中部空港(愛知県常滑市)の沖合で進む土砂の埋め立て工事を巡る談合事件で、国土交通省中部地方整備局が当初の方針と異なる方法で入札を実施していたことがわかった。県警は逮捕された同省元幹部(61)が落札業者に利益を与えるために方針変更を主導したとみている。元幹部らは関連工事の入札でも不正を働いたとして再逮捕されており、勾留20日満期の7日に向けて詰めの捜査が進む。 この元幹部は、同局の出先機関の名古屋港湾事務所の所長だった藤田亨被告。同事務所は、問題となった埋め立て工事に必要な石材の調達を巡る入札の計画案を作る業務を担っていた。 この事件では、藤田被告のほか、落札した採石業者「丸昇石材」(三重県尾鷲市)の元会長・小倉章弘被告(65)が入札で不正を働いたとして公契約関係競売入札妨害などの罪で逮捕・起訴された。 同局によると、中部空港沖の埋め立て工事の計画が持ち上がったのは2010年。名古屋港で発生する土砂の仮置き場の受け入れ許容量が限界に近づいたため、正式な処分場が必要になったためだ。 14年に同局内にプロジェクトチームが発足し、19年3月には具体的な計画案が公表された。約15年かけて滑走路の西側を埋め立てる計画で、処分場を囲む護岸工事だけで1750億円にもなる巨大事業だ。 当初の計画では工事を担う建… この記事は有料記事です。残り682文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市川團十郎さん、勧進帳の舞台の小松市でお練り 劇場の名誉館長にも
朝倉義統2023年3月5日 21時12分 歌舞伎の十三代目市川團十郎白猿さんが4日、石川県小松市での襲名披露巡業公演に先立ち、市内を人力車に乗ってお練りした。 「成田屋!」「團十郎さん! かっこいい」。JR小松駅前の通り約400メートルに集まった観衆から声が掛かると、團十郎さんは笑顔で手を振って応えた。 小松は歴代の團十郎が弁慶を演じた「勧進帳」の舞台「安宅の関」があり、團十郎さんの父の十二代目が1987年に公演してからの縁という。今回も「勧進帳」を演じる。劇場もこの日から「團十郎芸術劇場うらら」と改称し、團十郎さんが名誉館長に就いた。 團十郎さんは、「この劇場は監修、設計にも父が携わった。父もさぞ喜んでいることでしょう」といい、「小松のためにどれだけできることがあるか追求し、盛り上がるように、みなさんとより多くの時間を共有したい」と話した。 お練りを見物した同市の山村冨美子さん(89)は、十二代目の小松公演も見たといい、「親子2代の團十郎さんが見られて光栄です」と話した。(朝倉義統) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「警察から電話あったか」 知人に関与を否定 タリウム殺人の容疑者
2023年3月5日 21時16分 京都市北区の女子大学生が死亡し、毒性の強いタリウムが体内から検出された事件で、大阪府警に殺人容疑で逮捕された同市左京区修学院中林町の不動産賃貸業、宮本一希容疑者(37)が府警の捜査着手を受け、知人に「(関与を疑われているが)自分は関係ない」と伝えていたことがわかった。容疑者は任意の事情聴取で「大学生宅で飲酒後、学生のせきが止まらなくなり、家族に連絡した」と説明。周囲にも同じ話をしたとみられる。 知人らによると、宮本容疑者は経営する会社で、舞妓(まいこ)ショーなどの事業を展開していた。昨年10月に死亡した大学生の浜野日菜子さん(当時21)は容疑者が開くイベントにスタッフとして参加していた。 容疑者と数年前から仕事上の接点があるという60代の男性は、浜野さんの死から約2カ月後の昨年12月、容疑者から電話があり、「警察から電話があったか」と尋ねられた。「スタッフの子が亡くなって警察が捜査している。関与を疑われているが、自分は関係ない」とも言われたという。他の知人らにも同様に電話で確認している様子だったという。 男性は「仕事だけの付き合いで私的なことは話さなかったが、トラブルは聞いたことがない。仕事にミスはなく、ぬかりない印象だった」と話す。宮本容疑者は「全然大丈夫なので、今まで通りイベントをします」とも話し、男性が1月のイベントで会った際も普段と変わらぬ様子だったという。 捜査関係者によると、府警も宮本容疑者が逮捕前、知人らに同様の説明をしていたことを把握。容疑者は逮捕後、黙秘している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウィシュマさんの死から2年 法要で妹ら悼む「姉の苦しみ分かって」
伊藤智章2023年3月5日 21時24分 名古屋出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺骨が安置されている愛知県愛西市の明通寺で5日、法要が営まれた。妹2人も参列し、現在も続く国賠訴訟での「真相究明」を求めた。 ウィシュマさんは2021年3月6日に亡くなり、この日は命日を前に約40人が参列した。 収容中のウィシュマさんが支援者に送った手紙13通の朗読会もあった。「食べることも飲むこともできません」「今すぐに私を助けてください」と体の不調を訴える内容で、直筆のコピーも紹介された。妹のワヨミさん、ポールニマさんは口々に、「姉がどれだけ苦しんでいたか、分かってもらえるはずだ」と語った。 妹2人らはウィシュマさんの死亡が確認された午後3時25分、これまでに全国の入管施設で収容中に亡くなった外国人を悼み、鐘を鳴らした。 この数日、明通寺の坊守、北條良至子さん(69)による呼びかけに賛同した北海道から沖縄まで40カ所以上の寺や教会で、追悼行事が開かれているという。 北條さんは、ウィシュマさんの骨を預かるよう依頼されて初めて、外国人収容施設の問題を知ったといい、「これほど亡くなっていたとは。罪深いことです」と語った。入管難民法改正案を政府与党が今国会に再提出する動きもあり、遺族や支援者から怒りの声も出た。 妹らは命日の6日、名古屋市中区の真宗大谷派名古屋別院(東別院)でも追悼する。(伊藤智章) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京マラソン、4年ぶりに従来規模で開催 3万8420人駆ける
笠原真2023年3月5日 19時11分 国内最大規模のマラソン大会、東京マラソン(東京マラソン財団主催)が5日、4年ぶりにコロナ禍前と同じ規模で開催され、3万8420人が東京都内を駆けた。昨年は主催者が沿道での応援自粛を求めたが、今年はそれもなくなり、多くの人がランナーらに声援を送った。 都庁前をスタートし、浅草や東京タワーなどの名所を巡って東京駅前でゴールするコース。都心の最高気温は13・1度で、穏やかな陽気の中、参加者らは思い思いのペースで走った。 コロナの感染拡大が始まった2020年大会は有力選手のみ。21年大会は2度の延期を経て昨年3月に規模を縮小して開催され、一般ランナーの登録は2万5千人に絞られた。PCR検査による陰性証明の義務づけや、65歳以上や基礎疾患のある人への自粛要請もあり、最終的な出場者数は2万人弱だった。 今回は、一般参加者の数をコロナ禍前の19年と同規模とし、海外からの参加者1万2千人も受け入れた。ランナーには大会10日前からの体調報告や2回の抗原検査による陰性証明、当日の検温などを求め、一定の感染対策をしながら開催した。(笠原真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道でバックカントリースキー事故相次ぐ 1人死亡、1人不明
2023年3月5日 19時30分 寒さが緩んだ北海道内で5日、スキー場などの管理されたコースではなく、自然の山中を滑走する「バックカントリー(BC)スキー」の事故が相次いだ。 5日午前11時25分ごろ、ニセコ地区の羊蹄山(1898メートル)で、BCスキーをしていた札幌市豊平区の会社員の藤島裕之さん(35)が行方不明になったと、家族から消防に通報があった。午後2時ごろ、真狩村側の斜面で藤島さんが発見されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。 倶知安署によると、藤島さんは発見時、体の一部が雪に埋まった状態で、雪崩が発生した形跡があった。藤島さんは父親と2人で入山し、途中で分かれて滑降していたという。 十勝地方の清水町のペケレベツ岳(1532メートル)では午後0時20分ごろ、BCスキーをしていたパーティーから「雪崩に1人巻き込まれた」と110番通報があった。新得署によると、パーティーは4人組で、60代ぐらいの男性が雪崩に巻き込まれた。5日の捜索では見つからず、6日も捜索を続ける。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
梅舞う庭 流れる杯に歌詠まれ 天満宮に春は来にけり
渡辺純子2023年3月5日 19時38分 平安絵巻さながらの神事「曲水の宴」が5日、福岡県太宰府市の太宰府天満宮であった。溝に浮かべた杯が流れてくる前に和歌を詠む、みやびな遊び。梅の花びらが舞う庭で、十二単(ひとえ)を着た姫役など14人が、ゆっくりとした水の流れに合わせて和歌を短冊にしたためた。 1963年に復活され、今回は59回目。和歌を書く役はアイドルグループ「HKT48」の最上奈那華さん、在福岡米国領事館のチュカ・アシーケ首席領事らが務めた。コロナ禍で中止や制限下での開催が続いていたが、4年ぶりに一般の人が観覧できる場所を設けた。儀式前後の行列もマスクなしに。大勢の人がカメラやスマートフォンを手に詰めかけ、優雅な雰囲気を楽しんだ。(渡辺純子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3月はネギがお買い得 ネギが主役の「料理メモ」レシピ8選
編集委員・大村美香2023年3月5日 11時30分 食品の値上がりが続く中、大根、ニンジン、ホウレンソウといった主な野菜は生育が順調で、3月は平年並みの価格になりそうです。中でもネギは平年より安値の見込みです。焼いて、蒸して、炒めて、ネギをたっぷり使えるレシピを紹介します。 レタス、トマト、ジャガイモなど14品目の野菜について、3月の価格見通しと生育状況を農林水産省が2月28日に発表しました。それによると、平年より高値になる品目はなく、平年並みで推移するとみられます。 特にネギは主産地で生育が良好で、1カ月を通じて平年より安値の見込み。またキャベツも月の前半は平年より安い予測です。 ネギを主役にした料理を8品、料理研究家によるレシピを1万件以上掲載してきた「料理メモ」から選びました。献立のヒントになさってください。 主な材料はネギと豚肉だけ。15分でできるおかずです。 ネギは青い部分も使います。しょうゆとマヨネーズ、酢じょうゆなど、好みのタレでどうぞ。 ブリとネギを香ばしく焼いて、熱いうちに合わせ酢になじませます。 くったりとやわらかく蒸したネギに、カリカリにしたじゃこを合わせます。 他にも4品ご覧下さい。(編集委員・大村美香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親の虐待、夫のDV…物価高直撃でも「頼れない」ひとり親の女性たち
この1年、コロナ禍や物価高が、ひとり親家庭の暮らしを直撃した。食品を無償で届ける「フードパントリー」の現場には、困難を抱えた女性や家族が足を運ぶ。主催団体は「少しでも笑顔になってもらい、明日の一歩を踏み出してほしい」と願う。 2月下旬、名古屋市の金山駅南口。物販などがある「金山にぎわいマルシェ」の一角のテント前には列ができた。次々と、スタッフから袋を受け取っていく。 「お米は助かります」「たくさん、ありがとう」 子どもを連れた女性が多い。袋の中身は、米やレトルトのご飯やカレー、カップ麺など。 「この1年、とにかく光熱費の値上がりが大変だった」。3歳の長女と来た愛知県長久手市の女性(46)は言う。母子2人暮らしで、女性は週6日、工場で働く。元夫からの養育費3万円も「いつまでもらえるか分からない」といい、実家の親とは、かつて虐待されたこともあって疎遠だという。 「熱が出て2人で寝込んでも誰も頼れる人がいない。ただ生きるので必死」。ぐずる我が子を抱き上げて、会場を後にした。 この取り組みは、社会福祉法人「愛知県母子寡婦福祉連合会」が昨年3月から始めた。「ひとり親家庭フードパントリー&無料相談会」と名づけ、この日はLINEで事前予約した計80組が訪れた。就労や健康、住まいに関する相談に専門家がのる。 周囲に頼りづらい事情を抱えている女性は多い。 ベビーカーを押してやって来た女性は、家庭内暴力(DV)で夫のもとを逃れ、東海地方へ。子を守り頼れるのは自分だけ。住まいの確保など新生活のために100万円以上も蓄えを切り崩した。 「まずは子どものこと。昔は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1本の電話がつないだ助け合いの輪 「被災地支援は石巻の誇り」
東日本大震災の被災地・宮城県石巻市から広がった、災害時のカーシェアの取り組みは、どのように支えられているのか。 今では約300台もの車を抱えるまでに成長した「日本カーシェアリング協会」。活動が緒に就いた当初、中古車販売大手などからの寄付で徐々に車両が集まると、今度は維持管理のコストが課題になった。 2013年春、協会代表理事の吉沢武彦(44)は石巻市内のカー用品店でエンジンオイルの缶をひっくり返していた。探していたのはメーカーの連絡先だ。 唯一、連絡先を見つけたのが「ルート産業」(千葉県流山市)。国内向けにエンジンオイルを販売する会社だ。電話口の女性社員に「オイルを寄付してほしい」と伝え、協会のウェブサイトを紹介した。 自然災害で被災した人に車を無償で貸し出すカーシェアリングが、東日本大震災の最大の被災地だった宮城県石巻市から広がっています。平時は違う形での活躍も。取り組みが、どのように支えられているかに迫る連載(全2回)の㊦です。 「オイル20缶、無駄になっても会社が傾くわけじゃない」 外出先から戻ってきた伊藤和… この記事は有料記事です。残り2318文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル