2歳のときに広島で被爆し、12歳で白血病で亡くなった佐々木禎子さんのおい、祐滋(ゆうじ)さん(52)=東京都=が19日、広島市であった主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する首脳らの配偶者向けイベントに出席した。禎子さんについてスピーチし、「折り鶴を通して世界中と平和的な交流をしたい」と語った。 禎子さんは爆心地から約1・6キロの自宅で被爆し、中学1年生でこの世を去った。鶴を千羽折ると願いがかなうと信じ、病床で薬の包み紙などを使って鶴を折り続けた。自らの回復を祈り、1300羽以上を折ったとされ、平和記念公園内の「原爆の子の像」のモデルとなった。 祐滋さんは2009年、自分の父親で、禎子さんの兄にあたる雅弘さん(81)とともにNPO法人「SADAKO LEGACY(サダコレガシー)」を設立。折り鶴を国内外に贈って平和の大切さを訴えてきた。米ハワイ・真珠湾の国立追悼施設アリゾナ記念館で開かれた式典で折り鶴を寄贈したこともある。 祐滋さんは19日のスピーチ… この記事は有料記事です。残り441文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「好きなことをして老い、死ねるケア」目指し 地域交えてチーム戦
2010年の秋だった。雨雲が垂れ込める悪天候の中、千葉県在住の男性(当時73)は、朝から「散歩」に出かけてしまった。認知症と診断されて7年、妻(当時65)は心配を募らせた。男性は地元高校の校長を勤め上げた人物。さまよって通報されることもあったが、妻は「散歩」だと考えるように努めていた。 「歩くことは、今この人が唯一自分の意思でできること。それを奪ったら、この人じゃなくなると思っていました」 妻はGPS端末を男性のバッグに忍ばせる対策を取り、戻らなければ、その度に捜しに出かけた。 その日は、宅老所「いしいさん家(ち)」(千葉県)のデイサービスを利用する予定だった。ワゴン車で迎えに行った代表の石井英寿(ひでかず)さん(48)は、男性が自宅にいないと知るや、急きょ車を街中へと走らせた。 石井さんは自分のミッション… この記事は有料記事です。残り1565文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「無事に無罪を聞いて」 元世界王者が袴田さん支援を続けた理由
1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で、死刑が確定していた元ボクサー袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審の開始が3月、確定した。長年、袴田さんを支援してきた日本プロボクシング協会の会長で、元世界王者のセレス小林さん=柏市=は「無事に無罪判決を聞いてほしい」と話す。 セレス小林(本名・小林昭司)。第13代WBA世界スーパーフライ級王者。千葉県柏市でセレスボクシングスポーツジムを経営する。2022年4月から日本プロボクシング協会会長。茨城県出身、50歳。 ――袴田さんの再審開始の確定を、どんな気持ちで受け止めましたか。 「よくぞ今日まで生きていてくれた、と思いました。ご本人が元気で戦い続けていなければ社会の関心も薄れただろうし、結果は違っていたかもしれない。『よかったですね、そして無罪まであと少しですね』という気持ちです」 ――日本のスポーツ選手や芸能人は社会的な発言に慎重です。協会が支援を続けたのはなぜですか。 「死刑囚の袴田さんが無実を… この記事は有料記事です。残り1287文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ぬけられない幸福 霊感商法」 消費者トラブル、高校生がかるたに
「(つ)通販はクーリング・オフできません」「(ぬ)ぬけられない幸福求めた霊感商法」――。成年年齢が引き下げられたため、在学中に成人を迎えるさいたま市内の高校生が、消費者問題をテーマにしたかるたを作った。同市内の中学校でも消費者教育に活用される予定だという。 かるたを手がけたのは、県立浦和商業高校の生徒たち。2年生だった昨年6月、消費者トラブルを学ぶ授業の一環で、県消費生活支援センターの相談員による出前授業を受け被害事例などを学んだ経験がある。 夏休みに、出前授業で学んだことを「五・七・五」の川柳にまとめる宿題に取り組み、青木由紀子教諭(家庭科)やセンターの相談員らが44句を選んでかるたの読み札とした。絵札は生徒有志が描き、裏面に法律や制度の解説、注意点などを書き添えた。 かるた作りをリードした青木教諭は、昨年度から同センターで消費者教育の研修を受けている。「座学の授業では自分事として捉えられず、知識も定着しないと感じていた。自分で教材を作ったり他者に伝えようとしたりすることで、知識と関心が高まり、若年層の被害を減らすことにつながればと考えた」と話す。 かるたは100セット作り、うち60セットをさいたま市教育委員会に寄贈した。今後は、生徒が市内の中学校に出向いてかるたを紹介し、これまでに学んだ消費者問題について解説する実習を行うという。 かるた作りに参加した3年の上田初花さん(17)は「かるた取りを楽しんでいるうちに消費者トラブルへの理解が深まる」と話す。(小林未来) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タイムカプセル開けたら… 10歳だった私から「上から目線」な手紙
国方萌乃2023年5月21日 9時21分 和歌山市立宮小学校で20日、タイムカプセルの開封式があった。設立130周年だった2003年に当時の1~6年生が埋めたものだ。 タイムカプセルは小学校の玄関近くに埋められ、まわりをれんがで固めていた。卒業生や保護者らが見守るなか、当時のPTA会長らがれんがを割って砂をはらい、タイムカプセルを取り出した。ふたを開けると、当時の児童らが20年後の自分宛てに書いた手紙が入っていた。 当時5年生だった堂野結加さん(30)は「おばさんの始まりですね。子どもがいたら、ちゃんと可愛がりなあよ」と、20年前の自分からの「上から目線」なメッセージを受けとった。「10歳のときは30歳の自分はもっと大人だと思っていたんでしょうね。なってみたらまだまだ子どもですね」と笑っていた。(国方萌乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・足立区長に自公推薦の近藤氏が5選、女性対決を制す
石平道典2023年5月22日 0時30分 東京都足立区長選は21日に投開票され、現職の近藤弥生氏(64)=自民、公明推薦=が、大学非常勤講師の西山千恵子氏(65)=共産、社民推薦=を破り、5選を果たした。当日有権者数は55万8018人。区長選の投票率は42・79%(前回42・89%)。同じく投開票された区議選の投票率も42・79%(同)だった。 当選確実の報を受け、近藤氏は21日夜、区内の事務所に姿を見せた。集まった支持者らを前に「一人ひとりのご支援に仕事でお返しする」と話し、笑顔を見せた。「5期目はチーム足立で、安心と活力に一層力を尽くしていく」などと抱負を語った。 区長選は前回、前々回と同じく女性同士の一騎打ち。近藤区政への評価や、子育て支援や高齢者施策などが主な争点になった。 近藤氏は大学の誘致や大学病院の開院への取り組み、刑法犯の認知件数減少に向けた施策など、実績をアピール。「安心と活力ある街づくり」を掲げ、「将来を見通す大胆さをもって、5期目に挑戦していきたい」と訴えた。選挙戦では自民、公明両党のほか、労働組合の連合東京などの支援も受け、組織的な戦いを展開した。(石平道典) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元広島市長「岸田首相、ヒロシマを利用するな」 核抑止力維持に憤り
G7広島サミットが閉幕した。最終日にはウクライナのゼレンスキー大統領が参加するセッションも開かれたが、1991年から2期8年にわたって広島市長を務めた平岡敬さん(95)は憤りを隠さない。 ◇ 岸田(文雄)首相が、ヒロシマの願いを踏みにじった。そんなサミットだったと考えます。 サミットでは、米英仏という核保有国と日本をはじめとする米国の「核の傘」の下にある国々が、広島という地に集まり、核軍縮や不拡散といった軍事面が主に議論されました。 しかし、本来は核が人間に与えた悲惨さを考えるべきです。核を全否定し、平和構築に向けた議論をすべきでした。 加えて、19日に合意された「広島ビジョン」では、核抑止力維持の重要性が強調されました。 戦後一貫して核と戦争を否定してきた広島が、その舞台として利用された形です。 核兵器禁止条約に署名・批准した国と地域に「広島が核を許容した」と思われてしまう。こうした国々は広島を見ているのです。今後、広島が信用されなくなり、ものを言えなくなります。 だからこそ、議長国である日本の岸田首相は、とても罪深いと言わざるを得ません。 ウクライナのゼレンスキー大統領が招かれました。これは、いかにも政治的なパフォーマンスです。中国とロシアに対して、西側諸国の結束をアピールしたいという狙いが透けて見えます。 さらに、G7首脳との間では、軍事的な支援の強化が約束されました。「広島選出」を強調する岸田首相は、戦争を是認し、激化させることを広島の地で許したことになります。 核を否定し、平和を訴えてきたヒロシマを、これ以上利用するなと言いたいです。 広島を舞台にしてウクライナ戦争を議論するならば、一日も早い停戦と戦後復興について話し合われるべきでした。 中国とロシアを非難するだけでは、緊張が高まるだけです。いかに対話をするか、和解のシグナルを発信する必要があります。 戦争の種をなくし、平和を構築する。それが、岸田首相をはじめとするG7首脳たちに求められていることです。(聞き手・大滝哲彰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「広島でこれだけしか書けないか」 G7声明にサーロー節子さん失望
有料記事 花房吾早子 岡田将平2023年5月21日 20時53分 カナダに住む被爆者のサーロー節子さん(91)は今月、生まれ育った広島市に帰郷した。コロナ禍で3年半ぶり。久しぶりに目にする地元に、G7首脳が集まった。 「広島まで来てこれだけしか書けないかと思うと、胸がつぶれそうな思い。死者に対して侮辱。死者に対して大きな罪だった」 20日に発表されたG7首脳声明を読み、失望した。 サーローさんは13歳の時、広島市で被爆。広島女学院高等女学部2年だった。多くの同年代が命を奪われた。おいは4歳で被爆死した。「焼けただれて、溶けた肉のような感じだったんです」。広島で過ごす日々で、そんなおいたちのことも思い起こした。 平和記念資料館を見学するG7首脳に、期待していたことがあった。 「政治家としてではなく、衣を脱いで、裸でもいい。人間と人間のふれあいとして見てほしい」 でも、首脳が何を見て何を感… この記事は有料記事です。残り685文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 G7広島サミット 日本や米国など主要7か国の首脳が広島に集い、意見を交わします。G7を知れば世界がわかる。あなたの知識をクイズで腕試し![もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「浅草は更に成長する」三社祭の神輿巡行、コロナ経て「迫力増した」
浅草の町に、生き生きと躍動する本社神輿(みこし)が4年ぶりに戻ってきた。三社祭は21日、氏子たちが神輿3基を担いで練り歩き、町の熱気は最高潮に達した。 浅草神社の境内から神輿を出す「宮出し」は、朝6時半に始まった。一本締めを合図に掛け声とおはやしが響き、神輿が上下左右に揺れながら進む。祝うように晴れ間も広がっていった。 コロナ禍で2020年から規模縮小が続き、昨年は神輿を台車に載せて町を巡った。担いで練り歩くのは4年ぶりだ。 3基の神輿は3方向に分かれて浅草を巡る。「オイサ、オイサッ」の掛け声が響く。勤務地が浅草で、初めて担いだ稲村勇太さん(37)は「重くて、人の密集もすごい。浅草に受け入れられた感じがした」と笑顔を見せた。 沿道には国内外からの見物客が駆けつけた。カメラやスマートフォンが向けられ、神輿を追って大勢の人が一緒に歩いていく。 毎年のように来るという川崎市の小原明美さん(83)は拍手を送った。「コロナ禍で神輿を担ぐ姿が見られずにさびしかった分、いつもより迫力があった。見てて元気になります」と話す。 長いコロナ禍で、多くの人がこの日を待っていました。記事の後半では、三社祭の担ぎ手と老舗菓子店の店主の思いを紹介します。 「格好良い」 訪日外国人も興奮 米国・シカゴから観光で初め… この記事は有料記事です。残り1660文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Volodymyr Zelensky, invité surprise du G7, bouscule l’agenda du sommet à Hiroshima
Le président ukrainien, Volodymyr Zelensky, et le premier ministre japonais, Fumio Kishida, le 21 mai 2023, au parc du Mémorial de la paix d’Hiroshima (photo transmise par la présidence ukrainienne). AFP-PH Il est descendu de l’Airbus d’un pas alerte, le visage sombre, vêtu de son éternel treillis et polo kaki. La visite […]