「式典全体を通じてマスクを外すことを基本とする」。コロナ禍で3年間、マスク生活を強いられた高校生たちは、卒業式目前になって文部科学省のこんな通知を知らされた。「外す? 外さん?」――。式の直前までこんな会話が繰り広げられたある高校の卒業式を28日に取材した。 大阪府立高校約150校のうち66校で卒業式があったこの日、府立清水谷高校(大阪市天王寺区)の体育館では3年生277人全員が式に臨んだ。 マスクを外していたのは全体の8割ほど。全員が外したクラスが二つあった一方、全員が着けたクラスもあった。校歌などを歌う時だけは、文科省通知に沿った学校の方針で、全員が着けた。 7クラスの代表が壇上に上がり、日笠(ひかさ)賢校長(66)から卒業証書を受け取った。日笠校長は式辞で「渡したときに、何人かの生徒のみなさんがニッコリ笑ってくれました。改めて笑顔を全面で見るのはいいなと思いました」と述べた。 学校は事前に、マスクを外すことを基本とする一方で強制ではなく、歌うときなどは着用とする方針を決めていた。2月20日には保護者にメールで伝え、式前日には生徒たちにも改めて伝えた。 多くの生徒がマスクを外していたG組の小西桜子さん(18)は「クラスのほとんどの人は初めて見るような顔で、とても新鮮でした。『あ、こんな顔してたんだ』って」と話した。 「外す?外さん?」探り合い F組の平家志津乃さん(17… この記事は有料記事です。残り650文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪「こぞって談合」の広告業界、「ガリバー電通」がまわす構図
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件は、広告業界を牽引(けんいん)する大手が軒並み立件される事態となった。背景には、最大手「電通」を中心にした業界の商慣習や、大会組織委員会の態勢の脆弱(ぜいじゃく)性があった。構造的な不正にまみれた東京大会を、今後いかに反面教師にできるか――。 「主要な広告会社がこぞって談合したことに事件の重大性がある」 「電通」「博報堂」「ADK」の業界トップ3や「東急エージェンシー」がそろって談合に関与したとされた事件を、捜査関係者はこう振り返った。 広告業界が一斉に摘発された大型事件は過去に例がない。 「これまであまり調査対象と… この記事は有料記事です。残り3303文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
97歳被告「近くなら大丈夫と」 福島・5人死傷の歩道暴走事故
福島市の歩道で車を暴走させて5人を死傷させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた同市の無職波汐(なみしお)国芳被告(97)の初公判が28日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。被告人質問で波汐被告は遺族に対し、「本当に申し訳ないことをした」と謝罪した。 波汐被告は昨年11月19日午後4時45分ごろ、福島市南矢野目の市道から誤って歩道に進入。ブレーキとアクセルを踏み間違え、少なくとも時速約60キロで走行し、歩道にいた同市八島田の調理員川村ひとみさん(当時42)をはねて死亡させ、信号待ちで停車していた乗用車3台に衝突し、乗車していた20~100歳代の女性4人に軽傷を負わせたとして起訴された。 検察側は冒頭陳述で、波汐被告は2020年8月に高齢者講習や認知機能検査を受けて免許を更新後、昨年8月に車庫入れの際に乗用車を柱にぶつけ、損傷し、軽乗用車に乗り換えたが、被告の長女やヘルパーから危険なので運転をやめるよう注意されていたと指摘した。 被告の長女 「もっと早く運転をやめさせれば」 波汐被告はこの日、杖をついて入廷。被告人質問で事故について「歩道に誤って乗り上げた。その後は植樹を倒して慌ててしまい、ブレーキの代わりにアクセルを踏んだ。自分の運転が未熟だった」と話した。 被告は以前乗っていた乗用車… この記事は有料記事です。残り391文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
グリコ・森永事件を捜査指揮、元大阪府警本部長の四方修さん死去
2023年2月28日 22時08分 グリコ・森永事件の発生時の大阪府警本部長だった四方修(しかた・おさむ)さんが2月27日、老衰のため死去した。92歳だった。通夜は4日午後6時、葬儀は5日午前10時30分から大阪市北区西天満1の9の3の浄信寺で。喪主は長男光(こう)さん。 1955年に警察庁に入り、84年に発生したグリコ・森永事件は府警本部長として捜査を指揮。犯人が府警などをやゆした脅迫文では名指しされた。退職後の2001年には経営再建中の大手スーパー「マイカル」の社長に就いた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
80億円のコンベンション施設計画、事業は仕切り直し 愛知県岡崎市
柏樹利弘2023年2月28日 22時30分 愛知県岡崎市が市中心部の児童施設「太陽の城」跡地などに建設を予定するコンベンション施設をめぐり、市は28日、事業者側から建設に向けた協議の中止を通知されたと発表した。コロナ禍や建設資材の高騰を受けて、事業は仕切り直しを余儀なくされた。 事業者は、地元の酒部建設を代表とする特別目的会社「岡崎リバーリンク」で、通知は21日付。リバーリンクの解散も決まった。 2020年2月に事業者を選定した際は、不動産大手のスターツコーポレーション(東京)を代表企業とするスターツグループが次点交渉権者だった。市は今後、スターツ側の意向を確かめる。 この施設は当初、整備や管理費用が約80億円と見込まれ、市と事業者側は23年度の開業を目指して協議していた。20年10月の市長選では、建設見送りを主張した中根康浩市長が初当選した。市は、いったんは事業の中止を事業者側に申し入れたが、その後、中根市長が方針を転換。市民の意見を取り入れる形で計画を変更した上で、建設に向けた協議を再開する意向を示した。 この間、建設資材の高騰に加え、コロナ禍によるコンベンション需要の落ち込みもあって、「事業を進める判断が難しくなった」とする事業者側の希望で事業の中断が続いていた。 中根市長は「揺れ動く社会環境の変化の中、事業者なりの判断基準があろうかと思われるので、受け入れざるを得ない」などとコメントを出した。(柏樹利弘) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
受診に便宜、見返りに現金か 京都医療センターの医師が収賄容疑
光墨祥吾 富永鈴香2023年2月28日 22時30分 知人の親族らが優先的に受診できるように便宜を図った見返りに現金を受け取ったなどとして、京都府警は28日、独立行政法人国立病院機構・京都医療センター(京都市伏見区)の外科科長の男性医師(54)=兵庫県西宮市=を収賄と国立病院機構法違反の疑いで書類送検した。また、知人の男性会社役員(73)=京都府城陽市=を贈賄の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、医師は昨年3月18日、会社役員の親族ら複数人が初診手続きなどで優遇されるよう働きかけたり、患者情報を漏洩(ろうえい)したりするなどの便宜を図った見返りに、会社役員から現金150万円を受け取った疑いがある。また、国立病院機構法違反の容疑は、昨年5月から8月までに患者の病状や治療状況などの情報を計7回、漏らしたというもの。 医師は会社役員の主治医で、2019年6月ごろに知り合ったという。本来は他の医療機関からの紹介などを受けて京都医療センターを受診するところ、医師が外科以外の診療科と直接交渉するなどし、紹介などを省いて受診させたという。府警は、他の患者の不利益になった恐れがあるとみている。情報を漏らされた患者は、会社役員が勤める会社の取引先の関係者だったという。 京都医療センターは「書類送検されたことが事実であれば、大変遺憾に思いますし深刻に受け止めております」などとするコメントを出した。 病院関係者によると、医師は「仕事に真面目で人柄も良く、トラブルは聞いたことがなかった」という。同センターの入院患者の家族は「お医者さんは治療に専念してもらわなあかん。(診療が)後回しにされていたらだいぶ問題」と話した。(光墨祥吾、富永鈴香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性犯罪で執行猶予中の男、小学校の非常勤講師に 大分県教委
白石昌幸2023年2月28日 21時00分 女子中学生の体を触ったとして、大分県青少年健全育成条例違反の罪で有罪判決を受け執行猶予中の40代男性が、県内の市立小学校で非常勤講師として勤務していたことが28日、分かった。県教育委員会は保護者からの通報で事実を把握し、この男性の任用の解除や取り消しの手続きを進めている。 県教委教育人事課によると、男性は今年1月に非常勤講師として任用され、市立小学校に赴任。学級担任はしておらず、授業だけを受け持っていたという。 男性について、2月17日に保護者から「事件で逮捕されたことがあるのを知っているか」との情報提供があり、事実が発覚。男性は聞き取りに対し、「間違いありません」と認めており、現在は出勤していないという。 男性が性犯罪で逮捕されたのは、民間会社に勤務している時期で、当時既に取得していた教員免許に「免許失効」と記載されることは無かった。任用前には面接も実施しているが、「逮捕歴」などを問う質問は無いという。 執行猶予中の場合、地方公務員法の「欠格事項」に該当するため、県教委は裁判所に対して事実確認を求め、手続きが済み次第、任用を解除するか取り消す予定だ。同課は「欠格事項に該当する人物を採用することが無いよう対応していく」と話している。(白石昌幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】2022年の出生数80万人割れへ 遠ざかる多産時代
2023年2月28日 21時00分 2022年に国内で生まれた子どもの数は、統計のある1899年以降、初めて80万人を割り込むことが決定的になりました。 国内生まれの日本人に絞り込んだ出生数は6月に公表され、国の推計方法で計算すると77万人台と見込まれています。40年前の1982年の出生数は151・5万人で、40年間でほぼ半減することになります。 1947年の第1次ベビーブーム期では約270万人、第2次ベビーブーム期の73年には約210万人の子どもが生まれました。 多くの新生児が並ぶ産院、教室不足の学校など、当時の様子を朝日新聞社所蔵の写真で振り返ります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「結婚したら借金倍」奨学金の呪縛 少子化時代、将来描けぬ若者たち
出生数が70万人台へと突入した。少子化は暮らしにかかわる社会保障制度や経済活動に深刻な影響を与えそうだ。政府は対策づくりを進めるが、具体像は見えないままだ。 少子化が変える年金・仕事・まちの景色… 少子化は、老後の年金のような社会保障、労働力、街づくりといった多方面に影を落とす。 2019年に国が公表した年金額の将来見通し(財政検証)によると、高い経済成長を前提にしたケースでも、47年度の年金水準は実質2割低下すると見込まれていた。 だが、この見通しで使った将来人口推計より実際は、さらに速いペースで少子化が進む。子どもが少なくなれば、公的年金の原資となる保険料を払う現役世代の減少につながる。将来の年金水準がさらに低下する恐れがある。 介護現場のマンパワー不足も… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り1449文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? 会員限定の有料記事が読める! 多彩なコメンテーターがニュースを深堀り いま話題の最新ニュースもメールでお届け Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
華やかなひな人形がずらり 手筒花火の空筒使ったものも 愛知・豊橋
戸村登2023年2月28日 18時30分 ひな祭りを前に、愛知県豊橋市の二川宿本陣資料館と近くの商家「駒屋」で、華やかなひな人形が飾られ、訪れた人の目を楽しませている。 本陣では、豊橋が発祥の地とされる手筒花火の空筒をちりめん細工の花で装飾して再利用した「手筒花びな」などを展示。資料館では、浜松市の収集家から寄贈された江戸時代中期の「享保びな」など約70点が並ぶ。 また、商家「駒屋」では「福よせびな」のかわいらしい姿を楽しめる。宝塚歌劇団に二川とゆかりがある演出家がいたことにちなみ、ラインダンスをするひな人形も飾られている。 資料館は3月12日、商家「駒屋」は26日まで。どちらも月曜休館。(戸村登) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル