大蔦幸2023年5月29日 6時30分 「恋人ができたら活動休止、結婚で引退が目標です」。そう宣言しながら活動する異色のアイドルがいる。 その名も「婚活アイドル きっしー」。兵庫県尼崎市を拠点にし、2019年5月、セルフプロデュースでデビューを飾った。 キャッチフレーズは、「100万ラブの微笑(ほほえ)み」。歌ったり、サイン会をしたり、同市の古本屋で毎月1日店長を務めてファンと交流したり。一般的なアイドルと同じように活動する。 一方で、活動を応援してくれる喫茶店で販売している「婚活プロフィル付きブロマイド写真」には連絡先を記載、直接やりとりができる。それは、「アイドルをしているのは、婚活中の自分を知ってもらう機会を増やすためでもあるから」 周囲に隠す人もいる「婚活」を公にしながらのアイドル活動に、「勇気をもらいました」「私も婚活がんばろうと思います」と共感のメッセージが届く。 「『最近、婚活はどう?』。家族でも親戚でもない人たちが気にかけてくれる。それは、すごくありがたいこと。こんな風に堂々と『婚活中』と言える雰囲気が広がっていくといいな」と願う。 アイドル活動を始めて4年。まだ「運命の相手」とは出会えていない。でも、着実に近づいていると感じる。「出会うことをあきらめたら、出会えない。なるべくめいらないように、わくわくする方向で準備しようと思います」(大蔦幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
婚活疲れから「婚活アイドル」に 堂々周りに話せる雰囲気を目指して
兵庫県尼崎市を中心に活動するちょっと変わったご当地アイドルがいる。その名も「婚活アイドル きっしー」。婚活? アイドル? どんなアイドル? 3月中旬。阪神電車杭瀬駅から歩いて10分ほど。杭瀬中市場の古本屋「二号店」に、きっしーさんの姿があった。月1回の1日店長の日で、会いに来てくれた人と交流できる日だ。 会話に耳を傾けると……。「最近、婚活はどう? 進んでる?」「婚活って、大変なんやな。素敵な人に出会えたらええなあ」 訪れた男性(71)は「娘みたいな存在やから、ファンとして婚活を見守っている感じかな」と話す。 そう、婚活アイドルとは、きっしーさんが考えた結婚を目標に活動するアイドル。2019年にセルフプロデュースでデビューした。婚活していることをオープンにしながら、歌ったり、サイン会をしたりアイドルとして活動する。 「一般的なアイドルの目標が『武道館ライブ』だとしたら、私の目標は『結婚』。恋人ができたら活動休止、結婚で引退を目指して活動中です」と話す。 ブロマイド写真のプロフィル欄には、連絡先を記載。興味がある人は、直接やりとりができる。 異色のアイドル。きっかけは… この記事は有料記事です。残り1589文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大泣きした小説が現実に… 主役は電器屋さん、最北の街から愛を込め
日本最北の街、北海道稚内市で電器店を営む山本進さん(55)。 生まれも育ちも稚内で、修業のために東京と札幌でそれぞれ半年ずつ過ごした以外は、ずっと地元で暮らしてきた。 照明や暖房機器などの販売、設置から修理までこなす「町の電器屋さん」ことヤマモトデンキの2代目だ。 昨年末から正月にかけて店を休み、東京で暮らす息子に会いに行くために飛行機で東京へ向かった。 元日に羽田空港へ向かう機内で読もうと持ち込んだ本が「月の立つ林で」。 昨年11月に出版された青山美智子さんの10作目で、発売日に買ったのに読んでいなかった本だ。 青山さんの新作が発売されるたびに買って読んでいるが、どの作品がきっかけでハマったのかは覚えていない。 ただ、どの本も穏やかな気持ちで読めて、心に明かりをともしてくれるような作品ばかり。 期待を裏切らない中身だとわかっているから、新刊が出るたびにあらすじも読まずに買っている。 「月の立つ林で」は、五つの章から成る連作短編集。 ままならない日々をおくる登場人物たちが月のように満ち欠けを繰り返し、似ているようで違う毎日を紡いでいく様子が描かれていた。 新月のように「見えないけれど確かにそこにある存在」を軸に、それぞれがつながっていく構成が見事だった。 特に印象に残ったのが、第3章の「お天道様」。 娘の結婚に戸惑うバイク整備士の姿に、電器屋である自分を重ねて機内で泣いてしまった。 娘はいないし、息子2人もすっかり独り立ちしたというのに。 声を出さないようにするのが精いっぱいで、マスクの下は鼻水と涙でグチョグチョだった。 機内で泣いたのは37年前、高校を卒業して東京へ修業に行く時、当時付き合っていた彼女からもらった手紙を読んだ時以来だ。 ◇ それから4カ月後、山本さんの行動がきっかけとなって「月の立つ林で」で描かれたことが現実のものとなる。 この日本のどこかにいる「見えないけれど確かにそこにある存在」がつながった瞬間。 まさか作者である青山さんを泣かせてしまうなんて、思いもよらなかった。 郵便局で見かけたものは ヤマモトデンキはJR稚内駅… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警官射殺に使われた銃か、母親「受け取った」と説明 長野県警が押収
長野県中野市で男女4人が殺害された事件で、警察官1人を射殺した疑いで逮捕された青木政憲容疑者(31)の母親が、「自宅に立てこもっている息子から銃を受け取り、逃げ出した後で近くの民家と土蔵の間に置いた」と県警に説明していたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警はこの説明に基づいて押収した銃が、警察官への襲撃に使われたものと同一か調べている。 捜査関係者によると、青木容疑者は25日午後4時半過ぎ、警察官を襲撃するなどした後、母親らと暮らす自宅に立てこもった。母親は約4時間後の同8時半過ぎに自宅から逃げ出し、警察に保護された。けがはなかった。 母親が県警にした説明によると、立てこもり中に自殺を図ろうとしている青木容疑者を母親が説得。その間に自殺を手伝うなどと持ちかけて、青木容疑者が所持していた銃を手放させた。 その後、母親は隙を見て家から脱出。受け取った銃は重く、抱えたまま走ることは困難だったため、近くにある民家と土蔵の間に置いた上で警察官に助けを求めたという。 県警は、母親の説明通りの場… この記事は有料記事です。残り259文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもの自殺対策、「危機対応チーム」全国展開を促進 小倉こども相
小倉将信こども政策担当相は28日、子どもの自殺対策を進めるため、精神科の医師や精神保健福祉士ら多職種の専門家でつくる「危機対応チーム」について、全国規模での展開を促す考えを示した。政府が6月にまとめる経済運営の指針「骨太の方針」に盛り込む。視察先の長野県内で明らかにした。 こども家庭庁は、省庁間の縦割り行政の打破を掲げて庁内に4月、「自殺対策室」を設置した。文部科学省や厚生労働省など関係省庁の連絡会議を開き、子どもの自殺対策を協議している。 全国の小中高生の自殺者は、2022年に514人と過去最多になった。家族の証言などからは、「学校」「健康」「家庭」の問題などが、原因や動機として浮かび上がるという。 長野県は未成年者の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)が全国平均を上回ったことから、19年に「子どもの自殺ゼロ」を打ち出した。 自殺をほのめかすなど、市町… この記事は有料記事です。残り259文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
低賃金な移民労働者「発見」とは 研究者が指摘する日本も抱える問題
外国人を「実習生」として雇う技能実習制度では、残業代が適切に支払われない事例があるなど様々な問題が起きた。米国務省が「人身取引」だと指摘するなど、海外からも批判されてきた。一方、米国では、滞在許可を持たない非正規移民が多く働き、中には人身取引とも言えるような形で国境を越えた人たちもいる。移民の研究をしている一橋大学の飯尾真貴子専任講師に聞いた。 いいお まきこ 一橋大学社会学部専任講師。専門は国際社会学、国際移民論。米国とメキシコをフィールドに移民規制政策の社会的影響を研究。 ――日本では農林水産業や製造業などの現場で、多くの外国人が働いています。米国でも中南米出身者が企業の経済活動を支えています。 「米国では現在1190万人にものぼる人々が、滞在許可のない非正規移民として暮らしています。その多くが様々な産業において低賃金労働者として働き、社会を根底で支えています」 ――非正規移民は、日本ではいわゆる「不法滞在者」にあたると思います。米国では中南米からの移民が多いです。 「移民政策は意図しない帰結を生むと言われますが米国の事例は顕著です。現在の非正規移民の流れが作り出された背景には、第2次世界大戦中の米国で、労働力不足を補うことを目的とした米メキシコ間の協定(ブラセロ計画)があります。これにより500万人とも言われるメキシコ人が米国で働きました。1964年に米国の都合でこの二国間協定は廃止されたのですが、米国内での労働力需要が急になくなるわけではありません。メキシコ人は滞在許可がない状態で国境を行き来するようになりました」 「発見」された従順な低賃金労働者 「雇用主も非合法という形で雇用することが、実は使いやすく魅力的であることに気づいていきます。滞在許可がなく、従順に働く低賃金労働者を『発見』したともいえます」 「こうした非正規移民の流れが構造化されていきます。メキシコだけでなく中南米などの人々も加わり、60年近く経過してもこの流れが続いてきたといえます。『合法』でも『非合法』でも、やっている仕事は同じです。では、一体何か違うのか。それは、国家が恣意(しい)的に非合法移民というラベルを貼ることによって、低賃金かつ搾取に脆弱(ぜいじゃく)な労働力を作り出してきたということです」 「『不法移民』という言葉によって犯罪性と結び付けられ、社会の法的秩序を順守しない人々に対する批判として用いられてきました。歴史的な文脈や、国境を越える人の流れを生み出している構造的な側面を考えると、実は不法移民と呼ばれる存在は社会的に構築されたものといえるのです」 「86年になると米政府は、こうした非正規移民に一斉に市民権を与えるよう法律に定めました。同時に行われたのが国境管理の厳格化です。簡単に国境を越えることができないようにしたわけです」 ――いまいる人は特例で認めるが、新しい移民は入れないという方針ですね。 「これまで国境を往来していた移民は、規制の厳格化によってリスクとコストが高まるため、米国に残った方がよいとなる。家族に会いに国に戻るのではなく、家族を呼び寄せるようになります。国境管理にも限界があり非正規移民はその後も増えていきました」 「非正規の人たちを正規化しようという政治的な機運は何度か高まりました。2001年の同時多発テロを契機として、90年代から進行していた規制の厳格化がより一層強まっていくことになりました。そして、皮肉にも、『変革(チェンジ)』を掲げて誕生したオバマ政権のもとで年間40万人にものぼる人々が強制送還されました」 ――米国とメキシコの国境を通過させる請負人「コヨーテ」を取材したことがあります。多額の費用で密入国を請け負ったり、犯罪組織が関与したりするなど、人身取引とも言えるような例もありました。 「国境管理を厳しくして簡単に越えられなくすると、それまでは個々人による小規模な移住あっせんだったものが、徐々に組織化し大規模なものになっていきました。それが人身取引のような要素を強めてきたといえるでしょう」 米国務省は、日本の技能実習制度を「人身取引」と批判した。だが、その米国にも人身取引のような形で非正規移民が流入している。日本と米国の違いと、共通点はどこにあるのか。後半で詳しく聞いていきます。 「米国と大きく異なるのは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
つかまれた足首、「水をくれ」の声 私が核の「地獄絵図」を語るのは
焼け焦げた人たちであふれる川。昼も夜も遺体を運ぶリヤカーの車輪の音……。爆心地から北西900メートルの近くで被爆した大田金次さん(83)=広島市中区=の心には、刻み込まれた「地獄絵図」がある。 思い出したくもない光景だが、弱った体を押してでも語らずにはおれない。 特に最近は。 「世界中が核の不安に覆われていると思うから」 1945年8月6日、幼稚園に行くために玄関先に出たその時だった。ピカ。強いフラッシュのような閃光(せんこう)に襲われ、そのまま気を失った。当時5歳。両親と3歳の弟との4人暮らしだった。爆風で4人ともそばに掘ってあった防空壕(ごう)の中に落ち、崩れた家の下敷きになった。 数秒か数分か。「金次!」… この記事は有料記事です。残り1228文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
田んぼで見つかった白い幼ガメ 自然界で希少なその正体は?
「田んぼに白いカメがいる」 4月末、茨城県南部にあるかすみがうら市水族館(同市坂)に、こんな電話が寄せられた。通常のカメは黒っぽい色をしたものが多い。海外から輸入したカメを飼い主が逃がしたのかな――。応対した水族館の小林誠館長(27)は想像を膨らませていた。 情報提供者は千葉県香取市に住む夫婦で、数日後に保護したカメを水族館まで届けてくれた。事前の話通り全身は白っぽく、ところどころ血管が透けて赤みがかっていた。 体長は数センチ。手のひらに載るほどの大きさで、生後1年も経っていない「幼ガメ」だった。甲羅の形などから種類はクサガメで、色が白いのは突然変異で体の色素が抜ける疾患「アルビノ」であることがわかった。 アルビノの個体は突然変異のため、個体数自体が少ない。しかも自然界では姿が目立ち、外敵に襲われやすい。野生でアルビノの個体が見つかるのは、極めて珍しかった。 見つけた経緯を尋ねると、夫婦が自宅近くの水田で農作業をしていたところ、1匹で泳いでいたという。珍しいから飼おうかとも考えたが、「成長していく姿を多くの人に見てもらいたい」。そう思い直し、観光で訪れたことがあった水族館に連絡してくれたという。 水族館も心配する「繊細さ」 クサガメは、健康なら数十年… この記事は有料記事です。残り422文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士急ハイランドでFUJIYAMAが緊急停止 乗客17人を救出
池田拓哉2023年5月28日 22時40分 28日午後6時50分ごろ、山梨県富士吉田市の遊園地「富士急ハイランド」でジェットコースター「FUJIYAMA(フジヤマ)」が緊急停止し、一時、車両に乗客17人が取り残された。午後8時ごろに停止中の車両から全員が無事に救出されたという。 富士急ハイランドによると、車両は出発直後にレールを上昇する途中、安全装置が作動して停止した。県警富士吉田署によると、午後7時10分ごろ、同社から「FUJIYAMAが途中で止まった」と通報があったという。富士急ハイランドが詳しい原因を調べている。 富士急ハイランドのホームページなどによると、FUJIYAMAは1996年に登場。全長約2千メートル、最高時速130キロ、高さ79メートルで、かつては時速や高さなどがギネス世界記録に認定されたことがある。(池田拓哉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川崎殺傷事件の犠牲者を忘れない 悲劇から4年、ミサや献花で悼む
有料記事 阿部育子 手代木慶2023年5月28日 20時30分 川崎市多摩区の路上で私立カリタス小学校の児童らが男に刃物で襲われ、同小6年の栗林華子さん(当時11)と別の児童の保護者の外務省職員小山(おやま)智史さん(同39)が亡くなり、18人が重軽傷を負った事件は28日で発生から4年となり、学校では追悼ミサがあった。 ミサには同小の児童や遺族、保護者らが参加。小野拓士校長は、取材に「2人に『今も忘れていない』という思いを伝えた。4年経っても悲しみや悔しさは変わらない」と話した。類似事件の報道を見聞きして不安に感じる児童もいるが、心のケアを着実に進めているとし「成長している姿をこれからも支えていきたい」とした。 事件現場では住民らが花を手向けた。地元の老人クラブ会長を務める斉藤隆司さん(71)は「絶対にあってはいけないこと。防犯のため、地域の連携が必要」と語った。(阿部育子、手代木慶) 「風化させたくない」現場で祈る人たち 事件が起きた午前7時40分… この記事は有料記事です。残り1542文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル