「コスモ保育園」などの名称で、東京都内で認可保育所など約20施設を営む「コスモズ」(佐野浩代表取締役、本部・小金井市)が、うち4施設を建てる際に、自治体から支払われる補助金を過大に受給していたことがわかった。同社は取材に「意図的な水増し申請による不正受給だった疑いもあり、原因は調査中」と説明。同社の調査によると、合計額は少なくとも8千万円近くに上るという。 同社は調査状況をまとめた上申書を、関係する4区市に3月23日までに提出した。それによると、該当する4施設と過大受給額は、小平市の「こだすずコスモ保育園」(2022年設立、定員80人)が約1390万円▽三鷹市の「みたいぐコスモ保育園」(19年設立、定員100人)が約930万円▽杉並区の「成田コスモ保育園」(17年設立、定員122人)が約2450万円▽武蔵野市の「武蔵境コスモ保育園」(16年設立、定員91人)が約2870万円(いずれも税別)。 待機児童の解消を目的として、保育所開設には多額の補助金が出ている。補助の割合は自治体によって異なるが、関係区市によると、この4施設では対象となる建設費の8分の7から16分の15が補助金でまかなわれた。 同社によると、対象の工事額… この記事は有料記事です。残り743文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遅れた改善指導 「共通認識がない」 国基準を求める自治体も
たたく、大声で怒鳴る、顔にペンで落書きする――。全国各地で園児への「不適切保育」が次々と明らかになっている。しかし現状では不適切保育の基準も、正確な実態をつかむ仕組みもない。自治体からは人手不足など職場環境の改善が必要との声もあがる。 横浜市は2月、市内の認定こども園で2021年に保育士が園児のあごをつかむなどの不適切な保育があったとして文書で指導した。 この園については、保護者から不適切保育の通報があり、市が21年10月に立ち入り調査をしていた。さらに同12月には園の関係者が市側に不適切な保育の様子を撮影した動画を提示した。だが、この時点では市からこの件に関する指導文書は出なかった。 市が再び動いたのは今年2月。同じ動画の提示を受けたことがきっかけだ。映っていた保育士と園児を特定し、園に改善を求める指導をするに至ったという。市の担当者は「最初に動画の提示を受けた際の情報共有などが不十分だった」と話す。 元園児の保護者の一人は「そもそも不適切保育とはどういうものか、調査にあたる市や区の担当職員が共通の認識を持っていないことが問題なのではないか」と指摘。「認可する以上、市には園を監督・指導する責任があるはずだ。不適切保育の基準を共有し、相談や通報があった場合はしっかりと調査をしてほしい」と話す。 不適切保育、国も実態把握できておらず 不適切保育については、国と… この記事は有料記事です。残り1212文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 こぼれ落ちる子どもたち 虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不適切保育、昨年4~12月に少なくとも128件 朝日新聞調査
保育園や幼稚園などでの園児への虐待といった「不適切保育」について、全国の政令指定市と東京23区が2022年4~12月に少なくとも計128件を把握していたことが朝日新聞の調べで分かった。園から報告を受ける手続きなどを定めていない自治体も回答の6割を占めるなど、実態を捉えるのが難しい現状が浮かび上がった。 43自治体を対象にアンケートし、自治体が把握した不適切保育の件数や内容、報告を受ける基準の有無などを聞いた。 不適切保育の件数について回答したのは16自治体。6割超の27自治体は「国から回答を控えるように言われた」などとして答えなかった。厚生労働省は同様の調査をしており、公表方法が決まるまで朝日新聞への回答を控えるように要請したと説明。「自治体ごとの件数にかなりのバラつきがあり、数字が独り歩きする恐れもある」(同省保育課)としている。 回答があった128件の内訳(複数回答。一部自治体は非公開)をみると、「強要するような関わり・脅迫的な言葉がけ」(37件)が最も多く、「罰を与える・乱暴な関わり」(34件)、「子どもの人格を尊重しない関わり」(30件)と続いた。このうち2件が虐待(「身体的」「性的」が各1件)と判断された。 件数は自治体によって大きな… この記事は有料記事です。残り668文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 こぼれ落ちる子どもたち 虐待、貧困、性被害……。大人がつくった支援制度からこぼれ落ち、困難に直面している子どもたちがいます。今の国会では、「こども家庭庁」の設置法案などの審議が始まり、子ども政策の転換点を迎えます。今後、子どもたちに救いの手が届くのでしょうか。リアルな声とともに伝えます。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひきこもり、家族任せは「とっくに限界」 制度改革訴える社会学者
有料記事 聞き手・田渕紫織2023年4月3日 20時00分 内閣府が、ひきこもっている人(15~64歳)が日本に推計146万人いるという調査結果を発表しました。結果を読み解いた明治学院大の関水徹平准教授(社会学)は、「光の当たらない部分」が大切だといいます。 ――今回の調査で国が使った「ひきこもり」の定義には、ふだんは家にいるけれどもコンビニに出かけたり、趣味の用事で外出したりする人も含まれています。 ひきこもりと聞くと一般的には家や部屋から出ない状態がイメージされると思いますが、4年前の前回調査(40~64歳が対象)もほぼ同じ定義で、仕事や学校に行っておらず、社会参加の場が限定されている多様な状態を「ひきこもり」ととらえています。前回の調査でも今回の調査でも、家や部屋から一歩も出られない人は少なくて、多数派はコンビニや趣味の用事では外出していました。 また、「あなたはひきこもりですか?」と聞く調査ではないので、該当者の中には、もしかしたら自分のことをひきこもりだと思っていない人もいるかもしれません。 「光の当たらない部分」が重要 ――今回、コロナ禍が原因でひきこもり状態になったと答えた人が2割ほどいました。 ますます、外出頻度だけに着目していては実像が見えなくなってきたと思います。 本人や家族がひきこもりとい… この記事は有料記事です。残り2658文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
銀行、商社、保険…「職場九条の会」が岸田政権の防衛政策に反対表明
銀行や商社、保険会社などの社員やOBらでつくる「職場九条の会共同行動実行委員会」が3日、東京都内で記者会見した。岸田政権が米国に対する「公約」にもとづき、国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書を閣議決定して敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や防衛費の大幅増を決めたことに反対する声明を発表した。 声明は政府方針について「戦争放棄をうたう日本国憲法を蹂躙(じゅうりん)し、専守防衛や平和国家など日本の戦後安全保障政策を抜本的に転換するもの。集団的自衛権行使により日本を戦争に巻き込む危険な道」と批判。「軍事費拡大は負担増をもたらし、国民の命と暮らしが脅かされ、貿易や経済、企業活動に深刻な打撃を与える」と指摘した。 実行委員会は2月発足。銀行、海運、商社、生保、損保など業界ごとに社員やOBらで結成された「九条の会」10団体が連携して声明をまとめた。記者会見では「日本は食糧もエネルギーも輸入に頼る。戦争が始まれば海運が止まり、経済は大打撃を受ける。平和でなければ産業は成り立たない」などの発言が出た。 九条の会は2004年、「9条をもつ日本国憲法を守ろう」と作家の大江健三郎さんや井上ひさしさんらが呼びかけて発足。全国の地域や職場ごとに約7千団体がつくられ、20年近く活動を続けてきた。(編集委員・北野隆一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国交省OBの副社長ポスト要求、空港施設社内の審査会に報告されず
有料記事 柴田秀並 畑宗太郎 三輪さち子2023年4月4日 5時00分 東証プライム上場の「空港施設」(東京都)で、自ら副社長のポストを求め、就任していた国交省OBが3日、辞任した。OBは一昨年、社内の役員人事を話し合う会議で省側の意向だとしてポストを求めていたが、同社によると、会議での主張の内容は、役員候補を評価する「指名委員会」に報告されていなかったという。同社は人事のプロセスが適切だったか検証するとしている。 3日付で辞任したのは、元国交省東京航空局長の山口勝弘氏(63)。同社は3日、山口氏の発言について「不適切な発言で、誠に遺憾。今後事実関係を更に確認した上で、適切に対応したい」との見解を示した。 朝日新聞が入手した会社側の記録などによると、山口氏は同社取締役だった2021年5月、役員人事を話し合う会議で、出身官庁の国交省の権限に言及しながら、代表権のある副社長に自身が就くことを強く主張した。同社が羽田空港で国有地を借りていることに触れ、「(国交省)航空局側から見れば、協力の証しだと思う」とも語っていた。 OBの主張、国交省側へ事実確認せず 翌日の指名委員会を経て、取… この記事は有料記事です。残り588文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ノリ全量出荷の誓約書などを廃止 福岡有明海漁連、公取委の検査受け
公正取引委員会が九州3県の漁協や漁連に対し、有明海の養殖ノリの全量出荷を生産者に求めていたとして独占禁止法違反(不公正な取引方法)容疑で立ち入り検査した問題で、福岡有明海漁連(福岡県柳川市)は3日、今後は全量出荷を生産者に求めない、などとする改善案をまとめ、上申書を公取委に郵送した。 公取委が再発防止などの改善策を認定すれば、課徴金納付命令などの行政処分が見送られる「確約手続き」の一環。同漁連では、有明海産のノリが買いたたかれるのを防ぐためとして、漁連などが開く共同の入札会に全量出荷する約束を、生産者と漁協が誓約書で、漁協と漁連は覚書で交わしていた。だが独禁法に配慮し、同漁連は約2年半前に誓約書などから「全量出荷する」と明記した文言を削除して「努力目標」に変更したが、昨年6月に公取委が福岡、佐賀、熊本の漁協や漁連を立ち入り検査していた。 検査を受けて、同漁連は今後、誓約書や覚書そのものを廃止する。共同の入札会は継続するという。 同漁連は「(入札会は)ノリ… この記事は有料記事です。残り94文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
180万球のチューリップ 色彩豊かに桜と共演 三重・なばなの里
溝脇正2023年4月3日 21時00分 【動画】180万球のチューリップと桜が共演=ドローンで溝脇正、長島一浩撮影 三重県桑名市長島町の「なばなの里」で、約200種類180万球のチューリップが見頃を迎えている。国内最大級の花園「花ひろば」では、赤、白、ピンク、黄色の色鮮やかなチューリップが咲きそろった。観光客らは花畑の間を散策したり、桜との「共演」を写真に撮ったりして楽しんでいた。チューリップは4月中旬ごろまで見頃が続く。 「なばなの里」によると、冬に球根を植え付けてから適度な降水量と気温が続いたため、例年以上に見栄えのする花になった、という。イルミネーションが開催中の夜間には、花畑もライトアップされる。(溝脇正) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車に引きずられ頭などけが 窓枠つかんだら発進 殺人未遂事件で捜査
2023年4月4日 0時43分 3日午後8時半ごろ、大阪市淀川区三国本町2丁目の路上で、近くに住む男性会社員(39)が車に約130メートル引きずられた。頭や顔にけがを負って病院に運ばれたが、命に別条はないという。大阪府警は殺人未遂事件とみて、逃げた車の行方を追っている。 淀川署によると、男性は自宅近くの道路を横断しようとしたところ、北進する車と衝突した。運転席の窓枠をつかむと、車がそのまま発進。男性は約130メートル引きずられた後、落下した。目撃者の女性が110番した。男性の説明では、車は白色で、黒の帽子と白い上着を着た男が運転していたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
侵入の3秒後に逃走か 風俗店の売上金強奪容疑で元店長を逮捕
2023年4月3日 21時15分 大阪市天王寺区の風俗店で3月、売上金が奪われた事件で、大阪府警は3日、元店長の無職安部大樹容疑者(28)=同区舟橋町=を強盗傷害と建造物侵入の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 府警が防犯カメラを確認したところ、男が入店して現金を奪い、店外に出るまでは約3秒間だったという。府警は、容疑者が元店長として店内の様子を熟知していたとみている。 捜査1課によると、安部容疑者は3月24日午前4時5分ごろ、同区生玉町の風俗店に侵入し、アルバイト店員の男性(21)に催涙スプレーを吹きかけて現金約32万円が入ったポーチを奪い、店員に約2週間のけがを負わせた疑いがある。 店員は当時、営業中の店内で売上金を確認していた。府警が周辺の防犯カメラを調べたところ、昨年12月に店を退職した安部容疑者が浮上したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル