東京都内の自治体で、新年度の一般会計予算案の発表が始まりました。各自治体の主な政策や少子化対策など関心の高い話題をタイムラインで詳報します。 ■■■2月9日■■■ 世田谷区 小中学校で給食無償化、4月からまず1年 東京都世田谷区は、4月から1年間、区立の小中学校の給食費を無償化する。エネルギー価格や物価高騰への緊急対応策として、9日に発表した新年度予算案に事業費26億5900万円を計上した。財政調整基金を取り崩すなどして対応するという。 一時的な措置としたことについて保坂展人区長は、「今回は財政上の見通しをつけていく作業を堅実に行った。恒久財源はこれから組み立て、できるだけ混乱がないようにしたい」と説明した。 対象となるのは、区内にある61小学校の児童約3万8600人と、29中学校の生徒約1万2千人。24年度以降の対応は、今後の物価の状況などを踏まえて検討するという。 「子ども全力応援予算」と銘打った予算案ではこのほかに、1歳を迎えた子どもがいる保護者に子どもの数に応じた電子マネーを贈る「バースデーサポート事業」を始める。これまで第3子以降に1人当たり5万円を支給していた出産助成金については、第1子から支給する。 また、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し、不登校の児童や生徒の居場所づくりや学習支援をする事業も始める。さらに、「ギフテッド」と呼ばれる、特異な才能を持つ一方で周囲となじめず困難を抱える子どもが、適性に合わせた教育を受けられる区立学校の設立に向けた調査も開始する。 一般会計の総額は3619億8700万円で、過去最大規模となった。(松田果穂) 北区 学校給食の完全無償化 期間は「当分の間」 東京都北区は9日、4月から区立の小学校、中学校に通うすべての児童生徒の給食費全額を補助すると発表した。2023年度の予算案に、学校給食費完全無償化の関連事業費11億2千万円を計上した。 区立小学校に通う約1万4千人の児童、区立中学校の約4800人の生徒が対象。期間は「当分の間」としている。小学生の1人あたりの年間給食費約5万4千~5万9千円、中学生は約6万7千円を補助する。 新年度予算案は、JR赤羽、十条両駅周辺の再開発で計101億6千万円の関連事業費を計上するなど、一般会計の総額は1978億円で、過去最大となった。(森下香枝) ■■■2月8日■■■ 立川市 東京都立川市は8日、胃ろうや人工呼吸器などを日常的に必要とする「医療的ケア児」が、希望する保育所に通えるための仕組みづくりとして、新年度一般会計当初予算案に583万円を計上したと発表した。 市保育課によると、市内での医療的ケア児の保育所受け入れは2004年度から今年度までに13人。だが、主に公立保育所で、態勢を整えにくい私立では難しかった。 そんな中、21年に医療的ケア児の通所通学などを支援する法律が成立。市は新年度から多くの保育所に入れるよう、専門家による委員会を設けて入所条件や施設状況などを検討するとともに、看護師らの配置への補助、保育士の研修などに取り組むことにした。 地方交付税を受けない不交付団体である市の新年度一般会計当初予算案の総額は853億9千万円。前年度より1・6%、13億9千万円増え、過去最高となった。歳入はコロナ禍で落ち込んだ経済活動の回復基調に伴い、法人市民税が前年度比16・1%増、5億円以上伸びたのが目立った。(森治文) 小平市 SNSで若い女性向けの相談窓口 東京都小平市は8日、6月からSNSによる女性向け相談窓口を週1回、試行することを明らかにした。小林洋子市長がこの日、発表した新年度の一般会計当初予算案に開設費用など約164万円を盛り込んだ。 市には電話や対面による女性相談室があるが、20~30代の女性を念頭に、気軽に相談しやすいオンライン形式を試す。相談内容はあらゆる悩みや訴えなどに対処するという。期間は、男女共同参画週間がある6月から9月まで。 また、地域センターなど24施設の照明を電力消費の少ないLEDに変える。省エネで電気代が実際に削減できた分に応じて、民間業者にLED設置やサービス費用などを支払う「ESCO(エスコ)」事業を導入するため、新年度中は市の支出は発生しない。 一般会計予算案の総額は前年度比0・7%増の779億9千万円で過去最大となった。(森治文) 大田区 蒲蒲線構想、駅前整備などに16.9億円 保険の適用対象外となる先進医療を用いた不妊治療について、東京都大田区は、1回あたり最大5万円を都の助成に上乗せする、独自の支援制度を始めると発表した。高額な治療費の負担を減らし、少子化対策を強化するのが目的。少子化対策としてはこれを含め、新年度当初予算案に約10億9800万円を計上した。 また妊娠期や出生届の提出時、子どもが1歳になったころに、ギフト券などをそれぞれプレゼントするほか、2歳未満の子がいる転入してきた家庭を対象に、保健師や助産師などに子育ての悩みなどを直接相談できる機会を新たに設ける。これまでの健診事業などと合わせ、子どもが2歳になるころまで、切れ目のない相談支援体制をつくる、としている。松原忠義区長は「少子化の急速な進行に加え、大田区は子育て世帯が大きく流出超過している。子育てに予算を重点配分し、安心して産み育てることができる大田区にする」と話した。 区内にある東急蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ鉄道新線「蒲蒲線」構想に関しては、約16億9900万円を計上。昨年設立し、今後の整備主体となる第三セクターへの増資や、駅前整備などに充てるという。蒲蒲線の早期実現をめざすとともに、沿線のまちづくりも進めるとしている。 一般会計の総額は前年度比4・6%増の3147億6863万円。(細沢礼輝) ■■■2月7日■■■ 中央区 給食無償化で子ども1人あたり5万円の負担軽減 東京都中央区は7日、保険適用外の先進医療にかかる不妊治療費の一部を4月から助成することを発表した。年度内で1人あたり最大10万円を助成する。新年度予算案に関連事業費4330万円を計上した。 区内では湾岸部のマンションを中心に子育て世代が増え、今年1月、定住人口が過去最多の17万4074人となった。出生率(20年度)も1・43と23区内で最も高い。「出産応援、子育て応援ギフト」としてウェブサイトのカタログで利用可能な5万円分(計10万円分)のギフトカードなどを支給するため、約5億3千万円も計上した。 さらに学校給食費、保育所などの副食費を無償化する方針も発表した。区立小学校16校、中学校4校、区立宇佐美学園に通う児童と生徒、区内の認可保育所、認定こども園、認証保育所に通う未就学児に対し、1人あたり年間約5万円の給食費を負担。関連予算で5億2千万円を計上した。 23年度一般会計予算案は前年比18・9%増の約1484億円で過去最大規模となった。(森下香枝) ■■■2月6日■■■ 渋谷区 新しいアイデアでビジネスを始めるスタートアップ企業について、世界レベルの企業に積極的に育てていこうと、東京都渋谷区はこうした企業を支援する株式会社「シブヤスタートアップス」を、民間企業と連携して今月末に設立する。区が6日に発表した2023年度当初予算案に、関連経費として計3億2千万円を計上した。 区によると、スタートアップ企業は区内に1600~1700社ある。区はこれまでシェアオフィスの提供や、外国人の起業家に在留を認める「スタートアップビザ」の取得支援などをしてきた。新会社について、長谷部健区長は「海外の先進都市を参考にして、育成のプログラムをしっかりと提供していきたい」と説明。詳しくは今後、会社設立の記者会見を開いて、説明するとしている。 このほか、福祉全体の困りごとを一括して受ける「福祉なんでも相談窓口」の開設▽区立中学の部活動の地域移行を推進するため、モデル校を2校設置▽「青色防犯パトロールカー」(ハチパト)を計5台配備し、区内を24時間365日運行する、などの新規事業を予定している。一般会計の総額は1126億円で、過去最大となった。 荒川区 幼稚園にも無償で給食 小中学校も 荒川区は6日、全区立幼稚園8園に通う園児に、新年度から給食を無償提供すると発表した。委託先の事業者から弁当形式で配達してもらう方法を予定している。現在は家庭から弁当を持参してもらっており、保護者の経済的な負担を減らすとともに、家事負担の軽減も図る狙いがあるという。 区によると、区立8園に通うのは約300人。対象に所得制限などは設けないという。2023年度当初予算案に約2500万円を計上した。ほかに区立小中学校全34校の給食無償化も所得制限なく実施する。こちらについては、約7億5千万円を計上した。 西川太一郎区長は「コロナ禍の難局を乗り越え、区民が健康で幸せに過ごせるように行政サービスを届けたい」と語った。 […]
北海道で1022人感染、5人死亡 23日連続で前週比減
北海道内では9日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1022人確認された。前週の同じ曜日より345人少なく、23日連続で前週を下回った。死者の発表は5人だった。 道内の新規感染者数(9日) 【全体】1022(累計1318164) 【主要4市】札幌378、旭川35、函館116、小樽8 【他地域(振興局別)】 空知27、石狩56、後志13、胆振106、日高5、渡島27、檜山1、上川13、留萌1、宗谷13、オホーツク43、十勝56、釧路31、根室9、道陽性者登録センター84 【死者】5(累計4451) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道の私立高入試の出願状況、平均倍率3.01倍
佐々木洋輔2023年2月9日 19時00分 北海道学事課は9日、2023年度の私立高校入試の志願状況(8日午後5時現在)を発表した。 付属中学校からの内部進学のみで高校からの募集がない藤女子と北嶺、募集を停止した札幌聖心女子の3校を除き、全47校の総募集定員は1万862人(前年度比35人減)。総志願者数は3万2706人(同1366人減)で、平均倍率は3・01倍(同0・12ポイント減)。 最も倍率が高いのは武修館の5・6倍。このほか5倍を超えたのは札幌第一5・5倍、札幌光星5・3倍、札幌創成5・2倍、北海5・1倍。 A日程は36校で2月14日から、B日程は10校で17日から試験がある。北星学園余市は独自に期間を設定している。合格発表が最も早いのは海星学院で18日、最も遅い帯広大谷、白樺学園、帯広北は3月15日。 ◇ 各校の詳しい出願状況は道学事課のホームページ=QRコード=で公開している。(佐々木洋輔) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寝屋川市議、窃盗容疑は不起訴処分 コロナ融資制度めぐる詐欺事件で
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Lars Nootbaar’s mother hopes son can help bring WBC title back to Japan
Kumiko Nootbaar, the mother of St. Louis Cardinals outfielder Lars, is hoping her son can help propel Japan to its third World Baseball Classic championship next month — and send manager Hideki Kuriyama flying. Lars Nootbaar is the first player named to represent Japan in the WBC solely through his […]
1歳の息子をエアガンで虐待、父親に懲役16年判決 福岡地裁
中山直樹2023年2月9日 15時03分 福岡県田川市の自宅で1歳4カ月の三男にエアソフトガンを撃ってけがをさせたうえ、低栄養状態のまま放置して死なせたとして傷害と保護責任者遺棄致死の罪に問われた父親の常慶雅則(まさのり)被告(27)に対し、福岡地裁(冨田敦史裁判長)は9日、求刑通り懲役16年の実刑判決を言い渡した。 起訴状によると、常慶被告は妻の藍受刑者(27)=保護責任者遺棄致死罪で懲役8年が確定=と共謀。18年10月下旬までに、三男の唯雅(ゆいが)ちゃんが重度の低栄養状態に陥っているのを認識しながら医療機関に連れて行かず、自宅に放置して同年12月1日に死亡させたとされる。 また、同年11月下旬ごろには、ライフル型のエアガンでプラスチックの弾数十発を発射し、唯雅ちゃんの全身に命中させてけがをさせたとされる。 被告側は無罪を主張。常慶被告は公判で、いずれの質問にも「お話ししません」と黙秘を続けていた。 藍受刑者は昨年10月に最高裁が上告を棄却し、懲役8年の実刑が確定している。 藍受刑者への判決によると、唯雅ちゃんは19年11月以降に手足や肋骨(ろっこつ)など31カ所を骨折。エアガンで撃たれた傷も71カ所あった。肺感染症を発症し、同年12月1日に急性呼吸不全で死亡した。(中山直樹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国産トリュフの人工栽培に成功 苦節7年、その味は?
西洋料理の高級食材として知られるキノコのトリュフの人工栽培に成功したと、森林総合研究所(茨城県つくば市)が9日、発表した。商用化にはまだ時間がかかりそうだが、トリュフが国産化され、身近になる日が来るかもしれない。 トリュフは地中で塊状に育つキノコで、マツタケのように香りが珍重される高級食材だ。森林総研によると、世界で200種以上が知られ、欧州では人工栽培もされている。日本には海外から輸入されているが、欧州産で1キロ約8万円と高額だ。 国内でも20種以上の自生が確認されているが希少で、栽培技術は確立していなかった。森林総研は2015年から、日本固有の白トリュフ「ホンセイヨウショウロ」の栽培研究を始めた。欧米の白トリュフと同様の香りがあることや、岩手県から岡山県まで広く分布すること、10センチ以上の大きなキノコが得られることから選んだ。 コナラの根にトリュフの胞子を付けて共生させ、国内4カ所の試験地に植えた。数年後の昨年11月、茨城県と京都府で計22個のキノコの発生を確認した。最大9センチで60グラムほどあり、食材として十分なサイズだった。 試食したところ、西洋の白ト… この記事は有料記事です。残り249文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市民の1%が子どもの「見守り役」 貧困連鎖を断つ事業、5年で拡大
生活困窮者の割合が国内で高水準にある大阪府。大阪市の北東に隣接する門真市は、府内でも貧困率が上位の地域の一つだ。そんな門真市が5年前、貧困の連鎖を断つための事業を始め、拡充させてきている。多くの市民や企業を巻き込み、様々な角度から子どもを「見守る」取り組みだ。 1月28日の土曜日。門真市立総合体育館で、小学生が仕事を体験するイベント「ミライのシゴト EXPO」が開かれた。企業などが16のブースを出展し、児童約360人が参加した。 ドラッグストアを展開する「アカカベ」(本社・大阪府大東市)のブースでは、子どもたちが白衣姿でジュースを使って「薬の調合」を体験した。 同社の青木要樹(よしき)さん(38)は「将来、職業を選ぶ際の選択肢を増やすことにつながれば」と語った。 このイベントは、門真市が2017年10月から実施している子どもの貧困対策「子どもの未来応援ネットワーク事業」の一環だ。 事業では、困窮家庭の子どもの早期支援のほか、無料学習サポート、キャリア教育などを導入し、総合的な対応にあたっている。 この背景には、門真市が抱える貧困の問題がある。 松下電器産業(現パナソニッ… この記事は有料記事です。残り1639文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
審査員が大絶賛した中2のトランペット 父と見たラピュタきっかけに
「中学生でトランペットをこれほど自在に吹けるのは驚きだ」 青森県八戸市立白銀中2年の成田侑愛(ゆめ)さん(14)は、藤崎町で1月28日に開かれた県管楽器ソロコンテストで、出場した小学生から社会人まで計81人の奏者の中から、最優秀グランプリを獲得。審査員に、そう絶賛された。 演奏したのは「フライング・トーナル」。高音が続き、音程を保つのが難しい曲だが、華やかな音色で観客を魅了した。 「高い音もしっかりと当てにいくことができた。緊張したけれど、良い演奏ができてうれしい」と話す。 演奏を始めたのは小学3年の時。アニメ映画「天空の城ラピュタ」を一緒に見ていた父が、主人公の少年がトランペットを演奏する場面で、「このシーン、好きなんだ」と話したのがきっかけで、自分もやってみようと思ったのだ。 初めて吹いた時から自由に音階を奏で、周囲を驚かせた。小、中学校では吹奏楽部に所属してさらに腕を磨き、演奏を褒められることも多かった。 だが、ここ数年はコロナ禍でコンテストが相次いで中止になり、実力を試せない日々が続いた。 ようやく昨年、日本管弦打楽… この記事は有料記事です。残り409文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小澤征爾さんの「OMF」今年も 指揮者にスター・ウォーズの音楽家
遠藤和希2023年2月9日 12時44分 音楽の祭典「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」が、今年は8月19日~9月6日に長野県松本市で開催される。9月の公演には、世界的指揮者の小澤征爾さんと交流を深めてきた作曲家で、「スター・ウォーズ」などの映画音楽を手がけたジョン・ウィリアムズ氏を指揮者に迎え、8月の公演では市民ら100人規模の合唱団も舞台に立つ。 OMFは1992年に始まった「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」が前身。小澤さんが総監督を務め、2015年にOMFと改称された。 8月25日と27日の大型公演で「サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)」の指揮を務めるのは、フランス出身の気鋭の指揮者、ステファン・ドゥネーブ氏。実行委員会によると13年のオペラでフェスティバルに初出演したドゥネーブ氏は、20年のOMFに出演予定だったが新型コロナの影響で中止に。満を持しての出演になるという。 続く9月2日には、小澤総監督と半世紀にわたって親交を深めてきた米国のウィリアムズ氏がSKOを指揮する。 実行委広報担当の関歩美さんは「昨年は3年ぶりの開催で、『待っていたよ』と声をかけてもらうなど温かく受け止めて頂いた。今年も国やクラシック音楽界などのコロナ対応指針に沿って運営する」と話した。 今年のOMFの詳細は随時発表され、6月10日からチケットが販売される。(遠藤和希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル