2023年3月15日 11時30分 経費を水増しして所得を隠し、法人税約4900万円を脱税したとして、東京国税局査察部が、横浜市旭区の塗装工事会社「サンヨーテック」と、同社の代表(59)を法人税法違反の疑いで横浜地検に告発したことがわかった。 関係者によると、同社は神奈川県内にある公立学校の校舎やプールなど公共施設の塗装工事を受注。架空の経費を計上するなどして、2021年7月までの3年間に約1億9千万円の所得を隠し、法人税約4900万円を免れたとされる。 同社側は取材にこれらを認め、「国税当局の指導に従って修正申告と納税を済ませた」と回答した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
袴田さんの再審開始決定、報告集会 「もうひと踏ん張り頑張りたい」
有料記事 黒田壮吉 魚住あかり 小山裕一2023年3月15日 11時32分 1966年に旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始決定が東京高裁で出たことを受け、支援団体や弁護団が14日、東京都千代田区の議員会館で報告集会を開いた。支援者らは検察側に特別抗告を断念するよう求めた。 100人以上が集まった。西嶋勝彦弁護団長が、東京高裁の13日の再審開始決定について「袴田さんが犯人とは言えないと言い切った画期的な判断だった」と報告。「検察側に特別抗告しないよう働きかけたい」と話した。 最大の争点は、犯行時の着衣とされる「5点の衣類」についた血痕の色だった。逮捕から1年以上あとにみそタンクから見つかり、当時の捜査資料に「濃赤色」などと記されていたが、弁護側は「1年以上みそ漬けされた血痕は黒褐色に変わり、赤みは残らない」と主張。高裁決定は弁護側の主張の合理性を認め、衣類が1年以上みそ漬けされたとする確定判決に「合理的な疑いが生じた」とした。 弁護団の間光洋弁護士は「差… この記事は有料記事です。残り1199文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アプリで出会う、光と影 ヘビーユーザーの餅田コシヒカリさんに聞く
顔はカトパン体はパンパン――。そんなフレーズで始まる自身のユーチューブ番組が、若い女性を中心に人気を集めるお笑い芸人の餅田コシヒカリさん(28)。現在の交際相手とマッチングアプリを通じて出会ったことを、番組で公表しています。7年間で100人以上と出会い、真剣に交際を重ねてきたという餅田さんに、アプリを使った出会いのよい点やハプニングについて聞きました。 音楽が身近にある家庭に育ちました。父は地元仙台の管弦楽団のトランペット奏者。私も幼い時からピアノを習っていました。高校では合唱の部活一筋で、全国大会にも出場したんです。 そうした経験から、大好きな舞台に立つ仕事をしたいと、高校卒業後の2013年、都内の俳優専門学校に進みました。朝から晩まで授業を受け、放課後は同級生と劇の稽古。すきま時間には居酒屋のアルバイトを詰め込んでいました。忙しいけれど、いつもそばには同級生やバイト仲間がいて、にぎやかな毎日でした。 「きょうも独りか」 転機は専門学校を卒業した15年。馬鹿話が好きな私を見てか、専門学校の先生から「芸人が向いているよ」と助言を受けました。その言葉を真に受けて、20歳の時に松竹芸能の養成所に入校。当時の相方を見つけ、コンビ活動も始めました。 それまでと一転し、養成所では週2回程度しか授業がありません。専門学校の時のように大勢でワイワイする機会も少なく、1人の時間が増えました。 芸人の仕事はほぼゼロで、家賃や生活費を稼ぐため、週6日、アルバイトをしました。それはそれで楽しかったのですが、疲れて帰宅し、ベッドに横たわると、むなしさを感じるんです。「今日も独りか」、と。 直前に彼氏と別れ、心の支えが欲しかった時期でもありました。といっても出会いは見当たらない。 ネットでなんとなく「暇つぶし」と検索して見つけたのが、マッチングアプリでした。 餅田さんはマッチングアプリに可能性を感じながらも、ハプニングも経験したことから、使い方をアドバイスします。 普通の出会いではできないことも 現在主流の婚活向けではなく、アプリ上で異性とマッチングし電話するだけのもの。最初は不信感もありましたが、次第に色んな人と話せる楽しさも感じました。 調べると、他にも色んなマッチングアプリがあることを知りました。あるアプリで知り合った同い年の男性とは電話が盛り上がり、後日お会いして交際しました。 しばらくして別れてしまったのですが、「出会いは探せば見つかる。自分次第」と思えた経験でした。 それから今の交際相手と出会うまでの約7年間。その時々の彼氏と別れてはアプリを使い、約100人の男性とデートをしてきました。同じ日に朝、昼、晩で別の方と会った時も。その中で約15人と真剣に交際しました。 元々売れない芸人でしたが、19年ごろからテレビに出演させてもらう機会が徐々に増えてきました。売りは、太っているけど顔がアナウンサーの加藤綾子さん似。その時期もアプリを使っていましたが、「あれ、どこかで見たことあるような」と言われる度、必死にごまかしていました。 そうした時期を経て、21年春ごろにアプリで出会ったのが現在の彼氏です。アプリ上の顔写真が爽やかで、好印象だったのを覚えています。5~6回のデートを経て告白され、交際することになりました。 アプリの利点は、そうした顔写真をはじめ、共通の趣味や相手の職業、年収などを確認できることだと思います。私はスタジオジブリの作品が好きなので、同じジブリ好きを中心に探していました。 デート終わりにパチンコ店も 顔写真の清潔感も大切ですが、年収も重要でした。芸人という仕事柄、安定している方がいい。そうした条件から異性を探すことは、一般的な出会いでは難しいと思います。 私はユーチューブでもマッチングアプリでの経験を発信しています。反響があるのは20代女性が中心で、関心はあるけれどアプリを始められない人が多いように感じています。 私と同じく体形が太めだという女性からは「太っているから出会いがない。こんな私でもアプリを使っていいの」という相談が来たこともあります。そうした悩みがある方にこそ勇気を持ってアプリを使って欲しいです。 アプリ上には数え切れないほどの異性がいます。最低3カ月間でも腰をすえて相手を探すことで、互いに大切に思える方が見つかるはずです。 もちろん、アプリで出会った男性の中には変わった人もいました。デート終わりにパチンコ屋に連れて行かれて、パチンコを打つ様子をただ見ているように指示してきた男性。タワーマンションに住んでいると言って付いていったのに古アパート住まいだった男性。顔写真が他人のものだった男性――。挙げればキリがありません。 最新のアプリには通話機能もあります。会うと決める前に、事前に電話するなど、どんな相手か見極めることは大切だと思います。 私がアプリを使い始めた時期は、今ほど利用者は多くなく、使っていることが恥ずかしいと思われがちでした。私もアプリで出会った交際相手に、「周囲には友人の紹介で出会ったことにしてほしい」と言われたこともあります。 でも最近はそんな状況も変わってきています。マッチングアプリは、結婚相談所や街コンと同じ、出会う手段の一つに過ぎない。そう思って私も公表を決めました。 出会い方は人それぞれです。自分に合った方法やペースで素敵な相手と出会って欲しいと思います。 ◇ もちだ・こしひかり 1994年生まれ。仙台市出身、宮城県内の高校を卒業後に上京。俳優専門学校を経て、松竹芸能タレントスクールへ。松竹芸能所属のお笑いコンビ「駆け抜けて軽トラ」として活動。YouTube上の「駆け抜けて軽トラチャンネル」「餅田コシヒカリチャンネル」で、動画配信をしている。(聞き手・田中紳顕) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東北3県の災害公営住宅、進む高齢化 住人の44.4%が65歳以上
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県の災害公営住宅で高齢化が進んでいる。朝日新聞の調べでは高齢化率は4割超に上り、全国の公営の借家の高齢化率より6ポイント高いことも判明した。コミュニティーの維持や高齢者の孤立、支援の担い手の育成、共助の基盤づくりといった課題が表面化している。 朝日新聞は昨年12月~今年2月、3県の災害公営住宅を有する55の自治体(岩手県と54市町村=岩手14、宮城21、福島19)にアンケートを実施した。その結果、3県の災害公営住宅は2万4987戸あり、2万3258世帯・4万1875人が暮らす。住人のうち65歳以上の人の割合を示す「高齢化率」は44・4%に上っていた。 公営の借家における人員の状況(2020年国勢調査による)に基づき高齢化率を算出したところ、全国の公営の借家は38・4%、3県全体は32・2%だった。東北の災害公営住宅の高齢化が顕著であることがわかる。 多くの自治体で、被災者であることを理由に見守りなどの対応を手厚くしていない現状も浮かぶ。質問に対し「手厚くしている」と答えたのは13自治体にとどまった。 岩手県は「(高齢化は)災害公営住宅に限った課題でない」と回答。ほかにも「高齢者等の見守りについては、災害公営住宅を含めた地域全体に対するもの」(宮城県大崎市)、「震災直後は手厚くしていたと思うが、現在は他の住宅と同様の見守りとなっている」(宮城県多賀城市)との答えがあった。 災害公営住宅を一般市民に貸… この記事は有料記事です。残り520文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
実は揺れやすい琵琶湖周辺、液状化や洪水も 南海トラフ地震への備え
琵琶湖周辺ではどんな地震被害が起こりうるのか。そして、命を守るためにどう備えたらよいのか。地震・地殻変動と地下水との関係について研究している滋賀県立大環境科学部の小泉尚嗣(なおじ)教授に聞いた。 ――滋賀県は地震の心配はないのでしょうか。 そんなことはありません。日本周辺は4枚のプレートが押し合っていて、国全体に地震が起きる可能性はあり、滋賀県も例外ではありません。琵琶湖は、周囲の活断層による地震で陥没が繰り返されて今の姿になった。つまり琵琶湖は地震の痕跡です。歴史に学ぶことが重要です。 ――歴史に残る地震による被害とは。 1662年の寛文近江若狭地震は、歴史記録上、滋賀県で最多の死者数が出たと考えられます。安曇川の上流、現在の大津市葛川町居(かつらがわまちい)町付近で、高さ約700メートル、最大幅約650メートルにわたって土砂崩れが発生。二つの村がほぼ壊滅し、約560人が死亡しました。2、3日間、生き埋めになった人々の泣き声が聞こえたそうで、まるで先日のトルコ・シリア大地震のようです。崩れた土砂は安曇川をせき止めて天然ダムができ、約40メートル水位が上昇し、それによってさらに被害が生じました。 1909年に発生した姉川地… この記事は有料記事です。残り1572文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アベノマスクの単価や発注枚数、開示へ 国が控訴断念
松浦祥子2023年3月15日 9時13分 政府が新型コロナウイルス対策で全国に配った布マスク(通称・アベノマスク)の関連文書を巡り、国は、黒塗りにした単価や発注枚数の情報開示を命じた大阪地裁判決を受け入れ、控訴を断念した。地裁判決が確定し、計45件の文書の黒塗り部分が原告の上脇博之・神戸学院大教授に開示される。 マスクの調達を担当した厚生労働省は15日、朝日新聞の取材に対し、「関係省庁と協議し、控訴しないという結果に至った。判決に従い、手続きを進める」と答えた。 2月28日の地裁判決は、単価や発注枚数の情報は秘匿性が高くなく、公にされても、納入業者の利益は害さないと指摘。政府はマスクを随意契約で購入しており「税金の使途の説明責任」の観点からも、国は開示を受忍すべきだとした。松野博一官房長官は今月1日の記者会見で「主張が一部認められず、大変厳しい判決内容だ」と語っていた。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性支援団体Colaboへの接近・妨害を禁止する仮処分 東京地裁
行き場のない若い女性を支援している一般社団法人「Colabo(コラボ)」が東京都の40代男性らに活動を妨害されていると訴えている問題で、東京地裁は14日、この男性についてColaboへの接近や妨害活動を禁止する仮処分を決めた。Colaboが東京都内で会見し、明らかにした。 Colaboは東京・歌舞伎町にマイクロバスをとめ、10代の女性を対象に食品や衣類、生活必需品などを提供したり相談に乗ったりするカフェを月3回程度開催している。Colaboによると、男性は昨年末からカフェが開催されるたび、バスの周りでひわいな言葉を叫んだり出入りする少女を撮影したりしたほか、仲間と10人ほどで代表の仁藤夢乃さんを取り囲んだこともあったという。 仮処分は、カフェが開催される夜、バスの停車位置の半径600メートル以内での妨害行為やColaboの事務所への立ち入り、関係者への電話や面会強要を禁じた。 会見した仁藤さんによると、妨害行為は複数で行われ、回を重ねるごとにエスカレートしているという。仁藤さんは「一番深刻なのは、Colaboとつながると怖い目に遭うかのように印象づけられ、支援を必要とする少女たちがSOSを出せなくなること。若年女性を支援する民間団体への攻撃は困難を抱える女性への攻撃でもある」と訴えた。(伊木緑) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入札結果非公表の町、一転公表へ 理由は「暴力団員逮捕されたから」
町発注の公共工事の入札結果を公表していなかった福岡県大任(おおとう)町の永原譲二町長は14日、町役場で記者会見を開き、4月1日から約1年8カ月ぶりに公表を再開すると発表した。町内の暴力団組員らが逮捕されたことから「環境整備ができた」として公表を決めたという。 町は2021年7月中旬ごろから、「犯罪予防のため」との理由で入札結果を非公表としてきた。ただし、公表は法律で義務付けられており、国土交通省からは昨年6月以降、「入札契約適正化法に違反しており、改善の必要がある」として是正を求められていた。 永原町長によると、21年7月に、町内の16業者から入札結果を公表しないよう町に要望書が提出された。暴力団関係者とみられる人物が、落札業者にそうめんを高額で売りつける事例などがあったためという。 町は国交省の助言を受けて昨年8月に県警に相談。今月7日、会社経営の男性を脅すなどしたとして、指定暴力団太州(たいしゅう)会系の組長ら暴力団員3人が暴力行為等処罰法違反容疑で県警に逮捕された。永原町長によると、要望書を出した業者の1人が被害者だったという。 永原町長は「逮捕で、公表再開の環境ができた」と説明。「法律に抵触しても町民の生命と財産を守るために非公表とした判断は間違っていなかったと思う」と話した。4月1日から従来通り、役場敷地内の掲示板に貼り出す形で公表する。 今後、16業者にも公表再開… この記事は有料記事です。残り132文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原告「納得できない」 福島地裁、国の責任否定 南相馬の原発2訴訟
東京電力福島第一原発事故をめぐり、国と東電を相手に、福島県南相馬市小高区の住民587人が約129億円、鹿島区の住民313人が約20億円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が14日、福島地裁(小川理佳裁判長)でそれぞれ言い渡された。判決はいずれも国の責任を否定した。東電に命じた賠償額も、すでにある基準を超えなかった。 国の責任について、福島地裁は、津波地震が到来する可能性を示した、国の地震予測「長期評価」(2002年)の信頼性を否定した。その理由として、長期評価に基づき、経済産業相が安全対策や原発停止などの権限を行使するには「精度と確度を備えた知見と認めるには困難」とした。 賠償額、国や東電の基準超えず 仮に経産相が長期評価を前提に権限を行使したとしても、「津波対策は防潮堤設置が基本であり、水密化や安全設備の高所設置などの知見が通用性を有していたとは認められない」と指摘。防潮堤を設置したとしても、「実際に来た津波は試算とは大きく異なり、原発が電源喪失に陥り、事故が発生していたといわざるを得ない」と結論づけた。 同種の訴訟をめぐっては、昨年6月に先行した4訴訟について、最高裁第二小法廷が国の責任を否定したほか、仙台高裁は今月10日、いわき市民が起こした訴訟でも否定していた。 記事の後半では、原告や弁護士の判決を受けての感想を紹介しています。 一方、東電に命じた賠償額(弁護士費用を含む慰謝料)は、小高区の住民502人に計約15億2900万円、鹿島区の住民269人に計約2960万円だった。1人あたりの慰謝料は、小高区の住民へは最大280万円、鹿島区の住民へは一律10万円と算定した。 国の原子力損害賠償紛争審査… この記事は有料記事です。残り707文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
議員の出席停止処分を取り消し 仙台地裁「議会の裁量権乱用で違法」
議会での発言を理由に、宮城県岩沼市議会が議員に科した出席停止の懲罰処分が不当かどうかが問われた訴訟の差し戻し審で、仙台地裁は14日、処分を取り消す判決を言い渡した。大寄麻代裁判長は、この懲罰が「議会の裁量権の範囲の逸脱や乱用に当たる」として、違法と判断。出席停止によって減額された議員報酬約28万円を支払うよう、市に命じた。 取り消しとされたのは、原告の大友健市議(73)に対する2016年の懲罰処分だ。 大友市議は同年6月、同じ会派の議員が海外渡航のため常任委員会を欠席して懲罰を受け、陳謝文を読み上げたことについて、「読み上げた中身が事実とは限らない。こういうのを政治的妥協といいます」などと議会運営委員会で発言。これが市議会会議規則で求める「議会の品位」を害したと批判され、同年9月、多数決で23日間の出席停止が決まった。 60年ぶりの判例変更、司法が適否判断の道開く 判決は、「政治的妥協」など… この記事は有料記事です。残り893文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル