堺市が誇る世界文化遺産の大山古墳(伝仁徳天皇陵)。誰もが知る「鍵穴」の形を上空から眺められるようにと、堺市が気球遊覧を計画している。しかし、当初の開始予定から3年近くたったのに、気球が上がる気配はない。いったい何が重しになっているのか。 大山古墳は全長486メートルで国内最大の古墳。クフ王のピラミッド(底辺約230メートル)や秦始皇帝陵(全長約350メートル)と並ぶ「世界3大墳墓」とも称される。 そそり立つ形や巨大さがわかりやすいピラミッド、陵墓を守る兵馬俑(へいばよう)の壮観さがある始皇帝陵……。 これらと大山古墳は様相が異なる。近くに行っても、森か小さな山にしか見えない。宮内庁が管理しているため、内部に立ち入ることもできない。 1キロほど離れた堺市役所21階の展望ロビー(高さ約80メートル)から見ても、市街地に広がる森のようだ。 市によると、鍵穴形の全景を見るには、間近からなら少なくとも100メートル程度の高さが必要という。 全景を見る秘策として、気球から見下ろそう――。市議会の議事録を検索すると、古くは1993年に「巻き上げ式の気球」として構想に言及があった。 具体的に進み始めたのは、2019年。世界文化遺産の登録が決まってからだ。 大山古墳を含む百舌鳥(もず)・古市古墳群の世界遺産登録が決定した直後の7月8日。アゼルバイジャンであった国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に出席して帰国した永藤英機市長と吉村洋文知事が、関西空港で記者会見を開いた。 永藤市長は6月の市長選で初当選を決めたばかり。1期目の施策として、そして記者会見の目玉として掲げたのが、気球遊覧事業だった。 前任の竹山修身市長時代も、担当者が気球を観光活用する韓国を視察するなど研究は進めていた。ただ具体化が進んだのは、大山古墳西側に3階建ての展望施設を建設し、高さ8メートルの展望デッキから墳丘の稜線(りょうせん)を眺める、という計画だった。 永藤市長は当選後、全事業の見直しに着手。展望施設の代わりに示した計画が、この気球遊覧だ。 まずは1年限定の試行を決め、翌20年2月には最初の住民説明会を開催。「早ければ20年夏から気球遊覧をスタートさせる」と説明し、順調かに見えた。 しかし、3年たっても、気球は上がらない。 20年の春といえば、ちょう… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
避難指示地域の窃盗、後絶たず 事故当時のまま残る児童の私物も被害
東京電力福島第一原発事故で避難指示が出た地域での窃盗が後を絶たない。福島県警によると、原発事故で避難指示が出た10市町村では、2011年の1026件に比べ、昨年は114件と大幅に減ったが今なお続く。今月、大熊町の帰還困難区域内の小学校に侵入し、児童の服などを盗んだ疑いで男が逮捕された。県警は帰還困難区域などの警戒を強化している。 刑事総務課によると、原発事故で避難指示が出た南相馬市小高区や飯舘村、双葉署管内(広野、楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江各町、川内と葛尾両村)での刑法犯認知件数は11年は1133件で、うち1026件は窃盗だった。その後は減少傾向が続き、昨年は、刑法犯認知件数は153件でうち114件が窃盗と、刑法犯認知件数の大半を窃盗が占める。 今月6日には、大熊町の帰還困難区域内にある町立熊町小学校(現在は閉校)の校舎に昨年5月下旬~今年2月上旬ごろ侵入し、児童の服やかばんなどを盗んだとして、郡山市のアルバイト従業員の30代男が建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕された。 熊町小は福島第一原発から約4キロ南に位置し、帰還困難区域内にあることから現在も立ち入りが制限されている。校舎内にはランドセルや教科書など児童の私物が現在も事故当時のまま残っている。町は今回の事件を受け、校内への立ち入りを禁じるロープを張る対策を実施した。 地元の住民からは困惑の声が… この記事は有料記事です。残り238文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
村神様のWBC活躍にあやかりたい 御朱印求めて行列できる寺の名は
住宅街にある寺が今、ほのかな熱気に包まれている。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンの優勝に貢献した村上宗隆選手(23・ヤクルト)と同じ漢字の「宗隆(そうりゅう)寺」だ。厳しい重圧をはねのけ、準決勝のメキシコ戦でサヨナラ打を放った「村神様」にあやかるべく、ファンが訪れている。 24日朝、平日にもかかわらず、川崎市高津区の寺の境内に数十人の行列ができていた。続々と人々が現れ、お堂で手を合わせ、列に加わる。 お目当ては、「奉讃 最年少三冠王」などと刻印された御朱印だ。 「もともと御朱印をもらいに来る人は週に1人ぐらいでした。朝から夕方まで大忙しです」と嶋田一成副住職(34)。3人の僧侶が手書きする御朱印はWBC後、1日100~200枚発行する状況だという。 もともとは別の名前だったが 寺が注目されるようになったのは昨秋のこと。村上選手がシーズン最多本塁打記録に迫っていた。 記録達成を後押ししようと考… この記事は有料記事です。残り630文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガラスが刺さったあの机…お父さん聞かせて、中2の夏の出来事を
お父さん聞かせて。ある女性が60歳を超えて、こんなタイトルの冊子を編んだ。ウクライナ危機の悲劇に接し、ガラスが刺さった父の机を思い返しながら。 父は絵を描くのが好きだ。月山(がっさん)や鳥海山を望む自然豊かな地元、山形・庄内平野の光景をよく題材とする。 父が書きものに使っていた古い文机がある。いまはきれいになったが、子どもの頃はなぜかガラスがいっぱい刺さっていた。 父の机にガラスが刺さったのは78年前のこと。女性は思いがけず、同じ時に同じ街にあったピアノをステージで弾き、父との「共演」も果たすことになります。記事の後半で伝えます。 炎と煙に包まれた街にいた父 机は78年前、父の一家とと… この記事は有料記事です。残り1346文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
災害時に働く人を守れ! 復旧にあたる職員の支援、震災を機に対策
災害が起きたとき、復旧のために働く人たちの健康をどう守るのか――。東日本大震災を機に、そんな研究や支援の仕組みづくりが進んでいる。災害発生時は被災者の支援に目が向きがちだが、支援や復旧作業にあたる側のサポートを強化するべきだとの考え方で、将来の災害への備えも進んでいる。(杉山あかり) 2011年3月。東京電力福島第一原発の事故に対処するため、分厚い防護服を着て働く作業員の姿がさかんに報じられていた。 産業医科大(北九州市)の医師、立石清一郎さん(47)はテレビでその様子をみながら、同僚たちと「こんなときのために、産業医科大があるのではないか」と語り合った。 産業医科大は、産業医の養成を目的とする国内唯一の大学だ。産業医は労働者の健康管理を担っており、原発事故を受けて同大は、所属する医師を現地に派遣。立石さんも福島に行き、全国から集まった医師の調整や業務のマニュアルづくりに対応しながら、原発の敷地内で自ら作業員の健康診断や健康意識の聞き取りにもあたった。 作業員は食欲不振や簡易な食事が続いたためか、体重が減る傾向にあった。「原因企業だから、この状況を改善することの優先順位が何より高い」と話す作業員が多かったものの、全体像がみえないまま働き続け、悲壮感と疲労感が漂っていたという。 休憩しない作業員たち、対策の鍵はタバコ? 第一原発の免震重要棟で、作… この記事は有料記事です。残り1716文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マスクはずして楽しむ桜 ほぼ満開の舞鶴公園、花見客でにぎわい
古畑航希2023年3月25日 18時00分 桜の花が各地で見ごろを迎え、福岡市中央区の舞鶴公園でも多くの家族連れらがシートを敷いて花見を楽しんでいた。新型コロナウイルス対策としてのマスクの着用が緩和されてから初めての花見シーズンで、マスクを外して談笑する人たちも目立った。 公園で開かれている「福岡城さくらまつり」では、昨年は一部区域をのぞいて飲酒できなかったが、今年は制限がなくなり、マスクの着用も任意とした。 家族と4年ぶりに舞鶴公園を訪れたという福岡市西区の出野紡凪さん(4)は「いっぱい花があって楽しい」と、ほぼ満開となった桜の木の下でりんごあめをほおばっていた。(古畑航希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「折り鶴ランプ」の窯元は被爆2世 折り鶴の灰に込めた平和への思い
岸田文雄首相がウクライナのゼレンスキー大統領に贈った「折り鶴ランプ」は、広島の平和記念公園の折り鶴の一部を使った平和への願いが込められた品だった。 「いま一番必要とされるところに持っていっていただいた」。広島県廿日市(はつかいち)市宮島口1丁目の窯元「対厳(たいげん)堂」の三代目となる山根興哉(こうさい)さん(59)は喜んだ。 ランプは白色で、高さ約8・5センチ。表面には折り鶴のすかし模様が入る。明かりをともすと、暖かい、優しい光が広がり、模様がくっきりと浮かぶ。 広島の焼き物「宮島御砂焼(おすなやき)」を専門にする山根さんが3年ほど前から作り続けているものだ。 対岸の宮島にある寺院「大聖院」では、平和記念公園に世界中から寄せられた折り鶴を「おたき上げ」している。 その灰を譲り受け、釉薬(ゆうやく)にしてランプの台座に塗っているという。ランプの売り上げの一部は広島市に寄付している。平和への取り組みに役立ててほしいとの思いからだ。 今月に入って、外務省から使… この記事は有料記事です。残り282文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
花見客、笑顔は満開 早くも桜七分咲きの大阪城公園
金居達朗2023年3月25日 18時32分 平年より早く桜の開花が始まり、大阪城公園(大阪市中央区)で見ごろを迎えている。25日は大勢の人が訪れ、シートを敷いたり、散策したりして週末のお花見を楽しんでいた。 同園にはソメイヨシノを中心に約3千本の桜が植えられている。大阪城パークセンターによると、この日で七分咲き、平年比で10日ほど早い開花状況。今月中は楽しめそうだという。 同園内の桜の名所・西の丸庭園では、4月9日まで「観桜ナイター」として開園時間が延長され、午後9時まで夜桜が楽しめる。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
道を聞かれたら、突然上着から刃物 男がバッグを奪い逃走 大阪
2023年3月26日 0時27分 25日午後7時50分ごろ、大阪府豊中市上新田2丁目の路上で、近くに住む公務員女性(34)が男に刃物を示され、現金約5万円や携帯電話などが入ったショルダーバッグを奪われた。大阪府警によると、女性は男ともみ合った際に転倒し、足を打撲した。豊中署が強盗致傷事件とみて、走って逃げた男の行方を追っている。署によると、女性は帰宅途中に男から道を聞かれ、その場で説明を始めたところ、男が上着から刃物を取り出したという。男は20~30代くらいで、身長約175センチ。黒いパーカを着ていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道・泊原発の敷地内で警察官が拳銃を誤発射 けが人はなし
平岡春人2023年3月26日 0時47分 北海道警は25日夜、泊村の泊原発敷地内で警備中だった20代の男性巡査長が、警察車両内で誤って拳銃で実弾1発を発射したと発表した。弾は車内にとどまり、けが人はいないという。 道警警備課によると、25日午後0時35分ごろ、巡査長は駐車中の車内で自動式拳銃をホルスターから引き抜いて実弾を発射した。巡査長は調べに対し、「銃の状況を確認していたら、誤って発射した」と話しているという。実弾は車内の床で見つかった。道警は、銃刀法違反の疑いも視野に調べる。 森原史朗・警備課長は25日、「事実関係を確認の上、再発防止に向けた指導、教育を徹底する」との談話を出した。(平岡春人) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル