防衛費を大幅に増やし、敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有する――。日本の安全保障政策が大きく転換し、戦争放棄をうたう憲法9条の意義が揺らぐなか迎えた76回目の憲法記念日。紛争の現場を知る人たちは、何を思うのか。 イラクで人道支援活動を20年続けている高遠菜穂子さん(53)は、現地の人の見方をこう語る。「平和国家としての日本に対する期待はなくなりつつあります」 活動を始めた翌年の2004年、現地で武装勢力に拘束された。前年に始まったイラク戦争で日本は復興支援のためとして自衛隊を派遣。「平和国家と信じていたのに、なぜアメリカに協力するのか」。9日間に及んだ拘束中、武装した男たちは言った。帰国後は「自己責任」と猛烈なバッシングを浴びた。 日本に平和国家の印象を抱く… この記事は有料記事です。残り1060文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紙幣番号を記録、盗んだ同僚突き止める 25歳消防士を懲戒免職
菅野みゆき2023年5月3日 17時54分 仮眠室にあった同僚の財布から現金を盗んだとして、広島県尾道市消防局は3日、尾道西消防署の消防士(25)を懲戒免職処分にし、発表した。以前も現金をなくした同僚が紙幣の番号を記録しており、その紙幣が消防士の所持品から見つかった。消防士は2日、窃盗容疑で広島地検尾道支部に書類送検されたという。 市消防局によると、この消防士は3月19日午後3時ごろ、同僚2人が使っていた仮眠室に侵入し、2人の財布からそれぞれ現金1万円と2千円を盗んだという。仮眠室に鍵はなく、当時は無人だった。 被害に気付いた2人が上司に相談。所持品検査の結果、被害にあった同僚が持っていた紙幣番号と同じものが、この消防士の所持品から見つかったという。被害者のうち1人が3月11日にも現金を紛失していたため、2人で相談して財布に入れていた紙幣の番号を記録していた。2人は4月、尾道署に被害届を出していた。 消防士は現金を盗んだことを認め、「2月以降、6回ほど盗んだ。信頼を失うようなことをして申し訳ない」と話しているという。(菅野みゆき) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
揺らぐ民主主義、新聞の役割は 阪神支局襲撃から36年で5・3集会
2023年5月3日 19時17分 朝日新聞阪神支局襲撃事件を契機に始まった「言論の自由を考える5・3集会」(朝日新聞労働組合主催)が3日、オンラインで開かれた。36回目の今年は「いま見つめ直す、民主主義を支える新聞の役割」をテーマにパネリストらが語り合い、約300人が視聴した。 集会では、ロシアによるウクライナ侵攻や安倍晋三元首相銃撃事件など、民主主義を揺るがす状況下で、メディアが果たすべき役割を議論した。ジャーナリストの村山祐介さんはウクライナで取材した映像を交え、「現地の人は忘れられることを心配している」と話し、報道を続ける大切さを強調した。 国会の報道をめぐっては、法政大教授の上西充子さんが「スポーツの試合後のインタビューのように、『追及してみてどうだったか』と前線に立つ議員に聞いてほしい」と語った。 弁護士の菅野志桜里さんは新聞の役割について、「事実と、記者による評価を分けて報じることで、読者にとって自分の考えを作る良質な素材になる」と述べた。進行役を務めたキャスターの長野智子さんは新聞への期待として、「SNSなど多くの発信者がいるなか、教育を受けた記者による魂のこもった記事が読みたい」と話した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊谷組JV、コンクリ品質試験で虚偽報告 北海道新幹線トンネル工事
滝沢貴大2023年5月3日 19時36分 ゼネコン大手の熊谷組(東京都)は2日、北海道新幹線のトンネル工事をめぐり、同社など4社でつくる共同企業体(JV)がコンクリートの品質試験で発注者側に虚偽の報告をしていたと発表した。試験の回数が足りず、強度が基準を満たしていない可能性があり、調査を進めている。 熊谷組によると、虚偽報告があったのは、2030年度の札幌延伸をめざす北海道新幹線の羊蹄トンネル有島工区(約4・2キロ)の工事。昨年10月から今年4月にかけて、生コンクリートをトンネル内に流し込む前にする水分量の調査を定められた頻度でせず、固まる前に1区画ごとに3カ所ですべき測定試験も1カ所でしかしていなかった。いずれも、所定の通り実施したと報告していたという。 工事を発注する鉄道・運輸機構の担当者が4月20日に工事現場に立ち会った際、発覚した。熊谷組の担当者は「試験を担当する試験員の数が手薄だった。事態の重大さを痛感し、再発防止策を講じるとともにコンプライアンス教育を徹底する」と話した。工程への影響は未定といい、今後、コンクリートの品質を再調査し、問題があれば工事をやり直す予定という。(滝沢貴大) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博多どんたく港まつりが開幕 4年ぶりに通常開催、初夏の訪れ告げる
2023年5月3日 22時38分 福岡に初夏の訪れを告げる「博多どんたく港まつり」が3日、福岡市で開幕した。昨年は新型コロナウイルス対策で規模を縮小したが、今年は4年ぶりの通常開催。好天にも恵まれ、沿道は多くの人でにぎわった。 主催する福岡市民の祭り振興会によると、4日までの2日間で478団体、約2万2千人が参加し、コロナ禍前に近い200万人規模の人出を見込んでいる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
池袋のリラクセーション店で女性従業員の首に刃物、男が現金奪い逃走
大山稜2023年5月4日 0時02分 3日午後6時45分ごろ、東京都豊島区池袋3丁目のリラクセーション店の中国籍の40代女性従業員から「客の男に刃物で襲われた」と近くの交番に届け出があった。警視庁によると、女性は男に刃物のようなものを突きつけられて首に軽傷を負い、現金などを奪われた。男は逃走しており、同庁は強盗致傷容疑で行方を追っている。 目白署によると、男は3日午後3時ごろに客として入店。被害を申告した女性従業員の接客を受けた後の同4時10分ごろ、この女性に刃物のようなものを突きつけて「金を出せ」と脅し、現金2万円と携帯電話を奪い逃走した。店にいたのは女性1人で、他に客や従業員はいなかった。女性は知人らに相談したうえで交番に被害を申告した。 現場は東京メトロ要町駅から北に80メートルほどの山手通り沿いのビル6階の1室。逃げた男は20代くらいで、身長170センチくらいの中肉。白いマスクと黒い服を身につけていたという。(大山稜) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】秋篠宮ご夫妻、英国へ チャールズ国王の戴冠式に出席
2023年5月3日 20時00分 秋篠宮ご夫妻は、5月4日から7日の日程で英国を訪問し、チャールズ国王の戴冠(たいかん)式に参列します。ご夫妻が外国王室の戴冠式に参列するのは初めてで、英国への公式訪問も初めてになります。 4日午前に羽田発の政府専用機で出発し、6日午前(日本時間同日午後)からロンドン市内のウェストミンスター寺院で行われる戴冠式に参列します。 秋篠宮さまは学習院大学を卒業した後、1988年から90年まで英オックスフォード大学セント・ジョーンズ・カレッジで動物学を専攻、魚類や家禽類などを研究しました。 秋篠宮ご夫妻の直近の1年間を写真で振り返ります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
各地で憲法集会 護憲派「9条掲げたたかう」改憲派「国防条項明記」
米田優人 編集委員・北野隆一2023年5月3日 20時07分 憲法記念日の3日、護憲派と改憲派がそれぞれ集会を開いた。 東京都江東区の東京臨海広域防災公園では、各地で「九条の会」などをつくる市民らが「あらたな戦前にさせない!守ろう平和といのちとくらし2023憲法大集会」と題するイベントを開いた。主催者発表で約2万5千人が参加し、憲法を守ろうと訴えた。 憲法学が専門の室蘭工業大の清末愛砂(あいさ)教授は、政府が2023年度から5年間の防衛費を計43兆円とする計画を決めたことに触れ、「物価上昇で厳しい生活を強いられているという切実な声がある。防衛費の財源確保を優先し、立憲主義の核の一つである公平な分配が否定されている」と指摘。さらに「憲法9条を無視し、軍事的優位性を確保することを『防衛』の名の下で正当化するものだ」と訴えた。 集会では、「憲法9条を掲げ、世界の市民とともに反戦・平和のたたかいに全力を挙げて取り組む」などとする宣言も読み上げられた。野党幹部らも登壇し、反戦や護憲を訴えた。 千代田区では「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などが「公開憲法フォーラム」を開いた。会場には約800人が集まり、全国20会場で中継。主催者によると、計約2万人が視聴した。 主催者の声明文では、憲法への「国防条項と緊急事態条項の明記」を掲げた。憲法への自衛隊明記などを含む国防条項について、岩田清文・元陸上幕僚長は「自衛官は服務の宣誓で命を賭して国を守ると誓うが、自衛隊を違憲とする憲法学者や政党もおり、世論を二分するあいまいな立場にある。命をかけろというなら、国の最高法規に自衛隊が位置づけられ、誰が読んでも自衛隊が合憲となるよう改正を」と要望した。戦力不保持や交戦権否認を定めた9条2項の削除を求めた。 自民、公明、維新、国民民主の国会議員も参加。大規模災害や武力攻撃などが起きた際の対応を憲法に規定する緊急事態条項をめぐり、議員の任期延長などを求める発言が相次いだ。(米田優人、編集委員・北野隆一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「明日もしゃべり続けなければ」 阪神支局襲撃36年、市民らが献花
2023年5月3日 20時23分 兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局に男が侵入し、散弾銃で記者2人を殺傷した事件から3日で36年がたった。支局1階に設けられた祭壇には亡くなった小尻知博記者(当時29)の遺影が飾られ、訪れた市民らが手を合わせた。 新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に引き下げられる前のため、今年も記帳台は設けず、3階の事件資料室の公開も見送った。事件が起きた午後8時15分、支局では朝日新聞社員らが黙禱(もくとう)した。 支局を訪れた大阪府寝屋川市の公務員、東浦孝次さん(52)は「言論を暴力で封じることを許してはならない。いいたいことが言えて、みんなが笑って過ごせる世の中であってほしい」と話した。 記者志望の大学4年、井村春花さん(22)=大阪市=と鹿野海人さん(21)=京都市=も遺影に手を合わせた。井村さんは「事件を風化させないためにも、私たちは明日もしゃべり続けなければいけないと思いました」と話した。 広島県呉市にある小尻記者の墓では、朝日新聞大阪本社の山浦一人(かずと)・編集局長らが手を合わせた。 山浦局長は「いろんな人がいろんな考えを持ち、いろんなことを話し合うことで民主制は保たれる。異なった意見を暴力で封じることがあってはならない」と語った。暴力に屈せずペンを持ち続ける、と墓前で誓ったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
古民家に昭和のアマチュア無線機100台超 長崎県雲仙市に博物館
有料記事 島原通信員・松下英爾2023年5月3日 18時00分 島原半島の北東部を有明海沿いに走る島原鉄道の神代(こうじろ)駅(長崎県雲仙市国見町)で下車し、商店街を数分歩くと、白壁がくっきりと映える木造2階建ての古民家が見えてくる。 旧佐賀鍋島藩の飛び地・神代鍋島領に隣接する町場(まちば)だった一角に立つのは「趣蔵(しゅぞう) 神代ふれあい館」。延べ床面積は約432平方メートルで、明治期の建築と推測されている。もとは平成初期まで営んでいたという「神代鶴(かみよづる)」などの銘柄の造り酒屋だ。今年3月17日に「長崎県まちづくり景観資産」に登録された。 そんな歴史的建造物にもう一つ掲げられているのは「アマチュア無線機器歴史館」の真新しい看板。昨年5月にオープンしたという歴史館に入ると、1954年ごろからのアマチュア無線機100台以上がズラリと並ぶ。 アマチュア無線は、無線を通じて気軽に国内外の人とつながることができる。 館長は長崎市で無線機販売会社「ハムセンター長崎」を営む大久保晃宏(あきひろ)さん(80)。展示されているのは、大久保さんが長年収集してきたアマチュア無線機。希少なものもあり、アマチュア無線愛好家を中心に、遠くは関東や関西からも来館者がいる。 大久保さんは中学生の頃、ラジオとの出会いをきっかけにだんだんとアマチュア無線にはまっていった。社会人になってからも趣味として続けていたが、ついにはアマチュア無線機を取り扱う会社を設立した。「どこでも誰とでも交流ができ、居ながらにして世界を知ることができるのが魅力」と話す。 ■昭和期の真空管式ラジオも… この記事は有料記事です。残り845文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル