1月31日昼過ぎ。銀行の無人ATM(大阪市福島区)を利用していたら、隣にいた高齢男性が、スマートフォンで通話をしながら機械を操作していた。祖母と同じぐらいの80代に見え、思い切って声をかけた。 「詐欺じゃないですか?大丈夫ですか?」 返ってきたのは、予想外の言葉だった。 「うるさい」 男性は、慣れない手つきで画面上の数字を押していた。通話相手の指示を受けながら、ゆっくりと。 心配になり、改めて声をかけた。 「ちょっと電話、代わりませんか?」 すると、通話相手の声が漏れ聞こえてきた。 「おじいさん、隣の人に『う… この記事は有料記事です。残り456文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛媛県今治市沖で貨物船同士が衝突 乗組員2人を捜索中
中川壮2023年2月2日 21時35分 2日午後7時35分ごろ、愛媛県今治市沖の来島海峡航路の西口付近で、三重県鳥羽市の貨物船「せいりゅう」(総トン数716トン)と今治市の貨物船「幸栄丸」(同499トン)が衝突したと今治海上保安部に連絡があった。同保安部によると、せいりゅうの乗組員5人のうち3人は救助され、2人は捜索中。幸栄丸の乗組員4人は全員の無事が確認された。 せいりゅうは同日午後8時55分ごろ、沈没が確認されたという。(中川壮) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フィリピン拠点の特殊詐欺被害、60億円超 36人拘束後も続いたか
2023年2月2日 18時27分 フィリピンを拠点とした特殊詐欺事件に関わったとして逮捕状が出ている4人のグループによる詐欺被害が、2018年11月~20年6月で60億円以上に上ることがわかった。フィリピン国内の拠点の一つが19年11月に摘発され、電話役の36人が拘束された後もグループによる詐欺が続いていたと警視庁などの警察当局はみている。 捜査2課によると、4人は2019年4月と同11月、警察官などを名乗って東京都内の男女に電話をかけて「キャッシュカードが不正利用されている。カードを封筒に入れて保管して」などと伝え、自宅を訪れて隙を見てカードを盗むなどした詐欺グループの幹部らだった疑いがある。 警視庁はこの4人に、全国で相次いだ一連の強盗事件を指示した「ルフィ」を名乗る男が含まれているとみている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【都内自治体予算まとめ】森沢恭子・品川区長「子育て三つの無償化」
東京都内の自治体で、新年度の一般会計予算案の発表が始まりました。各自治体の主な政策や少子化対策など関心の高い話題をタイムラインで詳報します。 ■■■2月2日■■■ 品川区 小中学校の給食、無償に 品川区は2日、新年度から全区立学校46校の給食費を無償化すると発表した。0~2歳の第2子の保育料と高校生世代の医療費も無償化し、「子育て三つの無償化」と銘打って、新年度当初予算案に計約21億円を計上した。 給食費無償化の対象は区立の全小中学校と小中一貫校。0~2歳の第2子の保育料の無償化は、都が10月に始める方針を示しているが、区は独自で4月に始める。高校生世代の医療費無償化は、都が設けている所得制限を無くし、自己負担分も区が持つことで実現する。 また0歳児を育てる世帯を対象に、おむつなどの育児用品を毎月届けるのに合わせ、助産師や保健師が育児相談に応じる事業を始める。これら子育てに関する新規事業に計約32億7千万円を計上。森沢恭子区長は「子育て、教育で選ばれる品川区にする」と述べた。 一方、昨年12月の区長選で公約に掲げた羽田空港新飛行ルートをめぐる区民アンケートについては、15歳以上の区民を対象に、ほかの区政課題を含めた10問程度のアンケートを実施する方針。森沢区長は「羽田について何問か入れる」としたうえで、「しっかりとした設問を用意し、区民の意向を分析していきたい」と話した。 一般会計予算案の総額は前年度比5・1%増の1987億9400万円で、過去最大規模。(細沢礼輝) 江東区 子どもに所得制限なしで3万円クーポン 東京都江東区は2日、区内に住む18歳以下の子を対象に、1人あたり3万円分の電子クーポンを配布する子育て支援策を発表した。所得制限は設けない。区独自の取り組みとして、新年度当初予算案に必要経費の31億1654万円を計上した。 区によると、区内に住民票を置く18歳以下は約8万2500人。区側が各世帯にQRコード付きの書類を郵送、それを元に電子クーポンなどを受け取ると、子育てに必要な物品などに使える。7月以降の配布を目指すという。 担当課は「子育て世帯には子どもの年齢に応じて特有の負担が生じている。子育て世帯を等しく支援することで子育てしやすい環境を作りたい」と説明。2日の発表会見で、山崎孝明区長は「スピード感を第一に申請手続きを不要にした。家計負担の更なる軽減を図りたい」と話した。 ■■■1月31日■■■ 足立区 中学校の給食費、完全無償化へ 足立区の近藤弥生区長は1月31日、2023年度から区立中学校の給食費を完全無償化する方針を明らかにした。区は年間約5億3千万円が必要と試算し、23年度当初予算案に関連経費を計上する。 区によると、区立小学校に約3万300人、区立中学校に約1万3800人の児童生徒が在籍。近藤区長は、中学校では制服や部活動など様々な経費がかかるとして、「まずは中学生を育てる家庭を支援する」と説明。小学校については「無償化を目指す」としたが、年間約10億円かかるとして、「財政負担が大きく制度設計が必要。できるだけ早い時期の実施に向け、検討したい」と話した。 高校生については、学校外活動を支援する「高校生応援支援金」を、1人あたり年間5万円を支給する。低所得層の家庭の高校生を区独自で支援するもので、区によると都内の自治体でも例がないとみられる。 支援金は部活動や課外活動、資格取得などに使ってもらう。対象は都立高、私立高に通う300人程度を想定。7月に募集し、9月にも支給する考えだ。2023年度当初予算案に約2千万円を計上した。 国の「高校生等奨学給付金」は低所得ではあるが課税される世帯は対象外となるため、年収が約300万円以下の世帯の高校生を独自に支援することにした。 近藤区長は「小中学校から高校、大学へと切れ目のない支援を拡大していく。高校生には好きな学校外活動を思い切りしてほしい」と話した。 一般会計の総額は3159億円で9年連続で過去最大を更新した。(石平道典) 杉並区 区民から使い道募る参加型予算 東京都杉並区の岸本聡子区長は31日、基金の使い道を区民から募る「参加型予算」のモデル事業などを盛り込んだ2023年度一般会計予算案を発表した。参加型予算は都内の市区町村で初めてという。 モデル事業では、国から区に分配される森林保全目的の基金の使い道を、インターネットなどで区民から募る。実現可能な案を選び、24年度予算案に盛り込むことを目指す。アイデアの募集や広報の費用として70万円を計上した。区民と区長の意見交換会や、気候変動に関する区民同士の議論を区政に生かす取り組みなどにも計1500万円を計上した。 区立学校の給食費については、増額分を区が負担し、食材費の高騰分は学校に支給するとした。 区民との対話と給食費無償化は、昨年6月に初当選した岸本区長の選挙公約だった。岸本区長は31日、給食費について「無償化を進めることに変わりはなく、前向きに検討している。財源だけが壁。議論を進めたい」と話した。(松田果穂) ■■■1月30日■■■ 港区 出産費用、実質ゼロに 港区は1月30日、出産費用を実質ゼロにすることをめざす助成金アップなどを盛り込んだ2023年度一般会計予算案を発表した。2人以上の未就学児を持つ家庭が積極的に外出できるよう、1世帯あたり年間2万4千円分のタクシー券を配る事業も始める。 出産費用を巡り、政府は4月から、出産時にもらえる出産育児一時金を現在の42万円から50万円に引き上げる方針。区はこれまで、実際にかかった出産費用について73万円を上限に、国の一時金との差額を独自助成してきた。一方、昨年の調査で区内での出産費用は平均約81万円と判明。そこで助成の上限額を81万円に引き上げ、自己負担ゼロをめざすことにした。 助成制度には約5億5千万円を計上。記者会見で武井雅昭区長は「出産や育児に関する不安と負担となくしていきたい」と述べた。 教育分野では、全10校の区立中学校で行われている計107の部活動すべてに部活指導員を配置。また、全19校の区立小学校5、6年生で教科担任制を実施するため、外国語や体育、理科、社会などを担当する講師を各校1人ずつ配置する。区は、全ての部活動と全ての小学校で導入する点で都内初だとしている。 一般会計の総額は過去2番目の規模となる1632億7千万円。(細沢礼輝) 文京区 16~18歳に月5千円給付 文京区は30日、区内に住む16~18歳を対象に月5千円を給付する子育て支援策を発表した。また今後、児童手当の所得制限が撤廃されない場合、対象外になっている高所得世帯にも、中学生以下の子ども1人につき月5千円を支援するとしている。 区によると、区内の16~18歳は5千人。大学受験など教育や活動の幅が広がるにもかかわらず、国の児童手当では対象外となっている高校生世代への支援拡充を図る。0歳~中学生世代についても、所得制限で手当支給の対象外となる区内の1万1千人に、区独自の支援策を設けた。 成沢広修区長は「この支援策で、18歳までの子どもがいる家庭に対して所得制限なく支援が行き渡るようになる」と話した。 いずれも2023年度の補正予算での計上を予定しており、計10億円程度を見込む。都による所得制限なしでの0~18歳への月5千円給付策を受けて、区でも支援策を検討した。ただ、国の動向や都による給付の手続きが定まっていないとして、当初予算案には盛り込まなかった。(津田六平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「最高の1枚」、求め往復5時間20分 カメラマンは厳冬の雪山へ
奈良県と三重県の県境に位置し、切り立ったその姿から「関西のマッターホルン」とも称される、高見山(標高1248.4メートル)。すぐ隣の三峰山とともに、厳冬期には霧氷が見られる場所としても知られ、幻想的な光景を求めて訪れる登山客も少なくない。天保山からエベレストのふもとまで、幾多の現場を踏んできた報道カメラマン歴23年の私。1月下旬、まだ見ぬ絶景を求め、奈良の最奥地へと足を踏み入れた。 いざ、雪山へ――。 と、気持ちははやるが、準備を怠らないのがプロ。 まずは服装から。登山前日の28日、高見山に近い五條市の最低気温は約マイナス1度。山頂はふもとより8度ほど低い気温が予想される。 まだ見ぬ絶景を求めて、誘われるように山の奥へ奥へと向かうカメラマン。「最高の1枚」を撮ることはできたのか。待ち受けていた運命とは…。 インナーには吸湿発熱する上… この記事は有料記事です。残り2602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元アイドル田中聖被告「薬物中毒者と再確認」 検察は懲役2年求刑
近藤咲子 上保晃平 鳥尾祐太2023年2月2日 14時29分 千葉県柏市内で覚醒剤を所持、使用したとして、覚醒剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われたアイドルグループ「KAT―TUN」の元メンバーで動画編集業、田中聖被告(37)=柏市大井=の論告求刑公判が2日、千葉地裁松戸支部(本間敏広裁判官)であった。検察側は懲役2年を求刑し、弁護側は「薬物依存脱却への意思は強固で、再犯の恐れはない」などとして執行猶予付きの判決を求めた。判決は27日。 起訴状などによると、田中被告は昨年6月29日午後10時半ごろ、柏市内で覚醒剤0・062グラムを所持。前日の28日ごろには市内の自宅で覚醒剤を使用したとされる。 検察側は、田中被告が覚醒剤を2021年ごろから1カ月に5~6回の頻度で継続して使用していたことや柏市内で職務質問を受けたのは薬物依存をやめるための自助グループの集まりの帰宅途中だったことなどを指摘。田中被告は弁護側の被告人質問で、起訴内容を認めた上で、「薬物中毒者だと再確認した。薬物を覚える前の自分に戻って、家族を安心させたい」と反省の言葉を口にした。 田中被告を巡っては、名古屋市中区のビジネスホテルで同2月に覚醒剤を所持したとして、名古屋地裁から同6月、同法違反(所持)の罪で、懲役1年8カ月執行猶予3年(求刑懲役2年)を言い渡された。田中被告はこの判決を不服として名古屋高裁に控訴。3月14日に判決が言い渡される。(近藤咲子 上保晃平 鳥尾祐太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪汚職、組織委の元次長が談合認める意向 電通側の転換が影響か
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、大会組織委員会の元次長が談合の認識を一転して認める意向であることが、関係者への取材でわかった。東京地検特捜部は、元次長と広告最大手「電通」側が受注調整を主導したとみて独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで捜査。電通側が最近になって談合を認める方針転換をしたことが、元次長の対応に影響を与えたとみられる。 組織委は2018年、各競技の進行を確認するテスト大会について、実施計画を立案する業務を発注した。1~2の会場ごとに26件の競争入札を行い、電通など9社と1共同企業体が落札した。契約額は計約5億4千万円だった。 関係者によると、組織委でテスト大会を担当した大会運営局の元次長と電通側は入札の前、各社の受注意向や過去の実績を調べたうえで、受注候補先をまとめた一覧表を作成していた。落札結果はほぼ一覧表の通りになり、大半が1社しか参加しない「1社応札」だったという。 特捜部の任意聴取を受けている元次長は当初、一覧表について「全会場で穴が開かないよう、少なくともこの社には参加してほしいという意味で作った」と説明し、「他の社の参加を阻む趣旨ではなかった」と違法性を否定していた。 電通側の担当者らも当初は同… この記事は有料記事です。残り305文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
零下10度でふんどし姿、冷水かぶり火柱に挑んだ 神事に記者も参加
「よしっ!」 気合を入れ、長さ4メートルの棒を振り上げた。湿っているため、重い。高いところから、燃えさかる井桁に振り落とすと、辺りに真っ赤な火の粉が飛び散った。同時に刺さるような熱さが全身を襲った。 1月27日午後8時、岩手県二戸市の似鳥(にたどり)八幡神社。 400年以上前から毎年、旧暦1月6日の夜に春の例大祭「サイトギ」が開かれてきた。「オコモリ」「水ごり」「裸参り」「火まつり」からなり、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を願い、その年の穀物の作柄を占う。その厳粛な神事に、記者も参加した。 火の粉の舞う方向や、雑穀で作った柱状のオコモリの崩れ具合で占う。神をまつる「祭(さい)」と神仏に供える食物の「斎(とき)」を表す「祭斎」がなまったと伝わる。 コロナ禍の影響で中止が続いたが、今年は3年ぶりに行うと聞いた。動画サイトで検索すると、極寒の中、白いふんどし姿の男たちが冷水をかぶってずぶぬれになり、勇敢に火柱に立ち向かっている。これは男前だ。すがすがしい気分になるに違いない。厳しさなんて想像もせず、すぐに参加希望のメールを送った。 前日まで日本列島を最強の寒波が襲っていた。夜間に行われる神事は2時間以上ある。ふんどし姿で最後まで務められるのか――。 青森との県境にある二戸市… この記事は有料記事です。残り1315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
グループホームの男性が刺されて死亡 警察が70代男性から事情聴く
2023年2月2日 11時55分 2日午前7時15分ごろ、広島県三原市小泉町の小泉病院が運営するグループホームの一室で、この部屋に住む杉本和幸さん(59)が首から血を流した状態で倒れているのを病院関係者が発見し、110番通報した。県警は杉本さんの死亡を確認。70代男性が事件に関与したとみて事情を聴いている。 県警や消防によると、杉本さんは首に刃物が刺さった状態で倒れており、上半身には複数の刺し傷や切り傷があったという。 現場はJR本郷駅から南に約4キロ離れた病院の近く。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮台さん事件、容疑者とみられる男がパソコン処分 事件後ナイフ購入
東京都立大教授で社会学者の宮台真司さん(63)が昨年11月に切りつけられて重傷を負った事件で、警視庁は2日、昨年12月に死亡した容疑者とみられる男が公開捜査となった後にパソコンを処分していたと明らかにした。男の母親が証言したという。同庁は、男が宮台さんに関する情報を集めようとした形跡などを隠そうとした疑いがあるとみて調べている。 捜査1課は男の自宅と約300メートル離れた別宅から、おの1本のほか、ナイフ1本、書籍一式、自転車など計約70点を見つけ、押収。このうちおのは別宅から見つかり、血痕などは確認できなかったが形状から宮台さんを襲う際に凶器として使われた可能性があるという。 ナイフは刃渡り約21センチで、宮台さんの事件後の昨年12月に男が母親から3万円をもらって購入を申し込み、年末から年明けにかけて届く予定になっていた。男は公開捜査となった12月12日の4日後に自殺したとみられ、本人が受け取ることはなかったが、同課は再び事件を起こそうとしていた可能性があったとみている。 母親「犯人ではないと信じたい気持ちが…」 書籍の中には宮台さんを含む… この記事は有料記事です。残り315文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル