平岡春人2023年2月28日 18時30分 札幌・ススキノの飲食店グループを舞台にした新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金の詐欺事件で、主犯格のグループ代表で詐欺などの罪に問われた木下大夢被告(32)の判決が28日、札幌地裁であった。古川善敬裁判官は「組織的かつ計画的な犯行で極めて悪質」として、懲役5年6カ月(求刑懲役8年)を言い渡した。木下被告は最初の起訴の後、14回にわたり追起訴されていた。 判決によると、木下被告は2020年6~9月、経営する会社の従業員や同業者、税理士事務所職員らと共謀し、事業収入が減ったとする虚偽の申請をして、給付金計6400万円をだまし取った。虚偽の申請をしたのは64人にのぼった。 検察側の中間論告によると、木下被告は「ボーナスを渡す」との誘い文句で、虚偽申請の協力者を募っていたとされる。判決は「簡易迅速な給付を優先させた給付金の制度設計を利用し、多額の被害を生じさせた」と非難した。 また判決は、木下被告が21年1月に暴力団員に用心棒代4万円を渡したとして、北海道暴力団排除条例違反も認定した。 道警が21年4月、木下被告ら11人を詐欺容疑で逮捕。一連の事件には約150人がかかわり、被害総額は計約1億5千万円にのぼるとみている。 持続化給付金は、新型コロナの影響で減収した中小法人や個人事業者を支援する目的で、20年5月に申請の受け付けが始まった。(平岡春人) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アベノマスクの単価情報 黒塗り部分の開示を命じる 大阪地裁判決
松浦祥子2023年2月28日 14時50分(2023年2月28日 18時56分更新) 政府が新型コロナウイルス対策で全国に配った布マスク(通称・アベノマスク)の単価や発注枚数の情報を「黒塗り」にした国の対応の是非が争われた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は「公にしても、国の利益や企業の競争を害する恐れはない」と判断し、厚生労働省と文部科学省に対し、黒塗り部分の開示を命じた。 判決によると、政府はマスクの需給逼迫(ひっぱく)を受け、2020年3月以降、全世帯などにマスクを配った。神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授は両省に納入業者との契約書などの情報公開を求め、開示されたが、単価などが黒塗りだったため、開示を求めて同年9月、提訴した。 国側は「企業の営業ノウハウなどが同業他社に知られる」「今後マスクを調達する際、交渉で不利になる」などと反論していた。 徳地裁判長は、単価や発注枚数は秘匿性が高いとはいえず、公になっても「企業のノウハウや調達能力を正確に推測できない」と指摘。政府が随意契約で購入したことから、「税金の使途の説明責任」の観点で開示の要請が高いとした。また、政府が大量のマスクを再び調達する可能性は「常識的に考えてかなり低い」などとし、計45件の文書の黒塗り部分を開示すべきだと判断した。 上脇氏は判決後の記者会見で「税金を使った行為を十分に検証できないのは問題。国は控訴せず、一日も早く開示すべきだ」と述べた。厚労省は「厳しい判決内容。今後の対応は関係省庁と協議のうえ決定したい」、文科省は「担当者が不在で対応できない」とのコメントを出した。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阿武町の4630万円誤入金事件、住民の被告に有罪判決 山口地裁
山口県阿武町が誤入金した4630万円の大半を決済代行業者の口座に振り替えたとして、電子計算機使用詐欺罪に問われた住民の田口翔被告(25)に対し、山口地裁(小松本卓裁判官)は28日、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役4年6カ月)の有罪判決を言い渡した。 起訴状などによると、田口被告は昨年4月8~18日、町から自分名義の銀行口座に振り込まれた4630万円のほぼ全額を、オンラインカジノで使うために、決済代行業者に出金したとされる。 検察側は論告で、正当な権限がないにもかかわらず出金を繰り返した行為を「大胆で悪質」と非難し、「高額の公金が海外のオンラインカジノ業者に流出し、結果は重大」と指摘した。 一方、弁護側は事実関係を認めたが、同罪の構成要件である電子システムへの「虚偽情報」の入力はなかったとして、無罪を主張していた。 町は、コロナ禍で影響を受け… この記事は有料記事です。残り139文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警官が飲酒運転で事故か 前夜に「25杯」、酒臭さマスクで気づかず
2023年2月28日 15時30分 大阪府警枚方署刑事課の40代男性巡査部長が出勤途中に飲酒運転で物損事故を起こしたとされる問題で、巡査部長は事故前夜、同僚らと飲食店2カ所でビール中ジョッキと焼酎の水割り計約25杯を飲んだと府警に説明していることがわかった。事故は飲酒から約5時間後とみられるが、現場に駆けつけた警察官らは酒の臭いに気づかなかったという。府警は巡査部長に懲戒処分を検討している。 府警によると、事故は2月23日午前5時過ぎ、大阪府高槻市大塚町3丁目の駐車場で発生。巡査部長が運転する乗用車がコンビニ前から発進する際、約40メートル先の隣の店舗脇のフェンスを突き破った。車の前部は側溝に落ち、巡査部長は後部座席のスライドドアから脱出したという。 巡査部長は約1時間半後に110番通報。高槻署員が駆けつけたが、マスクをつけた巡査部長の酒の臭いに気づかなかったという。巡査部長は職業を「会社員」と偽って説明していた。 出勤した巡査部長から報告を受けた上司は、職業を訂正するよう指示し、一緒に高槻署に向かったが、花粉症で鼻が利かず、高槻署員が取調室でようやく酒の臭いに気づいたという。午前10時前の時点で、呼気1リットルあたり0・25ミリグラムのアルコールが検出された。 巡査部長は府警に、22日の勤務後に同僚らと6人で飲みに行ったと説明。午後7時ごろから枚方市内の焼き鳥屋で中ジョッキ約10杯と焼酎の水割り5~6杯を飲み、3人になって大阪・ミナミのスナックに行き、焼酎の水割り約10杯を23日午前0時ごろまで飲んだと話しているという。 巡査部長はタクシーで高槻市内の自宅に帰った後、23日午前4時ごろに車で出勤。府警では原則、マイカー出勤は認められておらず、巡査部長も許可を得ていなかった。府警は、道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災12年 伊東豊雄さんの建築論 自然との関係・公共性のあり方
現代の建築はどうあるべきか、その公共性とは何か――。東日本大震災以降、建築家の伊東豊雄さん(81)はこう問い続けてきた。被災者のための集会施設が昨秋再建され、今年開館する水戸市民会館でも同じ課題を設計に託した。震災から間もなく12年、その思いを聞いた。 甚大な津波被害があった岩手県陸前高田市で昨年、かさ上げされた新市街地の一角に杉の丸太約20本が支える土俗的で縄文的な建物が現れた。再建された集会施設「みんなの家」だ。 この「家」は伊東さんらの呼びかけに基づき、東北各県の被災地の仮設住宅群などに気鋭の建築家の設計でつくられた集会施設だ。陸前高田では伊東さんと、乾久美子さん、平田晃久さん、藤本壮介さんの3人が共同で設計を手掛けた。 波をかぶって立ち枯れした杉の丸太を再生させるように、被災した街が見渡せる場所に建ち上がる過程は、2012年のベネチア・ビエンナーレ国際建築展(イタリア)で紹介され最高賞を受けた。 しかしこの「家」が立つ敷地もかさ上げ対象となったためいったん解体され、現在の場所に再建されたのだった。周囲には現代的でぴかぴかのスーパーやホールが並ぶ。伊東さんは「新しい建物に囲まれ、『みんなの家』の灰色に変色した丸太が年代を感じさせます。この土地の下にかつて街があったことを示すモニュメントとなったし、近代化された復興計画へのアンチテーゼとしてのメッセージもあると思う」と話す。 震災以前から、自然と隔絶し… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り717文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Japan outfielder Seiya Suzuki out of WBC
Japan outfielder Seiya Suzuki of the Chicago Cubs has been ruled out of the March 8-21 World Baseball Classic, Nippon Professional Baseball said Tuesday. The 28-year-old missed the Cubs’ spring training game with the San Francisco Giants on Saturday due to tightness in his left oblique and also the club’s […]
手放せない田畑、続ける「試験栽培」 でも…1人の食卓で揺れる思い
ほとんど住民が戻らない夜の町に、消防車がサイレンを鳴らして通り過ぎた。 昨年6月に避難指示が解除された福島県大熊町の自宅で、兼業農家だった高野一郎さん(73)が、1人で夕食の支度をしていた。 妻が手作りして容器に詰めてくれたのは、肉じゃが、切り干し大根、春雨サラダ。それらを電子レンジで温めている間に、油揚げとネギを入れたみそ汁を作る。煮込みすぎてクタクタになってしまったネギを見て高野さんは、「本当は半生ぐらいが一番おいしい。昔は台所に男が立つなんて考えられなかったが、生きるためには仕方がない」とぼやいた。 高野さんは、避難先のいわき市と大熊町の自宅を行き来する生活を送っている。庭の手入れや、家の中を片付けるためだ。1、2週間に1度のペースで訪れる。月に1度は自宅に泊まるが、その時はいつも1人だけ。妻はあまり町に戻りたくないと漏らす。近所の顔見知りは誰一人戻っておらず、寂しいのだという。近くにスーパーはなく、買い物は約10キロ離れた隣町まで車を走らせなければいけない。 「戻りたい」「戻りたくない」…夫婦で割れる思い 夫は戻りたくても、妻が戻り… この記事は有料記事です。残り941文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
比拠点詐欺グループ幹部ら2人再逮捕 カードで580万円引き出しか
2023年2月28日 12時00分 フィリピンなどを拠点として60億円以上の被害を出した特殊詐欺グループの幹部などとされる今村磨人(きよと)(38)と藤田聖也(としや)(38)の両容疑者について、警視庁は28日、日本国内の女性2人からキャッシュカードをだまし取ったとする窃盗の容疑で再逮捕し、発表した。2人は2月7日にフィリピンから移送され、別の被害者に対する同様の窃盗容疑で逮捕されていた。 捜査2課によると、今村、藤田両容疑者の再逮捕容疑は、2019年4~11月、警察官や金融庁職員を名乗って東京都の60代女性と埼玉県の80代女性にうその電話をかけ、キャッシュカード計8枚をだまし取った上で、そのカードから計約580万円を引き出したというもの。 今村容疑者はうその電話をかける「かけ子」のまとめ役、藤田容疑者はかけ子やカードを詐取する「受け子」役のリクルーターを統括する立場だったとみられている。 捜査2課は、この詐欺グループのトップとされる渡辺優樹容疑者(38)ら2人についても3月1日に再逮捕する方針を固めている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4人死傷事故、100㌔で走行か 女子高校生を危険運転容疑で逮捕
宮坂奈津2023年2月28日 12時27分 千葉県富津市で2022年11月、軽乗用車が横転し、いずれも10代の男女4人が死傷した事故で、県警が28日、運転していた高校3年の女子生徒(18)を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。 軽乗用車、カーブ曲がりきれずガードレールに衝突し横転 県警によると、女子生徒は22年11月29日午前0時半ごろ、富津市小久保の国道465号にある丁字路交差点付近で、50キロの制限速度を上回るスピードで走行。カーブを曲がりきれずに対向車線のガードレールに衝突し、同乗の木更津市の男子高校生(当時17)と女子高校生(当時17)、とび職の少年(当時18)を死亡させた疑いがある。女子生徒も意識不明で病院に搬送された。 現場は片側1車線の緩いカーブ。富津署が現場検証したところ、ブレーキの痕跡は無く、ドライブレコーダーの解析や車両の破損状況などから事故当時は時速約100キロで走行していた疑いがあることが判明したという。この事故の衝撃で、女子生徒を含む3人は車外で、1人は車内で見つかった。(宮坂奈津) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
担任が叱責、別室に立たされ2時間超 児童「死にたい」訴え不登校に
荒海謙一2023年2月28日 7時58分 福島市内の小学校で、当時担任だった教諭から再三の叱責(しっせき)を受けるなどして不登校になったとして、児童の保護者らが市教育委員会に事実関係の究明を求めている。元担任と校長は今月下旬、「児童に不快な思いをさせた」などと保護者に謝罪したが、保護者は「不信感は消えず納得できない」と話している。市教委は「児童が安心して登校できるように学校の取り組みを支援する」としている。 保護者によると、児童は2年生だった2020年の2学期ごろから、度々、担任から叱責され、「学校に行きたくない」「死にたい」と言うようになった。3年生になった21年5月には、宿題の範囲を間違えた際に別室で2時間以上立たされ、「なぜ間違えたのか」などと叱られたという。保護者は翌6月には担任がマスクをずらし、児童の目の前でせきや、くしゃみをしたこともあったと主張している。 その後、児童は学校を休みがちになったという。4年生になって担任が代わり、1学期は登校できていたが、2学期から再び休みがちになり、3学期は数日しか登校できていないとしている。 市教委や学校の聞き取りに対し、元担任は別室で長時間立たせたことや、児童の前でせきなどをしたとの指摘について、「よく覚えていない」と話したという。 保護者は昨年10月、元担任の行為が「体罰」にあたるとして、市教委などに事実関係を究明するための第三者委員会の設置などを求めた。市教委からは「いじめではないため、第三者委の設置要件に該当しない」などと説明されたという。 市教委は取材に対し、「プライバシーに関わるため詳細は明らかにできないが、継続的に学校を指導する。児童の登校に向けた家庭訪問やオンライン授業などの学校の取り組みを支援していく」としている。関係者によると、元担任と校長は市教委から厳重注意を受けたという。(荒海謙一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル