松浦祥子2023年2月27日 14時50分 大阪市生野区で2018年、聴覚支援学校に通う井出安優香(あゆか)さん(当時11)が重機にはねられて死亡した事故で、両親らが重機の運転手側に約6130万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であり、武田瑞佳(みか)裁判長は被告側に約3770万円の支払いを命じた。賠償のうち、得られたはずの収入を指す「逸失利益」については、安優香さんが将来「様々な手段や技術を利用して聴覚障害の影響を小さくできた」と認定し、全労働者の平均賃金の85%を元に算定すると判断した。 原告側は、安優香さんが補聴器を使ってコミュニケーションができたことや、音声認識アプリなどの技術の発展により、聴覚障害者の就労環境の改善が見込まれると指摘。安優香さんが就職する頃には「健常者と差異なく働くことができた」とし、逸失利益を健常者と同様に、全労働者の平均賃金を元に算定すべきだと訴えていた。 一方、被告側は、逸失利益について、原告側の請求の「6割」にあたる聴覚障害者の平均賃金を用いるべきだと反論していた。 障害がある子どもの逸失利益を巡っては、障害の程度やコミュニケーション力、学力・学歴、通った学校の卒業生の就職状況などが検討される。過去の裁判例では「健常者と同じように働けたとは言えない」などと判断し、低く算定されることが多かった。 安優香さんの父・努さん(50)と母・さつ美さん(51)は「障害の有無に関係なく、誰にでも将来の可能性がある。社会にとって良い前例になるような判決を」と訴えていた。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「差別止めようとする大人もいる」 性的少数者の親、法整備求める
首相秘書官だった荒井勝喜氏による性的マイノリティーへの差別発言を受け、性的マイノリティーの子どもをもつ親が26日夜、オンラインによる記者会見を開いた。「性的マイノリティーの子どもたちの多くが、深刻な差別によって苦しんでいる。命を絶ってしまう人たちもいる」と訴え、明確に「差別の禁止」を規定した法律の制定を求めた。 同性愛者やトランスジェンダーなど性的マイノリティーの子どもをもつ親の有志(14家族)が全国から集まった。岸田文雄首相は「LGBT理解増進法案」の提出に前向きな姿勢を示しているが、有志は「まず『差別をしてはならない』という基本的なルールを整備してほしい」と指摘。近く政府に対し、「性的指向や性自認を理由とする差別的取り扱いをしてはならない」と禁止規定を盛り込んだ法律の制定を求める要望書を提出する。3月5日までインターネット(https://forms.gle/MguVSvHGDUtG8aVc7)で要望書への賛同を募っている。 差別発言 「もう限界」 呼びかけ人の1人で、同性愛者の子どもがいる愛知県在住の松岡成子さんは、度重なる政治家の差別発言を聞く度に当事者の若者から「しんどい」という声を聞いていたが、「おろおろ心配することしかできなかった」と打ち明ける。ただ、性的少数者や同性婚をめぐり、「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「見るのも嫌だ」といった今回の荒井氏の発言は、「誰かの命を奪うトリガー(引き金)になりかねない。もう限界だと感じた。差別をする大人がいるなら、差別を止めようとする大人もいることをちゃんと表明すべきではないかと思った」と話す。 会見に参加した親からは、差別禁止を求める切実な声が上がった。 「我慢、わがまま」ではない 福岡県に住む参加者の子ども… この記事は有料記事です。残り517文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Cubs’ Seiya Suzuki misses spring training game due to oblique issue
Mesa, Arizona – Chicago Cubs outfielder Seiya Suzuki did not take part in his team’s training Sunday, raising concerns over his involvement in next month’s World Baseball Classic with Japan. Suzuki pulled out of the Cubs’ spring training game with the San Francisco Giants on Saturday due to tightness in […]
高齢女性を抱え、間一髪で列車かわす 北九州市の20歳女性に感謝状
上月英興2023年2月27日 11時35分 踏切内で身動きが取れなくなった80代女性を救助したとして、北九州市八幡東区の会社員、蔵原純鈴(すみれ)さん(20)に福岡県警門司署から感謝状が贈られた。蔵原さんは間一髪で列車をかわしたといい、「めちゃくちゃ心臓バクバクでした」と振り返る。 昨年12月28日午後0時50分ごろ、北九州市門司区の石原町通り踏切。蔵原さんは年末の掃除で出た段ボールをリサイクルに出すため、車を運転していた。 遮断機が下りてきたので、停車した。反対側に、腰の曲がったお年寄りの女性が踏切を渡ろうとしているのが見えた。しかし、女性は手押し車が線路に引っかかり、なかなか前に進めない様子だった。 間に合うのかな。 蔵原さんは車から降りた。女性はまだ踏切の中。右から列車の警笛が聞こえてくる。 「危ない!」。体が飛び出していた。踏切の外へ連れ出す時間はない。女性の体を抱え、手前に一緒に倒れ込んだ――。 急ブレーキをかけた列車が止まったのは、踏切を過ぎてからだった。 感謝状の贈呈式は1月20日にあった。踏切にある非常ボタンは探す暇もなかったという蔵原さんは「自分でもよーやったな、と思う。次はちゃんとボタンを押します」。贈呈式に同席した母親の恵美(めぐみ)さん(49)は「助かって良かった。自分ではできないことをやった娘を誇りに思う」と話していた。(上月英興) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フジロックのチケットがふるさと納税の返礼品に 8万~86万4千円
白石和之2023年2月27日 11時47分 野外音楽祭「フジロックフェスティバル」のチケットがふるさと納税の返礼品になる。会場の苗場スキー場がある新潟県湯沢町が決めた。ホテル宿泊付きのものまでラインアップは充実の15種類。税収増だけでなく交流人口の拡大にもつなげ、町の魅力を発信したい考えだ。 今回のフジロックは、会場を山梨県から苗場スキー場に移して25年目の節目で、7月28日から3日間の予定で開催される。昨年は前夜祭を含め4日間で延べ約6万9千人が訪れた。 返礼品は1日券1枚から、3日通し券に駐車券とホテル宿泊がセットになったものまで15種類あり、寄付額は8万円~86万4千円。サイト「ふるさとチョイス」限定で4月から取り扱いが始まる。 町の担当者は「モノから体験型へ返礼品の人気が広がっている。観光を主要産業とする町の一大イベントをしっかりPRしたい。税収増も期待している」と話す。(白石和之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもは家族のもの? 「つながり」を求めてたどり着いた、復興の町
午後6時。東京電力福島第一原子力発電所から約8キロ離れた福島県富岡町に暮らす鈴木みなみさん(32)が、長女のみちるさん(6)を連れて自宅に戻ってきた。すぐに夕食の準備に取り掛かる。 この日のおかずは鳥のつくねハンバーグ。春菊のみそ汁を作っていると、近くに住む辺見珠美さん(34)が台所に入ってきた。手には、地元の農家にもらった落花生の塩ゆでを持っている。数年前、復興の仕事を通して知り合った仲間だ。 「スープの冷めない距離に住んでいるから、自然と一緒に食べることが多いです。娘と2人だけでご飯を食べるのが、意外と少ないです」と鈴木さんが教えてくれた。 2019年、鈴木さんは夫と離婚して町に引っ越してきた。それまで暮らしていたいわき市では、発達障害を抱えるみちるさんを育てるのが難しかったという。仕事での知り合いはたくさんできたが、子育ての悩みを相談できるような人間関係に恵まれなかった。 みちるさんを寝かせるのに、4~5時間はかかる。日付が変わっても寝られないことがあった。「寝かしつけも出来ないの?」と他人から言われるのが怖かった。それが出来ないのは自分のせいだと思い込んだ。 東日本大震災から12年となるいまも、福島では原発事故の影響が色濃く残っています。帰還困難区域が残る町の食卓から、福島のいまを見つめます。 富岡町に感じた魅力 さらにみちるさんは、外出す… この記事は有料記事です。残り1136文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】レンズがとらえた2023年2月
2023年2月27日 8時00分 北海道道東で、毎年恒例、冬の風物詩である流氷が南下し、オホーツク海に押し寄せた。間近で楽しもうと、砕氷船で流氷群を突き進む観光もにぎわいを見せている。関東地方平野部でも冷え込む日があり、都内でも積雪を記録した。一方、福岡や静岡などでは早咲きのサクラが咲き始め、春の足音が近づいてきている。 スポーツでは、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、野球の日本代表「侍ジャパン」が始動した。大リーガーのダルビッシュ有選手、昨年セ・リーグ三冠王の村上宗隆選手なども合流し、豪華なメンバーがそろい、キャンプ地の宮崎も野球ファンで盛り上がった。 この1カ月を写真で振り返ります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
40歳の今、どんな姿に 31年前に不明の女性、家族に肖像画像贈る
横浜市旭区で当時8歳の女性が行方不明になって31年以上が経った。女性が今年40歳を迎えるなか、現在の姿をプロファイリングした肖像画をつくるなど、家族らは再会を願って懸命な活動を続けている。 情報提供は旭署(045・361・0110)へ 女性は野村香さん。1991年10月1日夕、同区本宿町の自宅から書道教室に向かったのを最後に、行方不明となった。当時ショートカットで、白色のヨットパーカに紺色のデニムスカート、ピンク色の長靴を履いていたという。 神奈川県警は旭署に特別捜査本部を設置し、これまで約9万7千人の警察官を捜索に動員した。家族も不明になった当時の情報を書いたチラシを配るなどの活動を続け、計3130件の情報が寄せられたが、有力な情報は得られていない。 そこで旭署は、40歳の容姿をプロファイリングした肖像画を画家の須藤眞啓(ともあき)さん(72)に依頼。24日に画像を受け取り、香さんの両親にも贈呈した。 17歳や25歳の時にもプロファイリング画像を描いた須藤さんは「(香さんと)共に生きてきた」と語る。香さんの姉の写真を参考にするなどして40歳の香さんを描いたという。 母の郁子さん(70)は「再会したような気持ちがある」と画像をじっと見つめていた。父の節二さん(74)は涙で言葉に詰まりながらも「見つかって欲しい。この画像を参考にして、新たな情報提供があれば助かります」と話した。 画像の贈呈式後には、相鉄線… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大人も子どもも「マスクなし」になった保育園 園長の決断の理由は
有料記事 聞き手・中井なつみ2023年2月27日 9時00分 新型コロナウイルス対策として、日常生活でマスクを着用するようになって約3年。政府は3月13日以降の着用ルールを緩和する方針を示しました。札幌市にある認定こども園「手稲やまなみ子ども園」は、すでに1月から職員も含めた着用を「選択制」に変更しています。その背景や保育の現状について、大谷在我(とうが)園長に話を聞きました。 ――1月から、保育士や職員のマスク着用を「任意」にするという方針にした理由は。 これまでも、職員から「息苦しくて、保育活動が十分にできない」「子どもとのコミュニケーションに壁を感じてしまう」といった声があがっていました。 コロナ禍の当初から、感染症対策のためにマスク着用は徹底してきましたが、マスクを外した「表情」を何年も見せていないことも当たり前になってしまいました。 本来、子どもたちが社会性を身につけ、成長していく上では、顔や表情の認知はとても重要です。やはり、保育園という場では、そろそろ言葉やジェスチャーとともに、マスクを外した「表情」全体で思いや気持ちを伝えていく関わりが大切だと考えました。 そのために、昨年末ごろから職員の間で検討を始め、「リスクが低いと考えられる場面では、外してもよいのではないか」「万全の体調であるという前提があれば、リスクは抑えられるのではないか」という意見にまとまりました。保護者の方には、こうした経緯も含め、手紙で知らせています。 ――マスクをしていないこと… この記事は有料記事です。残り1258文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バーテンダーと酒のよい関係 コロナ禍3年でカクテル缶を製造・販売
アジアで名の知れたバーテンダーが、岐阜市にクラフトカクテルをつくる「長良酒造」を開いた。長良川の伏流水と地元の天然素材にこだわって調合したカクテルを一缶に詰め込む。きっかけは、新型コロナでバーの経営が振り回されるなかでの常連客のひと言だった――。 中垣さんは1968年生まれ。19歳でバーの店長。28歳で独立し、岐阜市金宝町1丁目に「バロッサ・コクテリエ」を開業しました。アジア全域のバーを対象に、各国のバーテンダーや有識者らが投票する「Asia’s 50 Best Bars 2022」(英ウィリアム・リード・ビジネス・メディア主催)の上位100人に東海北陸地方で唯一選ばれました。 古い町並みが残る同市の観光地・川原町。中垣繁幸さん(54)は、明治時代に建てられた土蔵を借り、2021年10月から準備を始めた。約80平方メートルの蒸留所内には、酒や原料の貯蔵タンク、遠心分離機、風味を逃さないための減圧蒸留器などが所狭しと並ぶ。 「自分でつくった酒をベースにカクテルを出せたら最高だろうな」。中垣さんは以前からそんな夢を描いていた。 この3年はコロナに振り回された。営業時間の短縮、酒類の提供自粛……。客足は戻らず、経営もままならない状態だった。 「マスターのカクテルを家でも飲めたらいいのに」。何げない常連客のひと言が心に刺さった。「小さな蒸留所でもやれるはず」と一念発起。酒造免許を取得し、クラフトカクテルづくりを決断した。 初めてのジントニック缶づくりは、「失敗の連続だった」と中垣さん。タンクの段階では、申し分ない苦みと酸味のバランスだったものの、缶に詰めると崩れてしまったそうです。 コロナ禍の前から、蒸留所の立ち上げや、酒蔵のリキュール部門のプロデュースなどを手がけてきた。仕事柄、世界各地の蒸留所に足を運ぶ機会も多い。そうした知見や経験が今回の蒸留所の立ち上げに役立った。 選んだのはジントニック。1… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル