2023年4月9日 9時39分 沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが6日に消息を絶った事故で、防衛省や海上保安庁は9日も捜索を続けている。8日夜には伊良部島周辺で「人のようなものが浮いている」との情報があったが、9日朝の時点で確認されていないという。 防衛省はこの日、前日の8日と同様に海空自衛隊の航空機6機、掃海艇を含む海自艦艇3隻、陸上自衛隊員約270人態勢で捜索。潮の流れを想定し、航空機や艦艇の捜索範囲は当初より広げている。事故後に漂流物が見つかった海域では、掃海艇が音波で水中を探査するソナーを使って機体の有無を調べている。 機体が見つかれば、潜水艦救難艦も作業を始める。 9日昼からは、陸上部隊を陸自約350人、空自約30人の計約380人態勢に増強する。宮古島や、ヘリがレーダーから消失した海域に近い伊良部島、下地島の北側の沿岸部を中心に、漂流物や漂着物がないかを沿岸から観測する。 前日の夜には、伊良部島周辺の海で「人のようなものが浮いている」との情報が寄せられ、海保のヘリが近づいて現場付近にサーチライトを当てるなどして捜索したが、それらしきものは見つからなかった。9日朝も確認を続けているが、何も見つかっていないという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元ひめゆり学徒隊 本村つるさん死去 同窓生「心細くて悲しくて」
国吉美香2023年4月9日 10時00分 「ひめゆり学徒隊」として78年前の沖縄戦に19歳で動員され、戦後はひめゆり平和祈念資料館(沖縄県糸満市)の館長を務めた本村つるさんが7日、老衰で死去した。97歳だった。通夜は9日午後3時、葬儀は10日午後5時から沖縄県浦添市前田2の15の1のサンレー中央紫雲閣で。喪主は長男昌一さん。 太平洋戦争末期の1945年、沖縄師範学校女子部在学中に、沖縄県立第一高等女学校の生徒らとともにひめゆり学徒隊に動員され、負傷兵の看護にあたった。軍と住民が入り乱れる中、学徒隊は沖縄本島南部に追い詰められ、生徒ら136人が亡くなった。 戦後は約35年間、小中学校で教師を務めた。退職後の84年、学徒として亡くなった友人らの遺品を展示する資料館開設に向けて本格的な活動を開始。元学徒の中心的人物として、壕(ごう)の中での調査や遺品整理を行った。89年に開設した資料館では、2002年から10年まで館長を務めた。退任後も証言活動を続けたほか、継承のために若い世代の職員の育成に力を注いだ。 同じくひめゆり学徒として動員された同窓生たちは8日、資料館を通じて本村さんをしのぶコメントを寄せた。 前館長でもある島袋淑子さん(95)は「優秀で全校生徒からの憧れの的でした。下級生にもとても親切で、全然威張ったりもしない性格の優しい人でした」と学生時代を振り返った。「資料館で一緒のときも、本村さんに聞けば何でもわかるというぐらい、みんなが信頼していました。大事な人を失って。とても心細くて悲しくて。元気でいらっしゃるときはいつでも聞けると思っていたのに、ほんとにいらっしゃらなくなったと思うと本当に悲しいです」とつづった。 仲里正子さん(95)も「本村さんは先輩だけど私たち下級生にも同僚として接してくれて、何でも言い合えた。感謝の気持ちでいっぱい」とし、「私たちとずっと一緒におられると思っていたし、まだまだ大丈夫だと思っていたので、とてもショックを受けている。資料館づくりの一番中心になってくれて、私たちの心の支えだった。悲しいけれど、安らかに眠られることを祈っている」と思いを寄せた。(国吉美香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スーパーから悲鳴、逃げる買い物客 金具で客ら襲った疑いで男を逮捕
甲斐江里子2023年4月10日 6時00分 9日午後6時半ごろ、大阪市平野区瓜破(うりわり)西1丁目のスーパーマーケット「スーパーサンコー瓜破店」で、男性従業員から「包丁で刺され、何人かけがをしている」と119番通報があった。大阪府警によると、40~80代の客や従業員の男女4人が負傷。平野署は現場にいた同区の無職、飯田雅史容疑者(56)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、発表した。女性(85)の頭を鋭利な金具で突き刺し、重傷を負わせた疑いがある。否認しているという。(甲斐江里子) 店内から悲鳴、逃げ惑う買い物客 9日夜に大阪市平野区のスーパーで客ら男女4人が負傷した事件は、殺人未遂の疑いで大阪府警に現行犯逮捕された同区の無職、飯田雅史容疑者(56)が突然、凶器の金具を取り出し、客や従業員に次々に襲いかかったとみられる。店員が取り押さえるまで、逃げ惑う客らで店は混乱した。 現場の同区瓜破(うりわり)西1丁目の「スーパーサンコー瓜破店」は、大阪メトロ谷町線の喜連瓜破(きれうりわり)駅から南西約700メートルの住宅街にある。近所の女性(24)によると、入店しようとしたところ、店内から「きゃー」と悲鳴が聞こえ、客らが外に逃げてきたという。女性は、容疑者とみられる男が警察官に囲まれ、パトカーに乗る場に居合わせた。男は笑っているように見えたという。女性は「よく使うスーパーでこんなことが起き、すごく怖い」と話した。 スーパー運営会社の男性社員(37)は、飯田容疑者がリュックから、テントを固定する先のとがった金具を取り出したと報告を受けたという。男は店内を移動しながら客や従業員に襲いかかった後、店員に取り押さえられたという。 平野署によると、飯田容疑者は逮捕容疑を「全然知らず、事実無根だ」と否認しているという。(甲斐江里子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】成田空港反対派と機動隊 なぜ30年ぶり大規模衝突
Q 成田空港で警察と空港反対派がぶつかったの? A 滑走路(かっそうろ)近くで2月、千葉県警の機動隊と反対派が衝突(しょうとつ)したんだ。反対派の農家が借りていた耕作地をめぐり、土地の明け渡(わた)しの強制執行(しっこう)があった。機動隊数百人と反対派数十人が約12時間衝突し、空港反対のやぐらなども強制撤去(てっきょ)された。3人が公務執行妨害(こうむしっこうぼうがい)容疑で逮捕(たいほ)された(いずれも不起訴(ふきそ)処分)。 Q なぜ今衝突したの? A この土地は成田国際空港… この記事は有料記事です。残り847文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被害者の8割「自分はだまされないと…」 特殊詐欺、警察が再現動画
「有料サイトの利用料金が未納です」「あなたの口座が犯罪に利用されているのでキャッシュカードを交換する必要がある」などと言われ、お金をとられた被害者の8割が「自分はだまされない」と思っていた。滋賀県警が被害者から聞き取り、集計した。「特殊詐欺」という言葉は知っていても、どんな手口があるかを知らない人が多いことも浮き彫りになった。 特殊詐欺には、①偽の未納料金を口実にする「架空料金請求詐欺」②銀行協会職員や警察官を装って「犯罪に利用されている」などの名目でキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」③親族が起こした事件や事故について示談金を名目にする「オレオレ詐欺」など複数の手口がある。 2022年に県警が認知したのは特殊詐欺は132件で、被害総額は3億2400万円。21年は104件、1億4100万円だった。被害額は倍以上に増えている。 22年の被害者のうち104人に「特殊詐欺というものを知っていたか」と尋ねると、「知っていた」が96%の100人。ただ、そのうち「自分が被害に遭った手口を知っていたか」という問いには、77人が「知らなかった」と答えた。被害の6割は自宅の固定電話への着信がきっかけだった。 また、被害者のうち52人に「自分が被害に遭うかもしれないと思っていたか」と聞くと、79%の41人が「だまされないと思っていた」と答えた。75%の39人は家族や知人、金融機関、警察などに相談したり確認したりして、だまされたことに気付いた。 電話を常時留守番に設定するなどの防犯対策をしていなかった人は81%の42人だった。常に留守番電話にして、犯人と会話をしないことが被害防止につながると考えられる。 そのほかの注意点として県警は、「電子マネーの購入」「ATMで振り込み」の話が出たら、全て詐欺▽銀行協会や警察官のような信頼できる肩書の人にも、キャッシュカードを渡したり暗証番号を教えたりしない▽急に心当たりの無い「お金の話」があったら1人で対応せず、信頼できる人や機関に相談する▽迷惑メールの受信拒否を設定する、などを挙げる。 県警はYouTubeの公式チャンネルで、被害に遭うまでを再現した動画を公開している。「架空料金請求詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」「還付金詐欺」などがある。県警の担当者は「被害者の多くは手口を知らなかった。知ることが防止につながる。ぜひ見て欲しい」と呼びかけている。(鈴木洋和) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
坂本龍一さんはキーウの音楽家に語った 曲にこめた「怒りや悲しみ」
有料記事 岡田将平 興野優平2023年4月9日 10時30分 ロシア軍の攻撃で破壊された学校跡。壁も屋根も崩れ落ち、ブロックが散乱する。穴の開いたカーテンが風に舞う。その前でウクライナの青年がバイオリンを弾く。奏でるのは、3月に亡くなった坂本龍一さんがロシアによる侵攻に対する怒りや悲しみを込めた曲だ。青年は坂本さんの死を悼み、「戦争が終わってほしい」と願っている。 「坂本さんはウクライナで起きていることをとても良く理解していた。私やウクライナの人々に、音楽家として最も大きな贈り物をくれた」 キーウの音楽家、イリア・ボンダレンコさん(21)は5日、オンラインの取材に応じ、そう語った。 ボンダレンコさんと坂本さんは昨年、コラボして「Piece for Illia」(イリアのための曲)を制作した。被害を受けた学校跡でミュージックビデオを撮影し、侵攻の深刻さを伝えてきた。坂本さんの悲報に「音楽の父が去ったように感じます」。 ボンダレンコさんは、バイオリン奏者や作曲家として活動する。5年前には広島、長崎から訪れた人と出会い、広島から運ばれた被爆バイオリンを演奏した経験がある。 侵攻開始後の昨年3月、30近くの国の90人以上のバイオリニストと一緒に演奏する動画を公開し、人道支援のための寄付を呼びかけた。 坂本さんはこの取り組みを伝… この記事は有料記事です。残り997文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自ヘリ消失地点、周辺の海底に60カ所の「突起」 掃海艇が確認
成沢解語2023年4月9日 18時39分 沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが6日に消息を絶った事故で、防衛省がヘリの機影がレーダーから消失した地点を中心とする海域を掃海艇で調べたところ、海底に約60カ所の突起が見つかったことがわかった。水深は約100~250メートルだった。同省は海底に沈んだ機体の可能性があるとみて確認作業を進める。 防衛省は、事故翌日の7日午後から掃海艇「ししじま」を出動させ、ヘリが消息を絶った周辺の水中捜索を開始。音波で海中を探査するソナーで海底を調べる作業を進めた結果、約60カ所の大小様々な突起を発見したという。水中を見渡せるカメラ付きの水中無人機を9日に投入し、突起を一つずつ調べたところ、同日夕までに確認した約10カ所の突起は、いずれも岩やサンゴ礁だったという。引き続き、残る突起の確認を進める。 掃海艇と同様の性能のソナーを備えた潜水艦救難艦「ちはや」も、9日朝に現場海域に到着した。掃海艇が海底のポイントを絞って捜索するのに対し、潜水艦救難艦は海底を面で捉えて捜索できる。浅瀬の航行は難しく、探査にも時間がかかるが、海底をローラーをかけるように捜索することが可能だという。 同艦には深海まで潜って隊員を救出する「飽和潜水」が可能なダイバーも乗り込んでいる。飽和潜水は、あらかじめ加圧した環境にダイバーを慣らして高圧の深海に潜水させる手法で、水深100メートル以上の潜水では必要だという。機体の位置が特定されれば、隊員の確認のため飽和潜水にあたる方針だ。(成沢解語) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タクシーで250キロ無賃乗車の疑い、少年2人を緊急逮捕 北海道警
平岡春人2023年4月9日 22時15分 タクシーで約250キロ移動し、料金を払わずに逃げたとして、北海道警函館中央署は9日、北海道苫小牧市の派遣社員の少年(17)と無職の少年(15)を詐欺の疑いで緊急逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 署によると、2人は8日夜、苫小牧市の路上でタクシーに乗り、約3時間半かけて函館市中心部まで移動。料金約8万円を払わず逃げた疑いがある。運転手に対しては「料金は函館に住む親が払う」などと話し、函館市に着くと、コンビニエンスストアに入るふりをして逃げたという。 気付いた運転手がコンビニに駆け込み、店員が110番通報した。9日朝、近くのアパートから「住民でない2人が廊下にいる」との通報があり、駆け付けた警察官が路上で2人を発見した。苫小牧市から函館市までの道のりは、道央自動車道を経由すると約250キロある。(平岡春人) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
投票締め切り50分前に「当選確実」 島根県知事選で地元紙が誤配信
島根県知事選が投開票された9日、地元紙の山陰中央新報(松江市)が、立候補していた現職の丸山達也氏が「当選確実」とする記事を、投票が締め切られる午後8時より前の午後7時10分ごろに外部の五つのニュースサイトに配信していたことが分かった。 同社によると、担当者がパソコンの操作を誤り、事前に準備していた記事を配信したという。まもなく誤配信に気づき、午後7時15分ごろに配信停止の措置をとった。 同社の杉谷健司・総務局長は「選挙行動を左右する、報道機関としてあってはならないことであり、読者、関係者のみなさまに深くおわびします」とのコメントを出した。(木元健二) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不明陸自ヘリの燃料タンクか 海保巡視船が新たに回収
小野太郎 国吉美香2023年4月9日 18時50分 沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶った事故で、海上保安庁や自衛隊は9日も周辺海域の捜索を続けた。第11管区海上保安本部(那覇市)は9日午後2時半ごろ、巡視船が捜索海域で新たに漂流物1点を回収した、と発表した。公開された写真から、折れた燃料タンクとみられる。 11管区はヘリが消息を絶った6日以降、巡視船4隻で24時間態勢の捜索を継続しているが、人命救助につながる手がかりは無いという。捜索海域で事故機のものとみられる漂流物を計13点発見している。 ヘリコプターがレーダーから消失した地点の南にある伊良部島では、8日夜に「人のようなものが浮いている」との情報があったが、9日夕時点で確認されていない。自衛隊のヘリが早朝から断崖沿いに低空で飛行するなどして確認にあたったが、それらしきものは見つからなかった。 この日の周辺地域の天候は良好で、自衛隊の小型ボートによる捜索も行われた。陸上からも、陸自宮古島駐屯地の隊員らが漂流・漂着物の有無に注意を払いながら捜索を続けていた。(小野太郎、国吉美香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル