奄美通信員・神田和明2023年3月7日 12時03分 国の特別天然記念物アマミノクロウサギ2匹の死骸が1月、鹿児島県の徳之島に置かれていたノネコ(野生化したネコ)捕獲用のわなの中で見つかった。環境省は「二度と起こらないよう、わなの管理を徹底したい」としている。 同県・奄美大島の奄美市で2月9日にあったノネコ捕獲の検討会で、環境省が報告した。環境省は希少な野生生物を捕食するノネコの捕獲を進めており、徳之島では委託を受けた島の団体がわなを設置している。 わなは入り口を開けて仕掛け、動物が中に入ると入り口が閉まる。クロウサギがかかったのは徳之島町の林道に設置していた2基。雨による林道の崩落などがあり、昨年7月に回収を決めていたが、そのまま残されていたらしい。死骸は2匹とも白骨化した状態で、わなにかかった時期や死因は分かっていない。 同じくノネコを捕獲している奄美大島では定期的にわなを点検し、捕獲作業を終えたわなは回収している。同省は「徳之島ではノネコにわなを慣らすために回収していなかった」と説明した。 同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部慎太郎所長は「わなの管理が徹底できなかった。ノネコの効果的な捕獲も含め、わなの管理のあり方を再度、検討したい」と話した。 検討会ではノネコの捕獲状況についても説明があり、2022年度(昨年12月現在)は奄美大島の424・8平方キロの地域で73匹を捕獲。18年度からの総捕獲数は396匹となった。捕獲地域は年度ごとに拡大しており、25年度までに全島に広げ、27年度の低密度化を目標としている。(奄美通信員・神田和明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「記録廃棄した理由説明を」亀岡暴走事故の遺族、最高裁に要望書
徳永猛城2023年3月7日 12時15分 京都府亀岡市で2012年、無免許運転の車が集団登校の小学生らの列に突っ込み10人が死傷した暴走事故で、長女の松村幸姫(ゆきひ)さん(当時26)を亡くした中江美則(よしのり)さん(59)が7日、保護処分を受けた少年らの記録が廃棄された理由の説明を求め、最高裁に要望書を送付したと明らかにした。 京都市内で会見した中江さんは「娘の怒り、叫び、無念の詰まった記録。残してもらえると信じていた。裁判所に見捨てられて新たな傷を負わされた」と述べた。京都家裁が事故の記録などを廃棄していた。最高裁は、重大な少年事件の記録が廃棄された経緯を調べているが、中江さんは「(最高裁に)調査結果を聞かせてほしい」と語った。 要望書では「大切な家族を失った遺族に追い打ちをかけたのが文書廃棄。なぜ廃棄したのかを誠実に説明してほしい」などと求め、直接意見を述べる場も要望した。裁判所の記録の保存や廃棄に関する最高裁の有識者委員会にも要望書を送付した。 亀岡事故の遺族らは、無免許など悪質な運転の厳罰化を求めて活動。13年には自動車運転死傷処罰法が成立し、無免許運転で死傷事故を起こした場合に刑が重くなる規定が盛り込まれた。(徳永猛城) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入管法の改正案を閣議決定 難民申請中の送還が可能 対決法案に
田内康介2023年3月7日 8時32分 政府は7日、不法残留する外国人らの迅速な送還や、入管施設での長期収容の解消を目的とした入管難民法改正案を閣議決定した。難民認定の申請中は送還が一律に停止される規定を見直すなど、廃案となった2年前の旧法案の骨格を維持した。難民支援者らは「本来保護されるべき人が送還されてしまう」と批判しており、激しい対決法案となる。 出入国在留管理庁によると、不法残留などの外国人で、強制退去処分になっても送還を拒む人は3千人超で推移している。 入管庁は、送還を妨げている理由として、難民認定の申請中は回数や理由を問わずに一律に送還が停止される規定の「乱用」を挙げ、収容の長期化も招いていると問題視する。このため、改正案では、3回目以降の申請者(相当な理由がある場合は除く)や、3年以上の実刑判決を受けた人らには規定を適用せず、送還できるようにした。 収容に代わる措置も 飛行機で暴れて送還を妨害した場合などを対象に、罰則付きの退去命令制度も創設する。一方で、摘発されても、自発的に帰国すれば、再入国できない期間を5年から1年に短縮し、速やかな帰国を促す。 長期収容の解消策としては、送還まで原則収容としてきた規定も改め、収容に代わる「監理措置」を導入。「監理人」となる支援者らの下で、収容せずに強制退去の手続きを進める。収容か監理措置かは逃亡の恐れなどを考慮して個別に判断し、収容した場合は3カ月ごとに監理措置への移行を検討し直す。 「国際的な人権基準満たさず」 また、紛争から逃れた人らを難民に準じて保護する「補完的保護対象者」制度の導入も盛り込んだ。入管庁は、難民条約上の難民に当たらないとみるウクライナからの避難者らが、新制度の対象になると見込む。難民同様に定住者の在留資格が与えられる。 旧法案は2021年の通常国会に提出された。日本の難民認定率は海外に比べて極端に低い1%程度にとどまる中で、難民申請を制限するなどした内容に、国内外から「国際的な人権基準を満たしていない」との批判が出た。政府・与党は、名古屋入管に収容中だったスリランカ人女性が同年3月に死亡した問題を受けて成立を断念し、同年秋の衆院解散で廃案となった。(田内康介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教育実習生に「3日で首を切る」と暴言 教員への夢、体調不良で断念
高知県立高知南高校で2021年に教育実習を受けた女子大学生(22)が、指導役の男性教諭から繰り返し暴言を受け、県教育委員会がハラスメントと認めていたことが6日、県教委への取材でわかった。学生は体調不良となり、教員になる目標を断念したという。 大学生はこの日、母親らと県庁で記者会見を開き、「教員を目指して教育実習を受けたが夢をあきらめざるを得なくなった。教員になりたい学生は他にもいるので同じ思いをしてほしくない」と語った。その上で、県教委や高校による調査報告や謝罪、自身の教育実習の成績の見直しなどを求めた。 大学生側の説明によると、大学生は21年10月から11月にかけての同校での教育実習で、指導役の体育の男性教諭から「新社員として来ていたら3日で首を切る」「俺がどんだけ我慢してきたか」などと大声をあげられた。実習後に心療内科で、強いストレスによる発熱や腹痛の症状があると診断された。こうした経過を大学生の家族が22年1月に同校に伝えたという。 高知南高の西内清校長によると、男性教諭は「大きい声を出し、厳しいことを言った」と認めたという。県教委に報告し、男性教諭は22年3月で退職した。その後、県教委は学生や他の教員から聞き取った結果、「業務範囲を超える指導があったと考えられる」として、ハラスメントと判断したという。 西内校長は取材に「学校長と… この記事は有料記事です。残り214文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界自然遺産の奄美大島に「まやにゃ」カード 飼い猫の身分証明書
有料記事 奄美通信員・神田和明2023年3月7日 9時00分 世界自然遺産の鹿児島県・奄美大島の5市町村が、ペットの猫の身分証明書となる「まやにゃんバーカード」を4月から発行する。「まや」は奄美の方言で「猫」。避妊や去勢手術を施し、室内で飼っている猫が対象だ。希少な野生生物を捕食するノネコを増やさないよう、飼い主に適正な飼養を促す狙いがある。 飼い猫の適正飼養条例がある5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会が発行する。カードには飼い猫の住所や名前、毛の色、飼い主以外の緊急連絡先とともに、写真も付けられる。 条例で義務付けられた飼い猫… この記事は有料記事です。残り415文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
華子さまが服喪期間 姉の死去に伴い
多田晃子2023年3月6日 17時00分 宮内庁は6日、常陸宮妃華子さまが、姉西田泰子さんが4日に亡くなったことに伴って同日から30日間喪に服すと発表した。9日に常陸宮邸で予定していた公益財団法人日本いけばな芸術協会会長らとの面会も延期する。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「中田=オレ」と書いた卒業文集 大人になったサッカー少年は今
「中田=オレ」 小澤剣人さん(34)が小学校の卒業文集に書いた言葉だ。「中田」は「ヒデ」の愛称で知られた元サッカー日本代表・中田英寿さんのこと。 サッカー少年の自分と同じMF。プロ選手でありながらビジネスもする姿に憧れた。 「アスリートの価値を社会に役立てたい」。プロ選手にはなれなかったが、スポーツ選手がセカンドキャリアを築く道筋を支援する会社「NewSPO.(ニュースポ)」(大阪市中央区)を2019年に設立した。 「健康経営プロジェクト」では、所属する現役アスリートが継続的に依頼元の企業に出向く。トレーニングや体のケアの方法、食事指導など、社員の健康な体づくりをサポートする。 「アスリートは体が資本。培ってきたトレーニングで、トップクラスの身体や精神力を持っている。それを社会に還元するための仕組みです」 企業とのつながりを現役のう… この記事は有料記事です。残り561文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
楽天モバイル元部長、マンション最上階6戸購入 50億円受領か
独自 有料記事 山口啓太 高嶋将之2023年3月7日 5時00分 楽天モバイルの携帯電話基地局整備事業をめぐる詐欺事件で、同社が水増し請求により支払った100億円近くのうち、約50億円が同社元部長側に渡っていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、元部長がこれらの資金でタワーマンションや高級車を購入していたとみている。 捜査関係者などによると、詐欺容疑で逮捕された元部長の佐藤友紀容疑者(46)=東京都港区=は大手の銀行や自動車メーカー、外資系企業を経て2018年に楽天グループに入社。19年4月ごろから楽天モバイルの基地局整備事業に携わるようになった。 入社後は月百数十万円の基本給を受け取っていたが、不正を始めたとされる19年10月ごろ以降、自身や妻が代表を務める法人などに約50億円が渡っていた。これらは、楽天モバイルが不正な水増し請求を受けて支払った100億円近くの金が元になっていたという。 マンション7戸のうち6戸が最上階 朝日新聞が確認したところ、佐藤容疑者は自身や妻の法人名義で少なくとも7戸のマンションを所有。このうち6戸は最上階の部屋で、東京都港区内の26階建ての26階1室(約136平方メートル)▽神奈川県鎌倉市内の5階建ての5階1室(約159平方メートル)▽大阪市中央区内の15階建ての15階1室(約42平方メートル)▽名古屋市中区内の15階建ての15階1室(約72平方メートル)▽同区内の15階建ての15階1室(約52平方メートル)▽沖縄県名護市内の10階建ての10階1室(約77平方メートル)。残る1戸は名護市内の10階建ての9階1室(約75平方メートル)だった。 不動産登記では、いずれもロ… この記事は有料記事です。残り213文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タクシー運賃の値上げ「待った」 2社への処分、地裁が差し止め決定
国が昨年10月に決めた東京でのタクシー運賃の引き上げをめぐる訴訟で、東京地裁(鎌野真敬裁判長)は、国土交通省関東運輸局長に対し、引き上げに反発する都内のタクシー会社2社への運賃変更命令や事業許可の取り消しを、判決が出るまでの間、差し止める決定を出した。2月28日付。「引き上げは考慮が尽くされていない」とした。 原告はロイヤルリムジン(東京都江東区)と同社の子会社のジャパンプレミアム東京(同中央区)。主に固定客からの予約送迎を中心に営業している。 東京23区などの特定地域では、タクシーの供給過剰による過度な運賃競争を避けるため、「公定幅運賃制度」があり、タクシー業者は国が決める範囲内の運賃で営業する必要がある。 決定などによると、関東運輸局は昨年10月、人件費や燃料費の増加などを理由に、東京特別区・武三交通圏(東京23区と武蔵野、三鷹両市地域)の公定幅運賃を11月から引き上げると決めた。 原告は他の交通機関などに顧客が流れる恐れがあるなどとして、従来と同じ運賃で営業。引き上げは不当だと主張し、行政処分を差し止める訴訟を起こした。 地裁は、引き上げは予約送迎を中心に事業展開する業者への影響が大きく、固定客を失ったり、運転手の労働条件悪化につながったりしうるため「特に慎重な検討が求められる」と述べた。そのうえで、国が運賃幅を決めるのは過当競争を避けるためなのに、引き上げ時点ではタクシーの供給不足も見受けられ、過当競争の恐れなどが十分考慮されていない、と指摘。「裁量権の逸脱や乱用があると一応認められる」と述べ、一審判決が出るまで2社への処分を仮に差し止めた。 原告のロイヤルリムジンの金子健作・代表取締役は会見で「公定幅運賃の違法性を指摘したもので、画期的だ。全国で運賃の値上げが申請され、消費者としても事業者としてもゆゆしき事態。全国で大幅な引き上げが行われないことを願っている」と話した。 関東運輸局は「決定内容を十分に検討し、方針を決定する」とコメントを出した。(田中恭太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
異国で遭った空襲「今でも夢だと思う」 舞台劇、追悼集会で初披露
敗戦まで約50回に及んだ大阪空襲で命を奪われた朝鮮半島出身の人たちを追悼する集会が12日、東大阪市で開かれる。異国の地で遭った空襲被害。当時11歳だった女性への聞き取りを元にした創作劇も上演される。 集会は「大阪空襲78年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会」が主催。一夜にして約4千人が犠牲になった「第1次大阪大空襲」から13日で78年となるのを機に開かれる。 今回初披露される舞台劇は、大阪を拠点に活動する「劇団タルオルム」が手がけた。題名は「キャンパー」だ。 空襲で焼けた土地 キャンプ初心者の女性は都会の喧騒(けんそう)から離れ、キャンプ場にたどり着く。 そこは、かつて飛行場があり、空襲で焼けた土地。土の下には、戦争の傷痕が刻まれている場所だった。 女性のすぐ隣にいた男性は「(幽霊)出ますよ」。 男性が席をはずすと、少女がやってくる。かつて、故郷を離れ、戦争を生き抜いた少女だった――。 ■「戦争で家族を失った痛みは… この記事は有料記事です。残り991文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル