新谷千布美2023年5月25日 13時00分 タレント大泉洋さんの実兄、大泉潤氏(57)が当選して話題となった4月の北海道函館市長選で、隣の北斗市の20代女性が他人になりすまして投票したとして、公職選挙法違反(詐偽投票)の疑いで道警に書類送検された。任意の調べに容疑を認め、「注目の選挙に興味があった。大泉洋さんのお兄さんに投票してみたかった」との趣旨の話をしているという。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、女性は4月23日、函館市の知人男性の母親の投票所入場券を使い、投票用紙を受け取って函館市長選の投票をした疑いがある。投票所のスタッフが不審に感じ、女性に声をかけて発覚した。 大泉氏は元市保健福祉部長で、4選を目指した現職に7万票以上の差をつけて初当選した。(新谷千布美) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亡父がつないでくれた、あの作家との縁 絵本店になったでんきやさん
5年ほど前までは家電製品が置かれていた。 創業133年の「街のでんきやさん」の店舗の1階。 とある縁もあって、そこを改装した。 山形県米沢市本町1丁目。 観光客らでにぎわう上杉神社周辺から1キロ余り南の県道沿いに、「あなたの街のでんきやさん」という看板は見えてくる。 そして「灯油・ガス」などの文字とともに、なぜか描かれているのは「えほんや」という看板。 「えほんや絵瑠夢(えるむ)」 それがこの電器屋さんのもう一つの名前だ。 扉を開けると、表紙が見えるように絵本がならぶ。 商談に使われてきた丸テーブルにも絵本があり、パラパラめくりながらお茶を飲んだり、会合に使われたり。 お客さんが持ち寄った絵本を自由に読めるコーナーもあり、店内に400~500冊の絵本がある。 「店を閉めるか、クリーニング店などに転換するか。それとも貸し出すか」 店舗を改装する必要が出てきたとき、安部美和子さん(72)は頭を悩ませた。 大手家電量販店も進出し、店舗の役割を果たさなくなってきたからだ。 そして、行き着いたのが絵本店。 亡き父の親友はあの作家 背景には父の友人の存在があった。 いまは亡き父は第2次大戦中… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首相襲撃容疑者が起こした公選法巡る訴訟、大阪高裁が控訴を棄却
松浦祥子2023年5月25日 13時12分 和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で逮捕、送検された木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=が、年齢などを理由に選挙に立候補できないのは不当だとして国に損害賠償を求めた訴訟で、大阪高裁(本多久美子裁判長)は25日、訴えを退けた一審判決を支持し、木村容疑者の控訴を棄却した。 訴訟記録によると、木村容疑者は昨年の参院選に立候補しようとしたが、公職選挙法が定める被選挙権年齢(30歳以上)に達しておらず、必要な供託金も用意できなかったために実現しなかったとし、精神的苦痛を受けたと主張した。 木村容疑者はこの訴訟で、現行の選挙制度について「立候補が抑制されるから、従って投票行為が抑制される」「国民の信任を得ずとも統一教会などの組織票で当選し、国民に損害を与え続けている」などと持論を展開。安倍晋三元首相の国葬を決めた岸田政権を「世論の反対多数の中で強行した」と批判した。 木村容疑者を巡っては、事件当時の精神状態を調べるため、和歌山簡裁が19日、9月1日までの約3カ月間の鑑定留置を認める決定を出した。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タウシュベツ川橋梁の劣化加速 「幻の橋」、ついに朽ち果てるのか
中沢滋人2023年5月25日 8時30分 ダム湖の水位変化で見え隠れするため、「幻の橋」と呼ばれる北海道上士幌町の旧国鉄士幌線「タウシュベツ川橋梁(きょうりょう)」。大自然の中で朽ちていく古代遺跡のようなたたずまいが、観光客を引きつける。その橋に、今春、比較的大きな壁の崩落が3カ所で確認された。「11連アーチがつながって見られるのも今年が最後」と言われて久しいが、地元関係者は、いよいよ「その時」の近さを感じている。 NPO法人「ひがし大雪自然ガイドセンター」の河田充代表(63)によると、今年の4月、林道開通直前に、計3カ所の壁面が大規模に崩れているのが確認されたという。山側から見て、左から1番目と7番目の橋脚上部、湖側から見て右から5番目の橋脚上部が今年崩れた場所だ。コンクリート片は2~4メートルの大きさだった。 5月10日、ガイドセンターの現地ツアーに参加した。通行制限がかかっている林道を通り、糠平湖の湖畔に出ると、古代ローマの水道橋遺跡のような構造物がたたずむ。 山側から見ると、10本ある橋脚のうち、6カ所の上部がV字状に大きく崩れ、下にコンクリート壁や内部の石が積み重なっている。 11連のアーチは維持しているが、かろうじて、アーチ曲線部の薄い板状のコンクリートだけでつながっている箇所もある。コンクリートの壁が浮き上がっている所や、至る所に走る亀裂に、「その時」が近いことを感じさせた。 この橋の壁が最初に大きく崩れたのは2003年。このときは十勝沖地震が原因だった。それ以降は17年2カ所、20年2カ所、21年1カ所と自然に崩れているが、いずれも4月に発生している。橋に染みこんだ水が、冬季に凍結して膨張するためコンクリートの劣化が進行。雪が解けた春に、強度を保つことが出来ず一気に崩れるとみられる。1カ月に3カ所も崩落したのは今年が初めてという。(中沢滋人) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
金属盗が全国で急増中 被害件数は茨城が突出、狙われる施設とは
銅やアルミニウムといった金属製の建材や備品の盗難被害が全国で急増している。中でも、被害件数が全国で突出しているのが茨城県だ。いったい、何が起きているのか。 茨城県常総市の下水処理施設は昨年4月以降、すでに6回、金属盗の被害に遭っている。アルミ製の門扉やフェンスが盗まれ、現在も修理が手つかずの状態だ。 「これからも同様の被害を受ける可能性はゼロではなく、どう修復するべきか、まだ決まっていない」。施設を管理する常総市下水道課の担当者は、こう嘆く。 6回目の被害は、今年3月。朝、出勤した職員が気づいた。 高さ140センチのアルミ棒が柵状に連なり、敷地を取り囲んでいたフェンスのうち約480本が外されていた。車の出入りを制限するための門扉も、工具などで取り外されていた。 防カメ設置も相次ぐ被害 同課によると、施設では昨年4月~今年1月にも計5回、同様の被害があり、アルミ棒計600本以上が盗まれた。昨年11月に約60万円をかけてフェンスを修復し、今年1月には警察の協力で防犯カメラなどを設置したが、その後も被害に遭った。 施設は田んぼに囲まれて街灯が少なく、常在している職員もおらず、警戒を続けるのが難しいという。 動きがあったのは、今年5月。常総市内のバイク塗装業の男が、3月に施設から門扉やフェンスを盗んだ疑いで県警に逮捕された。「買い取り業者に被害品の門扉を持ち込んだことが端緒になった」と警察は常総市に説明したという。 名古屋でも、佐賀でも 同様に、金属製の建材や備品が盗まれる被害は全国的に相次いでいる。名古屋市の太陽光発電施設では今年1月、電線計約3100メートルが盗難被害に遭った。佐賀県内の各地でも、道路の側溝に設置している鉄製のふた(グレーチング)が計80枚以上盗まれる被害が2月までにあった。 盗まれる金属の種類はアルミや銅線、鉄など多岐にわたる。 アルミに関しては、世界的に価格が高騰していることが影響していそうだ。 昨年2月のロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、同月の金属価格の主要指標を扱うロンドン金属取引所(LME)で、アルミニウムの先物価格が13年半ぶりに最高値を更新。ロシアがアルミの生産大国のためだ。 現在はLMEの価格は下落傾向にあるが、金属買い取りをする東京都内のリサイクル業者によると、数年前には1キロ100円以下~100円台前半だったアルミ缶の買い取り価格は、現在は160円台と依然、高値の影響が続いているという。 2年間で被害倍増 金属盗の被害が後を絶たないことを受けて、警察庁は2020年から、被害件数の集計を始めた。同庁によると、20年は全国で5478件の被害が確認されたが、2年後の22年は1万368件に上り、2倍近くにまで急増している。 中でも茨城県内の被害は全国最多で1632件(15・7%)。2番目の埼玉のほぼ2倍の件数だった。 なぜ、茨城が狙われるのか。 県警によると、県内では太陽… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビジョン見えず 新たなヒロシマ生まないためには ICAN事務局長
被爆地・広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)が閉幕しました。主要なテーマの一つとして「核兵器のない世界」が議論されました。その道筋は見えたのか。さまざまな分野の方々に振り返っていただきます。 ◇ G7首脳が出した核軍縮に関する「広島ビジョン」は、期待していなかったにせよ残念な内容だった。ウクライナで核兵器が使われるリスクについて十分に認識しているとは言えないし、核兵器による威嚇や使用についてしっかりと非難していない。 核の緊張が高まるなか、岸田文雄首相が広島でG7サミットを開いたのは良い取り組みだった。G7首脳が平和記念資料館を訪問し、被爆者に会ったのも適切だったと思う。残念なのは資料館での滞在が30~40分と短かったことだ。被爆者と十分なやりとりができたのか、実態を知る時間があったのかどうか。核兵器の衝撃について十分理解せずに資料館を去ることなどできないはずだ。 非常に問題かつ残念なのは、被爆者に会った後に、核兵器の防衛目的の役割に言及していることだ。核兵器の使用は、防衛目的であろうと新たなヒロシマを生み出すことになる。首脳たちが出した文書は「ビジョン」と題されているが、新しい具体的なビジョン(展望)は見えない。包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効を求めているが、条約の採択以来、30年近く続いている要求で新しいものとは言えない。 ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の核の脅威、中国の弾頭数増加などはどれも非難されるべきものだが、G7首脳は他国を名指しで批判するだけでなく、核軍縮に関して指導力を発揮し、責任ある行動を取るなどの基準を自らに課すべきだ。そうしたものは文書から読み取れない。 核の使用を防ぐために有効な… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いじめ認定まで18年、報告書が指摘した市教委の「つじつま合わせ」
小学校で起きたいじめを、18年かかって教育委員会が認めた。教委はさらに、この間続けてきた隠蔽(いんぺい)についても初めて認めた。「認めて当たり前のもの。18年間、なぜ認められなかったのか」。社会人になった当時小学5年生だった男性は憤りを隠さない。 18年越しの謝罪、どうして 神戸市教育委員会の第三者委員会が、2005~06年のいじめとその後の対応について、学校や市教委の対応を厳しく批判する調査報告書をまとめました。市教委は長年続けてきた説明を翻し、謝罪する異例の展開に。なぜ問題はここまでこじれ続けたのか。11日に公表された調査報告書から振り返ります。後段の年表では問題の経緯と、第三者委の意見を紹介しています。 神戸市教育委員会の第三者委員会が、2005~06年のいじめとその後の対応について、学校や教委の対応を厳しく批判する調査報告書をまとめた。教委は長年続けてきた説明を翻し、謝罪する異例の展開に。なぜ問題はここまでこじれ続けたのか。11日に公表された調査報告書をもとに振り返る。(小川聡仁) 「いじめの認定までに約18年の年月を要してしまった。あまりに消極的な姿勢であったといわざるをえず、もっと徹底した調査を行うべきだった」。19日の神戸市議会教育こども委員会。市教委の長田淳教育長は厳しい表情で頭を下げた。 神戸市立小学校で05~06年、小学5年の男児が同級生から暴行や金銭の要求を受けた。大阪高裁は09年、暴行などをいじめと認め、加害者側に慰謝料の支払いを命じた。しかし市教委側はそれ以降も「いじめの可能性が高いが断定はできない」という立場をとってきた。被害者側は「いじめの存在を隠蔽された」と訴えたが、市はそれも否定していた。 翻った見解 問題について調べていた第三者委の調査報告書は今月11日、改めていじめを認定。これを受け市教委は、いじめがあったことを初めて明確に認めた。報告書はまた、当時の記録を被害者側が情報公開請求したものの、市教委が隠蔽していたと指摘。市教委は19日の市議会で、この指摘を受け入れる姿勢を初めて示した。報告書に沿うかたちで、これまでの見解を次々に翻したことになる。 報告書は、学校や市教委の対応を厳しく批判した。そのひとつは初期対応のまずさだ。 学校の対応、「場当たり的」 いじめが発覚した当初、学校と市教委は「いじめがあった」と認識していたが、その後説明を変え、「いじめであるか判断できない」という主張を続けるようになった。 この経緯について報告書は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
35年ぶりに千葉市で絶滅したとされるキツネを発見? NPOが撮影
千葉市の製造・流通団地予定地に絶滅生物のキツネが生息? 千葉市緑区の谷地にある田んぼ「谷津田」で、NPO法人が市の消息不明・絶滅生物に選定されているキツネとみられる動物を確認した。この地域は環境省の「生物多様性保存上重要な里地里山(重要里地里山)」にも選ばれているが開発などの規制はないため、周辺の山林では工業・流通団地の造成が計画されている。 生息を確認したのは、同市緑区下大和田町にある谷津田の保全活動をしているNPO法人ちば環境情報センター。外来種のアライグマ駆除のため監視カメラを設置し、昨年末以降にキツネとみられる動物を複数回、撮影した。 同法人が千葉県立中央博物館と県生物多様性センターに動画を分析してもらったところ、耳や尾の特徴からアカギツネとみられると回答があった。アカギツネは北半球に広く分布し、その亜種であるホンドギツネの可能性が高いという。 キツネは草原を好み、県内では船橋市、白井市、印西市にまたがる千葉ニュータウン内で生息の報告例があるが、都市部では戦後から姿が見られなくなった。県は重要保護生物に指定し、千葉市で確認されたのは1988年が最後で、市レッドリストで消息不明・絶滅生物に選定している。 同法人は97年からこの谷津田で自然体験や観察会を開催。周辺は昔ながらの小川が残り、山林と農地が一体となった自然が維持されている。環境省の「重要里地里山」にも選定され、キツネのほか、消息不明・絶滅生物に選定されているアナグマ(最終確認は84年)も今回撮影された。 周辺で製造・流通団地の開発計画 一方で、谷津田を含めた周辺… この記事は有料記事です。残り568文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校入試の内申点は不登校生徒の「足かせ」 不問枠設置求め署名提出
公立高校の受験の調査書(内申書)が、不登校やその傾向がある子どもにとっては「足かせ」となり、不利に働くことがあるのではないか。そんな問題意識を持った市民らが高校入試に「内申書のいらない選抜枠の設置」を求める署名を集めて、22日に長野県教育委員会へ提出した。 「すべての生徒に、有利不利を生じさせない選抜を実施している」と説明する県教委に対し、市民らは「現状の選抜過程には見えづらい部分がある」と訴えている。 中心になって署名を集めたのは、茅野市の村上陽一さん(51)。妻朱夏さんと2人で学習塾とフリースクールを経営している。 2人の知る子どもたちの中には中学3年になった途端に調子を崩したり不登校になったりするケースがあった。内申書の存在が重圧となり、学校に通いづらくなっている子どもたちもいると感じてきた。 現在、県立高校の選抜で用いられる内申書には中学1年時からの必修教科(9科目)や出欠、部活動、生徒会活動などに関する記録が記入される。とりわけ一般入試(後期選抜)の選抜基準に使われる「教科の成績」は、中学3年時の必修教科の評定が用いられる。 画一的な評価が子どもたちの「壁」になる 教育現場では障害の有無にか… この記事は有料記事です。残り812文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マイナカードひもづけ口座を誤登録 「ログアウトせず」が原因か
白石昌幸2023年5月24日 21時00分 大分市は24日、国からの給付金を受け取るための預貯金口座をマイナンバーとひもづける制度で、別人の口座を誤って登録した事例が2件あったと発表した。誤入金などは確認されていないという。市が開設している「マイナポイント申込支援窓口」で、市が委託した業者が住民を支援した際にミスがあったとしている。 市民課によると、口座の誤登録は2件とも、同市鶴崎支所の支援窓口に市民が訪問し、申し込み手続きをした際に発生していた。1回目の来庁時に、マイナンバーカードを健康保険証として利用する手続きとマイナポイントの申し込みをして退庁。2回目の来庁時に公金受取口座の登録をしようとしたところ、すでに別人の口座が登録されていたという。いずれも昨年11月に発覚し、その時点で口座情報を修正し当事者に謝罪したという。 委託業者の支援員がパソコンなどでマイナポイント登録を支援する際に、申込者本人か支援員がログアウトをしないまま次の申込者の操作をしたことなどが原因とみられるという。 23日、デジタル庁が福島市で同様の事案4件、ほかにも5自治体で7件が確認されていると発表。そのうち2件が大分市の事例だったことから、24日に発表したという。 市は再発防止策として、①手続き終了後は必ずログアウトしたことを確認したうえで、次の利用者を窓口に案内②手続き終了後、口座情報の登録内容に誤りがないかを利用者、支援員ともに再度確認する――を徹底するという。問い合わせは市民課(097・537・7298)へ。(白石昌幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル