岡田昇2023年4月7日 19時00分 昨季限りでプロ野球を引退した元日本ハムファイターズの杉谷拳士さん(32)が、スポーツ振興などを目的とした株式会社を設立した。社名は日本ハム時代の恩師で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも監督として日本代表を優勝に導いた栗山英樹さんの言葉からとったという。 7日、札幌市内で記者会見した杉谷さんは、新会社ではスポーツ振興、教育、地域活性化、国際交流の4分野に取り組むと説明した。北海道に拠点を置き、「北海道や日本ハムに恩返しをしたかった」と語った。 会社名は「ZENSHIN CONNECT」。現役時代、けがやプレースタイルで悩んでいるとき、また調子が良いときも、監督だった栗山さんからことあるごとに「拳士は拳士らしく、真っすぐ前へ進みなさい」と声をかけられたという。「前進は、自分の背中をずっと押してくれた大切な言葉」と杉谷さん。昨年末には会社名にすることを決めていたという。 今後は、野球教室や講演、豪州への留学あっせんなどに取り組んでいく予定。前進するために大切なことは、と問われ「まず目標を見つけること」と力を込めた。 杉谷さんは東京都出身。帝京高校で1年生からレギュラーをつかみ、甲子園に春夏通算3回出場した。2008年にドラフト6位で日本ハムから指名され、両打ち、内外野を守れる万能選手として、プロ14年間で公式戦777試合に出場した。(岡田昇) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
逃げ場がない非正規雇用 中高年女性の苦境、「私のせいではない」
3月に朝日新聞デジタルで配信した連載「この差はなんですか? ジェンダー不平等の現在値」には、読者からたくさんの反響が寄せられました。 給与や昇進など、女性の行く手を阻むさまざまなジェンダー格差の中で、とりわけ強い反応があったのが、非正規雇用に関するものでした。その内容を紹介します。(まとめ・伊藤恵里奈) 低賃金に耐えられなくなってきた 福岡県在住の女性(46) 非正規雇用のシングルです。正規雇用を望んでおらず、複数の仕事をかけもちしながら、短期間で仕事を変えています。 「職場が1カ所だと、つらくなっても逃げ場がない」と感じています。同じ職場で長時間過ごすことが苦痛です。 正規職員として介護の仕事をしていた時期があります。ですが、病を抱えていて、体調を崩しがちになって続けられませんでした。今はコールセンターに勤めています。 私は子供のころから、人の輪の中に入っていくのが苦手でした。高校を中退したので、望める仕事にも限りがあります。 長期的に心地よい働き方で収入を得られたらと考えています。ですが将来、受け取れる年金の額はとても低いでしょう。 海外で仕事を得られるようなキャリアも積んできていません。どうすればもっと継続してキャリアを積んでいけるのか、私にはわかりません。 コロナの流行と物価高で、さすがにいつまでも低賃金なのに耐えられなくなってしまいました。 正社員になった方が、生活は楽になるかもしれない。ですが、一番いいのは、アルバイトのように非正規雇用であっても、働いた内容にみあう、生活ができる賃金が得られる世の中になることです。 女性はパートや派遣 「仕事の成果みて」 関東在住、接客業の50代女性 記事を読んで、「私の苦境は私自身のせいではない、社会や政治が悪いのだ」と改めて思いました。 23歳で社会に出て正社員になりましたが、パワハラにあうなどして4年間で退職しました。その後、派遣社員として職場を転々としながら、10年以上正社員の職を探しましたが、スキルも何もないので、面接で落ち続けました。 ある会社で長期間派遣社員として働いた後、30代後半で正社員の声がかかりましたが、リーマン・ショックの影響で解雇されました。 その後、200社以上応募しましたが、正社員として採用されませんでした。 インバウンド(訪日外国人客)の需要にあてこんだ旅行会社にアルバイトで潜りこむも、東日本大震災がおきて解雇されました。 40歳を超えて、今の会社に採用されました。首都圏で接客業をしております。5年以上働いていますが、非正規社員のままです。 先日、「正社員にならないか?」と声がかかりました。ただ、正社員になると配置換えがあるので、今まで磨いてきたスキルを手放さないといけません。このスキルで最後の転職をしようと狙っています。 今の職場では、私のように非正規雇用で働く中高年女性がとても多いです。男性だから正社員、女性はパートや派遣と分けて給料に著しい差をつけるのではなくて、仕事の成果をみて待遇を決めほしい。 今のままがいいとは思いませんが、生きるためには働かなくてはいけない。 「政治と社会に復讐したい」 必死で仕事しても自立できない給料で、中高年の女性たちは我慢しないといけないのでしょうか。ダブルワークをしなくても、安心して生活できるようにしてほしいです。 求職を続けて、気がついたら独身のままです。親と一緒に暮らしてます。幸いにも貯蓄があり、ローンの支払いを終えた家があります。あとは趣味の株でうまく資産を増やしていきたいです。 「仕事ができないのに私たちの倍以上の給料をもらってぬくぬくとしている政治家たちより稼ぐにはどうしたらいいのか」と日々考えています。 復讐(ふくしゅう)したい。今までの30年間の私が味わってきた苦労を、政治と社会にぶつけたい。 オランダ在住の舞台照明デザイナーの女性(37) かつての日本で自分が置かれていた境遇を思い出しました。 私は舞台の照明の仕事に従事しています。16年間日本でキャリアを積んだ後、欧州に移りました。 日本では舞台の裏方の仕事に就く若手の過半数が女性でしたが、こちらでは圧倒的に男性が多いことに驚きました。 欧州で働いて分かったのは、日本の舞台業界の賃金や待遇がいかに劣悪であるかです。記事で紹介されたように、「経済的自立が必要ない」と思われがちな女性に、低賃金で非正規待遇の仕事を担わせる構造が、日本の舞台業界で働く男性が少ない原因だと気づきました。 日本にいる頃、結婚や出産で現場を離れる女性を多く見ました。勤務時間の融通が利かず、職場から疎まれて配置換えになるケースもあれば、長時間労働と家庭の両立ができず自ら現場から遠のくこともよくあります。 数年前に聞いた話では、日本では業界大手の会社であっても、専門学校を卒業した20歳の新人社員の給料は、みなし残業30時間込みで額面の月収が16万円だそうです。とても暮らしていけません。 私もかつてそうであったように、構造的な問題に気付く俯瞰(ふかん)的視線が培われる前の若い人は、最初に就いた仕事の環境が劣悪でも、「そういうもの」と信じてしまいがちです。 一方で、欧州では、国や労働組合の取り決めが厳しい。一日の就労時間、連続勤労日数、例外的な残業の後の休息義務時間など、さまざまな規定があります。 専門性をいかせる仕事をしながらも、職場に遠慮する必要なく、子どもと過ごす時間が格段に増えました。 「こういうもの」とあきらめずに 日本にいた時は「ワーク・ライフ・バランス」という言葉を「仕事だけでなく、少しはプライベートも充実させる」というニュアンスで捉えていました。 ですが、こちらで過ごすうちに「プライベートが土台としてある上で、仕事も充実させることだ」と実感しました。 日本でも、男性の育児参加やリモートワークの普及、飲酒運転に対する厳罰化など、過去20年で社会が大きく変わったことはたくさんあります。 日本の労働環境も「こういうもの」とあきらめずに、当事者たちが声を上げてこそ、業界や社会を動かしていけると思っています。 肩書ばかり重視する日本 フランス在住、金融業の女性(42) 現在、フランスで暮らしています。記事を読んで、日本で一般的な履歴書の書き方に違和感を覚えたことを思い出しました。 欧州では、バイトか契約社員だったかよりも、どんな仕事をやったか、どんな成果を上げたか、ということをフォーカスして履歴書を書かないと見てもらえない。 一方、日本では、どんな雇用形態だったかが重視されています。 また、海外では履歴者のフォーマットに決まりはなく、ワードなどで自作するのが一般的です。日本では履歴書が市販されていて、便利な半面、記載スペースが限られていたり、丁寧にも記入例がついていて形式に沿って回答するよう誘導されたりしています。すでに用意されている様式を使わないといけない会社もあります。 そういった自由度の低さも、経験ではなく雇用形態をより重視するような差別を生み出す原因になっているのではと考えます。 […]
陸自ヘリ、空白の2分間の謎 天候良好…「操縦しやすい」はずなのに
有料記事 成沢解語 笹山大志 島崎周2023年4月7日 20時05分 【動画】陸上自衛隊のヘリコプターの部品とみられる漂流物を回収する海上保安庁=第11管区海上保安本部提供 隊員10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターはなぜ突然レーダーから消えたのか。消失の2分前には管制塔と無線連絡を交わしていたことも新たにわかった。このわずかな時間にいったい何が起こったのか。 防衛省によると、ヘリは熊本県の高遊原(たかゆうばる)分屯地を4日に発ち、那覇を経由して6日に宮古島に着いていた。航空自衛隊宮古島分屯基地を離陸したのは6日午後3時46分ごろ。宮古島を海岸沿いに北上して池間島を回り、南西側に浮かぶ下地島の方向へ転換した。 同54分ごろ、下地島の下地島空港の管制塔と無線連絡を交わした後、同56分ごろに下地島の北側の洋上でレーダーから消えた。 無線連絡の内容はわかっていないが、この時点で遭難時に発する救難信号は確認されておらず、防衛省関係者は「緊急性の高いやりとりがあったとは考えにくい」。短いやりとりをする「管制通話」をしていたとみられる。 わずか2分の間に、何が起きたのか。 元海自パイロット「事故機は操縦しやすい」 当時の天候は良好で、風速約… この記事は有料記事です。残り1118文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マイナカードで別人の住民票発行、計10枚確認 18人分の情報記載
2023年4月7日 20時06分 マイナンバーカードを使ってコンビニエンスストアで住民票などの交付を受けようとした人に別人の住民票などが発行された問題で、横浜市は7日、9人が計18人分の情報が記載された10枚の書類を受け取っていたと発表した。 市とシステムを提供する富士通Japanによると、トラブルが発生したのは3月27日午前11時34分~43分。住民票や住民票記載事項証明書、印鑑登録証明書が別人に発行された。長時間にわたって大量の印刷処理が続いてシステムに負荷がかかり、印刷の順番を管理する機能に問題が生じたという。 印刷プログラムに「開発上のミス」 同社によると、システムに負荷がかかり、印刷処理の待ち時間が規定を超えて「タイムアウト」したことで作動したプログラムが印刷の順番を管理する機能を解除。そのため、交付の申請者ではなく、その次に申請した人のファイルを印刷したという。本来、タイムアウトが発生すると、申請者の発行の手続きすべてを解除して止めなければならないが、今回は順番の管理機能のみを解除するプログラムになっていたことが問題だったという。このプログラムについては「開発上のミスだった」とした。 市の発表では、被害10件のうち、発行された住民票1枚には個人のマイナンバーが記載されていたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カルテル否定も「心配かけた」 中部電力、社長らが報酬10%返上
大手電力のカルテル事件をめぐり、中部電力の林欣吾社長は7日に記者会見し、「関係者のみなさまにご心配をおかけしている」として、自らを含む役員5人が報酬の10%を2カ月間、自主返上すると発表した。カルテルについては「営業活動を制限するような合意はしていない」と改めて全面否定した。 公正取引委員会への具体的な反論は、課徴金命令の取り消しを求める訴訟の中で示すとし、この日は説明しなかった。 林社長のほかに報酬を返上す… この記事は有料記事です。残り390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ピースボート3年ぶり出航、設立40年 ウクライナ支援訴え世界一周
平和を旗印に船で世界一周をする国際交流NGO「ピースボート」(東京)の大型客船が7日、約3年ぶりに横浜港(横浜市)を出航した。コロナ禍で中断していたが、設立40年の節目の年に再開。ロシアの侵攻が続く中、ウクライナの難民らへの人道支援を呼びかけながら世界を回る。 ピースボートは1983年の設立。貧困や震災に見舞われた国や地域を船で訪問し、ボランティア活動をしたり支援物資を届けたりして地球を一周するクルーズを手がけ、近年は年に3回航海してきた。 ただ、2020年2月に帰着… この記事は有料記事です。残り617文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Le studio Ghibli secoué par un scandale mettant en cause son directeur général
Toshio Suzuki lors de la soirée dînatoire annuelle de Sony Pictures Classics avant les Oscars au restaurant STK, le 25 février 2017 à Los ^Angeles, en Californie. PHILLIP FARAONE / GETTY IMAGES VIA AFP A l’approche de la sortie de son nouveau film, Ghibli vit une mauvaise passe. Le directeur général du célèbre […]
闇夜に広がるピンクの「渦巻き」 数日間限定の不思議な撮影スポット
岐阜市の岐阜公園にある日中友好庭園で、春限定の薄いピンク色の「渦巻き」が、闇夜の池に浮かび上がった。 1日夜、庭園の池の周りには桜が咲き誇り、散った多くの花びらが水面に浮かんでいた。長時間露光(15秒)で撮影すると、あちらこちらで花びらが曲線をつくり、池に渦が巻くような幻想的な光景が写真に現れた。この様子を撮ろうと、20人以上が三脚を立て、カメラを構えていた。 5年前から訪れる地元の鷲見(すみ)肇さん(58)は「花びらの流れにより、30分すると違う光景に変わることもあります。不思議な景色です」と話した。SNSで広まり、ここ2、3年で人気スポットになったという。 公園管理事務所によると、池の3カ所の噴き出し口から水が流れることで、花びらの渦巻きができる。無風も条件の一つ。「運が良いと出くわす」春の数日間しか見られない現象だという。(長島一浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カルテル問題で福岡県が九電を指名停止 116施設の入札参加できず
山崎毅朗2023年4月7日 21時20分 大手電力会社によるカルテルの問題を受けて、福岡県は7日、九州電力(福岡市)を6カ月間の指名停止にしたと発表した。九電は、事業者向けの電力供給をめぐり、大手電力会社が互いに顧客獲得を制限するカルテルを結んだとして、公正取引委員会から独占禁止法違反で課徴金納付命令を受けていた。 県は県立美術館や出先機関の庁舎など116の施設について、9月末まで九電と契約を結んでいる。今後、契約終了に伴う入札が行われるが、九電は参加できない。(山崎毅朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国交相、再就職ルール「現職職員に周知徹底」 民間への人事介入問題
国土交通省の元事務次官が、国交省と利害関係のある民間企業の人事に介入しようとした問題で、斉藤鉄夫国交相は7日、閣議後の記者会見で、今回の問題発覚を受け、現役職員を対象に、再就職規制の順守について周知徹底を行う考えを明らかにした。上場企業に対し、社長ポストを要求していたことが明らかになった元事務次官で東京地下鉄(東京メトロ)の現会長、本田勝氏(69)については「東京メトロの代表取締役の選定は国交相の認可を受ける」としたうえで、その進退については「会社としての評価や判断を注視する」と述べた。 斉藤氏は「上場企業の役員人事に国交省が関与している疑いを招きかねない発言があったことは甚だ遺憾であること、現役時代の公務に関わる権限を行使可能であるかのような誤解を招かないよう自覚を持っていただきたいことを繰り返し発言している。OBの方々にもこの趣旨は伝わっているものと思われる」と述べた。そのうえで現職職員に対しては「今回の事案を契機に、再就職規制の順守について速やかに周知徹底をしたい」と語った。 7日の衆院内閣委員会で、立… この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル