増山祐史2023年4月30日 14時30分 東京・表参道のアクセサリー店に29日夜、3人組の男が押し入り現金や貴金属を奪って逃走した事件で、警視庁は30日、自称埼玉県東松山市の職業不詳の男(50)を強盗などの疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、男はほかの2人と共謀し、29日午後8時ごろ、東京都渋谷区神宮前4丁目の営業中のアクセサリー店に押し入り、20代の男性店員に刃物を突きつけて「金を出せ」などと脅迫。レジを開けさせて現金19万円を奪ったほか、ショーケースを破壊してネックレスやブレスレットなど多数の貴金属を奪った疑いがある。店員にけがはなかった。 現場は東京メトロ明治神宮前駅から200メートルほどの、表参道に近いブランドショップなどが立ち並ぶエリアで、3人は付近に止めていた白の軽乗用車で逃走していた。軽乗用車は今回逮捕された男の名義で、警視庁は防犯カメラなどの捜査で埼玉県内にいる男を発見し、逮捕した。逃走中の残る2人の行方を追っている。(増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私も行くから」老老介護の末、絞めた夫の首 折れた心と家族の後悔
妻(78)は一睡もできないまま、その朝を迎えた。 となりのベッドでは、7年前にアルツハイマー型認知症と診断された夫(当時85)が寝息を立てている。 「お父さん、ごめんね。私もすぐ行くからね」 妻はそうつぶやき、夫の首をネクタイで絞めて殺した。かつて夫の排泄(はいせつ)物をじかにぬぐった手で。 3月7日、広島地裁であった初公判。被告となった妻は車いすで法廷に現れた。裁判長から起訴内容について問われると、うつむき、消え入りそうな声で「間違いありません」と答えた。 被告は2022年5月23日午前4時半ごろ、広島県竹原市の山間部にある自宅で、寝ていた夫を窒息死させたとして殺人罪に問われた。 被告の心はなぜ折れたのか。公判で明らかになった証拠や被告人質問から、事件の経緯をたどる。 被告は20歳のころ、酒屋に勤めていた夫と見合い結婚した。4人の子宝に恵まれたが、「亭主関白」な夫だった。平日は米や酒の配達、週末は兼業していた農家の仕事で家を空け、家事や育児にはほとんど関わらなかった。 それでも、若い頃は夫婦で富士山に登り、数年前には北海道へのツアー旅行に参加した。被告が車の助手席から、運転席の夫に「あーん」とお菓子を食べさせるなど、仲むつまじく過ごした。 「私を頼ってくれるから」 夫が初期のアルツハイマー型認知症と診断されたのは、78歳の頃だった。7年後には自分の娘たちの顔や名前を忘れ、会話がほとんど成り立たなくなった。 日中は週4日、デイケア施設で風呂や昼食を済ませたが、自宅での介護は被告が一手に引き受けた。 夫は高齢による体力の低下から、1人でベッドから起き上がれず、歩く時は被告の腕を支えにした。 排泄のコントロールもできなくなり、被告がトイレに付き添い、ズボンを上げ下げし、おしりを拭いた。汚れたズボンや床を掃除するのも被告だった。 弁護人「すぐに施設に入ってもらう考えは」 被告「家が大好きな人じゃったから、わが家が一番良いのかなと思いました」 裁判官も尋ねた。 裁判官「介護を長年続けてきた理由は」 被告「私を頼ってくれるし、助けてあげなければいけないと思いました」 だが、夫が認知症と診断された3年後、被告に異変が現れた。 「息子がヤクザと付き合って… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自ヘリの引き揚げ作業、悪天候のため中止 沖縄の宮古島沖
2023年4月30日 16時56分 沖縄・宮古島沖の海底で確認された陸上自衛隊のヘリの引き揚げは、4月30日に予定された作業が悪天候のため中止となった。5月1日以降、海の状況を見ながら作業再開と機体の引き揚げをめざす。 引き揚げは、防衛省の委託を受けた民間船舶が実施する。4月29日に海底調査と引き揚げ用のネットを海底に降ろす作業を実施し、30日に引き揚げる予定だった。30日も朝から現場海域に向かったが、悪天候で波が高く、昼ごろにこの日の作業を中止したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「産んで」に感じ続ける圧力 多様化する家族の形、変わらない社会
子どもを欲しいと思ったことはない。それなのに、「少子化」のニュースが出ると、迷い続けていた。「私たち夫婦には、子どもはいなくていいんだよね?」 造形作家の澤奈緒さん(46)は、8歳年上の実業家の夫と都内で暮らす。 母親から毎日、言葉の暴力を受けて育った。だから自分は子どもを産まないと決めていた。「愛し方がわからない。何より、子どもに同じことをしてしまうかもしれない」。他人の子どもを見ても、うらやましいと思ったことはない。 それでも、「結婚をしたら子どもを産むべきだ」という見えない圧力を感じることはあった。子どもがいる友人に「産んだら人生が変わる」と言われれば、やはり悩んだ。 圧力を感じなくなったのは、40歳を過ぎたころ。「この年だから、誰も産め産めと言わないよね、と。産まない選択をしたのに、産まない理由を探すことがバカバカしくなりました」 澤さんは、子どもも参加できるアート講座を開いている。「私が培ってきた知識を伝えたい。子どもを産まなければ、次世代に何も残せないのでしょうか」。人がそれぞれ選択した人生を、自信をもって歩めるような世の中になったらと考えている。 結婚、出産、決めるのは一人ひとり 関東地方で看護師をしている女性(43)は昨年12月、ツイッターのトレンドワードに心がざわついた。 「未婚のまま40代だと狂う」 思わず、スマートフォンの画面をなぞる指先が止まった。40代、未婚、子なし……。キーワードは、ぜんぶ自分に当てはまった。 32歳の時、不妊症と診断された。政府が打ち出す「異次元の少子化対策」について、「産み育てたい人をサポートするのはよいこと」と思う。その一方で、どんなに「産んで」と求められても応えられない自分に、罪悪感がまとわりつく。「社会の見えない声で、産めない自分は価値がないと責められている気がする」 不妊症とわかるまで、自分もいつかは出産も子育てもするものだと思っていた。「嫁にいかないのか」「仕事ばっかりしてたらいかんよ」「同級生は2人目の子どもが生まれたぞ」。幾度となく地元の知人から結婚や出産を勧められ、母親に不妊症を打ち明けられるまでに10年かかった。涙ながらの告白だったが、母親がありのままを受け止めてくれて救われたという。 「産む産まないについて、社会から価値観を押しつけられたくない。結婚、妊娠、出産。それを決めるのは一人ひとりの自由ではないでしょうか」 「子どもを持つべき」と考える女性は半減 生涯未婚の人が増え、結婚しても子どもを望まない人も増えている。 内閣府の2022年の少子化社会対策白書によると、女性の生涯未婚率(50歳までの未婚割合)は1970年は3・3%だったが、2000年代に入って急激に高まり、20年には17・8%まで上昇した。 国立社会保障・人口問題研究所の21年の調査では、独身の人(18~34歳)のうち、「結婚したら子どもを持つべき」と考える女性は36・6%と6年前の調査と比べ、ほぼ半減。一方で、自分や夫婦の生活を大切にしたいという人が増えている。 個人の生き方や家族のあり方は多様化しているのに、「結婚をして子どもを持つのが普通のこと」という圧力を感じている人は少なくない。 30代以上・未婚・子なしを自虐を交えて「女の負け犬」と呼んだ「負け犬の遠吠(とおぼ)え」を書いたエッセイストの酒井順子さんは、子どもを育てる人たちを大切にすべきだとしたうえで、「出生率を上げるべきだという声が大きくなればなるほど、子どもを持つことを実行していない・できていない人の中には、下を向いてしまう人もいる」と話す。「法律婚だけでなく、シングルや事実婚、同性婚など、いろいろな形の家族があっていい。多様なありようを国が制度として認めることで、『こうしなくてはならない』という重荷は減るのではないか」(江戸川夏樹、渡辺洋介、伊藤恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今年最初のサルの赤ちゃん、名前は「ペッパーミル」に 高崎山が公募
倉富竜太2023年4月30日 17時30分 餌付けした野生のサルと触れ合える大分市の高崎山自然動物園は30日、今年最初のサルの赤ちゃんを確認したと発表した。名前は公募で最も多かった「ペッパーミル」に決まった。 高崎山では毎年この時期にサルの出産が始まり、最初に確認された赤ちゃんの名前を公募で決めている。 今年は948票の応募があり、42票が「ペッパーミル」。2位が「ペッパー」(34票)、3位が「サムライ」(29票)、4位が「ミル」(25票)と、日本代表・侍ジャパンが優勝したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にちなんだ名前が多かった。 出産シーズンは8月まで続き、現在確認されているサルの群れ「B群」と「C群」で、今年は計約150頭の誕生を見込んでいるという。 ペッパーミルは雄で、母親はB群のマボロシ(7)。マボロシの第2子。 ヌートバー選手をきっかけに日本代表の選手が行うようになり、WBC大会期間中に大きな話題を呼んだペッパーミルのパフォーマンス。自然動物園の担当者は「サルなのでもちろん野球選手にはなれませんが、ヌートバー選手のように明るく元気に育ってもらえたら」と語った。(倉富竜太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カンボジア拠点「かけ子」ら19人再逮捕へ 別の高齢者への詐欺容疑
2023年5月1日 0時00分 カンボジアが拠点の特殊詐欺事件の電話役だったとして逮捕された日本人の男19人について、警視庁は、別の特殊詐欺事件に関わった疑いがあるとして、全員を1日に再逮捕する方針を決めた。 捜査関係者によると、1月下旬、東京都内に住む高齢男性が「有料サイトの未払いの料金がある」などとするうその電話を信じ、現金計70万円超を指定された口座に振り込んでだまし取られる事件があった。19人はこの事件に、うその電話をかけるなどの役割を担った疑いがある。 警視庁は、19人を含む詐欺グループが、カンボジアのホテルなどを拠点に、2022年4月~23年1月の約10カ月間で約75件の特殊詐欺事件に関わったとみている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
命に直結する渇水、温暖化でリスク高まる 対策のカギは雨水ハウス?
地球温暖化の影響で、1年間に降る雨量の変動幅が増大している。いわば「降るときは大雨に。降らないときはカラカラに」といった状態だ。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や気象庁は「洪水だけでなく、渇水が起きるリスクも高まっている」と警告する。深刻な水不足のリスクに、どう備えればいいのか。(伊藤隆太郎、グラフィック=米沢章憲) 水資源工学が専門で京都大学工学部長を務める立川康人教授は、悩ましさを打ち明ける。「洪水と渇水の両リスクが高まっているのに、渇水への危機感は薄くなりがちだ」 近年、毎年のように全国各地で豪雨による被害が発生し、注目される一方で、水不足を警戒する声はあまり聞こえてこないという指摘だ。 降水量のブレ拡大、「降る」「降らない」どちらも極端に ただし、そのリスクは高まっている。世界の平均気温は100年間に0・74度上昇した。日本の気温上昇はこれを上回り、100年間で1・3度に達する。気温が上昇したことで、雨の頻度や強さ、降る場所や季節といった降雨パターンが複雑に変化し、雨が降るときと降らないときの差が極端になっているという。 その結果、1日に100ミリ以上の大雨が降る日が増加しているのに対し、1日の雨量が1ミリ未満の「無降水日」も増えている。気象庁の記録では、年間の無降水日はこの100年の間に平均で約10日増え、約240日から250日へと増加した。 渇水のリスクを高めるのは、雨量の変化だけではない。気温が上昇して蒸発量が増え、ダムや川、土中から水が失われる速度も増している。冬場の積雪も減る傾向で、雪解けも早まり、毎年春の水不足の傾向が各地で顕著になっていると立川教授は指摘する。こうした傾向は今後、さらに強まると危惧されている。 水不足が深刻化した場合の影響は広範囲に及ぶ。火力や水力発電には設備の冷却に多量の水を必要としているし、断水となると病院では患者の生命に直結する。首都圏の水不足は、国家機能の低下にもつながりかねない。 持続可能な社会のためには… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「夜行バスで名古屋に移動」 東京の大使館から逃走の外国籍の男確保
2023年4月30日 21時20分 不法残留容疑で名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容されていたインドネシア国籍の男(22)が、インドネシア大使館(東京都新宿区)から逃走していた事案で、同管理局は30日、名古屋市内で男の身柄を確保したと発表した。 同管理局によると、男の身柄を確保したのは30日午後3時20分ごろ。同管理局の職員が名古屋市港区内のコンビニにいた男を発見したという。 男は28日、同管理局から退去強制手続きのために東京の大使館へマイクロバスで移送された。手続きを終えてバスに戻る際の午前11時50分ごろ、周囲に複数の職員がいる中、走って逃げたという。 男は「夜行バスで東京から名古屋に移動した。(同管理局に)出頭するつもりだった」といった趣旨のことを話しているという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
発車する電車に小学生が接触 倒れて線路へ転落、軽傷 阪神深江駅
2023年4月30日 22時30分 30日午後5時45分ごろ、神戸市東灘区深江北町4丁目の阪神深江駅の下りホームで、大阪梅田発高速神戸行きの普通電車と小学2年生の男児(7)が接触した。男児は約1・3メートル下の線路に転落し、おでこに擦り傷を負った。兵庫県警東灘署によると、軽傷だという。 調べでは、男児は母親、弟と3人で電車から降りた後、走り出した車両と接触してホームで転倒。電車が過ぎた後、線路に転落したため、母がホーム上に助け上げた。 男児は電車から降りる直前まで車内で寝ていて、起きて降車した直後に接触したという。接触した電車は緊急停止して37分間止まった。 阪神電鉄によると、この影響で西宮―御影間で運転を一時見合わせ、大阪梅田―西代間で遅れが出た。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇陛下、5年目の活動に変化の兆し お声がけや触れ合いの再開は
ヨルダンの国王夫妻と皇太子を見送ると、天皇、皇后両陛下は近くで取材していた報道陣に歩み寄った。 4月11日、皇居・御所の車寄せ。前日までご一家で静養した栃木県の御料牧場での思い出を「生まれたばかりの子牛がいて」「景色も良くて広々として」などと話した。 ヨルダンの報道陣とは声を掛けながら握手も交わした。その様子を見たカメラマンらから次々に手を差し出されると、驚きながらも笑顔で応えて交流した。 こうした報道陣らに近寄ってのお声掛けは、世の中がコロナ禍から平常に戻りつつある中で頻繁にみられるようになってきた。 側近は「少しでもコミュニケーションを取りたいという両陛下のお気持ちだろう。両陛下はメディアの向こう側にいる国民をいつも意識されている」と話す。 天皇陛下の即位から30日で丸4年。5月1日から5年目に入ります。即位後1年も経たずに新型コロナウイルス感染症が流行し、活動が長らく制限されてきましたが、令和の皇室の活動がいよいよ本格化しそうです。 新たなもてなしの試みも 新たな試みは会見の場でも見てとれる。 外国の大統領夫妻らとの会見… この記事は有料記事です。残り1816文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル