2023年2月18日 21時00分 大手教科書会社「東京書籍」が、昨年4月から使われている同社発行の高校用教科書「新高等地図」について、約1200カ所を訂正したことがわかった。文部科学省の教科書検定に合格して販売された後に、これほど多くの箇所を訂正するのは異例だ。 同社によると、訂正の内訳は、索引と地図で地名表記が異なるものなどが約600カ所、索引にある掲載ページが実際のページと違うものなどが約400カ所、地図上の位置の間違いなどが約50カ所。ウクライナの首都の表記を「キエフ」から「キーウ」に改めるなど、国際情勢の変化による地名表記変更も約150カ所あった。 この教科書は今年度、全国に約3万6千冊配布されていた。昨年4月に教員から指摘があり、誤りが発覚。希望した学校に訂正版を約2万5千冊配ったといい、さらに希望する学校が出た場合も配布する方針。 同社は訂正の原因について、コロナ禍で在宅勤務となったことで十分な校閲作業ができなかったことなどを挙げている。同社は「誤りが残ったままの教科書を販売してしまい、大変申し訳ありません」とコメントしている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夜間中学を全国に ドキュメンタリーの上映キャラバン近くフィナーレ
夜間中学を全国に開設する機運を盛り上げようと、夜間中学に通う人たちを描いたドキュメンタリー映画「こんばんはⅡ」を上映する全国キャラバンが近くフィナーレを迎えるのを記念するイベントが18日、明治学院大学(東京都港区)で開かれた。キャラバンは全都道府県に少なくとも1校の夜間中学を設置することをめざし、2019年から全国で上映会を開いてきた。 夜間中学は公立中学校の夜間学級のこと。政府は2016年に教育機会確保法を成立させ、設置推進を掲げているが、昨年10月時点で15都道府県40校にとどまっている。 映画は森康行監督が制作。いじめによる不登校や貧困や暴力など、様々な事情で義務教育を受けられなかった外国人らが夜間中学に通って自信をもち、未来を開く姿を紹介している。 「明日へ向かうつどい」と題した18日の会では、上映後に映画でナレーションを務めた女優の大竹しのぶさんが登壇。「人生は一生勉強なんだよ、と父がよく言っていた」と、教師だった父の思い出を交えながら夜間中学への思いを語り、訪れた約150人が聴き入った。(平山亜理) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海岸テントに男性の遺体 ロープで絞殺か 福岡県警が殺人容疑で捜査
福岡市西区今宿青木の海岸で17日午前9時ごろ、男性の変死体が見つかった。福岡県警が18日に司法解剖した結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息死と判明。県警は同日、遺体の状況などから殺人事件と断定し、捜査本部を設置した。 県警によると、亡くなったのは山本駿一さん(26)=住所、職業いずれも不詳=。首には幅1センチ程度のロープが緩く巻かれていた。死亡推定時刻は17日明け方ごろで、県警はロープで首を絞められたとみている。 山本さんは、砂浜に立てられた小型の簡易テントから上半身が外に出た状態で、横向きに倒れていた。外傷や着衣に目立った乱れはなく、靴を脱いでいた。 遺体の近くには一部が使用さ… この記事は有料記事です。残り176文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
立ち入り禁止の地下トンネルがランウェー 大阪・守口でモデル撮影会
小杉豊和2023年2月18日 19時30分 雨水などを一時的に地中にため、地上での洪水を防ぐ「地下トンネル」を使ったモデルの撮影会が18日、大阪府守口市であった。このような場所での撮影会は珍しいという。 このトンネルは守口市から門真市に設置される「門真守口増補幹線」で、長さ約2キロ、直径約4・2メートル。地下約20メートルにあり、現在は工事中だ。普段は関係者以外は立ち入り禁止だが、全日写連大阪府本部が府東部流域下水道事務所の協力を得て、撮影会を開いた。 現場には、工事用の資機材を乗せて運ぶためのレールが敷かれていて、通路の中央付近に撮影用の足場板を設置。モデルたちはキツネのお面をかぶるなどして撮影に応じていた。 同事務所の原田聖司・建設課長は「撮影会を通じて、寝屋川流域で浸水対策に向けた施設整備が進んでいることも知ってほしい」と話す。(小杉豊和) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
まるでSF 8.6万本の映画を100年単位で保存する場所はどこ?
有料記事 文・向平真 写真・伊藤進之介2023年2月18日 20時30分 何重もの扉を越え、地下の空間に下りていく。まっすぐな廊下の奥に、数字の付いた扉がいくつも並ぶ。宇宙船? 研究所? SF映画のような場所に眠っていたものは……。 神奈川県相模原市の住宅街。米軍施設跡の1・49ヘクタールに、ひっそりと3棟の建物が立つ。エレベーターで地下に降り、何重もの気密扉を抜けると、廊下の奥まで扉が並ぶ。中には電動棚が左右に広がり、銀色のフィルム缶が棚に並ぶ。多くを占める35ミリフィルムは、直径39センチ、高さ4センチ。 国立映画アーカイブ相模原分館は国内最大規模の映画フィルムの保存庫だ。動画配信、テレビ放映、DVDと、私たちが過去の映画に触れる機会は多い。だがこれは、デジタル技術が普及した20年ほどのこと。実はこれまでに数多くの映画が失われてきた。 かつて、古い映画をかける名画座では、傷だらけで場面も飛び飛びのまま当たり前のように上映されていた。フィルムはもろく、傷つきやすい。しかも日本のように高温多湿な環境では、長期間常温で放置すると、それだけで劣化してしまう。特に戦前の作品は、10%も残っていないという。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。2月26日(日)締め切り 同アーカイブで安定した保存… この記事は有料記事です。残り895文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
チッソ元社長の後藤舜吉氏死去 水俣病補償問題などで最前線担った
今村建二2023年2月18日 20時35分 水俣病の原因企業チッソの社長や会長を長く務めた後藤舜吉(ごとう・しゅんきち)さんが昨年8月に亡くなったことが18日、関係者への取材で分かった。87歳だった。2度目の社長在任時、水俣病犠牲者慰霊式後の発言が患者の反発を招き、その後辞任した。会社は「遺族の意向」として死去について公表していない。 水俣病が公式確認された翌年の1957年にチッソの前身の企業に入社。患者側が勝訴した73年の水俣病第1次訴訟の一審判決後に総務課長になると、患者への補償や政府による金融支援などの問題を最前線で担い続けた。93年から社長、2003年から会長を務め、被害者に一時金を支給することなどを決めた2度の「政治決着」に関わった。 営利事業を子会社に譲渡し、チッソ本社は補償や債務返済に特化する分社化が節目を迎えたとして11年に一度は退任したが、17年に社長に復帰した。18年の水俣病犠牲者慰霊式の後に「救済は終わっている」と発言したことが患者の反発を招き、謝罪し、撤回。同年末に「一身上の都合」を理由に辞任して経営の一線から退いた。(今村建二) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NO WAR 青と黄色、ヒマワリ畑にミサイル…平和願うポスター展
ロシアによるウクライナ侵攻から1年になるのを前に、平和を願う「NO WAR ポスター展」が18日、名古屋駅の地下街「エスカ」で始まった。 展示エリアには、日本、ウクライナ、ポーランド、ドイツなど22カ国のアーティストの作品が紹介されている。ヒマワリ畑にミサイルが落ちる場面などウクライナ国旗の青と黄色で表現された作品が目立つ。平和の象徴のハトが描かれた作品も多い。 40点のポスターが並び、モニターによる映像展示を含めると計124点。27日まで開催されている。 イベントを主催した日本国際ポスター美術館(岐阜県大垣市)の堀冨士夫館長(80)は「時代の証人と言われるポスターから、何かを感じ、心に焼き付けてもらえれば」と話した。(長島一浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山焼き支える「火を付ける消防団」に密着 高齢化や人員確保に課題も
本格的な春の訪れを前に、仙石原(神奈川県)や阿蘇(熊本県)など各地で見られる山焼きや野焼き。生態の維持など目的は様々だが、観光行事として知られるものも多い。支えているのが、「火を付ける消防団」だ。 1月28日夜、世界遺産の春日山原始林に接し、近くに東大寺などの歴史的建造物が多くある奈良市の若草山(標高342メートル)で、山焼きが3年ぶりに通常開催された。江戸時代末期から続くとされ、観光客も多く訪れる伝統行事に同行した。 午後5時。強い雪が、鹿が遊ぶ山麓(さんろく)を真っ白に染めていく。「あいにくの天候ですが、山に火を付けて行事を行う。足元が悪いので無理のないように」。消防や県の職員と共に整列した、はっぴや制服姿の団員約300人を前に、奈良市消防団の中室貞浩団長(64)があいさつした。 中室さんが入団した45年前、消防団はすでに山焼きに参加していたが、正確な記録はないという。「火を付ける珍しい消防団です。責任をもって消して帰ってこい、とよく言っています」 雪が降る中、山に登った消防団員たち。いつもと違う状況に戸惑いながらも、火を付けようと奮闘します。地元で生まれ育った記者も初めて見た光景を紹介します。 湿る草に「消すもんもないわ」 午後6時前、急な階段や斜面を登った団員らは、山中の16カ所に分かれ、配置に就いた。ぬかるんだ山肌に雪が積もり、滑る。足を広げないと立っていられない。 午後6時半、ラッパ隊の団員によるラッパの音を合図に、ススキやヨモギなどの枯れ草に団員がたいまつの火を移し始め、山肌にぽつぽつと炎がともった。「去年はパッとついて、見ているだけやったのに」。雪でぬれた草に火を添えても、いっこうに燃え移らない。水蒸気のような白い煙に巻かれ、団員がぼやく。 午後7時すぎ、「階段に凍結あり」「点火できないので下山開始する」。消防職員らの厳しいやり取りが聞こえてくる。「こんなん記憶にないわ。2年前は雨やったけど、それよりあかん。消すもんもないわ」。水が入った袋を背負い、消火のため待機する団員も手持ちぶさただ。 午後7時半、作業を終えた団員が分団ごとに下山し、人数を報告して解散した。8時前には、消火を確認した最後の分団が下山。雪の影響で、山肌の約1割を焼くのにとどまった。 見届けた中室さんは「悔しい。もっとしっかり焼きたかったね。こんな天気でも期待して待ってくれたお客さんに申し訳ない」。それでも、最後まで見守った観光客からは拍手が送られた。県によると、約17万人が奈良公園などで観覧した。 高齢化、人員確保が課題 消防団員は本業を持つ傍ら、自宅や職場から火災現場に駆けつけるなど、地域防災を担う。しかし、少子化やサラリーマン家庭の増加などで、全国的に年々減少。奈良市でも定数1030人の約1割が欠員で、平均年齢は45歳と高齢化が進む。 「山焼きは寒くて暗い中、山を登り、危険も伴う任務だが、団員は進んで参加してくれる。伝統行事への参加は市民として誇り。続けるためにも、若い人に加わって欲しい」(林敏行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北朝鮮が弾道ミサイル発射か 防衛省発表
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これ、訓練でやったやつだ! 「PCにウイルス」焦る高齢者に店員は
あっ、訓練と同じかも――。和歌山県かつらぎ町のコンビニ店員の女性は思い出した。2年前に受けた特殊詐欺防止の訓練のことをだ。「パソコンがウイルスに感染して……」とプリペイドカードを買おうとする高齢男性が話す内容が訓練と同じだった。時間がなさそうに急いでいた男性に、女性は機転の利いた対応を見せた。 今年1月14日、ファミリーマートかつらぎ大谷店でマネジャーをする東千恵子さん(58)は、店内でセルフ式コーヒーマシンの手入れをしていた。男性が店にやってきたのは午後6時ごろだった。「プリペイドカードはどこにありますか」と話しかけられた。男性が求めていたのは、金額を設定できるプリペイドカードだった。 男性店員がカードコーナーを教えると男性は2枚を持ってきた。レジにいた東さんが金額を聞くと4万円だった。高齢者がプリペイドカードを買うことは珍しくない。しかも比較的、金額は低い。しかし、「何に使いますか」と尋ねると「パソコンがウイルスに感染して、その修理代として購入したい」と男性が答えたことで東さんはピンときたという。 そこからは冷静だった。「これは詐欺かもしれないですよ」と言ったら急いでいる男性は別のコンビニに行ってしまうかもしれないと考えた。「まだか」と時間を気にする男性をどうにかして落ち着かせたい。東さんはとっさに「カードがパソコンに使えるか確認するのでお待ちください」と答え、イートインコーナーに誘導し、いすに座らせた。 そのあいだに東さんは警察署に通報した。駆けつけた署員が男性と一緒に男性宅にウイルス感染しているかどうか確認しに行くと、自宅の電話をつなぎっぱなしだったという。署員が電話に出ると、電話は切れた。 「ピタッとはまった」と東さん。2021年11月、店で実施した特殊詐欺防止の訓練で、被害者に扮した署員が「パソコンがウイルスに感染して……」という言葉をつかっていたから気づけたと振り返る。 和歌山県警かつらぎ署は16日、東さんに感謝状を贈った。桜田徹署長は「特殊詐欺の疑いを持って声をかけてくれたことに感謝します。訓練したことが役立ち、やりがいを感じます」とたたえた。東さんは「訓練したから自信が持てた。高齢者には声かけを徹底したい」と話した。(高田純一) ◇ 県警は、2022年の特殊詐欺の被害状況をまとめた。件数は102件で前年から43件増えた。被害総額も1億7312万円で前年比8247万円増だった。 手口の種類別でみると、「預貯金詐欺」が25件、「キャッシュカード詐欺」が8件で、前年まで1件ずつだった手口が大幅に増加した。息子を名乗る「オレオレ詐欺」は18件で前年の3倍に、架空料金請求詐欺は41件でほぼ倍だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル