杉浦奈実2023年2月2日 12時30分 熊本地震で被害を受けた熊本城の修復について話し合う検討委員会が1日、熊本城であった。国の重要文化財で、「第三の天守」とも呼ばれる宇土櫓(やぐら)と、それに隣接する続櫓の下の石垣について、大規模解体して修理する案も含めて検討することになった。 石垣は2016年の熊本地震で一部に膨らみが生じた。宇土櫓は慶長年間の創建と伝わり、熊本城の築城当時の姿を今に伝える。それを支える石垣は大部分が江戸期に修理された可能性があるものの、やはり文化財として貴重だ。 そのため、これまでは石垣を解体せず、石垣の前に新たに石垣をつくって膨らみを押さえるような工法が検討されてきた。 ただ、石垣を安定させるために必要な大きさなどを詳しく調べると、新たな石垣を設けることで景観に大きな影響がでることや、新たな石垣の重みによって、下にある空堀の遺構、さらに、埋まっている石垣にも影響が出る可能性がわかったという。 そのため委員会では、膨らみ部分を中心に大規模に解体して修復する方法も含め、改めて検討することになった。委員からは「何とか石垣を解体せず守ることはできないかと考えてきたが、影響が大きく、しかたがない」などの意見がでた。 市は宇土櫓の復旧について、32年度をめざしている。(杉浦奈実) 熊本城よ、よみがえれ 石垣修復プロジェクト 2016年の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城の石垣。名城の伝統を守りながら、どうやって修復し、未来につなげていくのか――。そんな困難な課題と膨大な作業に挑む職人や研究者たちの物語です。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
一足早い春の味を満喫 熱海桜の花びらにメジロ集う 福岡・宗像
藤脇正真2023年2月2日 8時00分 福岡県宗像市の鎮国寺(ちんこくじ)で、早咲きのアタミザクラ(熱海桜)が見頃を迎え、訪れた参拝客の目を楽しませている。 濃いピンク色の花びらの周りには、蜜を求めてメジロたちが飛び交い、その姿をカメラにおさめようと、写真愛好家も詰めかける。 桜の周囲では梅の花も満開に。北九州市から訪れた夫婦は「桜と梅の共演は見事ね」と、一足早い春を満喫していた。(藤脇正真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
廃止決定の公園めぐる住民説明会を実施へ 荻原健司・長野市長も出席
菅沼遼2023年2月2日 9時00分 長野市の荻原健司市長は1日の定例記者会見で、3月末での廃止が決まっている青木島遊園地(同市青木島町大塚)について、周辺住民を対象とした説明会を今月11日に開くことを明らかにした。「私も出席して、地域住民の皆さんの意見をお聞きしたい」と話した。 荻原市長は、1月25日には周辺区長10人と懇談し、意見を交換。「(区長たちは)反響が大きいことに困惑している様子だった」という。 廃止の決定については「基本的には維持されている」としながらも、「区長さんからの話をお聞きし、11日にも(地域住民の)話を聞いた上で判断したい。まずは地域の皆さんの声を受け止めたい」と述べた。 説明会は青木島小学校の学区内の住民が対象。非公開で行われる。(菅沼遼) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川中2女子いじめ問題、新たな条例案に中学生の声 6月成立めざす
北海道旭川市の市立中2年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)がいじめを受け、2021年3月に凍死体で見つかった問題で、市教育委員会が検討している「いじめ防止条例(仮称)」の骨子案の原案がこのほど示された。原案には、いじめの問題を議論した中学生の声も反映された。 原案は1月30日、市内の学校関係者や学識者らでつくる「いじめ防止条例(仮称)の制定に係る懇話会」で示された。今後、懇話会で議論して骨子案をまとめ、2月中旬からパブリックコメントを募集したうえで、6月の市議会定例会に条例案を提出する方針。 原案は前文と六つの章で構成。中学生の意見が反映されたのは主に、子どもと接するさまざまな人々の「責務と役割等」を規定した第3章の第4項「児童生徒の心構え」だ。 「児童生徒は、いじめが人権侵害であり決して行ってはならないことを理解し、いじめの防止の活動に主体的に取り組むよう努めるものとする」と規定したうえで、いじめを受けたり見かけたりしたときに「速やかに、学校、保護者、市、関係機関等に相談するよう努めるものとする」と多様な窓口を例示した。 これは昨年7月、「いじめ問題」をテーマに開かれた、旭川市内の中学校生徒会のメンバーによる討論会で出た意見が反映されたものだ。討論では、だれかがいじめを受けている、という通報を学校以外でもできるようにしてほしい、との声があった。 いじめ防止対策の基本理念を… この記事は有料記事です。残り791文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「性別欄」は本当に必要? 性的少数者の尊厳を守るための工夫は
有料記事 聞き手・中島鉄郎2023年2月2日 5時00分 いわゆる「性別欄」に、「男性・女性」以外の項目がある書類が増えてきました。身近な書類の変化から、差別や人権、多様性について考えることができそうです。性的少数者を法で守るための活動を続けるLGBT法連合会の事務局長、神谷悠一さんに聞きました。 公的機関や学校、会社に出す申請書や証明書、調査、アンケートなどの多くに「性別欄」があります。男性か女性かという従来の二項目に加え、「その他」「回答しない」などの選択肢を加える自治体が目立ってきました。 性的少数者(LGBTQ+)を差別やハラスメントから守るための、改善の工夫が進んでいるからです。 無作為抽出で正確性が高いと見られる埼玉県調査(有効回答5606人、2021年)によれば、性的少数者は全体の3・3%。その中で、「差別的言動を見聞きした」のは84・8%。性的少数者以外では64・3&でした。 性別欄への記入で、精神的な… この記事は有料記事です。残り867文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダウン症の弟は「大切な宝物」 作文につづったショックだったこと
うまく話すことができず、歩くのもゆっくりだけれど、弟の笑顔が家族を幸せにしていることを伝えたかった。兵庫県川西市立明峰小6年の金子芽生(めい)さん(12)は半年前の夏休みの宿題で、ダウン症の弟直生(なおき)さん(10)のことを作文に書いた。 弟は同じ小学校に通う4年生で、一緒に登下校している。 弟がまだ1、2年生の頃、授業の休憩時間に時々様子を見に行くと、弟は抱きついてきて声をあげて泣いた。服がぬれるほど涙を流すと、落ち着いた。やがて学校生活に慣れ、今はそんなことはなくなった。 家では、弟の好きなポケモンのおもちゃなどで一緒に遊ぶ。よく「めい、うぃー」と抱きついてくる。最初は分からなかったが、弟が何度も伝えようとするうち、「めい、好きー」と言っているのが理解できた。 勉強のことなどで母から怒られたりしていると、弟は「ママー、大好きー」と近寄ってきては母をなだめ、助けてくれる。そんな弟が大好きだ。 昨年の夏休み。課題の作文のテーマで悩んでいると、母から弟のことを書いてみたらと言われて決めた。母の淳子さん(43)は「6年生だし、直生の幼い頃やダウン症のことをきちんと知っておいて欲しいと思いました」と語る。 金子芽生さんは弟への思いや、ダウン症について学んだことを作文につづりました。記事の末尾に作文の全文を掲載しています。 弟が幼い頃、病院や自宅でひざを曲げたり、座ったり、歩いたりする練習をするビデオ映像を見た。失敗してもくじけず、何度も繰り返す姿に、すごいなあと思った。 「生まれてこなければと思ったことは一度もありません」 母が調べて見せてくれた「出… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水商売学ぶ高校生らの青春小説「都立水商」 新シリーズへ著者の思い
山口県光市の作家・俳優の室積光さん(67)の小説で、水商売を専門に勉強する高校を舞台にした「都立水商」の新シリーズが相次いで刊行された。新型コロナ下の学校生活が描かれ、様々な問題を抱えた生徒たちが、コロナに立ち向かいながら自分の居場所を見つけ、成長していく奇想天外な青春コメディーだ。 シリーズ1作目の「都立水商!」は2001年刊行で、室積さんの小説デビュー作。東京・新宿の歌舞伎町に設立された水商売専門の架空の「東京都立水商業高校」が舞台で、マネージャー科やホスト科、ホステス科、ゲイバー科などで「専門知識」を学ぶ。コミック化やテレビドラマ化もされた。累計で小説が12万1千部、コミックスが253万7千部のロングセラーとなっている。 19年5月に続編の「都立水商1年A組」を出版した。いじめが原因で学習意欲をなくし、マネージャー科に嫌々進学した男子生徒が主人公。昨年12月に「都立水商! 2年A組」、今年1月に「都立水商3年A組 卒業」を続けて刊行し、主人公の3年間の高校生活を完結させた。 2年生以降の新シリーズでは、コロナが重くのしかかる。修学旅行は中止になり、クラスターも発生する。水商売と夜の繁華街が目の敵にされる中で、生徒たちは「すべての人にへりくだる心、人を見下さない」という接客の精神を学んでいく。 生徒が主体になって学校行事をオンラインで開催する一方、野球部やバスケットボール部は大会で活躍する。「誰かを、何かを、恨んだら負けだ」「世界中の人々がウィルスと戦い、日常生活で何かを犠牲にして耐えた。その時代を生きたんだ」という先生の言葉が主人公の心に響く。 先輩や先生の導きで主人公は… この記事は有料記事です。残り373文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外国産アサリを熊本産と偽装して販売した疑い、輸入業者ら4人を逮捕
熊本・佐賀両県警の合同捜査本部は1日、外国産アサリを熊本産と偽って販売した疑いがあるとして、輸入、仲介業者の4人を不正競争防止法違反などの容疑で逮捕し、発表した。約357トンを販売し、計約1億4200万円の収入を得ていたという。認否は明らかにしていない。 逮捕されたのは、宮崎市本郷南方の谷口正光(75)、妻の智子(52)、同市恒久4丁目の三宮孝司(49)、同市花ケ島町笹原の片山要一(61)の各容疑者。 発表によると4人は共謀して、2020年7月ごろ、谷口容疑者夫妻が経営する五橋水産(熊本県天草市)が海外から輸入したアサリについて、片山容疑者のカナメ水産(佐賀市)が熊本県産として仕入れた形にして、産地を偽ったまま千葉県などの水産会社15社に販売した疑いがある。 カナメ水産は三宮容疑者が設… この記事は有料記事です。残り171文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中野区の強盗事件、7人目の容疑者逮捕 フィリピンから帰国時に確保
2023年2月2日 0時37分 昨年12月に東京都中野区で約3千万円が奪われた強盗事件に関与したとして、警視庁は1日、職業不詳の西本佑聖容疑者(22)=大阪市城東区=を強盗傷害容疑などで新たに逮捕し、発表した。西本容疑者は事件後に海外に出国していたが、この日フィリピンから成田空港に帰国したところを警視庁の捜査員に確保された。この事件の逮捕者は計7人になった。 暴力団対策課によると、西本容疑者は他のメンバーと共謀して昨年12月5日午前10時50分ごろ、中野区の3階建て住宅に押し入って住人の男性を殴ってけがを負わせ、現金約3千万円を奪った疑いがある。この強盗グループは運転手役を含む実行役7人と取りまとめ役1人の計8人で、西本容疑者はこのうち宅配業者を装って住宅に押し入った実行役とみられるという。同課は認否を明らかにしていない。 同課は、フィリピンから帰国時に西本容疑者が所持していたスマートフォンやスマートウォッチなどを押収しており、出国の経緯などを調べる方針。 この事件と、東京都狛江市で1月19日に高齢女性が殺害された強盗殺人事件では、いずれも「キム」を名乗る人物がフィリピンから指示を出していた疑いがある。警視庁は、「キム」が全国で発生した一連の強盗事件の指示役として名前が浮上している「ルフィ」と同じグループの可能性があるとみて調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会、ハンドブックの記載を修正 厚労省の行政指導を受け
2023年2月2日 1時40分 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者間での養子縁組をめぐり、教団側がハンドブックの記載を修正し、厚生労働省に送付したことがわかった。同省による1月23日の行政指導では、出版物の内容を適切に記載するよう対応を求めていた。 修正されたハンドブックが届いたのは1月31日。同省は修正内容が適切かどうかなどを確認し、今後の対応を検討する。 1月の行政指導では、教団側が教義上、推奨してきた信者間の養子縁組を法令に照らして問題点を指摘。出版物についても、法律の趣旨にそぐわない内容があるとして、適切な内容にするよう求めていた。 修正前のハンドブックでは「子供に恵まれない家庭のために養子を捧げるということは、神様の愛を中心とした家庭理想を共に実現するという意味で、世界平和統一家庭連合の美しい伝統」などと記載。これに対し同省は、養子縁組は子どものためにあり、家庭での養育が「困難または不適当である場合に検討されるべきもの」などと指摘していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル