有料記事 聞き手・田渕紫織2023年4月3日 20時00分 内閣府が、ひきこもっている人(15~64歳)が日本に推計146万人いるという調査結果を発表しました。結果を読み解いた明治学院大の関水徹平准教授(社会学)は、「光の当たらない部分」が大切だといいます。 ――今回の調査で国が使った「ひきこもり」の定義には、ふだんは家にいるけれどもコンビニに出かけたり、趣味の用事で外出したりする人も含まれています。 ひきこもりと聞くと一般的には家や部屋から出ない状態がイメージされると思いますが、4年前の前回調査(40~64歳が対象)もほぼ同じ定義で、仕事や学校に行っておらず、社会参加の場が限定されている多様な状態を「ひきこもり」ととらえています。前回の調査でも今回の調査でも、家や部屋から一歩も出られない人は少なくて、多数派はコンビニや趣味の用事では外出していました。 また、「あなたはひきこもりですか?」と聞く調査ではないので、該当者の中には、もしかしたら自分のことをひきこもりだと思っていない人もいるかもしれません。 「光の当たらない部分」が重要 ――今回、コロナ禍が原因でひきこもり状態になったと答えた人が2割ほどいました。 ますます、外出頻度だけに着目していては実像が見えなくなってきたと思います。 本人や家族がひきこもりとい… この記事は有料記事です。残り2658文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
銀行、商社、保険…「職場九条の会」が岸田政権の防衛政策に反対表明
銀行や商社、保険会社などの社員やOBらでつくる「職場九条の会共同行動実行委員会」が3日、東京都内で記者会見した。岸田政権が米国に対する「公約」にもとづき、国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書を閣議決定して敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費の大幅増を決めたことに反対する声明を発表した。 声明は政府方針について「戦争放棄をうたう日本国憲法を蹂躙(じゅうりん)し、専守防衛や平和国家など日本の戦後安全保障政策を抜本的に転換するもの。集団的自衛権行使により日本を戦争に巻き込む危険な道」と批判。「軍事費拡大は負担増をもたらし、国民の命と暮らしが脅かされ、貿易や経済、企業活動に深刻な打撃を与える」と指摘した。 実行委員会は2月発足。銀行、海運、商社、生保、損保など業界ごとに社員やOBらで結成された「九条の会」10団体が連携して声明をまとめた。記者会見では「日本は食糧もエネルギーも輸入に頼る。戦争が始まれば海運が止まり、経済は大打撃を受ける。平和でなければ産業は成り立たない」などの発言が出た。 九条の会は2004年、「9条をもつ日本国憲法を守ろう」と作家の大江健三郎さんや井上ひさしさんらが呼びかけて発足。全国の地域や職場ごとに約7千団体がつくられ、20年近く活動を続けてきた。(編集委員・北野隆一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国交省OBの副社長ポスト要求、空港施設社内の審査会に報告されず
有料記事 柴田秀並 畑宗太郎 三輪さち子2023年4月4日 5時00分 東証プライム上場の「空港施設」(東京都)で、自ら副社長のポストを求め、就任していた国交省OBが3日、辞任した。OBは一昨年、社内の役員人事を話し合う会議で省側の意向だとしてポストを求めていたが、同社によると、会議での主張の内容は、役員候補を評価する「指名委員会」に報告されていなかったという。同社は人事のプロセスが適切だったか検証するとしている。 3日付で辞任したのは、元国交省東京航空局長の山口勝弘氏(63)。同社は3日、山口氏の発言について「不適切な発言で、誠に遺憾。今後事実関係を更に確認した上で、適切に対応したい」との見解を示した。 朝日新聞が入手した会社側の記録などによると、山口氏は同社取締役だった2021年5月、役員人事を話し合う会議で、出身官庁の国交省の権限に言及しながら、代表権のある副社長に自身が就くことを強く主張した。同社が羽田空港で国有地を借りていることに触れ、「(国交省)航空局側から見れば、協力の証しだと思う」とも語っていた。 OBの主張、国交省側へ事実確認せず 翌日の指名委員会を経て、取… この記事は有料記事です。残り588文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ノリ全量出荷の誓約書などを廃止 福岡有明海漁連、公取委の検査受け
公正取引委員会が九州3県の漁協や漁連に対し、有明海の養殖ノリの全量出荷を生産者に求めていたとして独占禁止法違反(不公正な取引方法)容疑で立ち入り検査した問題で、福岡有明海漁連(福岡県柳川市)は3日、今後は全量出荷を生産者に求めない、などとする改善案をまとめ、上申書を公取委に郵送した。 公取委が再発防止などの改善策を認定すれば、課徴金納付命令などの行政処分が見送られる「確約手続き」の一環。同漁連では、有明海産のノリが買いたたかれるのを防ぐためとして、漁連などが開く共同の入札会に全量出荷する約束を、生産者と漁協が誓約書で、漁協と漁連は覚書で交わしていた。だが独禁法に配慮し、同漁連は約2年半前に誓約書などから「全量出荷する」と明記した文言を削除して「努力目標」に変更したが、昨年6月に公取委が福岡、佐賀、熊本の漁協や漁連を立ち入り検査していた。 検査を受けて、同漁連は今後、誓約書や覚書そのものを廃止する。共同の入札会は継続するという。 同漁連は「(入札会は)ノリ… この記事は有料記事です。残り94文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
180万球のチューリップ 色彩豊かに桜と共演 三重・なばなの里
溝脇正2023年4月3日 21時00分 【動画】180万球のチューリップと桜が共演=ドローンで溝脇正、長島一浩撮影 三重県桑名市長島町の「なばなの里」で、約200種類180万球のチューリップが見頃を迎えている。国内最大級の花園「花ひろば」では、赤、白、ピンク、黄色の色鮮やかなチューリップが咲きそろった。観光客らは花畑の間を散策したり、桜との「共演」を写真に撮ったりして楽しんでいた。チューリップは4月中旬ごろまで見頃が続く。 「なばなの里」によると、冬に球根を植え付けてから適度な降水量と気温が続いたため、例年以上に見栄えのする花になった、という。イルミネーションが開催中の夜間には、花畑もライトアップされる。(溝脇正) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車に引きずられ頭などけが 窓枠つかんだら発進 殺人未遂事件で捜査
2023年4月4日 0時43分 3日午後8時半ごろ、大阪市淀川区三国本町2丁目の路上で、近くに住む男性会社員(39)が車に約130メートル引きずられた。頭や顔にけがを負って病院に運ばれたが、命に別条はないという。大阪府警は殺人未遂事件とみて、逃げた車の行方を追っている。 淀川署によると、男性は自宅近くの道路を横断しようとしたところ、北進する車と衝突した。運転席の窓枠をつかむと、車がそのまま発進。男性は約130メートル引きずられた後、落下した。目撃者の女性が110番した。男性の説明では、車は白色で、黒の帽子と白い上着を着た男が運転していたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
侵入の3秒後に逃走か 風俗店の売上金強奪容疑で元店長を逮捕
2023年4月3日 21時15分 大阪市天王寺区の風俗店で3月、売上金が奪われた事件で、大阪府警は3日、元店長の無職安部大樹容疑者(28)=同区舟橋町=を強盗傷害と建造物侵入の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 府警が防犯カメラを確認したところ、男が入店して現金を奪い、店外に出るまでは約3秒間だったという。府警は、容疑者が元店長として店内の様子を熟知していたとみている。 捜査1課によると、安部容疑者は3月24日午前4時5分ごろ、同区生玉町の風俗店に侵入し、アルバイト店員の男性(21)に催涙スプレーを吹きかけて現金約32万円が入ったポーチを奪い、店員に約2週間のけがを負わせた疑いがある。 店員は当時、営業中の店内で売上金を確認していた。府警が周辺の防犯カメラを調べたところ、昨年12月に店を退職した安部容疑者が浮上したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
選挙ポスターに女性アイドル起用 「男女共同参画の点で問題」と苦情
今月の東京都八王子市議選で、市選挙管理委員会が作った啓発ポスターは、今月施行の市男女共同参画推進条例の趣旨に反するとして、元市議4人が3日、市に同条例に基づき苦情を申し立てた。4人は撤去も求めている。市側は条例の仕組みに沿って、苦情処理委員会に意見を求めるとしている。 市選管が作ったのは八王子のご当地アイドルで、2人組の「8(エイト)princess」が印刷されたポスター。大写しにされた2人がガッツポーズをし、「てか、選挙行くっしょ?」と投票を呼びかけている。市選管は約4千枚を作成、自治会などに配ったほか、公用車や駅の連絡通路に張るなどしている。2人は2020年の前回市長選でも、イメージキャラクターを務めた。 苦情を申し立てたのは、井上睦子さん、陣内泰子さんらいずれも元市議の女性4人。03年に内閣府男女共同参画局が作成した「男女共同参画の視点からの公的広報の手引」のチェック項目と照らし、問題点が多いとした。 具体的には、男女双方が想定… この記事は有料記事です。残り426文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR北海道、自己都合の退職者が初の200人超 転勤や夜勤が不人気
経営再建中のJR北海道は3日、2022年度に自己都合による退職者が過去最高の232人に達したと明らかにした。線路の維持や補修にあたる保線部門の退職者が多く、都市部以外での勤務や転勤が多いことなどが大量の退職者が続く理由となっている。JR北は退職者を再雇用するカムバック制度などに力を入れるが、思うような効果はまだ出ていない。 JR北が3日に発表した23年度の事業計画のなかで退職者数を明らかにした。JR北の自己都合による退職者は年々増える傾向にあり、11年度は19人だったのが、16年度以降は100人を突破。22年度の232人は前年度より34人増え、初めて200人台にのった。 部門別の退職者は、保線を含む工務・電気部門が94人と最も多く、車掌などの運輸部門66人、営業部門58人が続く。広大な北海道内で転勤が数年に1回と多いことに加えて、保線業務が「不人気」なのは夜間の勤務や冬季の除雪作業などが原因だという。10年代前半に事故や不祥事が相次ぎ、国の支援が必要な経営難に陥ったことも背景にある。 退職者の増加に危機感を抱く… この記事は有料記事です。残り584文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ついのすみかの重要な候補地」 坂本龍一さん、岐阜の森林への思い
保坂知晃2023年4月3日 19時00分 「ついのすみかを日本でどこかで選ぶ時期が来たら、この地域は重要な候補地として考えています。そのくらい感動しました」――。亡くなった音楽家の坂本龍一さんは2012年3月、岐阜県東部の森林を訪れた際、こんな言葉を残していた。古田肇知事が3日の定例会見で、生前のやりとりを紹介した。 坂本さんは自ら代表を務める森林保全団体「モア・トゥリーズ」を設立。12年3月に岐阜県の中津川市加子母と、隣の東白川村の森林2組合や県と、森林づくりを進める協定を結んだ。 古田知事は締結に際し、坂本さんと加子母地区の森林を視察した。「思慮深い方で、森林への関心の深さを感じた」という。 その際、印象に残ったエピソードとして冒頭のやりとりを紹介。「(坂本さんは)この森のすばらしさ、環境の良さに感激したと言っていた」と話した。(保坂知晃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル