宮野拓也2023年2月24日 19時30分 自然災害が激甚化している実態を受け、政府は24日、土砂崩れや洪水などの予報業務に民間事業者が参加しやすくなる気象業務法の改正案を閣議決定した。気象庁などによる予測技術の審査が通れば、事業者に気象予報士がいなくても予報できるようになる。 予報は、災害発生に注意を促すものだが、警報や注意報とは異なる。民間事業者が土砂崩れ・高潮・波浪・洪水の予報をする場合、これまでは気象予報士の設置が必要だった。最新技術によって地表を流れる水の量をシミュレーションする高度な予測技術が生まれており、予報に必ずしも気象予報士を必要としない状況になっていたという。 土砂崩れと洪水の予報業務の許可を得た事業者はこれまでゼロ。気象庁や国土交通省は、国が出す予報を補完するニーズがあるとして、今後5年間で40ほどの参入を促したいとしている。工場周辺の災害を予報するなど、民間事業者が個別のリスクに対応することを想定している。 水防法の一部の改正案も閣議決定された。これまでの洪水予報は主に国が下流部分を、都道府県が主に上流部分を担当していたが、2021年から、国が両者を一体として予測する技術が導入された。 法改正により、国がその過程で得た情報を都道府県に提供することが可能となり、都道府県の管理河川でより早い洪水予報を出せるようになるという。改正後5年間で都道府県の対象河川を約900に広げたいとしている。(宮野拓也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「安置のため」と無罪訴える 死産の双子を「遺棄」、最高裁で弁論
熊本県の自宅で死産した双子の遺体を段ボール箱に入れるなどして遺棄したとして、死体遺棄罪に問われたベトナム国籍の元技能実習生レー・ティ・トゥイ・リン被告(24)の上告審で、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は24日、検察側、弁護側双方の意見を聞く弁論を開いた。弁護側は「安置のための行動」と改めて無罪を主張し、結審した。判決日は追って指定される。 弁論は二審判決を変えるのに必要な手続きで、被告を懲役3カ月執行猶予2年とした二審の判断が見直される可能性がある。 昨年1月の二審・福岡高裁判決によると、リン被告は技能実習生として熊本県内の農園で働いていた2020年11月、自宅で双子の男児を死産した。遺体はタオルに包んで部屋にあった段ボール箱に入れ、双子につけた名前やおわびの言葉を書いた手紙も入れた。箱はさらに別の段ボール箱に入れて封をし、自室の棚に置いた。翌日には死産を医師に明かした。 「私は子どもを捨てたり、隠したりしていません」 死体遺棄罪は、死者を悼む思いなど、「社会の敬虔(けいけん)感情や国民の宗教感情」を害する行為を罰するとされる。この日の弁論では、被告の行為が死体遺棄罪に当たるかについて双方が意見を述べた。 まず、弁護側は「安置のため… この記事は有料記事です。残り893文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
狛江市強盗殺人容疑、5人目を来週にも逮捕へ 広島の事件で逮捕の男
2023年2月24日 20時00分 東京都狛江市の住宅で先月発生した強盗殺人事件の実行役だったとして、警視庁は、別の強盗事件で逮捕・勾留されている加藤臣吾容疑者(24)を来週にも逮捕する方針を固め、強盗殺人容疑などで逮捕状を取った。捜査関係者への取材でわかった。 狛江市の事件では実行役として3人、犯行を手助けしたとして1人の計4人が22日に逮捕されており、加藤容疑者で5人目となる。 捜査関係者によると、加藤容疑者は他の実行役3人と共謀して1月19日昼ごろ、狛江市の住宅に押し入り、住人の大塩衣与さん(90)の両手を結束バンドで縛り、暴行を加えて殺害した上で、住宅内から高級時計など(総額60万円相当)を奪った疑いがある。 捜査関係者によると、加藤容疑者は事件前に川崎市内の駐車場に電車で向かう姿が防犯カメラに映っていた。その後に駐車場からレンタカーが1台ずつ出発しており、この2台が現場周辺で確認されている。同庁は、加藤容疑者が駐車場で他の実行役らと合流してから現場に向かったとみている。 事件後の19日夜には、東京都北区の宿泊施設に宿泊。翌20日には、永田陸人容疑者(21)や大学生の少年(19)=いずれも強盗殺人容疑などで22日に逮捕=らとともに足立区内の住宅周辺に向かっていた。この住宅では窓ガラスが割られて何者かが侵入する窃盗未遂事件があり、警視庁は加藤容疑者らが関わったとみて調べている。 加藤容疑者は、昨年12月21日に広島市西区の店舗兼住宅で発生した強盗事件に関わったとして広島県警に逮捕されていた。広島地検は24日、この事件について加藤容疑者を他の男2人とともに強盗傷害と住居侵入の罪で起訴した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阿蘇山麓・北外輪山の一斉野焼き、観光客らの立ち入りを全面規制
草原を守るための野焼きは観光イベントではありません――。熊本県阿蘇市は24日、同市内の阿蘇山麓(さんろく)や北外輪山で予定されている一斉野焼きについて、今年から通行規制を拡大強化して、観光客や写真愛好家らの立ち入りを全面規制すると発表した。 26日に実施予定の阿蘇山麓では、阿蘇パノラマラインのうち米塚南側を通る区間を午前9時から午後3時まで全面通行止めにする。阿蘇駅前から阿蘇山上に向かう区間も通行はできるが、駐停車は認めない。 米塚周辺では詰めかけた写真愛好家らが牧野に入るなどして作業の妨げになり、牧野組合から規制を求める声が強まっていた。 3月5日には野焼きエリアを通る県道北外輪山大津線(ミルクロード)や同阿蘇公園菊池線(菊池阿蘇スカイライン)、やまなみハイウェイなどが、午前10時(一部9時)から午後3時まで一部通行止めになり、観光地の大観峰にも行けなくなる。 昨年までは規制時間をずらし… この記事は有料記事です。残り235文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「改善勧告に応じたい」と新理事長、以前勤務の保育士が逮捕の保育園
有料記事 森治文 岩田恵実2023年2月24日 22時30分 東京都日野市の認可保育所「吹上多摩平保育園」で園児に暴行を加えて負傷させたとして、この園の保育士だった吉冨弘敏容疑者(33)=沖縄県石垣市平得=が、警視庁に傷害容疑で逮捕された。園は吉冨容疑者の逮捕を受け、顧問弁護士を通して「園児及び保護者にお詫(わ)び申し上げます。警察の捜査には全面的に協力してまいります」などとするコメントを24日に公表した。 同園を運営する法人の高木順一理事長(68)はこの日の夕方、国道20号日野バイパス近くの住宅街にある園の前で、報道陣の取材に応じた。 高木理事長によると、市が虐待行為があったと認定した2021年度当時の理事長からの要請を受け、自身は今年1月下旬に後任として外部から就任した。現在も別法人の会長を兼ね、複数の保育園の運営に携わっているという。 関係者によると、吉冨容疑者は前理事長の息子だという。高木理事長は吉冨容疑者について「逮捕につながるような事実があったかは知らない。大声を上げたり頭や肩を強めにたたいたりしたことはあるかもしれない」と述べ、虐待の事実を「確認していない」とする園側と同様の説明にとどめた。 今後については「就任後、保護者にも説明したが、虐待のない新しい姿の保育園をめざす。市とは意見の食い違いもあるが、改善勧告にも応じていきたい」と話し、再発防止策として職員の研修や保護者らの意見を聞く目安箱の活用を強調した。今後、改めて保護者会などを開き、不安の払拭(ふっしょく)に努めたいとしている。 同園について、日野市は吉冨… この記事は有料記事です。残り306文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大分合同新聞記者に略式命令 公然わいせつ罪で罰金30万円
2023年2月24日 22時30分 大分合同新聞の運動部記者の男が公然わいせつ容疑で逮捕された事件で、大分区検は24日、記者(25)を公然わいせつ罪で略式起訴し、大分簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した。 県警などによると、記者は2月1日、昨年9月と10月にそれぞれ佐伯市内と別府市内のコンビニ駐車場に駐車した車の中で、付近にいた女性に自分の陰部を露出して見せた疑いで逮捕されていた。いずれも勤務中だったという。 大分合同新聞社は24日、記者を出勤停止1カ月の懲戒処分にしたと発表。本人から依願退職(28日付)の申し出があり、受理したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教育学部の教員2割以上を実務経験者に 26年新設から、文科省が案
山本知佳2023年2月24日 20時15分 文部科学省は24日、2026年度以降に新設する、教員養成系の大学の学部や学科について、必要な教員数のうち2割以上を実務経験者とする方針を固めた。この日、文科相の諮問機関である中央教育審議会の大学分科会に案を示した。 案では「実務家教員」は、小学校や中学校、高校などで教員を経験した者を中心とする、としている。昨年12月の中教審の答申も、「実務家教員の登用を進めることが重要」と指摘していた。1人1台端末の活用や、特別な配慮・支援を必要とする子どもへの対応など、現場の環境は日々変化しており、教員経験者が指導することで、理論だけでなく、より実践的な教育を目指す。 文科省によると、22年時点で、国立の教員養成大学や学部での実務家教員の割合は約16%。(山本知佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「早く戦争終わって」日本各地で抗議の集会 ウクライナ侵攻1年
ロシアによるウクライナ侵攻から1年となった24日、各地で集会やデモがあった。ロシアへの抗議とウクライナとの連帯を訴え、戦闘の早期終結を願った。 東京都港区の聖オルバン教会ではウクライナ正教、ユダヤ教、仏教などを信仰する人々が、宗教の枠を超えてともに祈りを捧げた。ウクライナから逃れてきた人や日本で暮らすロシア人ら60人以上が参加した。 昨年3月にキーウから母と避… この記事は有料記事です。残り1763文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
捜査に入った家で鍵盗み、後日侵入して現金窃盗 容疑で警察官を逮捕
奥正光2023年2月24日 21時55分 警察官として検視のために入ったアパートから鍵を盗み、その鍵で後日侵入し現金などを盗んだとして、大分県警は24日、別府署地域課巡査の伊藤巧打容疑者(24)=別府市駅前町=を邸宅侵入と窃盗の疑いで再逮捕し、発表した。伊藤容疑者は容疑を認め、「借金があった」と供述しているという。 監察課によると、伊藤容疑者は1月20日午後1時半~4時ごろ、検視で訪れた別府市内のアパート室内で、病気で亡くなった住民女性(当時75)の鍵4本入りのキーケース(計3千円相当)を盗み、22日と28日に盗んだ鍵を使って侵入し、22日に財布など2点(計1500円相当)を、28日に現金6万5千円とキャッシュカードや貴金属、通帳計7点(計55万円相当)を盗んだ疑いがある。 検視には消防からの通報で伊藤容疑者ら8人の警察官が駆けつけたが、ほかの7人は犯行に気づかなかったという。 県警は2月3日、市内の金融機関のATMで女性名義のキャッシュカードを使い現金を引き出したとして、伊藤容疑者を窃盗容疑で逮捕し、カードの入手経路やカードの名義人との関係について捜査を進めていた。大分地検は24日、1月30日と31日に100万円ずつ現金を引き出したとして、窃盗の罪で大分地裁に起訴した。 県警の脇一朗・首席監察官は「警察官としてあるまじき行為であり、県民の皆様に深くおわび申し上げます」とコメントした。(奥正光) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外国人収容者にも「ハラール食を」 名古屋入管のローソンで販売開始
名古屋出入国在留管理局内のコンビニエンスストア「ローソン」で1月中旬から、イスラム教の戒律に沿ったハラール食品の取り扱いが始まった。2月からは収容中の外国人も配達を希望すれば購入できるようになり、売り上げは好調だという。 名古屋入管では昨夏、収容中のイスラム教徒の30代男性にハラール食が提供されないとして、支援者らが食事の内容を見直すよう入管側に要請していた。入管側の見直しが実現していない中、民間での対応が先行した形だ。 取扱商品はレトルトのビリヤニ(炊き込みご飯)やカップ麺、クッキーなど20種類。オーナーの小谷豊さん(48)によると、ハラール食の導入を検討し始めたのは昨秋。来店客から、商品に豚肉や豚由来の成分などが含まれるかどうかを尋ねられることが度々あったほか、収容中の外国人からハラール食を求める声もあると入管側から相談されたという。 店頭のみで販売していた1月… この記事は有料記事です。残り259文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル