有料記事 聞き手・高井里佳子2023年5月2日 15時00分 1987年5月3日、目出し帽の男が朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)に侵入して散弾銃を放ち、29歳の小尻(こじり)知博記者を殺害しました。「赤報隊」が出した「反日朝日は五十年前にかえれ」という犯行声明に対する答えとして、朝日新聞は連載「『みる・きく・はなす』はいま」を始めました。あれから36年。元読売新聞大阪社会部の記者でジャーナリストの大谷昭宏さんは、いま起きている政治家の襲撃事件も報道と無関係とは言えないと、警句を口にします。 ――阪神支局襲撃事件が起きた87年、大谷さんは読売新聞を辞めてフリーになりました。 新聞社という一つの傘から抜け出し、生身の体一つで仕事を始めた時期でした。自由闊達(かったつ)な言論に対して撃ち込まれた銃弾に、衝撃と憤り、恐怖を感じました。 新聞社の支局は、記者と地元の人たちがふれ合う開かれた場所です。事件を機に、支局や本社の警備が強化され、報道と市民の間に距離ができてしまったのは確かだと思います。 元上司と出席した社葬、印象に残る一言 ――小尻記者の社葬にも出席されたそうですね。 読売時代の上司で、大阪社会部長も務めた黒田清さん(故人)と一緒でした。なんかえらいすすり泣いているおっさんがいるなと思ったら、黒田さんで。彼は小尻記者のことを存じ上げていなかったと思うんですけど、私以上にショックだったんでしょうね。 黒田さんとも事件について色々話しましたが、やりとりで印象に残っていることがあります。 「もし黒田さんが社会部長を… この記事は有料記事です。残り3409文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
誰でもできる「家電道」二刀流の奥義 家電おじさんが指南する方法は
有料記事 聞き手・友野賀世2023年5月2日 11時30分 大谷翔平選手の活躍で、何かと話題の二刀流。二刀流を実践するのは人間だけなのだろうか。「もの」を「二刀流」の観点からとらえると、どんなことが言えるだろうか。たとえば家電だと? 使い方での「二刀流」もありうる? 家電ライターの藤山哲人さん、どうですか? ふじやま・てつひと 1967年生まれ。雑誌やウェブで家電に関する記事を執筆・監修。愛称「家電おじさん」。ソフトウェア開発なども手がける。 リレーおぴにおん 「二刀流で行こう」 「見守り家電」と呼ばれる電化製品があります。たとえば電気ポット。お湯を沸かす電気ポット本来の役割に、見守り機能を付けたものです。日々のポットの利用状況を、あらかじめ登録したメールアドレスに通知する仕組みで、離れて暮らす高齢の親の様子を子どもがさりげなく見守ることなどが想定されています。 このように、家電はネットとつながることで、本来の役割以外も務めることができる。「二刀流」を実践していると言えるでしょう。 ネットとつながること、AIとつながることで家電は便利にもなります。たとえば料理に関し、献立を提案して調理手順を教えてくれる家電はすでに発売されています。「豚肉と豆腐とキャベツを使いたい」とオーブンレンジに相談すれば、これまでの調理内容や調理時間などの履歴を元に、メニューと手順を教えてくれるイメージです。料理を勉強したい人や、料理が得意でない人にとっては助かりますよね。 一方、料理が得意な人、料理好きな人は「この材料で何を作ろうか。どんな風に作ろうか」と考えたり、工夫したりすること自体が楽しい。家電からの献立の提案や手順説明を使うことは、ほとんどないでしょう。 技術の進歩により二刀流にも… この記事は有料記事です。残り820文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
辺野古サンゴ移植、国の是正指示めぐり沖縄県が係争委に申し立て
国吉美香2023年5月2日 11時34分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沖のサンゴをめぐり、県は1日、防衛省の移植申請を許可するよう農林水産相が県に出した是正指示を不服として、総務省の国地方係争処理委員会に審査を申し出た。 防衛省は昨年7月、埋め立て工事のためにサンゴ約8万4千群体の移植を県に申請。県はサンゴが群生する海域は地盤改良が必要な軟弱地盤で、「工事を実施することは不可能」として不許可とした。その後、防衛省の審査請求を受けた農水相は、県の不許可処分を取り消す裁決をした上で、移植を許可するよう是正指示を出していた。 防衛省による地盤改良工事のための設計変更申請は玉城デニー知事が不承認とし、軟弱地盤区域の埋め立ては進められない状況にある。対抗措置に出た国と県による法廷での争いが続いている。 国側は県が移植を不許可とした理由は成立しないと主張している。玉城知事は「是正の指示を受けるいわれは一切ない」とのコメントを出した。(国吉美香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自ヘリ、26日ぶり海上へ ネットに包まれた機体、激しく損傷
有料記事 成沢解語 小野太郎2023年5月2日 11時52分 沖縄・宮古島沖で4月6日に消息を絶った陸上自衛隊のヘリが、2日午前11時45分ごろ、民間船舶のクレーンによって引き揚げられた。機体はネットに包まれて海上に姿を現し、船上に移された。 事故から26日。引き揚げられたヘリの機体は複数に断裂し、激しく損傷している様子が見て取れた。 ヘリが沈んでいたのは、レーダー上の機影が消失した地点から北北東に約4・2キロ、水深106メートルの海底。機体の損傷の状況から、海面に横方向からたたきつけられた可能性があるとみられている。海底には他に部品が散らばっているといい、午後にも容器に収納して回収する予定だ。 現場海域を見晴らせる場所か… この記事は有料記事です。残り199文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Maholo, 10 ans, « coup de tonnerre dans le ciel bleu » du kabuki au Japon
Maholo Terajima, lors d’un cours dans une école de danse de Tokyo, le 17 avril 2023. NICOLAS DATICHE/KOGA PHOTOS POUR « M LE MAGAZINE DU MONDE » L’histoire est celle d’une revanche. Celle d’un guerrier, Iwami Jutaro, qui court le Japon à la recherche de l’assassin de son père. En chemin, il multiplie les […]
Trevor Bauer set for midweek NPB debut with BayStars
Yokohama – Former Los Angeles Dodgers star Trevor Bauer took part in his first pitching practice at Yokohama Stadium on Monday in preparation for his Nippon Professional Baseball debut with the Central League-leading Yokohama DeNA BayStars. DeNA skipper Daisuke Miura revealed the previous day that the 2020 Cy Young winner […]
「迷子なんです」 公園にパジャマの4歳児、救った女児8人の機転
まだ肌寒さの残る4月上旬のこと。病気で保育園を休んだ4歳の女の子が、母親が少し家を空けた間に姿を消した。事件・事故に巻き込まれる恐れだけでなく、体調悪化の心配もある危険な状況を救ったのは、小学3年生の女児8人組の機転だった。 新学期最初の登校日だった10日。午前で学校が終わり、稲葉優美佳さん(9)は同級生の友だち7人と、新潟市西区の近所の公園に遊びに出かけた。 午後3時ごろ、水道で靴の汚れを落としているときだった。「うえーん」という泣き声が聞こえ、声のする方に駆け寄った。出入り口付近で、パジャマ姿の女の子がうずくまって泣いていた。裸足で、おなかにカイロを貼っていた。 友だちもみんな集まってきた。「どうしたの?」と尋ねると、女の子は「迷子なの」と心細そうな様子。名前や年齢は言えても、家の場所までは説明できず、近くの駐在所に連れて行くことにした。 駐在所はパトロール中で不在だった 駐在所はパトロール中で不在だった。そこをちょうど高齢の女性が通りかかった。とっさに「この子が迷子なんです」と伝えた。女性は公衆電話から110番通報してくれた。 その頃、両親からの届け出を受け、警察が女の子を捜していた。母親が愛犬を散歩させている間に家からいなくなっていたという。女性の110番通報で駆けつけた警察官に保護され、女の子は両親と再会。稲葉さんたちに「ありがとう」とお礼を言ったという。 新潟県警は26日、稲葉さん、中野羽星(るせ)さん、頓所(とんしょ)遙乃(はるの)さん、鈴木佑奈さん、椎野千咲さん、成合(なりあい)彩夏さん、原田栞凪(かんな)さん、小林葵さんの8人に感謝状を贈った。桑山朗・新潟西署長は「大人でも見過ごしてしまうような異変に気づき、心配する気持ちを行動に移してくれた」とたたえた。 稲葉さんは「放っておいたら不審者に連れて行かれてしまうかもしれないと思った」と振り返り、「女の子にけががなくてよかったです」とほほえんだ。(宮坂知樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教え子が継いだ「最後のわしの仕事」 沖縄の本棚に託した2千冊
託されたバトン ヒロシマ・オキナワ 3(全4回) 「いのちをみつめる」。沖縄の戦跡を歩く広島の高校生と大学生のフィールドワークは、広島経済大名誉教授だった故・岡本貞雄さんの思いから始まった。 「大前提として、『戦争』『死』について真剣に考えるということです」 「当時何があったのかを本や資料で学ぶことはできますが、実際にその場所に足を運ぶことでしか感じたり、考えたり出来ないことが必ずあります」 岡本さんは昨年12月に他界したが、自身のゼミのホームページにこう書き残している。 広島学院高教諭の伊藤潤さん(50)が高校生を対象に行う「オキナワを歩くJr.」のもととなったのは、岡本さんが大学生向けに2007年に始めた「オキナワを歩く」だった。 ■沖縄への旅「ライフワーク」… この記事は有料記事です。残り834文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飯舘村へ「通い復興」 避難指示の解除進んでも、戻った住民わずか
福島県飯舘村にある特定復興再生拠点(復興拠点)の避難指示が1日に解除され、約5年前に計画された帰還困難区域の一部解除が県内6町村で完了した。戻った住民はわずかで、解除が進むにつれ厳しい現実が浮かぶ。 避難指示が約12年ぶりに解除された飯舘村長泥(ながどろ)地区。避難した住民の7割ほどが、車で40~50分の福島市に住む。「一時立ち入り」の許可をとっては頻繁に自宅を訪れ、庭の手入れなどを続ける住民が多い。 それでも宅地の周辺や田畑は雑草や樹木で覆われた。復興拠点に認定され、道路や電気、水道などの整備は進んだが、62世帯のうち約50軒が自宅を解体した。 地元の「復興組合」の組合長をしている鴫原清三(しぎはらきよみ)さん(68)は福島市に家族3人で暮らす。長泥の家は解体せず、リフォームにした。 避難指示解除の前日、新しい畳を入れた。「これで寝泊まりはできる。でも、家族もいるので福島市にいる時間のほうが長いだろう」 復興拠点がある福島県の6町村では、登録人口約1万3千人のうち戻ったのは1・2%。ただ、長泥地区の住民のように、避難先から「通い復興」をする人たちは、他の町村にもいる。 浪江町の農家、紺野宏さん(63)は、3月末に解除された同町津島地区と、避難先の同県郡山市を週末に行き来する。帰還できなくなった近所の農地を含め約50ヘクタールの草刈りなどをするためだ。「誰かが戻らないと故郷が消えてしまう」 復興拠点の整備 3200億円の大半が除染に 復興拠点から外れた帰還困難… この記事は有料記事です。残り960文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「豊穣の海」にやってくるオスプレイ 振り回されるノリ漁師の無念さ
長崎、佐賀、福岡、熊本の4県に囲まれた有明海は、「豊穣(ほうじょう)の海」と呼ばれる。 水深が平均で約20メートルしかない浅い海は広大で栄養豊富な干潟を生み、秋から春にかけて、日本一のノリ漁場が広がる。 その漁場に面した佐賀空港の隣に陸上自衛隊の駐屯地をつくり、オスプレイを配備する――。 防衛省のそんな計画が持ち上がったのは、9年前だった。 駐屯地は、かつては海だった干拓地につくられる。農地約30ヘクタールがコンクリートで固められ、ここから排水が海に流れ込めば、栄養塩などの水質が変わり、ノリ漁に影響するのではないか。 防衛省は説得のため、何度か説明会を開いたが、漁師たちの不安と反発の声は尽きなかった。 そんな漁師たちのなかで、駐屯地建設予定地の地権者の一人である古賀初次さん(74)は、反対運動の先頭に立ってきた。 母方の祖父は、ノリ養殖を地元に持ち込んだ先達だ。その誇りを胸に、半世紀にわたりノリ養殖を営み、海の恵みとともに暮らしてきた。 防衛省の説明はどうしても、納得できない。 約250人いる地権者のうち、計画に反対する「有志の会」の代表として「土地は売らない」と言い続けてきた。 相次ぐ公共工事、有明の海が変わった… 古賀さんが強く反発し続けた理由の背景にあるのが、漁師としてずっと、国による大型の公共工事に振り回されてきたことだ。 駐屯地の予定地になっている… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル