有料記事 浪間新太 中川壮2023年2月4日 19時00分 昨年11月の愛媛県知事選で、松山刑務所(愛媛県東温市)が収容者3人に投票の意向を確認せず、不在者投票できなかった。公職選挙法によれば、禁錮以上の受刑者に選挙権はないが、判決が確定していない未決勾留の被告らは不在者投票できる。ただ、施設側に意向確認を義務付ける規定はなく、確認の方法や選挙の種類は施設ごとにバラバラだった。春に統一地方選が控える中、法務省は3日、全国統一の周知方法を各地の施設に通知した。 愛媛県知事選の投開票日は昨年11月20日。松山刑務所では同月17日、不在者投票を行った。同刑務所を管轄する高松矯正管区によると、当時、選挙権があった収容者は23人。うち4人が投票し、16人は投票の意向を示さず、残り3人は確認しなかったという。高松矯正管区はこの問題を公表した昨年12月、「意向確認は収容者の便宜を図るために行っており、確認漏れは選挙権の侵害ではない」と説明した。 法務省が所管し、全国で不在者投票を行える刑務所、拘置所、少年院などは161カ所あり、施設ごとの収容人数は数人~約1700人(2021年末現在)。19年7月の参院選では、全国の刑事施設や少年院、警察の留置施設で約1800人が投票した。矯正局の担当者は「収容者数の規模など各刑事施設の実情に合わせて、対応を自主的に決めてきた」と話す。 「選挙があります。選挙権がある人は不在者投票ができます。希望者は担当職員に申し出て下さい」 大阪拘置所(大阪市都島区)では、公示・告示日から投票日までの間に2日間、館内放送で呼びかけている。未決勾留の収容者は約700人(昨年12月23日)。担当者は「伝達ミスがないよう一斉に放送し、希望者に名乗り出てもらっている」という。 東京や福岡の拘置所も同様だ… この記事は有料記事です。残り816文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
殉教者描く90年前の映画、教会で上映 活動弁士の語り・生伴奏も
寺崎大2023年2月4日 19時30分 無声映画「殉教血史 日本二十六聖人」が4日、東京・麴町の聖イグナチオ教会で上映された。バチカンにある日本関連の歴史資料を研究する「バチカンと日本 100年プロジェクト」(主催・角川文化振興財団、共催・朝日新聞社)の関連イベント。活動弁士の澤登(さわと)翠(みどり)さんの語り、楽団カラード・モノトーンの生伴奏とともに、約300人が鑑賞した。 映画は豊臣秀吉時代の1597年、長崎市・西坂の丘で殉教したカトリック信者を描いている。片岡千恵蔵や山田五十鈴らが出演し、現在の貨幣価値で約6億円の私財が投じられた。約90年前の公開当時、全米200カ所、約15万人が鑑賞したと言われる。 ローマ教皇庁駐日大使のレオ・ボッカルディ大司教はあいさつで、制作方法について「現代と比べると大変つつましい。何よりもカメラが常に固定されていることが特徴だ」と解説。映画の意義を「舞台は壮大で、西洋の視聴者にとって当時あまり知られていなかった異文化を知ることができるものになっている」と強調した。 会場を訪れた東京都稲城市の加藤磨珠枝さん(56)は「ストーリーと時代劇の両方の観点で興味深い映画。聖書に出てくる話がベースになっている箇所が随所にあった」と話した。(寺崎大) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福島・いわきで85歳女性が死亡、強盗殺人か 住宅内で親族が発見
2023年2月4日 21時33分 3日午後7時ごろ、福島県いわき市勿来町窪田町通1丁目の民家で、この家に住む無職小松ヤス子さん(85)が1階の廊下に倒れているのを、訪ねてきた親族が発見し、119番通報した。小松さんは死亡が確認され、県警は、現場の状況などから強盗殺人事件とみて捜査本部を設置した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
勝共連合の県本部代表に自民市議、本部は議員宅 旧統一教会友好団体
「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の友好団体「国際勝共連合」について、直近3年分の政治資金収支報告書をもとに朝日新聞が調べたところ、県本部の代表を自民党の地方議員が務めたり、県本部の所在地が議員宅になっていたりした例があることがわかった。教団側が、自民党の地方議員と結びついている一端が明らかになった。 国際勝共連合は教団創始者の文鮮明氏が提唱し、1968年に創設された政治団体だ。「共産主義からの解放」を掲げ、憲法改正や防衛力の強化を主張。「行き過ぎたLGBT人権運動に歯止めをかけ、正しい結婚観・家族観を追求する」ことなどを運動方針とする。教団の歴代の日本教会長のうち、4人は勝共連合の会長を兼ねており、各都道府県に本部を置く。 旧統一教会の友好団体「国際勝共連合」の都道府県本部の代表を自民党の地方議員が務めたり、本部の所在地が議員宅になっていたりーー。その理由を探るため、記者が議員たちを訪ねました。 自民党は所属国会議員と同様に都道府県連に対しても、4月の統一地方選で公認や推薦を出す候補者に教団や関係団体との関係遮断の徹底を求めている。 勝共連合の47都道府県本部… この記事は有料記事です。残り2634文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キジ猟の弾がスクールバスのガラス突き破る 高校生らけがなし 千葉
近藤咲子2023年2月4日 20時45分 4日午前8時ごろ、千葉県市原市荻作の田畑で「狩猟をしていた流れ弾がスクールバスに当たった」と110番通報があった。スクールバスには東海大付属市原望洋高校=同市=の生徒と運転手の計25人が乗っていたが、けがはなかった。 千葉県警によると、キジ猟をしていた自称会社員の男性(52)=佐倉市=が猟銃を発射したところ、1発が近くの市道を走行していた同校のスクールバスに誤って当たった。弾はバス左前方の乗降口のドアのガラスを突き破り、車内で見つかった。バスには同校の1、2年生24人が乗車し、登校途中だったという。 県警では、銃刀法違反や鳥獣保護法違反などを視野に調べる。(近藤咲子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ド直球の差別」「むき出しの悪意に涙」 首相秘書官発言に当事者は
有料記事 狩野浩平 中山直樹2023年2月4日 21時00分 荒井勝喜・首相秘書官が性的少数者や同性婚をめぐる差別発言の責任を問われ、更迭された。当事者や支援者たちには驚きと憤りが広がっている。 性的少数者に関する情報を発信する団体「fair」代表で、ゲイであることを公表している松岡宗嗣さん(28)は「こんなド直球の差別発言が政権中枢から出てくることに衝撃を受けた」と話す。 同性婚について「秘書官室もみんな反対する」という発言もあった。「政権中枢が同じような考え方で固められているということ。シンプルだが、根深い差別感情を感じる」と語った。 同性婚訴訟の原告も「目を疑う」 首相秘書官は更迭されたが、松岡さんはこれが幕引きであってはならないと強調する。「政権がこのような人権感覚では、5月に主要7カ国首脳会議(G7サミット)を開催する資格は到底ない。改めて国民に『性的少数者の差別は許されない』というメッセージを出すとともに、当事者の権利を保護する法整備を進める必要がある」 同性婚を巡っては、各地で国を相手取った訴訟が起こされている。福岡の訴訟に原告として参加している熊本市の会社員こうぞうさん(40)は、差別発言を伝える記事に目を疑った。「紛れもない差別的な言葉。その言葉の刃の先には、僕自身も、大切なパートナーも、僕たちが法律上でも家族になることを願ってくれている家族もいる。むき出しの悪意に触れて、涙が流れました」 1日には岸田文雄首相が、衆… この記事は有料記事です。残り486文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飛び降りようとする若者 「一緒にいるから」SNSがつなぎとめた命
吹き出しの中には重い言葉が並ぶ。「生きていても価値がない」「首をつる場所を探しています」……チャットで相談に応じるのは「SNSカウンセラー」と呼ばれるプロたちだ。顔が見えず、声も聞こえない――そんな相手と文字だけで向き合っている。 金沢市郊外の一軒家の一室。市の委託を受けて2021年に開設した「女性相談@金沢市」では、カウンセラーがLINEを窓口に相談を待つ。その一人、森辰美さんは以前、緊迫する場面に遭遇した。 「死にたい」 人間関係に悩む若い女性からのメッセージだった。 「死にたいくらい、辛(つら)い気持ちを抱えているんですね」 あえて質問はしない。相手は理由を語れないほど追い詰められているからだ。 「ごめんなさい」 「謝らなくてもいいよ」 「もう無理」 「限界を感じてここに来てくれたんだね。ありがとう」 会話はほとんど一言だ。詰問されているととられないよう、極力「?」は使わない。 「雨にあたってないですか」 「ちょっと濡(ぬ)れた」 「どんな場所にいるの」 「楽になれる場所」 「楽になれるって」 「高いところ」 女性の言葉に相談室の緊張感が高まる。 「走らないといけないかも」。森さんはカウンセラーが現場に駆けつける準備を進める。 「傘を持って迎えに行きたい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊吹山でバックカントリーの45歳男性を救助 滋賀県警のヘリ
2023年2月4日 17時00分 4日午後0時20分ごろ、滋賀・岐阜県境にある伊吹山(標高1377メートル)の中腹あたりで、未整備の山中を滑走する「バックカントリー」をしていた愛媛県今治市の男性(45)が道に迷い、下山できなくなった。滋賀県警と消防が救助に向かい、約2時間後に県警ヘリコプターが救助した。 県警米原署によると、男性は山頂からスノーボードで下りていた。男性が119番通報したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小さくても学べて生活が豊かに 新しくて古い働き方「ナリワイ」
お仕事はなんですか。 「モンゴル武者修行」の企画と実行、家の床張り、ミカンの収穫と販売、野良着の開発と販売、遊牧民の移動式住居のゲルの輸入……。 いったい何をしている人なんだろうと考えてしまうほど、伊藤洋志さん(43)の仕事は多種多彩だ。 ナリワイってなんだ? 伊藤さんは、こうした数々の仕事を「ナリワイ」と呼ぶ。そもそも伊藤さんの考える「ナリワイ」とはなんだろうか。 「個人レベルで始められて、自分の時間と健康をマネーと交換するのではなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身につく仕事」と定義する。 一つ一つの仕事は小さくても、組み合わせて生活を成り立たせる。価値観を共有できる人たちに向けた個人サイズの仕事なのだという。 例えば、水害に遭った建物の復旧をきっかけに、床張りを始めた。そこから発展し、「床さえ張れれば家には困らない」を合言葉に「全国床張り協会」を設立した。家主の依頼を受け、参加者と合宿して床張り技術を学ぶ。「3日ほどで床は張れるようになる。自分でもできるんだと実感できるのが活動の意義」 さらに、土窯を使ってパン屋を営む知人を講師に、参加者を募ってワークショップを開催した。数日かけてパンの焼き方と販売の仕方を学んだ。 木造校舎で結婚式を挙げたいとの要望を受けて、オリジナルの式を企画運営したこともある。農家になった学生時代の友人から人手不足の相談を受け、農繁期に梅やミカンの収穫、販売を手伝った。ここから「ナリワイ遊撃農家」が生まれ、桃やサクランボにも広がった。 和服をベースにした今風の「野良着」を作って販売を始めた。地震発生時には倒壊の危険もあるブロック塀をハンマーで壊すというのもナリワイの一つだ。 ナリワイが誕生するまで こんな働き方を模索するようになったきっかけは、自身の就職だった。いずれは自ら仕事を立ち上げるつもりだったが、社会人経験を積むため、京大大学院を修了後、東京のベンチャー企業で働いた。 しかし、過度のストレスにさ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横浜の切りつけ事件、男を傷害容疑で逮捕 埼玉の事件との関連を捜査
中村英一郎2023年2月4日 13時24分 横浜市保土ケ谷区岩井町の商店街で1日夜、同市の男性(28)がすれ違いざまに男に刃物のようなもので太ももを切りつけられた事件で、神奈川県警は4日、同区瀬戸ケ谷町、会社員森川浩昭容疑者(62)を傷害容疑で逮捕した、と発表した。「刃物で切りつけることもしていないのでわかりません」と容疑を否認しているという。 埼玉県川口市でも1日午後6時半ごろ、すれ違いざまに何者かに太ももを切りつけられる傷害事件が2件あり、神奈川、埼玉両県警が関連を調べている。 逮捕容疑は1日午後8時ごろ、JR保土ケ谷駅近くの路上で、男性とすれ違いざまに刃物のようなもので左太ももを切りつけ、1カ月のけがを負わせたというもの。神奈川県警捜査1課などによると、発生直後に黒いコートを着てカバンを持って歩く男の姿を防犯カメラで確認。防犯カメラのリレー方式で足どりを調べ、保土ケ谷駅から約1キロに住む森川容疑者が関与した疑いが浮上したという。 男性は男と肩がぶつかった際、脚に痛みが走った。ズボンが切れ、太ももに切り傷ができた、とも話しているという。(中村英一郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル