独自 2023年5月6日 5時00分 和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、和歌山県警は威力業務妨害容疑で逮捕した兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)を勾留期限の6日、火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、県警が木村容疑者宅の捜索で押収した粉末が鑑定の結果、火薬と判明。原料の薬品類を調合するなどして火薬を無許可で製造した疑いで再逮捕する方針という。事件のあった演説会場で押収した筒状の物2本のうち、爆発せずに残っていた1本の内部からも、黒色火薬とみられる粉末が見つかっており、県警は製造した火薬を使って爆発物を自作したとみている。 木村容疑者は4月15日、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で開かれた衆院和歌山1区補選候補者の演説会で、首相の近くに筒状の爆発物を投げ込み、演説を妨害した容疑で現行犯逮捕された。取り調べに対して一貫して黙秘を続けているという。 捜査関係者によると、県警は、木村容疑者が昨年6月に起こした国家賠償請求訴訟の資料を自宅で押収。訴訟記録によると、公職選挙法が定める被選挙権年齢に満たず、参院選に立候補できなかったことで精神的苦痛を受けたとして提訴していた。神戸地裁に出した書面では、安倍晋三元首相の国葬を岸田政権が決めたことを批判しており、県警が動機との関連を慎重に調べている。 木村容疑者宅のパソコンには、事件前日に公表された首相の和歌山市での演説日程を閲覧した履歴があるという。県警は容疑者が首相の予定を確認した上で、準備していた爆発物を持って事件当日の朝から和歌山へ向かったとみて、捜査を進める。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光名所「見附島」の一部崩れる、住宅・鳥居も倒れる… 上空ルポ
有料記事 武田遼 田中紳顕2023年5月5日 21時06分 【動画】石川県珠洲市の被害の様子=遠藤雅彦撮影 揺れから約3時間が経った5日夕、朝日新聞社機で上空から現場を見た。日没前の午後5時58分、石川県の能登半島の突端付近から、半島の南側沿岸を西進していった。 震度6強を観測した珠洲市内… この記事は有料記事です。残り238文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特産の珠洲焼も被害、工房も作品も 作家「昨年より深刻」 能登地震
高井里佳子2023年5月5日 21時19分 5日午後2時42分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震で、震度6強を観測した同県珠洲市。同市の特産品である珠洲焼作家の小西栄一さん(72)=同市=は、自宅から7キロ先の工房に車で向かう途中で地震に遭った。 交差点で信号待ちをしていると、電線と信号機が大きく揺れるのが目に入り、追突事故にあったような衝撃を受けた。 その後、強い横揺れが10秒ほど続き、車が大きく揺さぶられた。その後もしばらく横揺れが続いたという。「昨年6月の地震の時よりも、横揺れの時間が長かった」 工房は昨年の地震で屋根瓦がずれたが、その時の2倍くらいの範囲の瓦が被害を受けていた。「これから梅雨なので雨漏りが心配」と嘆いた。 昨年の被害後、業者に頼んでも順番待ちが続き、やっと修復を終えた矢先だった。「今回はもっと待つだろうと覚悟している。ブルーシートでしのがないといけないが、余震が怖いので、しばらくは屋根に上がれない」 工房では作品の販売もしている。「昨年の地震では約150点が割れ、被害額は100万円を超えた。今回はもっと割れていて、被害額も大きいのは間違いない」と話した。(高井里佳子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名所「見附島」の近隣住民「昨年より崩れ方ひどい」 地震で一部崩落
小島弘之 山田健悟 堀之内健史 浅倉拓也2023年5月5日 21時28分 【動画】石川県珠洲市の被害の様子=遠藤雅彦撮影 石川県珠洲市の景勝地「見附島(みつけじま)」には、地震によって崩落したとみられる土砂が積もっていた。昨年6月に同市を襲った最大震度6弱の地震でも斜面の一部が崩落して話題になった。5日夕方、近くに住む男性(81)は見附島を見つめて「前回の地震よりも崩れ方がひどい」と話していた。 見附島に家族4人で来ていた埼玉県の40代の男性会社員は、石川県輪島市の棚田周辺を運転中に地震に遭った。「橋の上にいると思うほどの揺れだった」。その後、日本海側を通って珠洲市に向かったが、トンネルで岩が崩落していたり、交通規制がかかっていたりして、「やばい地震かもしれない」と感じたという。 見附島のそばのすし屋「幸ずし」では、昼の営業を終えた直後に揺れが襲った。店内には店主の脇田賢さん(53)と従業員2人、客が1人いた。 脇田さんによると、最近経験したどの揺れよりも大きな揺れで、「店が壊れるかも」と思い、すぐに全員で外に避難した。店に戻ると、100個を超える茶わんや焼酎瓶が床に落ちて割れていた。 店の客は観光客が中心。今年の大型連休はコロナ下での最近に比べ、客の入りはよかった。明日以降も営業を続けるつもりだが、「観光への影響が心配だ」という。 見附島を一望できるホテル「のとじ荘」は、この日は予約で満室。チェックインが増える前の時間帯の発生だったため宿泊客は少なく、施設に大きな被害はなかったが、営業を心配する電話はあった。松村京子支配人は「施設に大きな被害はなく、お客さまの受け入れに支障はないのでほっとしている。ただ、余震があるかと思うと怖い」と話した。(小島弘之、山田健悟、堀之内健史、浅倉拓也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遺児らヤクルトのサヨナラ勝ちに「奇跡」 警視庁が心のケアで招待
岩田恵実2023年5月5日 21時30分 こどもの日の5日、事件や事故で家族を亡くした子どもたちにプロ野球観戦を楽しんでもらおうと、ヤクルト球団と警視庁などが遺児やその家族ら計28人を明治神宮野球場(東京都新宿区)で行われたヤクルト―DeNA戦に招待した。同球団が遺児らを試合に招待するのは4回目で、同庁から感謝状が贈られた。 同庁は2015年から事件・事故の遺児らをスポーツ観戦やコンサートなどに招待し、心のケアに当たっている。若田英総務部長は感謝状の贈呈式で、「大変つらい経験をされた子どたちに夢と希望を持つきっかけを提供できないかと取り組んできた。様々な団体や企業の協力でこれまで以上に取り組みを進めていきたい」と話した。 この日は、ヤクルトが逆転サヨナラホームランで勝利する劇的な試合展開。父親を幼いころに交通事故で亡くした高校2年の女子生徒(16)は「すごく楽しかった。逆転ホームランは奇跡が起きたと思った」。一緒に観戦した母親(52)は「(経済的にも)色々なところに連れていってあげられないのが現状の中、ありがたい」と話した。(岩田恵実) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
石川県珠洲市で震度5強、能登町で震度5弱 津波の心配なし
2023年5月5日 22時17分 5日午後9時58分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があった。 気象庁によると、石川県珠洲(すず)市で震度5強、能登町で震度5弱を観測したほか、新潟県や富山県でも震度4を観測した。 震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・8と推定される。津波の心配はないという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR仙台駅に不審物、爆発物処理班が出動 中身や置いた人物を調査
2023年5月5日 23時04分 5日午前11時10分ごろ、仙台市宮城野区榴岡のJR仙台駅東口の通路で、清掃業者の男性が爆発物のような不審物を見つけ、近くの交番に届け出た。機動隊の爆発物処理班が出動するなど、周辺は一時騒然となった。宮城県警は不審物の中身や、現場に置いた人物などを調べている。 県警によると、不審物は長さ約40センチの鉄パイプのような形だった。先端に黒いビニールテープが巻かれ、赤いリード線のようなものがあったという。 持ち込まれた交番の周辺は約3時間にわたって規制され、午後2時30分ごろに機動隊が爆発物を回収した。防犯カメラの解析などを急いでいる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無我夢中でテーブル下に 地震で崩れた住宅から女性救出、夫「奇跡」
5日午後2時42分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震で、倒壊した自宅1階から救助された女性が同日夕、報道陣の取材に応じ、当時を語った。 同県珠洲市内でスナックを営む西村信子さん(77)。同市正院町の自宅1階の寝室で寝ていて、大きな揺れで目が覚めた。ふすまや扉が倒れかかる中、高さ50センチほどのテーブルの下に無我夢中で身を隠した。あたりが真っ暗になり、1階部分が崩れたことに気づいたという。 「どうしよう」。身動きがとれず、テーブルの下でじっと30分ほど待っていると、「信子さん」と近所に住む男性が声をかけていることに気づいた。「助かった」。中にいると伝えると、男性が消防に通報し、約1時間で無事脱出できた。病院に搬送されたが、けがはなかったという。 病院から戻り、「けががなくて良かった」と絞り出すように話すと、近所の人たちも口々に「良かった」と声をかけた。夫の一雄さん(80)は「奇跡やね」とつぶやいた。(藤野隆晃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
揺れは「車が跳びはねるぐらい」 震度6強、連休中のにぎわい直撃
震度6強の揺れが、石川県の能登半島を襲った。約1年前に震度6弱の揺れがあったばかりで、今回は犠牲者も出た。相次ぐ大地震は、新型コロナ禍から回復の兆しを見せる大型連休のにぎわいも直撃した。 「被害は去年よりもひどい」 石川県珠洲市正院町の自宅1階で寝ていた西村信子さん(77)は、強い揺れで目が覚めた。ふすまや扉が倒れ、迫ってくる。無我夢中で高さ50センチほどのテーブルの下に身を隠した。あたりが真っ暗になり、1階部分がつぶれたことに気づいた。 「どうしよう」。30分ほどして、近所の男性が「信子さん」と呼ぶのに気付いた。男性が消防に通報し、約1時間で脱出できた。「ケガがなくて良かった」と絞り出すように話し、夫の一雄さん(80)は「奇跡やね」とつぶやいた。 近くの羽黒神社では、高さ5~6メートルの鳥居が倒壊した。本殿内のこま犬や石灯籠(どうろう)も倒れ、扉のネジ式のかぎが壊れた。かぎは昨年6月の地震で壊れ、直したばかり。宮司の高山哲典さん(57)は「今回の被害は去年よりひどい」と話した。 特産品「珠洲焼」作家の小西栄一さん(72)は、車で工房に向かう途中で地震に遭った。到着すると多くの作品が割れていた。「昨年の地震では約150点が割れた。今回はもっとだ」とショックを受けていた。 昨年被害の見附島、また崩落? この日はゴールデンウィーク… この記事は有料記事です。残り906文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひきこもり、就労支援の前に必要なこと 生きてもいいと思えない人へ
大人のひきこもり当事者のサポートに向け、多くの団体や自治体は就労支援を掲げています。一方、NPO法人「ウィークタイ」(大阪府吹田市)は、「居住支援」を始めました。なぜでしょうか。 「実家で寝るよりもぐっすり眠れました」。4月中旬の朝、大阪府豊中市の民家に泊まった男性(48)は、同NPO代表理事の泉翔さん(36)にそう話した。 この民家は同NPOが当事者用のシェルターとして運営している。3部屋に計5人が寝泊まりできる。現在は試験段階で、今夏から本格的に運用を始めるという。 同NPOが開く当事者の集まりに来る人は、たいてい同居家族がいる。しかし、家族との関係が悪い人も少なくない。コロナ禍で家族の外出も控えられた。「せっかくNPOや行政の支援を受けて少し元気になっても、家に帰ると再び精神状態が悪化したケースがありました」と泉さん。 泉さんの活動の原点には、不登校だった学生時代の仲間たちの窮状がありました。記事後半では、当事者の「生きてもいいと思えないという苦しみ」について語ります 「このままだと自分が死ぬか… この記事は有料記事です。残り2157文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル