2023年2月7日 11時05分 2017年に大阪市で起きた強盗致傷事件を巡り、指示役として起訴された伊藤仁被告(51)のやり直しの裁判員裁判が7日、大阪地裁で始まった。被告は、19年の裁判員裁判では無罪判決を受けたが、20年に大阪高裁が破棄し、地裁に差し戻した。被告はこの日の公判で「自分は一つも関与していない」と述べ、改めて無罪を主張した。 一、二審判決で評価が分かれたのは、共犯とされる男=同罪で有罪判決が確定=の運転手の証言。今回の裁判員裁判では、やり直し前の一審で行われた証人尋問や被告人質問の映像が流される予定。改めて選ばれた裁判員らが、この運転手の証言内容を信用できるかなどを審理する。 一、二審判決によると、事件は17年4月、同市中央区で発生。被告は、現金約7千万円を運んでいた男性2人に催涙スプレーを噴射するなどして襲撃し、現金を奪うよう、共犯とされる男を通じて実行犯3人に指示したとして起訴された。公判では、共謀が成立するかどうかが争点となった。 運転手は、捜査段階の検察の取り調べに「(共犯とされる男が)催涙スプレーを被告が送ってくれると言っていた」と供述。検察側は、それ以外にも被告の関与を推認させる間接証拠があると主張した。 だが、運転手は一審の証人尋問では「(共犯とされる男に)宅配物を渡したら中身は催涙スプレーだと言っていた」と証言。一審判決は、こうした証言内容を重視し「催涙スプレーの送り主が被告であるとの根拠は乏しい」などと判断し、被告に無罪を言い渡した。 一方、二審判決は、運転手の証人尋問について「被告の面前で、被告に不利な供述をするのがためらわれる心境にあった」とし、捜査段階の供述の方が信用できると判断。運転手の供述調書を証拠として採用しなかった一審には「訴訟手続きの法令違反がある」として無罪判決を破棄し、審理を差し戻した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇室でも人気の日本の漫画とアニメ 知られざる「推し」の世界
日本の漫画やアニメは世界で人気を誇るが、皇室での人気も高い。皇室の方々の知られざる「推し」とは。 故・寛仁さまの長女彬子さまが今年1月、東京・上野の森美術館で開かれていた展覧会を訪れた時のこと。彬子さまに古代中国に関する展示内容を説明した鶴間和幸・学習院大名誉教授が、報道陣に明かした。 「彬子さまはキングダムのファンなんです」 人気漫画「キングダム」は、中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を志す主人公の信と、のちに秦の始皇帝となる政が、戦乱の世を終わらせようと中華統一を目指す姿を描く。 彬子さまと長年交流がある鶴間さんによると、彬子さまはキングダムを全巻読破し、映画も全て鑑賞するほどの筋金入り。特に秦の王騎将軍が好きで、将軍が亡くなったエピソードには「涙が出た」と話したこともあるという。作者の原泰久さんと対面した時は、感激していた様子だったという。 2013年、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた秋の園遊会。 当時皇太子だった天皇陛下は… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り629文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? 会員限定の有料記事が読める! 多彩なコメンテーターがニュースを深堀り いま話題の最新ニュースもメールでお届け Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
過去最多になった児童虐待の相談数 増える一時保護、受け皿不足も
虐待の相談が増え続けている。全国の児童相談所(児相)への虐待の相談件数は2021年度に過去最多を更新。虐待への問題意識が浸透してきたことが背景にある。一方、一時保護をせざるを得ない子どもも増えており、自治体の施設では抱えきれない事態が続いている。 兵庫県は7カ所の児相で、児童虐待や障害、非行などに関する相談を受け付けている。神戸市や同県明石市が独自で設置する児相を含め、県全体で受け付けた相談を分析すると、虐待についての相談は21年度9412件。11年度の2272件から大きく増え約4倍となっていた(グラフ参照)。 兵庫県だけではない。大阪府内の児相で受け付けた虐待についての相談は21年度2万2557件で、10年間で約2・5倍になった。 厚生労働省によると、全国の児相への虐待の相談件数は右肩上がりが続き、15年度に10万件を突破。21年度は20万7660件で過去最多を更新した。 内訳をみると、増加しているのは「心理的な虐待」だ。大声や脅しによるもののほか、目の前で家族が暴力を振るわれることでダメージを負う「面前DV」も原因だ。心理的な虐待が全体に占める割合は、11年度は約3割だったが、21年度には約6割に達した。 虐待の相談をもちかけている… この記事は有料記事です。残り797文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「諦めてきたもの大きかった」 均等法世代、定年後の女性の生き方は
定年後の女性のロールモデルが少ない中、女性のセカンドキャリアについて学びながら、互いにつながろうという動きが生まれている。 7年前に発足した「定年女子トーク」は、おしゃべりを通じてつながり、よりよく生きることを目指している。約650人が参加するフェイスブックのグループ上で互いに情報発信しているほか、月1回、都内のカフェで集まったり、講師を招くフォーラムを開催したりしている。 「働き続けてきた女性はまだまだマイノリティー。定年後の本も男性を想定しているものばかりで、とにかく女性目線の情報がなかった」と代表の石崎公子さん(63)は話す。 参加者の多くが「普通」の会社員やフリーターだが、この世代の平均に比べ、子どもがいない人が多いという。「男性は先輩がたくさんいる上、用意されたポジションで成功体験を重ねてきた人が多いと感じます。一方で、女性はさまざまな選択を迫られてきた人ばかり。だからこそ、多様なロールモデルの話を知ることが大切だと思います」 「Next Story」は4年前から、女性のセカンドキャリア研修を手がけている。代表取締役の西村美奈子さん(63)は、富士通でエンジニアとして働いてきたが、定年を前に退職して起業した。大学の研究所で女性のセカンドキャリアについて研究し、定年後の人生について悩んでいる女性が多くいると知ったことがきっかけだ。 研修は3日間の日程で、年2回、開催している。キャリアコンサルタントや大学教員らを講師に、定年後の現実や経済的基盤、キャリアの棚卸し、具体的な行動への移し方など「今から準備すべきこと」を学ぶ。参加費は5万円、定員30人で、次回は5~6月に開催される予定だ。 記事後半では、元「日経WOMAN」編集長の野村浩子・東京家政学院大学特別招聘教授が「均等法世代のやるせなさと希望」について語っています。 セカンドキャリア やりたいことの見つけ方 西村さんによると、受講者は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ご神木、長生きしてね 天然記念物の杉「落下の恐れ」で枝を伐採
樹齢1千年超とされ、杉の木としては愛知県下で随一の大きさを誇る国指定天然記念物「杉本の貞観(じょうかん)スギ」(愛知県豊田市)の枝が6日、伐採された。腐朽が進み、枝が周囲に落下する恐れがあったため、地元の要請を受け、文化庁が認めた。天然記念物としての価値は損なわれないという。 6日午前、豊田市杉本町の集落にある「神明神社」。道路に張り出した貞観杉の大きな枝3本が、作業員の手で切られていく。 同神社のご神木で、樹齢1千年以上と伝わる。市文化財課によると、高さは約45メートルで県内の杉として最大という。1944(昭和19)年に国から天然記念物に指定されたが、近年は幹の内側で腐朽が進んでいた。 2018年9月の台風では、長さ約10メートル、重さ約3トンの枝が道路に落ち、近くの民家の車庫を破損。市によると、台風などで枝が再び落下する可能性があったという。 市が昨春から伐採を検討し始… この記事は有料記事です。残り379文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フィリピンで収容の2容疑者、7日に強制退去へ 残る2人は結論待ち
【動画】容疑者が収容されているフィリピン入国管理局の収容施設=角野貴之撮影 フィリピンを拠点とした特殊詐欺事件に関与したとして警視庁が逮捕状を取っている日本人4人のうち、2人が7日に強制退去とされることが決まったと、フィリピンのレムリア司法相が6日明らかにした。残る2人は現地で訴追されている刑事裁判の公判が6日に開かれたが、公訴棄却の結論が出なかった。 強制退去となるのは、藤田聖也(としや)容疑者(38)と今村磨人(きよと)容疑者(38)。残る渡辺優樹容疑者(38)と小島智信容疑者(45)については裁判所が棄却し次第、強制退去となる方針。 4人が収容されているマニラ首都圏の入国管理局の施設では6日朝、入管の係官が到着し、移送に向けた準備を始めた。 4人は、警察官などを名乗って東京都内の男女からキャッシュカードをだまし取った事件に関わった疑いがある。警視庁が2019~21年にかけて逮捕状を取り、フィリピン当局に対して送還を求めていた。さらに警視庁は、全国で相次いだ強盗事件を指示した「ルフィ」を名乗る男が4人に含まれているとみている。 だが、4人はフィリピンで女性への暴力などの罪で訴えられて裁判を抱えていたため、現地の法律上、直ちに強制退去させることはできなかった。 強制退去を逃れるため裁判を仕組んだ可能性が高いと判断 フィリピン当局は、4人が強… この記事は有料記事です。残り202文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
工場で「鉄板に挟まれた」5人を搬送、1人死亡、2人意識不明 大阪
6日午前11時50分ごろ、大阪府岸和田市臨海町で、金属加工工場の作業員から「鉄板に数人の従業員が挟まれた」と119番通報があった。大阪府警によると、工場内で作業していた男性7人が負傷し、5人が病院に運ばれた。うち会社員の紺野良介さん(58)=三重県名張市赤目町檀=が死亡し、30、40代の計2人が意識不明、2人は命に別条はないという。他の2人は軽傷を負い、府警は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べを進めている。 岸和田署によると、工場内では事故当時、19人が作業していた。工場内には、印刷関連部品の加工に使われる重さ約2トンの金属製の板が13枚、1列に並べられていた。板は縦約2・3メートル、横約9・3メートル、厚さ数十センチで、13枚それぞれが立った状態で置かれていた。 だが、同署の調べでは、板が何らかの原因で倒れ、次々に隣り合う板が倒れたとみられる。最終的には13枚全てが地面に面する形で倒れたり、隣の板に引っかかる形になったりしたという。搬送された作業員の中には板のそばにいて、倒れてきた板の下敷きになったケースがあったとされる。 現場は南海岸和田駅の北西約2キロにある大阪湾に面した工場地帯。事故直後から、岸和田市消防本部の消防車や救急車、府警の捜査車両が出動し、一時騒然とした。工場周辺では、「板をどうやって動かそうか」などと救急隊や警察官が大声を掛け合い、倒れた板に巻き込まれ、負傷した作業員たちの救助に当たる様子が見られた。 現場近くの鉄鋼会社の社屋にいた男性従業員は、「工場地帯なので普段から大きな音はしているが、いつも以上に大きな音が聞こえた」と振り返った。複数のものが倒れたり、落ちたりするような音だったといい、「驚いて外に出てみると、様子を見ようとする人たちが集まっていた」と話した。 男性の勤務先は現場となった工場と関係があり、男性は前日も工場内部の様子を見ていた。整然と並んでいたはずの金属の板は事故後、出入り口に向かって折り重なるようにして倒れていたという。 男性は「板は大きいうえ重いため、人間の力で倒れるようなものじゃない」と説明する。工場の天井にはクレーンが設置され、作業に使われていた。「何らかの弾みで板が次々に倒れてしまうことがあったのかもしれない」と語った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柔和な横路さんが厳しい顔に 記者に語った平和のこと、アイヌのこと
「北海道を振り返ることなら私にもお役に立てることがあるかな」 衆院議員を引退した直後の2017年秋、北海道知事や衆院議長を務めた横路孝弘さんにインタビューを申し込んだ。最初は「引退した身だから」と乗り気ではなかった。だが、「北海道150年」の企画であることを伝えると、「先に言いなさいよ」と快諾してくれた。 「話したいことが山ほどあって大変だった」 取材当日、そう言って迎えてくれた横路さんの手元には、取材のために用意した自作の資料があった。 横路さんにお願いしたインタビュー企画「わたしと北海道 150年」では、北海道の重大事件を五つ選んでもらっていた。「とても絞り込めない」と悩んだ結果、横路さんが選んだのは「アイヌ民族」「戦争」「教育」「災害」「交通」の5つのテーマだった。 インタビューでは、多くの時間を歴史認識に費やした。横路さんは冒頭、「150年」に疑問を突きつけた。「なぜ150年なのか。この地には先住民族としてアイヌの人たちがいた。そのことを忘れてはいけない」 自身も政治家になるまでアイヌの人たちを意識することはなかったと告白した上で、「アイヌの人たちとの関わりが歴史と向き合う大きなきっかけになった」と話した。 戦争についても体験を交えて熱く語り、これからの北海道に大切なこととして「まず平和であること」と言葉に力を込めた。 取材が終わると、「本当は憲法についても話したかったのだが、長くなるから君たちも困るだろう」と笑顔を浮かべた。その後の言葉が印象的だった。 「平和のために歴史を見つめる。これからの北海道を担う人たちに、うまく伝えておいてください」 横路さんは2日、肝内胆管がんのため、都内の病院で死去した。82歳だった。(長谷川潤) 5年前、熱く語った北海道 2018年1月12日付朝日新聞北海道版に掲載された「わたしと北海道 150年」の横路孝弘さんのインタビューは次の通り。 まず思うのは、なぜ「150年」なのかということです。「北海道と命名されてから」ということですが、この地には先住民族としてアイヌの人たちがいた。そのことを忘れてはなりません。 私は高校の途中まで札幌で過… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「国産アサリでなければ売れず…」熊本産と偽装し28億円売り上げか
福岡県警は6日、韓国産アサリを「熊本産」と偽って販売したとして、熊本県荒尾市の水産会社「熊水(くますい)」社長・植野樹(たてき)容疑者(56)=福岡市西区石丸3丁目=を食品表示法違反容疑で逮捕し、発表した。熊本県産アサリは外国産が大量に偽装されていたことが農林水産省の調査で判明しており、県警は、同社が産地偽装したアサリで28億円以上を売り上げたとみている。 生活経済課によると、植野容疑者は福岡市内の水産会社社長の男2人と共謀し、2020年5月~21年11月、計12回にわたり、韓国産アサリを熊本産と偽って納品書に記載し、山口県宇部市の水産会社に約100トン(計約4100万円)を販売した疑いがある。 植野容疑者は「国産アサリでなければ売れず、産地偽装してでも売っていた」と容疑を認めているという。 植野容疑者は、自身が社長を… この記事は有料記事です。残り366文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校教諭を脅迫容疑で逮捕 定時制柔道で優勝10回超の有名指導者
2023年2月7日 0時58分 知人女性に「地獄に道連れじゃ」などとメッセージを送ったとして、兵庫県警は6日、同県立龍野北高校教諭の三輪光容疑者(58)=同県姫路市大津区天満=を脅迫の疑いで逮捕し、発表した。「似たような言葉は言ったかもしれないが、けんかの延長線上で脅迫したつもりはない」と供述しているという。 たつの署によると、三輪容疑者は2021年4月~22年5月の間、知人女性(29)にLINEで「必ず恨み倒したる。地獄に道連れじゃ。覚えとけよ」などとメッセージを送り、脅した疑いがある。女性が22年7月、「何度も脅迫されて困っている」と警察に相談した。 三輪容疑者は、同県立飾磨工業高校多部制の柔道部の指導者として、全国高校定時制通信制柔道大会で10回以上の優勝に導いた。だが、部員に体罰をしたなどとして20年に停職3カ月の懲戒処分を受けた。「チンピラちゃうねん、教師やねん。」などの著書がある。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル