私の視点 仲岡しゅん弁護士 トランスジェンダーに対する差別や偏見をあおる動きは、ここ数年の間に急速に広まっている。トランス差別をあおる団体は複数存在しており、積極的にロビイング活動を行うなど、政治やマスメディアに対しても徐々に影響を及ぼし始めている。 そうした団体の主な主張の一つは、トランスジェンダーなどという存在を認めると、女性用のトイレや浴場などに、「自分は女だ」とかたった犯罪目的の男性が入れるようになってしまう、というものだ。 たしかに、そうした場に悪意ある男性が入ってくるというのは、少なからずの女性からすれば懸念を抱かざるを得ない事態だろう。これは、トランスジェンダーの実情を知らない人たちからすると一定の説得力があるらしく、インターネット上でこうした投稿があふれかえり、トランスジェンダー脅威論とも言うべき差別扇動が繰り広げられている。 しかし、冷静になっていただきたい。ある男性が、「自分は女だ」と言いさえすれば、直ちにあらゆる女性用の場を使えるかのような想定が、そもそも日本の法律実務からすれば荒唐無稽なものでしかない。 トランスジェンダーの「トラ… この記事は有料記事です。残り573文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「火元の店」ネットでデマ、心折れかけたけど 大火乗り越えた夫婦愛
北九州市小倉北区の旦過市場一帯で起きた大規模火災で店を失った夫婦が、23日に仮設店舗で営業を再開する。一時は閉店も考えたが、「2人で店がやれるのもラストチャンス」と再起の一歩を踏み出す。 多くの買い物客が往来する旦過市場。すぐ横には、真新しい「旦過青空市場」のプレハブが整然と並ぶ。その一画に今月中旬、「お食事処あらまき」の真新しい緑色の看板がかかった。 6月中旬、店内では、店主の荒巻廣行さん(75)が旧知の料理人とだしの仕込みに奮闘していた。妻の松美さん(54)は「やっぱり主人は料理人。いきいきしている。前の店より狭いが、それでもまたお店ができるのがうれしい」と目を細める。 廣行さんは福岡県築上町の出身。中学卒業後、主に関西の和食店などで修業し、京都の老舗料亭「下鴨茶寮」や外資系ホテルの料理長などを務めた。北九州に戻り、旦過市場にある松美さんの実家の鮮魚店を継ぐかたわら、2018年に市場内に「あらまき」を開店した。念願の2人の店だった。 だが昨年8月10日夜、旦過は2度目の大火に襲われた。 前日から連休だった2人は急いで現場に駆けつけたが、火勢を見守るうちに廣行さんが体調不良を訴え病院へ。肺に穴が開き、緊急手術を受けた。翌朝、店は完全に焼け落ちていた。 さらに火災の2日後、知り合いから連絡があった。 「あらまきが火元の店として… この記事は有料記事です。残り850文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
48時間マラソン何キロ走れるか 徹夜覚悟で参加、精いっぱいの笑顔
青森県弘前市の市運動公園で5月26~28日、48時間で走った距離を競うマラソンの大会に記者(53)も参加した。24時間の部に参加した昨年は左足に激痛が走り、全力を出し切れなかった。今年は再び実力を試してみようと、2晩の徹夜を覚悟して申し込んだ。 コースは1周1・25キロをグルグル回る。高低差はない。コースの一部に陸上競技場のトラックもあり、走りやすいこと、この上ない。48時間と24時間のほか、12時間や100キロウルトラマラソンもある。初心者も参加でき、ランナー同士の交流も盛ん。「がんばらなきゃ」と刺激になる。 主催はNPO法人「スポーツエイド・ジャパン」(埼玉県毛呂山町、舘山誠代表)。同NPOの大会はボランティアのスタッフの大半がランナーで、常に笑顔で接してくれ、心強い。 エイドステーションにはカレーやシチューに加え、筋子やおそばなど津軽の郷土料理も並んだ。スイカやメロンなどのフルーツ、地元有名店のうぐいす餅なども提供された。毎回、「体重が増えた」という参加者も出る。 走りやすさでは文句のつけようがない。この状況の中、一体、どれくらい走れるのか。事前に送られてきた出場者リストには、世界レベルの選手が何人もいた。一緒に走れるなんて光栄だ。 ワクワクと不安が入り交じったまま走り出した。 走るのにはちょうどよい天候。体調も悪くない。1時間で10キロのペースで進んでいくと……。 時間走は過去6回出場した… この記事は有料記事です。残り1601文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
西武池袋本店の改装、セブン&アイ側が素案を提示 豊島区長が明かす
JR池袋駅そばの百貨店「西武池袋本店」(東京都豊島区)の低層階に、ヨドバシカメラの出店が検討されていることについて、同区の高際みゆき区長は22日、西武池袋本店の改装計画の素案が同店を傘下に持つ「セブン&アイ・ホールディングス(HD)」から示されたと説明した。従来通り低層階にヨドバシが入るとの内容だったという。ただ「私からは申し上げることができない」として、それ以上の詳細は明らかにしなかった。 補正予算案に関する会見で説… この記事は有料記事です。残り293文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「神戸まつり」直後の繁華街、警察が一時封鎖 騒然となった理由は…
杉山あかり 小川聡仁2023年6月22日 21時00分 飲食店内で客をビール瓶で殴ったとして、兵庫県警は22日、ベトナム国籍の会社員の男(24)=神戸市灘区=を傷害の疑いで逮捕し、発表した。「ビール瓶を使ったかどうかは覚えていない」と容疑を一部否認しているという。 国際捜査課によると、男は5月28日午後8時10分ごろ、同市中央区北長狭通2丁目のベトナム料理店で飲食中に、居合わせたベトナム国籍の30代の男性客2人の頭などをビール瓶で殴り、軽傷を負わせた疑いがある。何らかのトラブルがあったとみられるという。 男は事件直後に逃走。店から「ベトナム人同士でけんかをしている」と通報があり、「包丁を持っている」との情報もあったことから、県警は周辺の道路を規制線で一時封鎖した。 この日は同区内で「神戸まつり」が開かれた後で、現場の繁華街は人通りが多く一時騒然となった。 防犯カメラの捜査などから男の関与が浮上。包丁の情報は誤りだったと同課はみている。(杉山あかり、小川聡仁) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍の若者の自殺「女性のみ顕著に増加」 横浜市立大と慶大研究
過去10年間の若者の自殺を分析すると、コロナ禍では女性のみ顕著に自殺が増えた――。そんな研究成果を横浜市立大と慶応大の共同研究グループ(責任者=堀田〈ほりた〉信之・横浜市立大付属病院化学療法センター長)が22日発表した。10代前半の女性の自殺も増えており、経済的影響だけでなく、家庭内暴力の増加も一因との見方を示している。 コロナ禍では、女性や若者の自殺が増えていることが社会問題化。これを受け、研究グループは2012年7月~22年6月の10年間に国内で自殺した男性9428人、女性3835人の統計データを分析した。 死者数を男女別に10~14歳、15~19歳、20~24歳に分けて6カ月ごとでカウント。20年7月以降のコロナ禍と、それ以前を比べると、男性はいずれの年齢層でも統計的に有意な増減はなかったのに対し、女性はいずれの層でも数割増えていた。 研究グループは要因について… この記事は有料記事です。残り154文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「信仰の対象と芸術の源泉」 富士山世界遺産10周年で共同宣言
黒田壮吉2023年6月22日 21時26分 富士山の世界文化遺産登録決定から10年を迎えた22日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで10周年記念式典が開かれた。「静岡、山梨両県が連携し、富士山の普遍的価値を守り伝えることをめざす」などとする共同宣言が行われた。 静岡、山梨両県と、両県などでつくる富士山世界文化遺産協議会の共催。国会議員や関係者ら約400人が参加した。 あいさつで山梨県の長崎幸太郎知事は「オーバーツーリズムを解消し、信仰の対象と芸術の源泉という富士山本来の価値を取り戻す必要がある」と強調。「富士山登山鉄道構想を含め、地元関係者の意見をいただきながら、富士山のこれからのあり方について最善の解を導き出したい」と述べた。 静岡県の川勝平太知事は「富士山が日本の自然と文化の『顔』となって10周年を迎えた。富士山の顕著な普遍的価値を守り、具体的な課題を地道に解決し、国内外に広くPRしていきたい」などと訴えた。 今年は新型コロナウイルスの5類移行に伴い、山小屋に予約が殺到。夜通しで登頂を目指す「弾丸登山」の急増が懸念されている。川勝知事は報道陣の取材に「弾丸登山は危険なので認めていない。今年の登山状況をみながら対策などを検討したい」と述べた。 式典では、青柳正規・元文化庁長官が「世界遺産としての富士山」と題して基調講演。「世界遺産の目的は国際的に協力して保全し、次の世代へ継承することだ。観光地として多くの人が訪れることは副次的な結果だと確認したい」と指摘。文化遺産は国や国民のアイデンティティーの中核を形作る必要不可欠なものだとし、「世界に認められる富士山をみんなで守っていく必要がある」と話した。 また、「富士山から発信する持続可能な社会の実現」をテーマに有識者らが意見交換した。「保全はこれからが大変。保全などにかかる費用を地元に任せるのは限界がある」「いまの受け入れはキャパシティーを超えている。入山規制も考える必要が出てくるのでは」など活発な議論が交わされた。(黒田壮吉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奥薗壽子さんが追求する料理の「なぜ」 原点は科学者の父の教え
記事の後半でレシピをご覧いただけます 家庭料理研究家としてテレビや雑誌など多方面で活躍する奥薗壽子(としこ)さん(60)の料理歴は、小学生の頃から始まりました。 料理をしなかった母親が用意してくれたのは、デパ地下の料理が多かったそうです。料理上手の祖母が作ってくれたような家庭料理が食べたいと、小学生の頃から台所に立って、食事を作るようになりました。 奥薗さんは当時の自分をこう振り返ります。「実は私は遊んでいたんです。いやだと思ったことがない」 料理が遊びになっていたのは… この記事は有料記事です。残り921文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸市で6歳児が変死 同居の祖母に暴行加えた疑いで4人を逮捕
2023年6月22日 23時24分 同居する母親を自宅で監禁して暴行したとして、兵庫県警は22日、神戸市西区玉津町居住(いすみ)、無職穂坂大地容疑者(32)と、同居する30~34歳の姉妹3人を監禁と傷害容疑で逮捕し、発表した。 自宅近くの草むらから、大地容疑者の姉の沙喜容疑者(34)の長男、修君(6)の遺体が見つかり、県警は関連を調べている。 捜査1課によると、4人の逮捕容疑は今年3月~6月20日ごろ、自宅で母親(57)を監禁したというもの。また、6月19日ごろ、母親の背中を鉄パイプなどで殴るなどの暴行を加えてけがを負わせた疑いがある。県警は4人の認否を明らかにしていない。 20日夜に母親が同市垂水区内で県警に保護され、容疑者の自宅を訪れたところ、4人は室内にいなかった。22日午後6時過ぎ、捜査中の警察官が草むらで修君の遺体を見つけた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
予備自衛官の金髪やピアスはだめ? なり手不足で防衛省の見解は…
高橋杏璃2023年6月22日 20時07分 有事や大規模災害時に招集される「予備自衛官」らに、金髪やピアスを禁じる必要はあるか――。有識者らが国の予算執行のあり方を検証する22日の行政事業レビューで、なり手が不足する予備自衛官をめぐり、そんな議論が交わされた。 普段は会社などに勤めながら、訓練を受けて有事に備える予備自衛官は昨年度は約3万3千人、定員充足率は69・6%だった。この10年の充足率は7割前後にとどまる。22日に防衛省であったレビューでは、中田るみ子・協和キリン社外取締役が、自衛官らの髪形や髪色、タトゥー、ピアスを制限することについて質問。「自衛官の場合は見直しの議論が行われているが、予備自衛官はどうなっているのか。金髪でも(災害派遣先で)援助している働きぶりで評価すべきではないか」と、防衛省の見解をただした。 防衛省の担当者は「厳しい規律が求められる自衛隊で認めていいのかという意見も根強くある一方、若者の意識、外の世界が変わっているのも事実だ」と説明。「規律に悪影響を及ぼさないように取り入れることは可能なのか検討したい」との考えを示した。(高橋杏璃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル