変だな、とは思った。千葉県市川市の無職男性(76)は昨年12月、スマホで一通のメールを受け取った。 「A社(大手携帯会社)よりお知らせ ご利用料金につきましてお話ししたいことがあります。本日中に050・×××・××× こちらまでご連絡下さい」 男性は1年以上前、携帯会社をA社からB社に乗り換えていた。B社はA社の子会社だから、問い合わせがあってもおかしくないのでは――。 「よくあるメールアドレスへの連絡ではなく、電話番号を指示していたので、つい連絡をしてしまった」 電話に出たのは、コバヤシと名乗る男だった。 「お電話ありがとうございます。A社お客様サポートでございます。どのようなご用件でしょうか」 ゆっくりと、丁寧な口調だった。男性の名前と生年月日を聞き取ると、コバヤシは電話を保留にした。 「お待たせしました。昨年11月、ご利用の携帯電話より総合情報サイト『ウィズ』のご登録をいただいております。1年分の未納があり、解約金などを含めて24万9600円がかかります」 心当たりはなかった。普段の1カ月の利用料は1800円。これに比べて高すぎる。 県内で5300万円詐欺被害 「これもコバヤシが?」 「そんなふざけた話はない」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特殊詐欺で得た電子マネー360万円を売買か 大阪府警、社長ら逮捕
華野優気2023年6月12日 20時00分 特殊詐欺の被害品と知りながら電子マネーを不正に売買したとして、大阪府警は12日、大阪市中央区の不動産業「トリニティ」の社長、今西利行(41)と社員の鈴木龍太(34)の両容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の仮装)容疑で逮捕し、発表した。2人とも否認しているという。 特殊詐欺捜査課によると、同社はインターネットで電子マネーの買い取りサイトを運営。2人は昨年6~7月、計360万円分の電子マネーが特殊詐欺の被害品であると知りながら依頼者に買い取りを約束し、別の業者に転売して代金を支払うなどした疑いがある。依頼者は特殊詐欺グループの関係者とみられる。 特殊詐欺の被害者は府内の40~70代の7人で、有料サイトの未払い金名目などで電子マネーを購入させられたという。同課は、両容疑者が他に計約6800万円分の電子マネーを不正に売買した可能性があるとみて調べている。(華野優気) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
船頭支える器具やベスト型救命胴衣 保津川転覆事故で再発防止策
有料記事 西崎啓太朗 光墨祥吾2023年6月12日 20時00分 京都の観光名物「保津川下り」で29人が乗った船が転覆して船頭2人が亡くなった事故で、保津川遊船企業組合(京都府亀岡市)は12日、再発防止策を発表した。船頭の転落が事故を招いたとして、船頭の体を支えるよう船に器具を設置する。 事故は3月28日午前11時ごろに起きた。組合によると、乗客25人と船頭4人が乗船し、船の後方で操縦する「かじ」担当の船頭が水をかかずに空振りし、バランスを崩して落水。船は十数秒後に岩に衝突して転覆し、全員が川に投げ出され船頭2人が死亡した。 組合は「かじ」担当の船頭の落下を防ぐため、足元を固定するストラップや体を支えるロープを船に設置する。また事故時に乗客8人の手動式の救命胴衣が膨らんでいなかったことから、乗客には自分で膨らませる必要のないベスト型の救命胴衣などに切り替える。船頭は、操船の妨げにならないよう自動式のベルト型を着用する。 川下り、再開の見通し立たず 防止策には、出航前に船頭が… この記事は有料記事です。残り394文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋城のバリアフリー化、結論先送り 差別発言問題の対応を優先
有料記事 寺沢知海 三宅梨紗子2023年6月12日 20時00分 名古屋城天守の木造復元をめざしている名古屋市は12日、市民討論会であった差別発言への対応を優先するとして、議題に挙げる予定だったバリアフリー化案について有識者会議に提案せず、結論を先送りした。一方、石垣の保存方針については同会議で市の計画案が了承された。 復元後の木造天守のバリアフリー化については、新しく開発する小型昇降機を何階まで導入するかが、課題となっていた。 市が3月に示したバリアフリー化案では、天守台の石垣内部から1階まで小型昇降機を整備するとしている。上層階についての具体的な対応は未定だ。 市は当初、この日の会議でバリアフリー化も含めた整備基本計画案を示し、了承されれば、今月中にも文化庁に提出する予定だった。 だが、6月3日に市が主催した市民討論会で、最上階までエレベーター(EV)設置を訴えた車いすの男性に対し、EV不要の立場の参加者から「ずうずうしい。我慢せい」などと発言があった。別の参加者からは身体障害者への差別表現を含む発言もあった。 河村たかし市長は5日の定例記者会見で、差別発言を制止できなかった市の対応について謝罪した。だが市議会からは「(障害者への)いじめの場所になっていた」などと市の対応への批判が相次いだ。 こうした状況を受け、河村市長は12日、臨時の記者会見を開き、「丁寧に今回のことを名古屋市として総括する」などと話し、バリアフリー化案の最終決定を見送り、差別発言問題への対応を優先すると表明した。市議会への説明や差別発言を受けた男性への謝罪といった対応を進める。 「穴蔵石垣」は現天守の解体後に対策検討 この日の会議には、傷みが激… この記事は有料記事です。残り246文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「むしろ理解を抑制する」 LGBT法案をめぐり、国会前で抗議集会
9日に衆議院内閣委員会で可決された、性的少数者に対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」の修正案の内容に抗議する当事者らが12日夜、国会前で集会を開き、「『理解増進』ではなく、むしろ理解を抑制するための法案だ」などと訴えた。 法案をめぐっては、与党が幅広い賛同を得るために、性自認を「ジェンダーアイデンティティー」と表現するなど、日本維新の会などの主張を盛り込む形で法案を修正。自民、公明、維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決した。 修正案の中で当事者らが最も問題視したのは、「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」と定める条文や、学校教育に関して「家庭や地域住民その他の関係者の協力が必要」という条文が新設されたことだ。 「多数派の安心に留意しましょうとはどういうことか」 性的少数者に関する情報を発… この記事は有料記事です。残り397文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
店舗兼住宅で火災 中にいた80代男性は避難 福岡・久留米
西田慎介 小川裕介2023年6月12日 23時40分 12日午後9時45分ごろ、福岡県久留米市本町で「店舗が燃えている」と複数の110番通報があった。福岡県警久留米署によると、2階建ての店舗兼住宅が焼けた。出火当時、建物内に80代の男性がいたが、避難して無事という。 隣接する店舗や倉庫も焼け、地元消防が消火活動にあたっている。 現場は、JR久留米駅から約1キロの店舗やマンションが並ぶ一角。(西田慎介、小川裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
質問権行使7カ月、旧統一教会への調査長期化 解散請求いつ判断?
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令の請求を視野に入れた文部科学省の調査は、開始から7カ月近くが経ち、長期化している。宗教法人法にもとづく「報告徴収・質問権」の行使は6回を数え、12日には教団側から回答があった。衆院解散の臆測が広がる中、文科省が請求の可否をいつ判断するのか注目されている。 同省は先月の6回目の質問権行使の際、156項目の質問を送付。回答期限の12日に教団から届いたのは、封筒型の郵便物1通と宅配袋二つだった。昨年12月に届いた1回目の質問への回答では段ボール8箱分の資料提出があった。教団から届く資料の分量は減ってきている。 宗教法人法は、「法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などがあった場合、文科省などが、宗教法人への解散命令を出すよう裁判所に請求できると定める。また、そうした行為が疑われる場合、資料提出や質問への回答を求める「報告徴収・質問権」を行使できると定める。 この権限はオウム真理教事件… この記事は有料記事です。残り800文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「納得いかぬ」詰め寄る父 市教委が18年越しのいじめ認定を説明
神戸市立小学校で18年前に起きたいじめをめぐり、市教育委員会が12日、被害者らに経緯を直接説明した。市教委は先月、いじめを初めて明確に認め、記録を隠蔽(いんぺい)したことも認めた。市教委が対応を変えた後、初めての面会だったが、両者の溝は埋まらなかった。 被害者側は先月、市教委に経緯を説明するよう要望。市教委側が謝罪の意向を示していた。 面会には、当時小学5年生だった被害者の男性と、その父親、市教委側は長田淳教育長や当時の教頭、担任らが出席。報道陣にも公開された。 当時の担任はいじめの対応に… この記事は有料記事です。残り424文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奈良地裁に不審物、職員ら退避 山上被告の公判前整理手続きが中止に
有料記事 仙道洸 佐藤道隆2023年6月12日 22時30分 安倍晋三元首相の銃撃事件で殺人などの罪で起訴された山上徹也被告(42)について、奈良地裁は12日、被告も出席予定だった同日の第1回公判前整理手続きを中止した。同日午前、地裁に危険物の可能性がある荷物が届いたとして、地裁は一時、職員らを屋外に避難させた。奈良県警によると、中身は被告の減刑を求める署名で、都内の差出人からも郵送したことを確認したという。 県警によると、荷物は粘着テープで梱包(こんぽう)された段ボール箱(縦約33センチ、横約28センチ、高さ約26センチ)。12日午前11時15分ごろ、地裁に配達され、地裁職員が金属探知機で調べたところ、反応があったため、爆発物処理班を派遣するなどしていた。 差出人の欄には都内の住所が書かれ、中身は「書類」などと記されていた。実際に箱いっぱいに書類が入っており、危険物はなかったという。 公判前整理手続きの中止を受… この記事は有料記事です。残り257文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
突然届いた1通のメール 請求された25万 「そんなふざけた話」
変だな、とは思った。千葉県市川市の無職男性(76)は昨年12月、スマホで一通のメールを受け取った。 「A社(大手携帯会社)よりお知らせ ご利用料金につきましてお話ししたいことがあります。本日中に050・×××・××× こちらまでご連絡下さい」 男性は1年以上前、携帯会社をA社からB社に乗り換えていた。B社はA社の子会社だから、問い合わせがあってもおかしくないのでは――。 「よくあるメールアドレスへの連絡ではなく、電話番号を指示していたので、つい連絡をしてしまった」 電話に出たのは、コバヤシと名乗る男だった。 「お電話ありがとうございます。A社お客様サポートでございます。どのようなご用件でしょうか」 ゆっくりと、丁寧な口調だった。男性の名前と生年月日を聞き取ると、コバヤシは電話を保留にした。 「お待たせしました。昨年11月、ご利用の携帯電話より総合情報サイト『ウィズ』のご登録をいただいております。1年分の未納があり、解約金などを含めて24万9600円がかかります」 心当たりはなかった。普段の1カ月の利用料は1800円。これに比べて高すぎる。 県内で5300万円詐欺被害 「これもコバヤシが?」 「そんなふざけた話はない」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル