吉田博行2023年5月17日 8時30分 4月9日投開票の徳島県知事選をめぐる公職選挙法違反事件で、徳島県美馬市議の藤野克彦容疑者(46)が同法違反(現金買収、事前運動)容疑で逮捕されて以降、同容疑者が移動販売車を運行していた同市木屋平(こやだいら)地区の住民から、「買い物難民」になることを心配する電話が市役所に相次いでいることがわかった。同市は運営会社と販売再開に向けて交渉するなど、対応を続けている。 山間部の木屋平地区は3月1日現在の人口が460人、65歳以上の高齢化率68%の限界集落。 市によると、木屋平地区にはスーパーがない。大手コンビニエンスストアの移動販売車が地区を巡回したこともあったが、3年前に撤退。2020年8月から、市が運営費などの一部を補助し、全国で移動スーパーを運営する「とくし丸」(徳島市)が移動販売車を運行している。 藤野容疑者は当初から「とくし丸」の販売パートナーを務め、自ら軽トラックを運転して同地区を週2回訪問。顧客の多くは高齢者で、食料品や総菜、日用品を届けていたという。 藤野容疑者が4月25日に逮捕された後、市には、買い物に困った住民から「この先どうなるのか」と心配する電話が数件寄せられた。調べたところ、木屋平地区で運行していた「とくし丸」の運行はストップしていた。 市は「とくし丸」の運営会社と交渉し、6月からの運行再開に向けて準備を進めているという。市の担当者は「早急に再開できるように対応したい」と話す。地元関係者は取材に「急に事件が起きて『買い物ができなくて困った』と話すお年寄りもいる」と明かした。知事選をめぐる公職選挙法違反事件が、人口減少社会の問題点を浮き彫りにした形になっている。(吉田博行) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本生まれでも強制送還の不安 入管法審議「児童の利益」どうなる?
ペルーから不正に入国した両親のもと、日本で生まれた女性(21)が大学4年生になった。就職活動をしようにも、そもそも在留資格がない。国外退去を求められているが、スペイン語をほとんど話せない。国会で審議中の入管難民法改正案は、こうした子どもたちの保護が焦点の一つだ。女性は複雑な思いで、その行方を見つめている。 女性は大阪府在住。日本で生まれ育ち、ペルーには行ったことがない。「帰れと言われても、日本を出たことがない」。両親が1990年代、日系人を装ったパスポートで入国し、工場などで働く中で生まれた。19歳の弟がいる。 中学3年生の時、父親がペルーに強制送還された。入管職員は残された家族3人にも「荷物をまとめて帰りなさい」と告げたという。 中学では部活動で吹奏楽に打ち込んでいた。「困ります。定期演奏会があるんです」。女性はそう言うのが精いっぱいだった。その場にいた支援者は「生まれながらに存在を否定されている子どもの叫びだった」と振り返る。 日本も批准する子どもの権利… この記事は有料記事です。残り909文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
猪苗代ボート事故 誤報をめぐり共同通信など報道2社と被告が和解
福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、小学生の男児ら3人がモーターボートに衝突され死傷した事故で、業務上過失致死傷に問われた元会社社長の佐藤剛被告(45)=一審有罪、控訴=が報道で名誉を傷つけられたとして、記事を配信した共同通信社と、掲載した福島民報社を相手に計約3300万円の損害賠償などを求めた訴訟は16日、福島地裁で和解が成立した。 共同通信社によると、和解条… この記事は有料記事です。残り502文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
防カメが捉えた「黒ずくめの男」 リレー捜査の先は中学の先生だった
東京都江戸川区の住宅で2月、住人の男性が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕されたのは特別支援学級を担当する同区立中学教諭だった。発生当初、事件かどうかの見極めが続くなかで、捜査を動かしたのは防犯カメラに映った「黒ずくめの男」の存在だった。 17日で逮捕から1週間。捜査関係者への取材で事件の経緯をたどる。 刃物の柄、握りしめ 2月24日午後6時半ごろ。都営新宿線一之江駅から約300メートル離れた住宅街にある住宅で、住民で契約社員の山岸正文さん(当時63)が倒れているのが見つかった。1階の階段下でコートを着たまま。仰向けで頭部や首に切り傷が10カ所以上あった。ペティナイフのような刃物の柄の部分を握りしめていた。 自殺か、他殺か。警視庁は捜査を始めた。 体の傷を詳しく調べたところ、自らナイフで付けたとしては部位や向きが不自然だった。周囲の下水道などを捜したが、手に握った刃物の刃の部分は見つからなかった。山岸さんは食料品を購入して帰宅していた。 一方で、山岸さんの周辺にはトラブルの情報はなく、現場には誰かが窓ガラスを割って侵入したり、室内を大きく荒らしたりしたような形跡もなかった。捜査員の中には「第三者の犯行の線は薄い」との声もあった。 様々な可能性をにらんだ基礎的な捜査が続いた。そして発生から約3週間後、捜査員に具体的な動きが見え始める。 「この人物、見かけませんでしたか」 警視庁が山岸さん宅周辺の防犯カメラの捜査を続けたところ、事件前後に山岸さん宅を訪れたとみられる1人の男の存在が浮上した。 「この人物を見かけませんでしたか」。山岸さん宅の近くに住む女性は3月中旬、捜査員から1枚の写真を見せられた。黒い上下にフードをかぶり、マスクと手袋を着けた男の姿。警視庁が「不審人物」とみる防犯カメラの画像だった。 警視庁はこの「黒ずくめの男」の動きを、複数の防犯カメラの映像をつないでいく「リレー方式」で追った。山岸さん宅に入ったとみられる男は、出た後はジーンズのようなズボン姿に変わっていたが、その姿の映像を追っていくと、山岸さん方から3キロ余り離れた江東区内の住宅街にたどり着いた。 捜査員はその住宅街で聞き込みを重ねた。その中で1人の男が、自ら「山岸さん方に行ったことがある」と話し始めた。山岸さん方から約170メートル離れた中学の教諭である尾本幸祐容疑者(36)だった。 自ら話し始めた男 「1月下旬に勤務先の学校か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
迷惑行為の多発で「憩いの場」閉鎖に…逮捕者も 市長「恥ずかしい」
原知恵子 古畑航希2023年5月17日 7時00分 「市民の憩いの場」として設けられた一角が、閉鎖される事態が1カ月以上続いている。札幌中心部に広がる地下空間だ。迷惑行為の多発が理由で、逮捕者も出ている。 「終日閉鎖」 5月12日、札幌中心部にある市営地下鉄「大通駅」のコンコースの一角は、この日もベルトパーティションで囲まれていた。内側には四つのテーブルやイスが備えられているようだが、全てカーテンで覆われている。 大通駅は3路線が乗り入れ、「時計台」「テレビ塔」の名所も近い交通の要所だ。閉鎖の一角は、休憩や待ち合わせができる「憩いの場」として2015年に誕生したが、ここ最近は付近で迷惑行為が相次ぐようになった。▽大声で騒ぐ▽通行人に声をかける▽喫煙といったものだ。 市によると、昨年12月下旬から今年3月の間、駅の係員が対応したのは200件。車いすの乗降補助などほかの駅業務にも支障がでていることから、市は4月4日から「当面の間、休憩スペースの一部を閉鎖する」と決断した。秋元克広市長は4月12日の会見で「迷惑行為は札幌にとってとても恥ずかしいこと。やめていただく前提で、早く開放させていただくことが重要」などと語った。 ただ、その後もトラブルは絶えず、4月下旬には付近でナタを持った男(26)=15日、器物損壊などの容疑で再逮捕=が暴れ、ベンチを壊す事件も起きた。 駅を利用する人からは「トラブルが起きる以上、閉鎖は仕方がない」「迷惑行為に憤りを感じる」といった声があがっている。(原知恵子、古畑航希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旅行支援事業で不正請求530万円 日本旅行 虚偽の人件費を報告
2023年5月16日 20時30分 旅行大手の日本旅行は16日、愛知県の全国旅行支援事業「いいじゃん、あいち旅キャンペーン」の業務で、人件費計約530万円を県に不正請求していたと発表した。勤務実態がないスタッフの出退勤記録簿などを作成し、虚偽報告をしていたという。 同社によると、愛知法人営業部長は2022年7月~23年4月、宿泊料金の割引に関連した書類などを審査する業務で、延べ163人分の出退勤記録簿や日報について部下に虚偽記載を指示し、人件費を不正請求した。病欠などで出勤できなかったスタッフの代わりに、補充要員として同営業部社員の名前を勤務表に記入させたが、実際は働かせていなかったという。 社内調査に対し愛知法人営業部長は「指定された人員を確保しなければいけないと考えた」と話しているという。5月10日、県から「不正の疑いがある」と連絡があり、社内の調査で発覚した。業務はJTBが県から受注し、日本旅行に再委託していた。同社はほかにも38都道府県で同様の業務を請け負っており、さらに調査を続ける。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「市民がするスポーツは削られた」 神宮外苑の再開発、識者に聞く
有料記事 聞き手・照屋健2023年5月16日 20時30分 長い歴史を持つ明治神宮外苑地区で再開発事業が始まった。 神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えた上で建て直し、高さ200メートル近いビルを2棟建てる大規模な計画だ。事業者側はスポーツを生かしたにぎわいの拠点作りを目指しているが、再開発への反対意見も聞かれる。 スポーツ施設をいかした街づくりはどうあるべきなのか。一橋大大学院社会学研究科(スポーツ社会学)の鈴木直文教授に聞いた。 ――構想が明らかになった当初から「東京のど真ん中のオアシスは、高層ビルが立ち並ぶ巨大な商業地区に変わっていくだろう」と指摘していました。 「事業を進めるディベロッパーさんは『街づくり』というかもしれませんが、基本的には『お金もうけ』なのは明らかです。市民がお金を使わなくてもくつろげた空間を、どう変えるか。計画から読み解かなければなりません」 「例えば、神宮第2球場を取り壊す計画です。土地の収益構造を考えれば、野球場のように広いスペースを使うスポーツ施設はものすごく効率が悪い。収益性の高い高層ビルのような施設を建てることは、民間企業なら当然の発想でしょう」 ――どんな影響がありますか。 「神宮外苑地区は市民が気軽… この記事は有料記事です。残り1906文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
路肩に停車中のバスと大型トラックが衝突、3人死亡 宮城の東北道
2023年5月17日 4時15分(2023年5月17日 4時18分更新) 16日午後8時15分ごろ、宮城県栗原市若柳有賀の東北道の下り線で、バスと大型トラックが衝突する事故があった。県警によると、男性2人、女性1人がいずれも全身打撲などで死亡した。トラックを運転していた男性も頭に重傷を負った。 県警高速隊によると、路肩に停車していたバスの後方にいた3人にトラックが衝突した。バスには30人以上が乗っていたという。 消防によると、亡くなった女性は50代で、男性はいずれも20代。男性2人は外国籍とみられるという。 東日本高速道路(NEXCO東日本)によると、この事故のため、若柳金成インターチェンジ(IC)と岩手県の一関IC間の下り線が16日午後11時半現在、通行止めになっている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ハリポタ」開業あと1カ月 「としまえん」の雰囲気残し、駅も新装
【動画】西武鉄道の豊島園駅がハリー・ポッターの世界観をイメージしてリニューアルした=中井なつみ撮影 東京都練馬区の遊園地「としまえん」跡地で建設が進む「ハリー・ポッター」をテーマにしたエンターテインメント施設は、16日で開業までちょうど1カ月。最寄り駅となる西武鉄道の豊島園駅ではこの日、駅舎リニューアル工事の完成記念イベントが開かれた。 西武鉄道は「駅周辺もハリー・ポッターの世界観が感じられる場所にしたい」と、1年前から工事を進めてきた。 装いを新たにした駅舎は、ハリポタの作中に登場する駅をイメージし、赤を基調とした色合いに統一。一方で、90年以上にわたって地域に親しまれた「としまえん」の歴史も感じられる場所にと、園内で使われていたベンチや電話ボックスなどをオブジェとして飾る工夫も凝らした。 記念イベントでは、施設の開… この記事は有料記事です。残り447文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国41地点で真夏日 17日は前橋で今年初の猛暑日予想も
強い日差しの中、信号を待つ人たち=2023年5月16日午後2時27分、東京都渋谷区、伊藤進之介撮影 [PR] 全国的に高気圧に覆われた16日、広い範囲で晴れて気温が上昇し、290以上の観測地点で今年の最高気温を更新した。気象庁によると、宮崎県美郷町で32・1度、三重県桑名市や高知県四万十市などで31・3度となるなど41地点で30度以上となる真夏日となった。 午後6時までに東京都心で27・5度、大阪府枚方市で28・2度、名古屋市千種区で29・2度、福岡市中央区で30・7度を観測。6月中旬から7月中旬の陽気だった。 17日も引き続き南から高気圧が広がり、北日本と東日本の太平洋側を中心に気温が上がる見込み。前橋市で36度と今年初の猛暑日(35度以上)の予想で、東京都心でも真夏日となりそうだ。岐阜市は34度、福島市や京都府舞鶴市で33度の予報だ。寒暖の差が激しくなっており、熱中症への注意も必要だ。(宮野拓也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル