こども家庭庁は12日、「罰を与える」「脅迫的な言葉がけ」といった「不適切な保育」について、実際に市町村が確認したケースが昨年4~12月、全国の認可保育所で914件あったと発表した。うち「虐待」と認定したケースは90件あった。国主体の実態調査は初めて。 静岡県裾野市で昨年発生した、保育士による暴行事件を受け、国として実態調査に乗り出した。 「罰を与える・乱暴な関わり」など五つの類型を不適切な保育と定義した。その結果、全国の市町村が「不適切な保育が疑われる」として事実確認をしたのは1492件あり、うち914件が認定された。 一方、自治体を通じて2万2720の認可保育所に不適切な保育の件数を尋ねたところ、計1万9603件の回答があった。ただ、0件と回答した保育所が73%、1~5件を合わせると90%。0・4%の施設の不適切な保育の回答件数が全体の約4割を占め、件数に大きなばらつきが出た。同庁は「不適切な保育の捉え方によって、回答に相当ばらつきが出ている」としている。(高橋健次郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「優しい先生」と逮捕の落差、生徒の心に変化の恐れ ケアの注意点は
有料記事 佐野楓 宮脇稜平 福岡龍一郎 前田健汰2023年5月12日 5時00分 東京都江戸川区の住宅で2月に住人を殺害したとして、中学校教諭尾本幸祐容疑者(36)が逮捕された事件で、勤務先の江戸川区立松江第五中学校が11日、緊急の保護者会を開いた。 保護者会はこの日午後7時から同校で開かれた。出席した保護者らによると、冒頭で校長が「ご心配をおかけしておわびします」と謝罪した。保護者からは「子どもに寄り添い、声を聞く場を設けてほしい」などの要望や、今後の学校行事についての質問があったという。 学校で説明会 「優しくて楽しい先生が」 説明会に参加した30代の女性は「子どもとの向き合い方に不安がある」と話した。中学2年の長男は逮捕前日、尾本容疑者と一緒に体育の授業を受けたという。長男は「優しくて楽しい先生だったのに」と驚いていたという。 娘が通う40代の男性は、今後について「学校に任せるしかない」と話した。 長女が特別支援学級に通う50代の男性は「娘とはまだ少ししか話していないが、状況を見極めて、心のケアをしていきたい」と心配そうに話す。下校時間に娘を迎えにきた母親(45)は「明るくて感じがいい先生だったから、娘のショックも大きいと思う。しばらくは登下校を見守りたい」と話した。 区教育委員会は事件を受け、心理士4人を追加で派遣。「不安や心配なことがあれば遠慮なく先生に」と呼びかけたところ、尾本容疑者が担当していた特別支援学級の生徒数人から申し出があったという。 ケアはどのような点に注意すればいいのか。 集中力などに影響も スクールカウンセラーの経験… この記事は有料記事です。残り377文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ここにいてもまた地震に」震度6強で壊れた家、苦しむ高齢化のまち
有料記事 大滝哲彰 朝倉義統 山田健悟2023年5月12日 5時00分 石川県能登地方を震源とする地震が起き、珠洲(すず)市で震度6強を観測してから12日で1週間。揺れはいつ終わるともしれず、過疎地の高齢者は壊れた家をどうするか苦しい決断を迫られている。 11日、珠洲市内では一般のボランティアの受け付けが始まり、家のがれきの撤去などが本格化した。県によると、珠洲市内の住宅被害は11日時点で全壊15棟、半壊13棟を含む628棟に上る。 被害が大きい正院地区の男性(79)は親戚宅に身を寄せながら、応急危険度判定で「危険」とされた自宅の片付けを妻(77)と続ける。「もうこの家はだめだ」。ねじれた柱や床の傷を見るたび、そんな思いになる。 近所の家が倒壊「次はうちか」 市内では2020年12月ご… この記事は有料記事です。残り995文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
過疎地の家屋に「減築」のすすめ 震度6強の地震、専門家の見方
石川県能登地方を最大震度6強の揺れが襲った地震から、12日で1週間。過疎地で起きた今回の地震を専門家はどう見るか。どんな備えが有効か。近畿大の安藤尚一教授(減災学)に聞いた。 今回は2階の重みを柱が支えきれず、1階部分が押しつぶされたような家屋の被害が見られた。被害が大きかった石川県珠洲市も含め、地方には、戦後の資材不足の時代に建てられた柱の細い家が少なくない。 一方で、高齢者が、後継者がいない家屋を建て替えたり、大がかりな改修を加えたりすることは期待しにくい。 手立てはある。瓦を鋼板やス… この記事は有料記事です。残り318文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
認知症につけこんで訪問販売契約 新電力など3社に業務停止命令
寺田実穂子2023年5月11日 21時00分 認知症で判断力が低下した高齢者に電気やガスの契約をさせたとして、消費者庁は11日、訪問販売を行っていた新電力会社など3社に対し、特定商取引法違反で6カ月の業務停止命令を出し、発表した。 3社は、CDエナジーダイレクト(東京都中央区)、3Backs(渋谷区)、ライフデザイン(同区桜丘町)。中部電力と大阪ガスが合同で出資して設立したCDエナジーダイレクトは、2社に営業を委託し、首都圏で訪問販売を行っていた。 消費者庁によると、3社は共同して、遅くとも2021年9月以降、アルツハイマー型認知症の診断を受けている高齢者の自宅を訪問し、判断力が不足していることにつけこんで契約させた。家族などの周囲の人が、従来の契約先からCDエナジーダイレクトに切り替わっていたことに気づいたという。 また、訪問販売時に勧誘目的であることを告げなかったり、相手が断っているのに再勧誘したりもした。 消費者庁によると、全国の消費生活センターなどには、CDエナジーダイレクトに関する相談が2020年度からの3年間で295件寄せられているという。 同社はホームページ上で、「不適切な営業行為の発生原因を検証するとともに再発防止策を策定し、順次実施しております」などとするコメントを掲載した。(寺田実穂子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教諭逮捕の殺人事件、被害者宅3階から土足痕 帰宅直後に襲われたか
東京都江戸川区の住宅で2月に住人の男性を殺害したとして、同区立中学校教諭の尾本幸祐容疑者(36)=東京都江東区=が殺人容疑で逮捕された事件で、男性が帰宅直後に襲われた可能性が高いことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は11日、尾本容疑者の勤務先の中学校を家宅捜索した。 捜査関係者によると、殺害された契約社員の山岸正文さん(当時63)の自宅から約300メートル離れたスーパーの防犯カメラを調べたところ、山岸さんが事件直前の午後6時台に買い物をする様子が映っていた。山岸さんは発見時、玄関付近でコートを着たまま仰向けに倒れていたという。警視庁は、山岸さんはスーパーから自宅に戻った直後に襲われたとみている。 山岸さん宅は3階建てで、3階部分から土足の跡が見つかり、尾本容疑者が所有するスニーカーのものと同型だったという。足跡は事件よりも前についたものとみられ、同庁は事件前にも侵入した可能性があるとみている。 ■事件前後、服が変わる 傷は… この記事は有料記事です。残り320文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ事務所「見解は週末に伝える」 性被害調査求める署名受領
2023年5月11日 21時09分 大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年に死去)から、所属タレントが性被害を受けていた疑いが浮上している問題をめぐり、ファンらでつくる団体が11日、第三者による検証・調査などを求める署名を事務所に提出したと発表した。 ジャニーズ事務所は同日、朝日新聞の取材に「署名を受領したのは事実でございます。事務所の見解及び対応につきましては、今週末公式にお伝えさせていただきます」と回答した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界初「魔法省」が練馬区に出現 ハリポタ施設、6月16日オープン
滝沢貴大2023年5月11日 21時42分 東京都練馬区の遊園地「としまえん」跡地で建設が進む「ハリー・ポッター」がテーマのエンターテインメント施設で、作中に登場する「魔法省」のセットが完成し、11日に記念イベントが開かれた。ハリポタがテーマの施設はロンドンに続き世界2カ所目だが、魔法省のセットが再現されるのは初という。 「魔法省」は、同シリーズに登場する魔法使いたちを統治する省庁のようなもの。主人公ハリーたちの敵、闇の魔法使い・ヴォルデモートとの戦いの現場になるなど、作中の象徴的な場面で登場した。セットは映画撮影時に使われたものを再現し、延べ床面積900平方メートル超、高さ9メートル超と巨大。3万枚以上のタイルを用意したという。 魔法省の職員たちのオフィスや、作中にも登場した銅像を始め、魔法使いたちが移動に使う暖炉も再現。煙や照明効果により、来場者は、魔法で移動したように見える写真や動画を暖炉の中で撮ることができるという。 映画制作に携わり、施設建設にも参加するジョン・カーソップさんは同日のイベントで、「セットはこのまま映画が撮れる水準。多くの方に来ていただきたい」と話した。施設は6月16日にオープンする予定だ。(滝沢貴大) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小学校の校庭、地中に釘など544本 児童が転倒、十数針縫う大けが
東京都杉並区立荻窪小で4月、校庭を走っていた児童が転倒し、地面に打ち込まれていた釘でひざを十数針縫うけがを負っていたことがわかった。同小が調べたところ、運動会などで目印に使われた釘やフックが544本見つかった。校長は「安全確認が不十分だった。児童や保護者に申し訳ない」と話している。 同小によると、事故は4月13日に発生。児童は体育の授業の鬼ごっこ中に転倒して釘に左ひざを打ちつけ、十数針縫った。学校はその後3日間、校庭を閉鎖して教職員全員で点検し、業者に依頼して金属探知機で2度調査。これまでに計544本の釘とフックが見つかった。同小は4月22日に臨時保護者会を開くなどし、事故の経緯や安全対策について説明したという。 同小によると、釘は長さ12・5センチ、頭の部分が直径1センチほど。運動会や体育の授業で整列したり、ダンスをしたりする際の目印の固定用に打ち込まれていた。児童がけがをした釘は、頭部の数ミリが地面から出ている状態だったという。 なぜ釘がそのまま放置? 校長「目視では…」 同小では、運動会などの後片… この記事は有料記事です。残り459文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関東大震災の虐殺に向き合うよう政府に助言を…市民がG7首脳に書簡
100年前に発生した関東大震災で多数の朝鮮人が虐殺された問題で、市民団体が近く、広島で今月開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)の参加国に対し、「虐殺の過去と向き合うように日本政府に助言してほしい」と求める書簡を送る。 「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会実行委員会」が11日、東京都内で開いた会見で説明した。同会は犠牲者を追悼するイベントを8、9月に催す。 同会の活動を支援する田中宏・一橋大名誉教授らによると、国の中央防災会議が過去の災害経緯をまとめた報告書には、1923年に起きた関東大震災の際に、「朝鮮人が放火した」との流言を信じた自警団などに朝鮮人や中国人が殺害された、と記されている。ただ歴代内閣は、虐殺の事実を認めるかについて尋ねる国会議員に「記録が見当たらないので答えは困難」と回答してきたという。 G7の参加国に送る書簡では、こうした日本政府の姿勢を説明したうえで、「歴史と誠実に向き合う重要性について、岸田文雄首相に助言してほしい」と求める。書簡は各国の大使館などに郵送する。(編集委員・北野隆一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル