東京五輪・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件で、大会組織委員会の大会運営局の元次長・森泰夫容疑者(55)と広告最大手「電通」側が、業務の発注が競技ごとから会場ごとに急きょ変更されたことに伴い、受注調整を加速した疑いがあることが、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は発注者である組織委の元幹部らから事情を聴いて経緯を調べている。 森元次長や電通スポーツ局の元幹部・逸見(へんみ)晃治容疑者(55)らは、各競技のテスト大会や本大会の運営業務について、会場ごとの受注予定業者を2018年2~7月に決めたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕された。契約金は400億円規模で、電通を含む7社が談合容疑の対象になった。 関係者によると、森元次長は当初、競争入札ではなく、意中の業者を指名する随意契約を提案していた。だが、組織委内で異論が出るなどし、最初に発注するテスト大会の計画立案業務は入札形式とする方針が18年1月に決まったという。 さらに、森元次長らは競技ごとの発注を想定していたところ、入札が始まる2カ月前の同年3月になり、組織委幹部が会場ごとに変更するよう指示した。 元請けと下請けを振り分けか 五輪とパラリンピックをまた… この記事は有料記事です。残り373文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自治会、都内で6年間に144減 「役員の負担重すぎる」相次ぐ解散
自治会・町内会の活動が、岐路に立たされている。東京都の自治会など「地縁団体」の数の調査によると、都内23区と26市で、昨年は6年前と比べて144減っていた。高齢化などによる担い手不足が主な理由だという。 国の調査によると、加入率も年々、減っている。自治会は地域のコミュニティーづくりや防災・災害時の助け合い、行政機関への要望など多くの役割を担ってきた。住民の生活スタイルが多様化する中で、どのように持続可能なものにしていくかが課題だ。 東京都は、地縁に基づいて形成された自治会や町会、区会などを「地縁団体」と定義し、毎年集計している。自治会は、マンションなどができて新設されることもあれば、解散してなくなったり、複数の会が合併したりすることもある。都はそれを差し引きした数を集めている。 49区市の地縁団体の数は、現在の定義で集計を始めた2016年は8931だったが、22年には8787と144減少した。49区市のうち、全体の数が減った自治体は27。一方、10自治体では増えていた。 最も多く減っていたのが調布市で、マイナス41。市によると、解散の主な理由として「高齢化による後継者不足」「会員数が少なく、自治会の意味がない」などがあがった。加入率も、12年度の46・9%から、21年度は36・8%と減っているという。 調布市に次いで減少数が多かった清瀬市では、22年までの10年間に30の地縁団体が解散。新たに三つできた。 23区では港区が最も減っており、22年までの10年間で解散は15(新設は7)だった。解散理由は、「住宅地の再開発、人口流出」のほか「会費の徴収が困難になった」「役員の高齢化、役員数の恒常的な不足」などだった。 こうした傾向は全国的にも同じだ。 内閣府の調査(回答市区町村:1157、16~17年)では、自治会の課題として、「役員・運営の担い手不足」が86・1%と最も高く、次いで「役員の高齢化」が82・8%だった。その後「近所付き合いの希薄化」「加入率の低下」が続いた。 加入率も減少傾向だ。 総務省の、毎年度の自治会の加入率を把握している624市区町村を対象にした調査によると、政令指定都市では、10年度に77・2%だったのが、20年度には70・3%に。ほかの市区町村でも減少傾向だった。 懸念されるのが、地域社会を支える組織がなくなることだ。総務省も21年、大学教授や街づくりコンサルタントらによる「地域コミュニティに関する研究会」を設置した。22年4月に出された報告書では、自治会活動の持続可能性を高めるため、負担を減らす必要があると言及。回覧板などを使った情報伝達や、防犯灯・ごみステーションの設置管理、民生委員の推薦など、自治体が協力を依頼している業務について、見直す必要があると提言した。 また、情報共有を効率化するため、電子回覧板やオンライン会議など、市区町村が自治会のデジタル化に取り組むことの必要性にも触れた。 ◇ 体験談やご意見をお寄せください。メールでdkh@asahi.comまで。(片田貴也 篠健一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国民の知りたいに応えなかったコロナ接触確認アプリ 次に生かすには
新型コロナウイルスに感染した人との接触を知らせるスマートフォンのアプリ「COCOA(ココア)」が昨年11月、停止した。なぜ、日本では利用が広がらなかったのか。情報通信政策やデジタルエコノミーに詳しい早稲田大学の三友仁志教授に聞いた。 ――新型コロナウイルス接触確認アプリ「ココア」は失敗だったのでしょうか。 「成功か失敗か、ひとことでは言いにくいですね。国が最初に作ったアプリで、手探りの部分もあったはずです。初めてのことで、しかも短期間のものとしては、失敗とまでは言えないのではないでしょうか。しかし、アプリが十分な効果を持ったかという点では、その役割は非常に限定的で、成功とは言えません。課題は、アプリの普及が十分ではなかったということに尽きます」 ――なぜ、普及しなかったのでしょう。 「利用者、非利用者を対象に調査をしました。もちろんアプリへの不信感や新型コロナについての情報が少なかったということも、利用が広がらなかった理由としてありますが、それだけでなく、アプリの役割について、政府の説明が十分ではなかったことが大きいと思います。提供側の思いと、国民の期待とが合致しなかった。これには、当時の政権への信頼感が低かったことも影響したかもしれません」 「例えば、インストールしない理由を尋ねた質問では、『政府に対する信頼がない』が44・5%ありました。『アプリに対する信頼がない』69%、『強制力がない』45・6%に次いで高いものでした」 「また、アプリをインストールするかどうか判断するのは個人です。自分にとって、感染の源となるような人との接触の有無を知りたいわけです。アプリから的確な情報を提供してもらえることを期待します。しかし、アプリからの情報は非常に限定的でした。アプリをインストールして、国民一人ひとりにどんなメリットがあるのか。その説明と理解が不足していました」 「個人が知りたいのは、いつ、どこ、誰、の三つです。しかし、アプリから得られる濃厚接触の情報は、これらが非常にあいまいにしか伝えられませんでした。接触したのが『誰』かわからない。『いつ』『どこ』についても、24時間の範囲ぐらいしかわからない。それでは対策の取りようもないし、『もしかしたら、あの時か』と考えようもない。どうにもならないわけです」 「それでも、このアプリがなぜ必要なのかということを、政府は国民に周知しなければいけませんでした。そのとき、『国民の6割が使えば、感染をコントロールできる』というような社会的な効用だけを訴えても、一人ひとりの個人を動かすには至りません」 「人には正義感もありますし、利他的な行動を取ることもします。身近な他人に感染させないために、あるいは、家族を守れるかもしれない。そうした意味でアプリが役に立つという言い方はできたのではないでしょうか。しかし、例えば、陽性者にとって陽性登録はまったくの利他的行動ですが、全陽性者の2~3%しか登録がありませんでした」 COCOAの利用がどうして広がらなかったのか。その理由を探っていくと、日本のDXの課題も見えてきます。後半で詳しく聞きました。 「経済学の言葉で『便益』と言いますが、そうした便益を自分自身の便益として実感させることができれば、国民は、もっと協力的になったのではないかと思います」 ――しかし、感染者のプライ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪城公園で梅が見頃 天守閣のお膝元に104種、1235本
大阪城公園(大阪市中央区)の梅林で、梅が見頃を迎えている。 天守閣に近い約1・7ヘクタールの梅林に、104種、1235本の梅が植えられている。2月中旬は深紅の「鹿児島紅(こう)」、白色の「南高」などが開花している。遅咲きの品種は3月中旬まで見られる。 大阪城公園の梅林は、197… この記事は有料記事です。残り67文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1位ネコバス、2位はアーニャのキツネダンス 3年ぶり雪まつり閉幕
佐野楓2023年2月11日 19時45分 3年ぶりに開かれた「第73回さっぽろ雪まつり」が11日、閉幕した。最終日には市民雪像58基の人気投票結果が発表され、スタジオジブリ作品「となりのトトロ」に登場するネコバスとサツキとメイ姉妹を緻密(ちみつ)に再現した「猫バス・スマイル」が1129票を集め、1位に輝いた。 制作したのは「東光電気工事北海道支社」(札幌市中央区)の雪像制作チーム。初出場した前回、トトロ像で2位に入った。3年ぶり開催で「子どもや海外からの観光客に、笑顔で見てもらいたい」との思いから、雪像もキャラクターの「笑顔」を前面に出した。 12月下旬から準備を始め、本州からの応援も含めて延べ40人が参加した。コロナ禍の影響でルールが変わり、5日間だった制作期間が3日間に、一度に携われる人数が5人に制限された。チーム代表の北田康子さん(52)は「短い期間で完成するか心配だったが、前回よりも進化した作品ができた。360度どこから見てもネコバスに見えるように、細部までこだわったのでうれしい」と話した。 2位にはアニメ「SPY×FAMILY」の人気キャラクター「アーニャ」がキツネダンスする像(札幌塗装工業協同組合 青年部会 M)、3位は大谷翔平選手像(きたきつね)が選ばれた。上位3グループには、次回の市民雪像制作の参加資格が与えられる。(佐野楓) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
春の訪れ告げる「からかい神事」 愛知・豊橋、3年ぶり有観客で開催
戸村登2023年2月11日 20時00分 愛知県豊橋市の安久美(あくみ)神戸(かんべ)神明社で11日、国の重要無形民俗文化財に指定されている「豊橋鬼祭」の本祭が開かれた。東三河に春の訪れを告げるもので、3年ぶりに有観客で開催。呼び物の「赤鬼と天狗(てんぐ)のからかい神事」などを大勢の見物客らが見守った。 「からかい神事」では、天狗に負けた赤鬼が、厄よけの「タンキリあめ」をまき散らしながら退散。氏子が白い粉をまき、見物客は粉まみれになりながら、あめを手に入れようと手を伸ばしていた。 今年の鬼祭では、天鈿女命(あめのうずめのみこと)面が新調され、10日の岩戸舞で披露された。(戸村登) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝日大、静岡・東豊田中、浜松日体中が全国へ 東海アンサンブルコン
第49回東海アンサンブルコンテスト(東海吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が11日、津市の三重県文化会館で開幕した。初日は大学、小学生、中学校の3部門に愛知、岐阜、三重、長野、静岡の5県から41チームが出場。金賞のうち大学の部は岐阜県の朝日大(木管三重奏)、中学校の部はいずれも静岡県の静岡市立東豊田(フルート四重奏)と浜松日体(管楽器八重奏)が3月19日に浜松市で開かれる全日本アンサンブルコンテストの東海代表に推薦された。各部門の最優秀チームには朝日新聞社賞が贈られた。 12日は職場・一般の部と高校の部が行われる。 11日の結果は次の通り。(演奏順。◎は全国大会推薦。金=金管 木=木管 打=打楽器 管=管楽器 フ=フルート サ=サクソフォン ク=クラリネット。数字は重奏の数) 【大学】 ◆金賞 信州大(打八、長野)、静岡大(金八)、◎朝日大(木三、岐阜)=朝日新聞社賞、静岡大(金五) ◆銀賞 愛知教育大(打七)、中部学院大(ク四、岐阜)、信州大(サ四 長野) ◆銅賞 鈴鹿高専(サ五、三重)、愛知教育大(金八) 【小学生】 ◆優秀賞 鈴鹿市立玉垣(金七、三重)、鈴鹿市立神戸(管打八、三重)、碧南市立棚尾(管打八、愛知)、各務野さくらマーチングバンド(金七、岐阜)、岡崎市立竜美丘(フ三、愛知)=朝日新聞社賞、各務野さくらマーチングバンド(打六 岐阜) 【中学校】 ◆金賞 大垣市立東(打八、岐阜)、松本市立鎌田(ク四、長野)、上田市立二(サ四、長野)、蒲郡市立中部(打七、愛知)、◎静岡市立東豊田(フ四)=朝日新聞社賞、名古屋市立城山(木八)、◎浜松日体(管八、静岡)、伊賀市立緑ケ丘(打三、三重)、豊川市立西部(打三 愛知) ◆銀賞 津市立西橋内(打三)、四日市市立南(木八、三重)、名古屋市立神丘(管打八)、桑名市立光陵(打七、三重)、桑名市立光陵(木八、三重)、上田市立三(サ三、長野)、大垣市立西部(打八、岐阜)、四日市市立南(管打八、三重)、春日井市立中部(管打八、愛知)、浜松市立積志(フ三)、松本市立梓川(ク六、長野)、浜松市立積志(ク五) ◆銅賞 浜松市立南陽(ク六)、大垣市・安八町組合立東安(打三、岐阜)、長野市立三陽(打三)、下呂市立下呂(打三、岐阜)、池田町立池田(サ四 岐阜) ◇ 3月19日の全日本アンサンブルコンテストはすべての部門が有料でライブ配信される。詳細は特設ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11008374?ref=asadigi)で。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入管収容中にカジノへ?「職員がエスコート」証言も 詐欺リーダー格
フィリピンを拠点とした特殊詐欺グループのリーダーだったとして警視庁に逮捕された渡辺優樹容疑者(38)が、フィリピンの入管施設に収容中に複数回、マニラのカジノに出かけていたことが、現地の捜査関係者への取材でわかった。施設内では賄賂が横行していたとされ、渡辺容疑者はだまし取った金をこれらの賄賂やギャンブルに使っていた可能性がある。 現地の捜査関係者によると、渡辺容疑者は現地で拘束された2021年4月以降、複数回にわたって外出し、その行き先は施設から約10キロ離れたカジノだった。移動の車には施設職員が同乗していたという。捜査関係者は「職員が彼をエスコートしているように見えた」と話した。 カジノはマニラ湾に面した五… この記事は有料記事です。残り287文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住民苦情で廃止決定の公園、存廃再検討 長野市長「意見ふまえ熟考」
子どもたちが遊ぶ声や音への一部の住民からの苦情がきっかけで、長野市が3月末での閉鎖を決めている青木島遊園地(同市青木島町大塚)を巡り、同市の荻原健司市長は11日、公園の存廃をあらためて検討する考えを明らかにした。地域住民を集めた地元説明会後、荻原市長は報道陣の取材に「廃止ありきではなく、意見を踏まえて最終的に判断する」と述べた。 この日、青木島遊園地近くの公民館であった廃止についての地元説明会は報道陣に非公開で開催され、地域の住民ら267人が参加した。 市などによると、説明会では「子どもたちが毎日40~50人で一斉に遊ぶ状況になり、大きな声や音が発生していた」「ボールの宅地への飛び込み、サッカーのリフティング、花火の音など騒音も発生していた」など遊園地の利用を巡る状況を説明。「近隣住民からご意見を頂くようになった」として、一度に遊ぶ人数を減らすなどの対策もとられたものの「子どもに静かに遊べというのは困難」などと廃止を判断したとした。 荻原健司市長「区長に地域のことを任せすぎた」 ただ、住民からは、市側などとの話し合いの結果、昨年1月に地元区長会が提出した遊園地の廃止要望書をふまえた市の決定について、「区長会から市へ廃止やむなしと意見があったということだが、もう一度地域で考えさせて」などと廃止反対の意見が相次いだという。説明会は、1時間~1時間半の予定だったが、約2時間に及んだ。 市によると、1月31日現在で電話やメール、手紙などで約1千件の意見が寄せられており、大半が反対の意見という。 荻原市長は報道陣の取材に、「(住民から)存続して欲しいという声が大きかった。意見を受け止めて最終判断したい」と述べた。また、「問題が大きく報道されたことで、区長さんも戸惑っている。反省すべき点としては区長さんに地域のことを任せすぎたこと。今日の地域の意見を判断材料として熟考したい」と話した。一方、存廃の再判断の時期については「廃止か否かを判断する期限は決めていない」と述べるにとどめた。(遠藤和希) 近隣1世帯「遊ぶ声がうるさい」と苦情 市が管理する青木島遊園地は… この記事は有料記事です。残り602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
メンバー代わっても無料公演続け23年 大学生たちのミュージカル愛
「ミュージカルを多くの人に身近に感じてほしい」――。そんな思いで、結成から23年間にわたって公演を無料で続けている劇団がある。群馬県内の高校を卒業した大学生の女性たちでつくる、「アラムニーエース」だ。 今年1月27日の夜、前橋市内であった稽古の様子をのぞいた。 「そこで肩を落とさないように」「体の面の向きをもう少し意識して」 座長の石綱唯さん(21)からプロさながらの指示が飛んだ。 「ハイ!」。きびきびと返事したメンバーたちが、一つ一つ動作を確認した。 毎年2~3月の公演に向け、劇団のメンバーたちは1年間練習を重ねる。今年の公演は2月18日から。本番を控え、この日は午後6時半から3時間にわたりみっちりと稽古をこなした。 劇団は2000年、県内の女子高校を卒業した大学生らが集まって結成した。「アラムニー」は、「女性の卒業生、同窓生」という意味。卒業や就職でメンバーが入れ替わりながら、活動を続けている。 現在のメンバーは20人で、全員が大学生だ。 石綱さんは、昨年6月から座長を務めている。小学校低学年のころ、アラムニーの公演「ファントム―オペラ座の怪人」を見て、ファンになった。 「舞台上で『役を生きる』姿が輝いて見えた。私もいつか立ちたい」 小学校高学年からアラムニー… この記事は有料記事です。残り1161文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル