で、渡辺容疑者が「日本やフィリピンを含む複数の国を対象にした最大の特殊詐欺グループ」に所属していると判断。その後に出国禁止命令が出され、同年から入管施設に収容されていた。 日本側も、警視庁が特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑などで渡辺容疑者らの逮捕状を取っており、フィリピン側に身柄の引き渡しを求め続けていたという。 この特殊詐欺事件は、19年までの2年間に約1700件、15億円以上の被害を及ぼしたとされている。 週休2日の歩合制 1週間で手にする額は 主な手口は、警察官をかたっ… この記事は有料記事です。残り772文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皿に口をつけて食らう 腕が動かなくなったすし職人、復活への執念
有料記事 編集委員・中島隆2023年1月28日 18時00分 京都市の繁華街、四条河原町。その騒がしさの横につながる長屋の一角、そこに江戸前ずしの店「ひご久」がある。 肥後誠治さん(58)と久美子さん(63)の夫婦ふたりで、切り盛りする。店は最大11人が座れるカウンター席だけ、一晩に座れるのは1席に1人だけ、予約客だけ。そして、料理は誠治さんが心をこめてつくるおまかせだけ。 だけ、だけ、だけ。そんな限定をしているのには、理由がある。 これは、すし職人を続けることをあきらめなさいと医師に宣告された夫と妻の、奇跡の物語である。 2013年5月の、ある朝。誠治さんが目覚めると、首に激痛をおぼえた。寝違えたのだろう。2~3日したら治ると思ったが、治らない。指がしびれるようになった。 「はよ病院に行こ」… この記事は有料記事です。残り1866文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
次々倒れる戦友、とぎれる君が代 戦艦「武蔵」元乗組員らの手記復刻
太平洋戦争中にフィリピン沖で撃沈された戦艦「武蔵」の元乗組員ら215人の手記を収めた「嗚呼(ああ) 戦艦武蔵」(中央公論新社)が30日、出版される。1970~80年代に2冊の手記集がつくられたが、いずれも戦友会関係者向けで数も限られており、一般の人の目に触れることはほとんどなかった。戦後78年を迎える今、「証言を後世に残したい」と1冊の書籍にまとめて復刻した。 元乗組員らでつくる「軍艦武蔵会」は77年に「嗚呼 戦艦武蔵」、82年に「続!!嗚呼 戦艦武蔵」の2冊の手記集を作成した。ただ、いずれも500部程度が内部で配られただけで、図書館で閲覧することもできなかった。 編集の中心となったのはノンフィクション作家で、武蔵会顧問の手塚正己さん(76)。3年ほど前から復刻に向け、仲間と2冊の手記集の校正作業を重ねてきた。文章を読み込み、分かりづらい海軍用語に説明を付けたり、史実との食い違いに注釈を加えたりした。 武蔵は42年8月、「大和型… この記事は有料記事です。残り602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大きなオブジェは人気の撮影スポット、タマネギ愛あふれる淡路島
有料記事 文・前田智 写真・林敏行2023年1月28日 15時00分 行列の先には、1台のクレーンゲームがあった。キャッチに成功すると鐘が鳴らされ、周囲から歓声が上がる。クレーンの先にあるのは、ぬいぐるみでも、おもちゃでもなく――。 大鳴門橋や四国を見渡せる展望台で、巨大なタマネギのオブジェが朝日を受けて輝いていた。高さ2・8メートル、直径2・5メートル、重さ250キロ。名は「おっ玉葱(たまねぎ)」。訪れた人は「タマネギや~」と歓声を上げる。 淡路島南部の兵庫県南あわじ市。渦潮で知られる鳴門海峡に近い高台にある観光施設「うずの丘 大鳴門橋記念館」はタマネギへの愛であふれていた。 クレーンゲームでつかむのはタマネギ。つかめると、1・2~1・5キロほどのタマネギがもらえる。キャッチコピーは「とれないと泣ける。とれても泣ける。たまねぎキャッチャー。」。タマネギ形のいす、タマネギ形の髪形になれる「たまねぎカツラ」もある。 島は全国有数のタマネギ産地。温暖な気候とミネラル分が豊かな土が育んだタマネギに「とことん、こだわりました」と運営する第三セクター会社取締役の宮地勇次さん(38)は話す。横浜市の大学生・本間愛梨さん(21)と中川菜留美さん(21)は「景色もきれい」と盛んにオブジェを撮影した。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。2月5日(日)締め切り 1985年にオープンした同… この記事は有料記事です。残り812文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル