釆澤嘉高2023年4月14日 16時00分 JR九州は14日、ゴールデンウィーク期間中(4月28日~5月7日)の新幹線・在来線の指定席予約状況を発表した。前年と比較可能な九州新幹線、長崎線、日豊線では予約可能な延べ52万席のうち、予約済みが14・4万席(13日時点)。予約率は27・6%となっている。予約数は旅行需要の高まりで前年より63%増加したが、コロナ禍前の2018年と比べるとまだ8割程度だ。 一方、昨年9月に開業した西九州新幹線(武雄温泉―長崎)については、予約可能な延べ8・2万席のうち、予約済みが2万席で予約率は24・7%だ。 計4線の最も予約が多い日は上下線とも5月3日。上りが51・8%、下りが40・4%となっている。(釆澤嘉高) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「先生は全員に1人ずつ手紙くれた」 養護教諭になった教え子はいま
久保敬が新人時代に担任をした5年2組には、タケルのほかにも教職についた卒業生がいる。 いま大阪市立中学校で養護教諭をしている杉本香織だ。 37年余り前、勉強の苦手だった男の子が授業中に馬鹿にされ涙した「事件」の後、《先生が意見だれでも言ってほしいと言った時、わたしはだれか手をあげるのを待っていた》と書いた日記を提出した「カオリ」のことだ。 その杉本が久しぶりに久保の名前を聞いたのは、2021年のことだった。 その年の5月、市立木川南小学校で校長をしていた久保は、コロナ禍の教育施策をめぐって当時の松井一郎市長と教育長に、批判的な「提言書」を実名で書き送った。 市は緊急事態宣言を受けて、市立小中学校は「オンライン学習が基本」としつつ、給食の時間は登校させるという変則的な運営方法を取った。 オンライン学習に対応できない学校も多く、突然の決定を受けて教育現場は混乱していた。家庭の事情によって学校で児童を預かる時間も異なるため、久保の学校ではそれまで続けていた集団での登下校もできなくなった。 そのため久保は「子どもの安全・安心も学ぶ権利も保障されてない状況を作り出している」と訴えたのだった。 久保は当時の私の取材に、提言書を出した理由をこう語っていた。 「37年間大阪で教員として育ち、本当に思っていることを黙ったままでいいのかなと。お世話になった先生方や保護者、担任をした子どもを裏切ってしまう感じがしたんです」 翌春に定年退職を控えていた久保。おかしいことはおかしいと言っていい――。子どもたちにそう教えてきた自分を振り返り、自問自答した結果だった。 「誰にもできんかったこと、やりはった」 このニュースは大きく報じられ、杉本の職場でも話題になっていたという。しかし、杉本は当初、提言書を出した小学校長が久保だとは気づかなかった。 1カ月ほどして地元に帰った… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小泉今日子さんが語る井上ひさし作品 「小さいとき、出会っていた」
坂田達郎2023年4月14日 12時34分 作家・劇作家の故井上ひさしさんをしのぶ「吉里吉里忌(きりきりき)」が、命日となる4月9日、生まれ故郷の山形県川西町フレンドリープラザであった。俳優・歌手の小泉今日子さん(57)が、約700人を前に作品への思いをたっぷりと語った。 2010年4月9日に75歳で亡くなった井上さんの文学忌。ゆかりのある人たちが人柄や業績を語り継ぎ、9回目を迎えた。 小泉さんは作品との出会いから話し始めた。 「歌手としてデビューしたころは人見知りで、テレビ局やスタジオの待ち時間はいつも本を読んでいました」。そんな17、18歳のとき、「本が好きなの?」と声をかけてきたのが、構成作家や作詞家をしていた秋元康さんだった。 次に出会ったとき、手渡されたのが小説集「十二人の手紙」。その中の「赤い手」は、1人の女性の人生を出生届や死亡届などの各種証明書や手紙で伝え、「その人の全人生を感じられ、こんなことができるのはすごい」と感じたと紹介。「赤い手」を約30分間、朗読した。 人形劇「ひょっこりひょうたん島」を絵本で知り、テレビアニメ「ひみつのアッコちゃん」の歌を歌うなど、井上さんの脚本や歌詞に親しんできた小泉さん。生前は会う機会がなかったが、「小さいとき、ちゃんと井上ひさしさんと出会っていたんだと、いまさらながらに感動しました」と話していた。(坂田達郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
専門学生がマンションで死亡、背中に刃物の傷か 殺人事件として捜査
2023年4月14日 12時46分 仙台市若林区荒井7丁目のマンションで13日午後2時ごろ、この1室に住む専門学校生、木村真緒さん(19)が死亡しているのが見つかった。宮城県警によると、背中に刃物で傷つけられたような跡があることから、殺人事件として調べている。 捜査1課によると、木村さんが通う専門学校から同日午後、「無断欠席しているので確認してほしい」と警察署に通報があった。駆けつけた署員が室内で倒れている木村さんを見つけた。 現場は市営地下鉄東西線荒井駅から南に約400メートルの住宅街。木村さんは一人暮らしで、室内が荒らされたような様子はなかったという。 また県警が関係者の行方を追っていたところ、同日夜に別の場所で男性が死亡しているのを発見。県警は、この男性が何らかの事情を知っているとみて関連を調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強盗にカラーボール、さすまた持って外へ…警官が見た郵便局員の気迫
斎藤徹2023年4月14日 13時03分 郵便局に押し入った強盗容疑者の逮捕に尽力したとして、福島県警田村署は13日、船引郵便局に感謝状を贈った。「利用客の安全確保と犯人検挙に大いに貢献した」としている。 事件は3月30日午後2時15分ごろに発生。田村市船引町船引の同郵便局に男(64)が押し入り、利用客の女性にカッターナイフを突きつけて、「金を出せ」などと局員を脅した。 局員は現金1万円を差し出し女性の安全を確保した後、金を奪って逃げようとする男にカラーボールを投げつけ命中させた。さらに2人の局員が、さすまたなどを持って外へ追いかけ、男とにらみ合った。 通報を受けて駆けつけた同署瀬川駐在所の橋本史巡査長(29)が、ナイフを振りかざして襲ってくる男を警棒で制圧し、強盗容疑で現行犯逮捕した。 橋本巡査長は「男はカラーボールの塗料を浴び全身オレンジ色だったので、すぐに犯人だと認知できた。犯人と対峙(たいじ)する郵便局員からは『絶対に逃がさない』という気迫が感じられ、私も絶対に検挙しようという気持ちが高まった」と振り返る。 船引郵便局を代表し、小松義夫署長から感謝状を受け取った箭内秀行局長は「毎年、警察から受けている強盗模擬訓練が役に立った。今後もお客様の安全を考え、防犯対策に取り組みたい」と話した。 同署は「警察だけでは犯人逮捕に至らなかった。一般市民には、自分や周囲の安全を第一に、無理のない範囲で協力してほしい」としている。(斎藤徹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「南西シフト」さなかのヘリ事故 住民に募る不安 防衛戦略に影響は
有料記事 伊藤和行 小野太郎 渡辺丘 成沢解語 聞き手・渡辺丘2023年4月14日 9時00分 陸上自衛隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶った沖縄・宮古島を含む南西諸島では、自衛隊を増強する「南西シフト」が進められてきた。事故から13日で1週間。住民は行方不明の隊員を案じつつ、深刻な事故に不安を募らせる。防衛省内でも、防衛戦略への影響を懸念する声が上がっている。 「ショックです。早く見つかってという言葉以外出てこない」。宮古島市の看板店会長の垣花健志さん(72)は言う。宮古島への自衛隊配備を推進してきた元市議の一人で、2年前から地元の自衛隊協力会会長を務め、自衛官募集も担っている。 事故4日前の4月2日には、陸自石垣駐屯地の開設記念式典に宮古島駐屯地の幹部らと出席し、食事もともにした。その幹部が今回のヘリに搭乗していたと聞いている。「なぜ突然消息を絶ったのか。分からないことばかり。住民の不安は高まっており、ちゃんと明らかにしてほしい」と話す。 宮古島に陸自駐屯地が開設されたのは2019年。沖縄本島との間の海空域では、中国の艦艇や航空機の往来が相次ぎ、防衛省は警備部隊とミサイル部隊などの計約700人を常駐させた。沖縄本島に次ぐ多さだ。 当初、住民には「小銃弾や発煙筒など」を保管すると説明したが、21年には地対艦・地対空ミサイルなどの弾薬が運び込まれた。今後、政府が昨年末の安保関連3文書で明記した敵基地攻撃能力(反撃能力)がある長射程ミサイルが配備される可能性があり、住民に不安が広がるなかで起きた事故だった。 駐屯地の向かいでメロンやサ… この記事は有料記事です。残り2675文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ショックだった手話での反応 「ろうLGBTQ+連盟」理事の半生
ろうの性的少数者を支援する当事者団体「日本ろうLGBTQ+(プラス)連盟」(野村恒平代表)が設立された。東北、関東、九州・中国、沖縄の7団体が連携し、孤立している当事者を掘り起こすことをめざす。 「かつての自分のように、悩んでいる人の力になれれば」 東京都渋谷区の手話教室「手話フレンズ」代表で、連盟の理事を務めるモンキー高野さん(52)は話す。 「国際トランスジェンダー可視化の日」(「国際トランスジェンダー認知の日」とも呼ばれる)3月31日、東京・渋谷駅前。 「私は体は女性ですが、心は男性のトランスジェンダー『FTM』(Female to Male)です」 生まれつき耳が聞こえない高野さんが、幼いころから抱いていた性別への違和感を手話で訴えていた。 高野さんは、家族全員がろう者の家に、戸籍上は女性として生まれた。 3歳のころ、父と銭湯に行ったとき、「なぜ、僕にはおちんちんがないの」と手話で聞くと、「大きくなったら生えてくるよ」と返されたことを覚えている。しかし、成長しても、そんなことにはならず、違和感は続いた。 母は、「女らしくしなさい」とスカートをはくようにすすめたが、小学校卒業まではズボンばかりはいていた。 中学生になると、セーラー服を着なければならなくなった。「なぜなんだろう」と疑問に思いながら、我慢した。もし友達に打ち明けたら、仲間はずれにされると思ったからだ。 高校2年のころ、他校に通う自分と似た雰囲気の人に出会った。卒業後、その人と再会。彼女は、戸籍上は男性で性自認は女性の「MTF」(Male to Female)だとわかった。今は一緒に活動する大切な友人になっている。 就職後もしばらく、高野さんは女性として生き、勤務先では女性用の制服を身につけたり、化粧をしたりしていた。 20歳を過ぎて、思い切って… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
なぜテロリストの社会復帰を支援するのか 永井陽右さんが選んだ対話
テロ・紛争解決スペシャリストの永井陽右さん(31)は、ソマリアのテロリストらの脱過激化・社会復帰支援を行っている。世界で最も危険な地といわれる場所に乗り込み、関係者と丁々発止のやりとりをする。テロリストの脱過激化プログラムは、職業訓練や教育だけでなく、一人ひとりとの徹底した対話が特徴だ。 ソマリアには、イスラム系テロ組織「アル・シャバーブ」が勢力を維持している。刑務所に行き、テロリストたちと「出所後の夢」を語る。 高校時代までは、「すさんだ生活」を送ってきた。いじめに加担したこともある。それが高2の夏休みに「地球温暖化でツバルが沈むおそれがある」ということを知り、外の社会に目が向いた。 ながい・ようすけ 1991年、神奈川県生まれ。2011年、日本ソマリア青年機構設立。17年、NPO法人アクセプト・インターナショナル設立、代表理事に就任。新著に『紛争地で「働く」私の生き方』(小学館)。 2011年、早稲田大学に進… この記事は有料記事です。残り1439文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県最後の「元路面電車」2000形・2003号 引退し引っ越し
北九州市や福岡市の路面電車として走り、筑豊電気鉄道の電車として昨年11月に現役を引退した「2000形・2003号」が、福岡県直方市のNPO法人「汽車倶楽部」に譲渡され、13日、搬出作業が行われた。現役車両としては県内最後の「元路面電車」だったが、余生を鉄道の街・直方で過ごすことになる。 北九州市八幡西区の筑豊電鉄の車庫から3両編成の2003号が出され、連結を解かれた。1両の重さは7・3~12トン。車台を外し、1両ずつトレーラーに積み込まれた。直方市頓野の汽車倶楽部に搬送され、敷地に敷かれた線路上で元の形に戻される。 2000形はもともと西日本… この記事は有料記事です。残り392文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いのちのペイフォワード、万博で実現 医学生らが描く未来の技術
大阪・関西万博に向けて活動する「WAKAZO」代表の松井瞳さん 万博に興味を持ったのは高校生の時です。祖母に1970年の大阪万博の話を聞くと、楽しそうに思い出を語ってくれました。ずっと記憶に残る万博というイベントに関わりたい思いがありました。そして医療・ヘルスケアをテーマに出身地の関西で新たな万博が開かれることにもひかれ、大学に入って「WAKAZO」に加わりました。 まつい・ひとみ 全国の主に医療系の学生が加わる団体「WAKAZO」代表。2003年京都市生まれ。東京医科歯科大学歯学部3年生。 WAKAZOは万博の誘致に協力するため、2016年に結成された学生団体です。誘致決定後も万博に向けて活動を続け、現在は北海道から九州までの大学生、高校生ら約20人が所属しています。 万博では来場者の方たちの心拍数などの「ヘルスケアデータ」を任意で提供してもらい、それを誰かのいのちを守るために生かす「inochiのペイフォワード」という取り組みを実現したいと考えています。ペイフォワードとは、多くの人が親切の輪を広げることです。「献血のデータ版」だと考えれば分かりやすいと思います。例えば万博は真夏にも開かれるので、熱中症になるかもしれません。来場者の腕や腰につけた機器が計測したデータから会場のどこで体温や心拍数が上がるかが分かれば、熱中症を防ぐことができるかもしれません。 自分のデータがどう生かされたのかも分かるようにして、自分の意思で提供したデータが誰かのいのちを救うって良いな、と感じてもらえればうれしいです。 また、会場内に「若者の秘密基地」のような場所も作って、世界中の人たちが対話できるようにしたいと考えています。例えば死生観をテーマにして、亡くなる時にどんな一言を自分や家族らにかけたいか考えれば、今をこう生きようとか、「生」を見つめ直すきっかけになると思います。 情報は何でもネットで知ることができる時代。私も物心がついた時からネットがそばにあった「Z世代」です。でも万博は、情報を探しに行くだけの場所ではないと考えています。その場所でしか味わえない空気感や、隣にいる人との出会いなどがあると思います。万博で見たものを自分で作りたいと考える若者や子どもたちもいるでしょうし、万博は昨日ではなく明日を考えることができる場所ではないでしょうか。 東京の大学に通っていると、関東はまだ万博の機運が高まっていないように感じています。今後は各地の若者団体と協力し、万博の魅力を発信したり、イベントを考えたりしたいです。(聞き手・箱谷真司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル