25日夜、北海道・釧路沖を震源とする地震が発生し、道東地方を中心に道内各地で揺れが観測された。気象庁によると、震源は釧路沖深さ63キロで、地震の規模を示すマグニチュードは6・0。津波はなかった。主な震度は、震度5弱が根室市と標津町、震度4が釧路市や羅臼町、中標津町など、震度3が北見市や斜里町、足寄町など。 気象庁によると、地震は太平洋プレート内で発生したとみられ、道内のほか、東北地方、関東地方の広い範囲で震度4~1を観測した。同庁は「1週間程度は震度5弱の地震が発生する可能性がある」と注意を呼びかけている。 地震を受け、道は25日夜に災害対策連絡本部を設置し、情報収集を続けている。26日朝までに被害の報告はないという。 気象庁は今後の見通しとして、「大地震発生から1週間程度の間に同程度の地震が続発した事例がある」と指摘。揺れの強かった地域で落石や崖崩れ、落雪や雪崩に注意を呼びかけている。 地震発生時、根室市内では大きな揺れが感じられ、民家では棚の上に置いていた洗剤の容器などが落下した。また、市内の公営住宅では一時、エレベーターが停止して使えなくなった。同市は災害対策本部を設置。職員が市役所に集まり、情報収集に追われた。 JR北海道によると、この地震で25日夜、根室線と花咲線、釧網線が一時運転を見合わせた。札幌発釧路行きの特急「おおぞら」11号は白糠駅(白糠町)で2時間30分ほど停車した。乗客68人に体調不良者はいなかったという。このほか普通列車4本が部分運休した。 26日朝も花咲線と釧網線で、安全確認のため普通列車3本が運休したが、午前7時現在、各線は通常通り運行している。 また道によると、自動車専用道の根室道が安全確認のため一時通行止めになった。(山本智之、佐々木洋輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
冬の水行に睡眠2時間 過酷な100日修行、25歳副住職が達成
岩手県山田町の船越半島にある開運山瑞然(ずいねん)寺で、「日蓮宗大荒行」と呼ばれる100日間の修行に初めて臨んだ佐々木龍英副住職(25)の帰山式が、13日にあった。この荒行を達成した僧侶にのみ、祈禱(きとう)を行うことが許される。地元の人たちが副住職の帰山を祝った。 大荒行は、昨年11月1日から2月10日までの100日間、千葉県市川市の法華経寺の日蓮宗大荒行堂で行われた。 厳寒の中で水をかぶる水行を、朝3時から夜11時まで1日7回行う。その間、お堂ではひたすら読経と写経を続ける。食事は朝夕2回。梅干しが入った底が見えるほどのおかゆとみそ汁で、10秒ほどで食べ終えてしまう量。睡眠は2時間ほどだという。 龍英さんは、荒行の苦しみの中、家族や友人、檀信徒(だんしんと)ら多くの人たちの顔が浮かび、乗り越える支えになったという。 荒行堂では、清浄衣(しょうじょうえ)という薄い着物をまとう。龍英さんは今回、亡き父の英寿さんが3回の大荒行で身につけていた衣をまとった。「父と一緒に修行していると思って臨みました。これからも父の魂を宿して一緒にご祈禱させていただき、困っている人、弱っている人を一人でも多く救っていけたらと思います」 祖父である佐々木瑞英(ずいえい)住職(77)は大荒行を14回達成しているが、孫の帰山式では目頭を熱くした。「鬼の目にも涙ってやつでしょう。自分のときはそれほど感じなかったけれども、やっぱり孫になれば言葉に言い表せない感激です」と喜んだ。 今回の大荒行には、希望した僧侶が全国から116人参加した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となるなか、龍英さんは最年少参加者の1人だった。 待ちわびていた息子の蓮和(れんと)君(5)も喜び、帰山式では父に花束を渡した。(杉村和将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「スターリンク」、東京都が試験導入へ 衛星経由でWiFi利用も
人工衛星を介した通信ネットワーク「スターリンク」を東京都が試験導入する。起業家イーロン・マスク氏が率いる米宇宙ベンチャー「スペースX」が手がける注目のサービス。災害などで地上の通信網が途絶えた時に、宇宙経由で代替できるか見極める。 スターリンクは、地上の専用アンテナが人工衛星から電波を受信し、ルーターを経由してインターネットに接続する仕組み。上空が開けていて電源が確保できていれば接続でき、スマートフォンやパソコンでWiFi(ワイファイ)などの通信が使える。ロシアの侵攻で通信網が攻撃を受けたウクライナで使われたことでも注目を集めた。 都は、今夏ごろに、大手キャリアなどの通信環境がない山間部と島嶼(とうしょ)部に1カ所ずつアンテナを設置。伊豆諸島を航行する船2隻にも置いて約1年間、試験運用する。新年度予算案に関連経費2億円を計上した。 注目のスターリンク 従来と何が違う? スターリンクの国内向けサービスは、昨年12月にKDDIが法人向けに始めた。費用は端末代約43万円のほかに、固定式アンテナの利用料が月額約8万円、移設式なら同約16万円という。都が試験導入する法人向けアンテナは縦横50~60センチ、重さは付属品を含めて約20キロという。 同社によると、従来の衛星通… この記事は有料記事です。残り334文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性別欄がもたらす「決定的な瞬間」 なくす動き、病院や学校でも
書類や調査などで性別の記入を求められることは多いものです。でも生活上と戸籍上の性別が違うことや、性で分類されることにより、苦しみ、困る人がいます。不要な場合はなくす、男女の2択をやめるなどの取り組みも進んでいます。性別欄のこれからを考えました。 各地で廃止の動き さまざまな書類から性別欄をなくす動きは各地で広がっている。 都道府県立高校の中で最後まで願書に性別欄が残っていた都立高校では、2023年度入試から性別欄がなくなった。北海道では21年、道議の指摘をきっかけに道立病院の泌尿器科の問診票から性別を問う欄をなくした。これにより全診療科でなくなったが、支障は起きていないという。 就職用の履歴書や自治体ではどんな変化が起きているのか、紹介します。後半では、記者が取材時に聞いた、トランスジェンダーの人たちにとって性別欄の記入が「決定的な瞬間」になってしまう、という言葉の意味について考えます。 富山県は、県に提出を求める書類や県民に交付する書類の性別欄の削除と書き方を工夫する取り組みを進め、21年には県内の市町村やさまざまな組織に「その性別欄、必要ですか?」と見直しを呼びかける啓発リーフレットを配った。性的マイノリティー支援に取り組み、性別欄の見直しを求めてきたレインボーハート富山の共同代表・佐脇宏史さんは「県が率先して書類の点検・性別欄削除やリーフレット作成に動いてくれたことが、県内への啓発になっているのではないかと思います」と話す。 就職時の履歴書は、性別欄が… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り2203文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? 会員限定の有料記事が読める! 多彩なコメンテーターがニュースを深堀り いま話題の最新ニュースもメールでお届け Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中核派拠点「前進社」を家宅捜索 成田の強制執行妨害容疑で
2023年2月25日 15時00分 成田空港反対派の農家の耕作地(成田市天神峰)の明け渡しをめぐる強制執行の際、男3人が公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された事件で、千葉県警などは25日、関係先として中核派の活動拠点「前進社」(東京都江戸川区)を同容疑で家宅捜索し、機関紙など計48点を押収した。 成田で現行犯逮捕の男 ヘルメットに「中核」 県警公安3課によると、逮捕された男のうち1人は「中核」と書かれた白いヘルメットをかぶっていたという。 男3人は強制執行があった16日午前4時半~同6時40分ごろ、鎖や懐中電灯で警察官が持っていた盾をたたくなどし、職務執行を妨害した疑いがある。県警はいずれも過激派の活動家とみて調べている。 強制執行をめぐり、県警は23日、京都大の学生寮「熊野寮」(京都市左京区)を公務執行妨害容疑で家宅捜索している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
院内で死んだ弟の目にはあざが 姉「治療、適切だったか」 滝山病院
東京都八王子市の精神科「滝山病院」で2月、看護師の男が入院患者への暴行容疑で警視庁に逮捕され、同病院は捜索を受けた。 JR八王子駅から北西に6キロほど。郊外の住宅街を抜け、車1台がようやく通れる細い坂道をのぼった先に、滝山病院はある。 民間信用調査会社などによると、開業は1970年代。入院病棟が立ち並ぶ敷地の裏手には、雑木林が広がる。 静岡県に住む女性(58)は2017年12月、滝山病院に入院中だった弟を亡くした。49歳だった。 小学校のころから周囲となじめず、いじめにあった。知的障害と診断され、統合失調症と糖尿病を患った。通信制の高校に通い、就労支援施設などで働いたが続かず、30代で自宅にひきこもる状態になった。横浜市内の団地で、透析治療を続けながら母と2人で暮らしていた。 「自分の気持ちをうまく言葉にできない子だった」と女性は振り返る。 14年のある日、弟が自宅で大声を出して暴れ、近所の人が110番通報した。透析の施設がある滝山病院への入院が決まった。 当初は母が面会に通っていた… この続きは朝日新聞デジタル会員限定です。残り667文字 1カ月間無料の「お試し体験」で記事の続きを読んでみませんか? Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
患者虐待常態化?看護師ら追加告発へ 八王子の病院、高い死亡退院率
東京都八王子市の精神科「滝山病院」の看護師の男が入院患者への暴行容疑で警視庁に逮捕された事件で、患者らの代理人弁護士は近く、別の看護師ら9人前後について暴行罪などで追加で告発する方針を決めた。同庁は逮捕された男を含む4人の告発状をすでに受理。弁護士は、患者への虐待が院内で常態化していた恐れがあるとみて解明を求める。 同病院を監督する都は24日早朝、医療法と精神保健福祉法に基づき、臨時の立ち入り検査を抜き打ちで実施した。臨時の立ち入り検査は逮捕翌日に続き2度目となる。 警視庁は14日、精神科に入院していた男性患者の頭を昨年4月にたたくなどしたとして、50代の看護師の男を暴行容疑で逮捕。この男を含む4人が、それぞれ別の患者の頭を殴るなどの暴行を加えたとする告発状を同庁は受理し、15日に院内を同容疑で捜索した。 被害者の代理人を務める相原啓介弁護士は17日に記者会見し、協力者から院内で撮影された動画などを得たと説明。被害にあった患者は20人前後いる可能性があるとして、「数人の心ない職員による偶発的な虐待事件とは思えず、病院全体に蔓延(まんえん)しているのではないかとの疑いを持っている」と話した。 相原弁護士はさらに映像や音声を分析し、被害者の話なども合わせて検討。告発した4人以外の9人前後が同様の犯行に及んだ疑いがあるとして、警視庁の捜査の進展も見ながら、早ければ週明け以降にも追加の告発を行う予定という。 都などによると、私立の滝山病院は病床数288で、うち255床が精神科。外来は原則受け付けていない。 「死亡退院率」 高い数字 滝山病院では、退院患者に占める「死亡による退院」の割合(死亡退院率)が高い数字を示している。 厚生労働省は3年ごとに、精神病床患者の退院後の行き先を調査している。それによると、2020年の全国の死亡退院率は、退院後に行き先が不明な人も含めて約8・2%だった。 東京都は、1年のうち6月の1カ月間を抽出して調査している。都によると、滝山病院の死亡退院率は、19年が100%(退院7人、死亡7人)▽20年が80%(同15人、同12人)▽21年が64%(同14人、同9人)▽22年が30%(同10人、同3人)だった。 相原弁護士は「人工透析もやっているので亡くなる人もいると思うが、同様の病院に比べてこのような死亡退院率は考えられない」と指摘した。同病院の元職員の1人は取材に、「症状の重い患者を積極的に受け入れており、死亡率が高くなる」と話す。 八王子市によると、18年4月から23年2月の間、同病院の入院患者のうち、18人が同市から生活保護を受けていた。うち4人が現在も入院中で、10人が死亡による退院だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】日本初開催のブレイキン国際大会 日本勢がメダル獲得
瀬戸口翼2023年2月25日 20時00分 2024年パリオリンピック(五輪)の新競技として採用されるブレイキン(ブレイクダンス)。五輪代表選考に大きく影響する国際大会「WDSFブレイキン・フォー・ゴールド・ワールドシリーズ・イン・北九州」(主催 日本ダンススポーツ連盟、RKB毎日放送)の決勝が25日、北九州市小倉北区の西日本総合展示場新館で開催されました。 日本からは今年の全日本選手権で男子3連覇を達成したSHIGEKIX(半井重幸)、女子2連覇のAYUMI(福島あゆみ)ら6選手が出場。女子はAMI(湯浅亜実)が銀メダル、男子はSHIGEKIX(半井重幸)が銅メダルを獲得しました。 同大会はパリ五輪の代表選考に影響する大会で日本初開催の国際大会。世界51カ国から180人が出場。2日間で5千人を超える観客が見守る中、世界トップレベルの選手たちが豪快なダンスバトルを披露しました。 大会の模様を写真で振り返ります。(瀬戸口翼) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
最後の授業の日、津波に流されたモンティ先生 残されたメッセージ
「モンティ先生」 陽気な米国人青年は、子どもたちから親しみを込めて、そう呼ばれていた。 山口道明さん(63)が、外国語指導助手として来日したモンゴメリー・ディクソンさんと知り合ったのは2009年。岩手県陸前高田市にある米崎小学校の副校長をしていた時だった。 2人には意外な共通点があった。県内の教師は岩手大の出身者が多い。でも山口さんは北海道教育大函館校の卒業生。モンゴメリーさんが日本語を学んだのも同校で、2人は「先輩後輩」として親しく会話を交わすようになった。 モンゴメリーさんは、ほかの外国語指導助手とは違い、授業が終わっても職員室に戻らず、休み時間は子どもたちと校庭で鬼ごっこやサッカーをしている。給食も教室で一緒に食べた。 アラスカでの少年時代に両親を亡くしていた彼は、教師が一人ひとりの子どもたちと長く向き合うことの大切さを理解していた。新渡戸稲造の「武士道」を愛読し、日本の伝統と教育を学んで、将来は「日本と米国の架け橋になりたい。人の役に立つ仕事がしたい」との夢を描いていた。校外でも、近所の住民とお茶会を開いたり、居酒屋に飲みに行ったり。山口さんはそんな後輩のひたむきな姿にエールを送った。 11年3月11日は、モンゴメリーさんにとって、米崎小での最後の授業の日だった。帰り際、山口さんは一つ、お願いをした。 最後の授業を終えたモンティ先生は、報告のために教育委員会に向かいます。その前に、山口さんにある紙片を残していました。 司馬遼太郎が1980年代… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元記者の西山太吉さんが死去 91歳 沖縄返還めぐる「密約」報じる
2023年2月25日 20時16分 元毎日新聞記者で、沖縄返還をめぐる日米間の密約報道に関わった西山太吉(にしやま・たきち)さんが24日、心不全のため北九州市内の介護施設で死去した。91歳だった。葬儀は親族で営む。 1931年、山口県生まれ。慶応義塾大大学院を修了後、毎日新聞社に入社。71年、翌年の沖縄返還をめぐり米国側が負担すべき米軍用地の原状回復補償費400万ドルを、日本側が肩代わりするとの密約を示唆する機密文書を入手した。 文書の入手を外務省の女性事務官に頼んだことが、秘密漏洩(ろうえい)のそそのかしにあたるとして、国家公務員法違反容疑で事務官とともに逮捕され、74年に毎日新聞社を退社。78年に最高裁で有罪が確定した。世論の関心は密約よりもスキャンダルに移り、報道のあり方が問われた。 政府は密約の存在を否定したが、2000年以降、米側の公文書や元外務省幹部の証言で、相次いで確認された。西山さんは密約文書の開示を求めて09年に訴訟を起こしたが、最高裁で非開示が確定した。 一連の事件をテーマにした作家の故・山崎豊子さんの小説「運命の人」のモデルにもなった。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル