有料記事 高島曜介 笹山大志 編集委員・伊藤嘉孝2023年6月19日 5時00分 国土交通省OBの人事介入問題の関連で発覚した「線引き」と呼ばれる非公表の人事資料は、何の目的で現役職員からOBに提供されていたのか。野党議員は国会で「天下りあっせん資料だ」と指摘。国交省側は再就職目的ではないとするが、資料の詳細や提供の経緯、具体的な送信先など多くの点が明らかになっていない。(高島曜介、笹山大志、編集委員・伊藤嘉孝) 国交省によると、今年4月に「線引き」が一斉送信されたメールの送信先は1058件あり、173件が省外のアドレスでうち25件が省OBだった。この1年で同様のメールは25回送信されていた。 人事そのものは公表されるが、線引きは、職員の氏名や入省年次、内示段階の異動先に加え、前任者と後任者を線でつなぎ人事の流れがわかるようになっており、一般には公表されない。 国家公務員法は、再就職を目的として、現役職員が企業側に職員やOBの氏名、職歴を提供することを禁じている。線引きを省の利害関係企業に再就職したOBらに共有することは、この「天下りあっせん規制」の趣旨に反するのではないか――。国会では野党が、線引きを「天下りあっせん支援資料だ」として追及した。 斉藤鉄夫国交相は、若手の「ボランティア」が業務の円滑化のためにつくっていたとし、「再就職に必要な生年月日、学歴、職歴の情報が記載されていない」と答弁。国交省側は「職員を中心に慣習的に広く共有されてきた。上司からの指示もなく、あっせんを目的としていない」と説明している。 一方、野党議員らは「天下り… この記事は有料記事です。残り1768文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
OBへの未公表の人事情報提供 国交省以外の18府省庁「してない」
有料記事 高島曜介 笹山大志 東郷隆2023年6月19日 5時00分 国土交通省OBによる民間企業への人事介入問題に関連し、未公表の人事情報などが現役職員からOBに提供されていた問題で、朝日新聞が主要19府省庁に同様の行為の有無をたずねたところ、国交省を除く18府省庁が未公表情報の外部への提供は「していない」と答えた。国交省で慣習となっていたやりとりの異例さが際立つ形だ。 一連の問題では、国交省と利害関係のある企業に再就職したOBが、省側の意向として副社長ポストを要求、就任していた。このOBらに、現役職員から未公表の人事情報などがメールで一斉送信されていたことが明らかになった。 朝日新聞は同様の行為の有無についてたずねるアンケートを5月中旬~6月上旬、19の府省庁を対象に実施した。未公表の人事情報の外部提供について、国交省を除く全府省庁が「していない」と回答した。 国交省がOBらに提供していた中には、職員の氏名や入省年次、内示された異動先が記され、前任者と後任者が線でつながれた「線引き」と呼ばれる資料があった。 アンケートでは、線引きのよ… この記事は有料記事です。残り425文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】前任・後任を並べた官僚人事「線引き」は行政文書か
国土交通省OBによる人事介入問題に関連し、「線引き」と呼ばれる人事情報が現役職員からOBに提供されていた。 国会では野党議員がこの資料の開示を求めているが、国交省側は「行政文書ではない」として拒んでいる。行政文書とは何なのか、行政文書だとどのような取り扱いが必要になるのか。 Q 行政文書って何? A 省庁などの職員が仕事で作る文書だ。紙に印刷したものだけでなく、パソコン内のファイルやメールのデータも含(ふく)まれる。ルールは公文書管理法で定められていて、条件は、①職務上作成または入手②組織として使用③組織として保有――という三つを満たすのが行政文書だ。 Q 国土交通省内で作られた「線引き」は? A 職員の氏名や入省年次… この記事は有料記事です。残り654文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇陛下、電車の運転席へ インドネシア訪問2日目
2023年6月18日 16時00分 天皇、皇后両陛下は17日からインドネシアを公式訪問しています。18日は天皇陛下がジャカルタ都市高速鉄道の車両基地を訪問しました。 同鉄道は日本の支援により整備され、2019年3月に南北線が開業しました。天皇陛下は台車と車両を切り離して検査をする様子などを視察。電車の運転席に立ち、説明を受けました。 17日のインドネシア到着から、18日までの様子を写真でお伝えします。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
73歳女性、ベンチプレス世界大会V21、大鍋とおにぎりで鍛えた腕
藤田大道2023年6月18日 16時00分 5月に南アフリカで開かれたベンチプレスの世界大会に東京都八王子市在住の沢千代美さん(73)が出場し、21回目の優勝を達成した。今回は70歳以上の体重別部門で、100キロのバーベルの持ち上げに成功。石森孝志・同市長を訪ね、結果を報告した。 ベンチプレスは、ダイエットの一環として、50歳ぐらいからはじめた。2001年にマスターズの世界大会に初出場で優勝してから、イラク戦争で行けなかった03年と、コロナ禍で中止となった20年をのぞいて出場し、すべて優勝を飾ってきた。自己ベストは、4~5年前に記録した127・5キロ。今大会は70歳以上の女子76キロ級(専用ウェア使用可)に出場した。 定年までは市立幼稚園の調理員を長く務めた。「スープが入った大鍋を持ち運んだり、大量におにぎりを握ったりしたのが、体作りの基礎になったのかも」 長年、欧米の選手らとしのぎを削ってきた。数年前から、沢さんだけが同部門に出場するようになったが、昨年の大会では自身が持つ世界記録を更新するなど「独走状態」が続いている。「大の練習嫌い」というが「世界大会への出場が1年間のルーティンとなっていて、なんとか続けられています」と話す。 沢さんから14日に報告を受けた石森市長は「けがなく続けられているのが、とにかくすごい。また来年も訪問をお待ちしています」とねぎらった。(藤田大道) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
脱サラして9年、閉店する「日本最北の書店」に届いた最後のご褒美
JR稚内駅(北海道稚内市)から歩いて5分ほどのところにある「クラーク書店中央店」。 売り場面積は約330平方メートルで、1万冊以上を取りそろえた街の本屋さんだ。 「日本最北の書店」として地元から愛されてきたが、6月末で閉店することが決まっている。 「本当は去年の年末で閉めようかと思っていたんですが、半年延ばして6月までにしたんです」 そう話すのは、店長の神田雅彦さん(49)だ。 過疎化やネット通販の普及による顧客離れ、暖房に使う灯油代の高騰などが重なり、決断した。 株式会社クラーク書店の創業は1984年7月だが、神田さんが経営するようになったのは2017年7月から。 保険代理店を営む父から「書店を経営している顧客が後継者を探している」と聞いたことがきっかけだった。 フェリー会社に勤めていた神田さんが脱サラして引き継ぐことに。 引き受けた理由は「街の本屋をなくすわけにはいかない」という使命感から……ではない。 フェリー会社で売店の商品企画や運営を担当していたことがあり、経営への興味があった。 父は「やめといた方がいい」と言ったが、本好きな母の「やってみればいいじゃない」という言葉が後押しした。 結果、前の経営者の元で学んだ期間も含めて9年4カ月で幕を閉じることになった。 地方書店ならではの仕入れの難しさや、思った以上に重労働だった本の陳列、雪の中での配達など、思い出すのは苦労したことばかりだ。 最後の「ご褒美」が 閉店に向けて仕入れを減らし、棚が少しずつ空き始めた6月上旬、ある出来事が起こる。 思い返してみると、それは不思議な縁でつながった、最後を締めくくるにあたっての「ご褒美」だったように思う。 舞台は、2カ月前に発表された「本屋大賞」関連の特設コーナー。 入り口すぐの一番いい場所に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「いつか妻に愛想をつかされる日が」 定年後の不安、記者も読者も
いま48歳。釣りにキャンプ、鉄道模型などと比較的趣味は多く、夫婦の関係も良好と思っていた。だから定年後の暮らしをそれほど心配したことはなかった。 だが、定年後の男性らの苦悩を取り上げた連載「定年クライシス 居場所はどこに」の取材をするうちに思い始めた。「果たしてこのままでいいのか?」 定年後を取り上げた本は多い。取材前に当事者をイメージしようと、小説も新書本も読んだ。第二の人生で孤独や生きづらさを抱える人の姿が描かれていた。実際に取材をすると、「危機」がひとごとに思えなくなった。 「昼ご飯、作りたくない」「週に3日は外に出て」。滋賀県の70代男性は退職直後に妻に言われた。求められるままに外出し、電車で琵琶湖を1周して時間をつぶした。鉄道模型が趣味の私は電車に乗るのも好きだ。「電車でそんな過ごし方をしている人がいたのか」と驚いた。 「定年クライシス」記者が語るイベント開催 朝日新聞デジタルでよく読まれた記事を書いた記者が、取材でのこぼれ話などを語る「朝デジ×記者サロン 記者だけが知っている」に「定年クライシス」を取材した記者たちが出演します。6月26日午後9時配信開始、7月24日まで何度でもご覧いただけます。申し込みは募集ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11011080)から。 連載を読んだ妻の言葉に… 男性は言った。「瀬戸口さん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バス席2列目、突然の衝撃「運転手が足もとに」 北海道5人死亡事故
北海道の地域交通網を支える都市間高速バスと、養豚事業者のトラックが衝突し、5人の命が奪われた。バスの車体は大きくえぐれ、路上には破片が散乱。破損したトラックの荷台からは豚がはじき出され、周辺へ逃げ出した。見通しが良い国道で一体、何が起きたのか。 北海道八雲町の国道で事故に遭ったバスの前から2列目の座席に乗っていた札幌市の女性(79)は、うとうと眠っていたところ、「ガガガッ!」というものすごい音と衝撃で起こされた。荷物やガラス状のものが上からたくさん落ち、足もとには運転手が倒れ込んできた。「とにかく驚いて、怖かった」と振り返った。女性は衝撃で額をぶつけて打撲傷を負い、病院で手当てを受けた。函館観光に行く途中だったという。 バスを運行する北都交通によると、病院に運ばれた乗客は大型タクシーに乗り換えて札幌や函館方面に向かったが、なかには「もう車には恐ろしくて乗りたくない」と、列車で帰った人もいたという。 北海道函館市の会社員の男性(46)は、渋滞に巻き込まれた際、他のドライバーから「バスが大変なことになっている」と聞いた。停車して現場を見に行くと、前部が大破したバスが目に入った。運転手は頭を入り口の方に向けて倒れていた。救急隊員と警察官が「大丈夫か、わかるか」と何度も声をかけていたが、反応はなかったという。 男性によると、トラックの近… この記事は有料記事です。残り1875文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トラックが車線をはみ出したか バスと衝突、5人死亡 北海道八雲町
2023年6月18日 21時55分(2023年6月18日 22時04分更新) 【動画】北海道八雲町でトラックと都市間高速バスが衝突=熊倉隆広撮影 18日正午ごろ、北海道八雲町野田生の国道5号で、15人の乗客が乗った都市間高速バスと豚を運ぶトラックが衝突した。道警と消防によると、双方の運転手を含む17人が病院に運ばれ、トラックの60代男性運転手、バスの60代男性運転手、バスの乗客の男性1人と女性2人の計5人が死亡した。ほかの乗客12人もけがを負ったという。 道警は、トラックが対向車線にはみ出したとみて調べている。 バスを運行する北都交通(本社・札幌市)によると、事故に遭ったのは「都市間高速バス高速はこだて号」で、死亡した運転手は興膳(こうぜん)孝幸さん(64)。札幌駅を18日午前7時50分に出発し、函館市に午後1時45分に到着する予定だった。出発当時の乗客は18人で、道央道を八雲インターチェンジで降りた後、事故前に八雲停留所で3人が降車したという。 トラックは、食肉大手日本ハムの子会社で、養豚を行う日本クリーンファーム(本社・青森県おいらせ町)のものとみられ、豚を運んでいた。対向車線のバスの運転席側に突っ込んで停車した。 現場は函館市から北西へ約60キロ。片側1車線の緩やかなカーブで、景観の美しさで知られる内浦湾(噴火湾)沿い。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トラックと都市間高速バスが衝突、5人死亡 北海道八雲町
2023年6月18日 14時55分(2023年6月18日 18時04分更新) 【動画】北海道八雲町でトラックと都市間高速バスが衝突=熊倉隆広撮影 18日正午ごろ、北海道八雲町野田生の国道5号で、都市間高速バスと豚を運ぶトラックが衝突した。道警によると、5人の死亡が確認された。バス会社によると、運転手の興膳孝幸さん(64)と乗客15人が乗っており、興膳さんの死亡が確認されたという。 バスを運行する北都交通(本社・札幌市)によると、事故に遭ったのは「都市間高速バス高速はこだて号」。札幌駅を18日午前7時50分に出発し、函館市に午後1時45分に到着する予定だった。乗客18人と運転手の興膳さんが乗っていたが、うち乗客3人が事故前に八雲停留所で降りた。興膳さんには出発前に呼気検査を実施して異常はなかったという。 トラックは豚を多数積んでいた。事故で豚が周囲に逃げ出した。 現場は函館市から北西へ約60キロ。片側1車線の緩やかなカーブで、景観の美しさで知られる内浦湾(噴火湾)沿い。近くには町立野田生中学校がある。道警は付近の国道約10キロを通行止めにした。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル