吉田博行2023年5月31日 20時45分 在日コリアンらでつくる在日本大韓民国民団(民団)の徳島県地方本部に銃撃をほのめかしたとして、脅迫罪に問われた徳島市大原町の被告の男(40)に対し、徳島地裁は31日、懲役10カ月保護観察付きの執行猶予4年(求刑懲役10カ月)の判決を言い渡した。 細包(ほそかね)寛敏裁判官は「偏見にまみれた考えで、異なる思想信条を持つ人に恐怖を与え、排除しようとする極めて身勝手な犯行だ」と非難した。一方で被告は罪を認め、反省していることなどを考慮したとした。 判決によると、被告は昨年9月、「反日政策ヲ続ケル様デアレバ、次ハ実弾ニ寄ル消化ニヨッテ浄化スル。―民族赤報隊―」などと書かれた脅迫状を徳島県小松島市の民団事務所の郵便受けに投函(とうかん)した。 細包裁判官は動機について「民団が韓国の反日政策に加担しているなどと考え、一方的に嫌悪感を持ち、増大させた」と指摘。脅迫文の内容は「在日韓国人を銃撃で殺害すると容易に理解させる苛烈(かれつ)なもので、被害者らに出自や所属のみで標的にされたことを理解させ、強い恐れと不安を与えた」と非難した。 判決言い渡し後、細包裁判官は被告に「あなたの意に沿わない人たちを一方的に排除することは日本では許されないし、世界のどこでも変わらない。あなたは自分の信じたいものだけを信じているように見受けられるので、違う意見を持つ人の意見もよく聞いて理解するように努めてください」と説諭した。弁護人によると、被告は控訴しない方針という。 この裁判では、検察側が論告で、「いわゆるヘイトクライム(憎悪犯罪)である」と異例の言及をしていた。法廷で意見陳述した民団団長の代理人弁護士は「ヘイトクライムという言葉は使っていないが、実質的にそう指弾した判決だ」と評価した。(吉田博行) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自ヘリ事故、不明4人を「死亡」 防衛省が戸籍法もとに判断
沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリが消息を絶った事故で、行方不明のままになっていた4人について、防衛省が31日、家族の意向を確認した上で「死亡」と判断し、氏名を公表した。事故発生から間もなく2カ月。どういった根拠で、判断されたのか。 事故は4月6日に発生。陸上自衛隊第8師団所属の多用途ヘリコプター「UH60JA」が宮古島周辺で消息を絶ち、レーダーの消失地点から北北東に約4・2キロ離れた水深106メートルの海底で13日に見つかった。 5月2日に海底から機体が引き揚げられ、前後して坂本雄一師団長ら乗員6人の死亡が確認され、残る4人が行方不明のままになっていた。 防衛省によると、4人は事故… この記事は有料記事です。残り1046文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
PAC3展開の石垣島、観光業への影響懸念 「騒ぎすぎ」の声も
有料記事 小野太郎 伊藤和行 棚橋咲月2023年5月31日 21時00分 北朝鮮が軍事偵察衛星を積んだロケットを発射したことを受け、沖縄県では31日早朝、全国瞬時警報システム(Jアラート)で避難が呼びかけられた。交通機関が一時止まるなど生活への影響があり、2回目の打ち上げへの警戒も続くが、市民の間には「騒ぎすぎだ」と冷めた見方もある。 県は危機管理対策本部会議を開き、県内で被害の報告がないことを確認した。玉城デニー知事はミサイル発射を「大変遺憾」と批判し、「今後も引き続き、国・市町村と緊密に連携し、住民の安全・安心の確保に全力で努めたい」と述べた。北朝鮮が「できるだけ早い期間」に2回目の打ち上げを行う方針を示したため県は当面、24時間態勢で警戒を続ける。 県などによると那覇空港を発着する7便に最大22分の遅れが出たほか、那覇市内などを走るモノレール「ゆいレール」が一時運行を停止した。 一方、自衛隊は石垣島(沖縄県石垣市)で地対空誘導弾「PAC3」部隊を駐屯地外の新港地区に置く計画だったが、発射時までに設置されなかった。 市によると、自衛隊からPA… この記事は有料記事です。残り690文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
次は須磨シーで会おうね スマスイが66年の歴史に幕、従業員へ拍手
森直由2023年5月31日 21時00分 神戸市立須磨海浜水族園(同市須磨区)が31日閉園し、前身の須磨水族館と合わせて約66年間の歴史に幕を閉じた。 午後7時半ごろ、入り口のシャッターが下りるなか、従業員たちが並んで頭を下げると、集まった多くの人たちから拍手が送られ、「これまでありがとう」などの声が上がった。 この日の閉園セレモニーでは、市立若宮小の児童らが「私とスマスイの思い出」と題して「三角屋根がなくなると思うとさみしくなります」「阪神・淡路大震災を乗り越えて、今までありがとうございました」などと語った。 家族4人で訪れた明石市の会社員笠井翔太さん(35)は「小さい頃から家族で何度も通い、最後の思い出に来ようと思いました。特に水しぶきがすごいイルカショーが印象に残り、寂しいです」と話していた。 同園は1957年に神戸市立須磨水族館としてオープンし、87年に須磨海浜水族園としてリニューアルした。約66年間の来園者は約6600万人にのぼる。 中垣内浩・総支配人(54)は「たくさんのお客さんに来て頂き、長い間にわたり地域に根ざした水族園だったと実感しています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。 園は来年6月、新水族館「神戸須磨シーワールド」に生まれ変わる予定。シンボルの三角屋根の本館は取り壊されて広場になる。(森直由) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
家族5人がんで亡くす 長崎平和祈念式典の被爆者代表に工藤武子さん
長崎に原爆が投下された8月9日にある長崎市の平和祈念式典で、「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表が熊本市の工藤武子さん(85)に決まった。長崎県外在住者が選ばれたのは2人目。 工藤さんは7歳の時、爆心地から3キロの自宅で被爆。一緒にいた母や、きょうだい3人、親戚を探して爆心地付近に入った父は、その後がんを患い、亡くなった。 2008年、被爆者が世界各地で体験を語るピースボートの「証言の航海」に参加。その後、熊本で県内の被爆2世と共に紙芝居「長崎原爆被害のお話」を製作した。熊本県原爆被害者団体協議会理事を務め、現在も学校などで講演を続けている。 核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が17年にノーベル平和賞を受賞した際、サーロー節子さんのスピーチに心を動かされた。以来「平和への誓い」に応募し続けてきたという。工藤さんは「緊迫した国際情勢で、核兵器廃絶を訴えるのが大事な時。核兵器は(被爆者を)生涯にわたって苦しめる非人道性のある兵器だと伝えたい」と話した。 代表者選定審査会長の調漸(すすむ)・長崎平和推進協会理事長(67)は選定理由について、「明確な訴えがあり、若い世代へのアプローチも豊富。今年の平和への誓いにふさわしい」と話した。(寺島笑花) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「屋根がはがれそう」うその説明でリフォーム契約 都が業務停止命令
2023年5月31日 21時30分 「屋根がはがれそう」などとうその説明をして、リフォーム工事を契約させたとして、東京都は31日、屋根工事などを手がける「スマイルホーム」(杉並区)に特定商取引法に基づく3カ月間の一部業務停止命令を出した。同社の代表取締役についても同期間、業務禁止命令を出した。 都によると、同社は従業員が住宅を突然訪ね、「屋根が壊れている」などと言って、屋根に上がっていた。その場ではテープを貼るなどの「応急処置」をするものの、「すぐに工事が必要」などと持ちかけ、修繕の契約を結ばせていた。これらについて都は、勧誘目的を告げずに訪問する▽不備のある契約書を交付する▽うその情報を告げる、などに該当すると判断、同命令などを出した。 都によると、同社に関する相談は2021年度以降、計97件。平均契約額は約88万円で、最高額は約350万円だったという。 屋根修理に関するトラブルはコロナ禍で増加傾向にあり、21年度の都内の相談件数は639件(前年度比214件増)で過去最高となった。都は「事業者から住宅の不具合を指摘されても慌てて点検に応じず、慎重に対応を」と呼びかけている。相談は、都消費生活総合センター(03・3235・1155)へ。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「介護に疲れ」91歳の母を殺害容疑、同居の69歳の息子逮捕 神戸
2023年5月31日 21時30分 同居する91歳の母親を殺害したとして、兵庫県警は31日、神戸市垂水区狩口台1丁目の無職の男(69)を殺人容疑で逮捕し、発表した。容疑を認め、「介護で疲れていた」と供述しているという。 垂水署によると、31日午前0時15分ごろ、自宅で母(91)が顔にタオルが掛けられた状態で廊下に倒れているのを、訪ねてきた男の息子が発見して110番通報。母は搬送先の病院で死亡が確認された。 男は母と2人暮らし。息子宅に遺書のような手紙を届けた後、明石市の海岸で署員に発見された。逮捕容疑は自宅で母の首を絞めて殺したというもので、署は行為のあった日時を調べている。 近くに住む80代の女性は「母親は1年ほど前から車いすに乗るようになり、(男と)月2回ほど一緒に出かける姿を見かけた」と話した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バイト終え「帰る」の後連絡途絶える 熊本の女性殺人・死体遺棄事件
有料記事 吉田啓 鈴木優香2023年5月31日 21時33分 熊本市中央区の雑居ビルで、大きな布で頭からつま先まで全身をくるまれた女性の遺体が見つかった事件で、熊本県警は5月31日、司法解剖の結果、死因は窒息死だったと発表した。女性がアルバイトを終えて「帰る」と同居の交際相手に連絡したのを最後に連絡がとれなくなっていたことも分かった。 県警は女性が何らかの形で窒息死させられたと断定。殺人・死体遺棄事件として熊本中央署に捜査本部を設置した。 女性は同区の派遣社員、辰島ありささん(29)。捜査1課によると、死亡推定時刻は、5月28日午前1時から同日正午ごろまで。首を絞めたり圧迫したりした明らかな痕跡は見られないが、遺体が布にくるまれていた状況などと合わせて、何者かが辰島さんを窒息死させ、遺体を遺棄したと判断した。 辰島さんは28日午前1時ごろにバイト先を出た。退勤後に交際相手に「帰る」とSNSで連絡していた。 県警は、女性がアルバイト先… この記事は有料記事です。残り258文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
立てこもり事件、献花台にあふれる花 犠牲の4人に捧げる祈り
有料記事 菅沼遼 福岡龍一郎 前田健汰2023年5月31日 22時40分 長野県中野市で男女4人が殺害され、銃を持った男が自宅に立てこもった事件の発生から、1日で1週間になる。事件発生現場には、住民らが次々と訪れて亡くなった4人を悼み、そのうち警察官2人が殉職した中野署の献花台は来訪者が捧げた花束であふれている。捜査関係者への取材によると、県警は亡くなった警察官2人の公葬を行う方向で調整を進めている。 事件現場となった畑には、発生から1週間を前にした31日、犠牲者の知人や近所の人たちが訪れて花を手向けた。パトカーで駆けつけて銃撃された同署地域課の池内卓夫巡査部長(61)=警部に2階級特進=と高校で同級生だった男性は告別式後に現場を訪れ、「体をはって市民を守ろうとしてくれた」と感謝の気持ちを伝えた。別の友人男性は「これから第二の人生が始まると思ったところで無念だと思う」と早すぎる死を悼んだ。 殉職した玉井良樹警部補(46)=警視に2階級特進=と池内巡査部長が所属していた中野署の献花台には、来訪者が持ち寄った花束とともに、「ご冥福をお祈りいたします」などと記したメッセージも添えられていた。署によると、周辺住民だけでなく、県外から訪れた人もいたという。 市役所に半旗、市長「心のケア必要」 中野市役所では半旗が掲げら… この記事は有料記事です。残り663文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浄土真宗本願寺派、新総長に池田行信さん 前任辞任に伴う選挙で
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)は31日、臨時宗会で実務トップの新たな総長に池田行信(ぎょうしん)さん(70)を選んだ。2014年から総長だった石上智康(いわがみちこう)さん(86)の辞任に伴う選挙で、池田さんは21年からナンバー2に当たる筆頭総務を務めていた。 池田さんは栃木県那珂川町の慈願寺住職。本願寺派では門主が指名した数人の候補者の中から、宗会議員による投票で総長を決める。大谷光淳(こうじゅん)門主(45)は、池田さんと滋賀県多賀町にある金蓮寺前住職の保滌(ほてき)祐尚さん(81)を指名し、投票の結果、池田さんが47票、保滌さんが22票を獲得し、池田さんが総長に決まった。 本願寺派では、大谷門主が今年1月に示し、同派が門信徒らの唱和を推進する「新しい『領解文(りょうげもん)』(浄土真宗のみ教え)」に対して、教学の最高権威となる勧学の僧侶らが取り下げを求める動きが表面化している。石上さんは5月22日、人心一新と健康上の問題を理由に3期目の途中で総長辞任を表明していた。新総長の池田さんは就任のあいさつで「前総局の方針を継承し、宗門の発展のために宗務を推進する」と明言した。(西田健作) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル