性別や障害の有無を問わず、誰もが安心して使える公衆トイレに生まれ変わらせようと、日本財団と東京都渋谷区が協働して整備したトイレが完成した。汚い、暗いなどのイメージを変え、多様性を尊重する社会を実現する試みだ。 プロジェクト名は「THE TOKYO TOILET」。2018年以降、区内の公園など17カ所のトイレを改修し、今年3月に完了した。事業費21億円は、同財団と、プロジェクト発案者でファーストリテイリング取締役の柳井康治さんが個人で出資した。 23日には区への譲渡式があり、財団の笹川順平常務理事は「公共トイレを『みんなのトイレ』にする文化を作ることがプロジェクトの重要な役割」と説明。柳井さんは、多様な社会の実現のため「トイレを通じて新しいアプローチができないかと考えた」と振り返った。 プロジェクトで整備されたトイレを巡っては、SNSで批判も起きました。「女性専用」の個室がないトイレも作られたためです。区はどのような姿勢で整備してきたのでしょうか。 トイレのデザインには、安藤忠雄さんや隈研吾さん、佐藤可士和さんら世界的な建築家やクリエーターら16人が参画した。 安藤さんデザインのトイレは「神宮通公園トイレ」(神宮前6丁目)。黒いハットを逆さにしたような円形状のトイレの外壁は、風や光を通す格子の作りだ。 建築家の坂茂さんの「代々木… この記事は有料記事です。残り601文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
実の娘2人に性的暴行繰り返す、男に懲役12年の判決 名古屋地裁
実娘2人に性的暴行を繰り返したとして監護者性交等などの罪に問われた男に対し、名古屋地裁は23日、懲役12年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。大村陽一裁判長は「2人が実父である被告に厳罰を求めつつ、愛着も捨てきれないのも、犯行がもたらした影響の大きさを示している」と述べた。 判決は、中学校の低学年のころから男から性的暴行を受けていたとする長女と次女の供述が信用できると判断。男の無罪主張を退けた。 その上で、2019年12月の15歳だった次女への監護者性交等未遂▽21年6月の17歳だった次女への監護者性交等▽21年7月の長女(当時24)への準強制性交等▽2人のわいせつな姿が映った画像を撮影などした児童買春・児童ポルノ禁止法違反の全ての罪の成立を認めた。 判決は量刑理由で、長女に対… この記事は有料記事です。残り231文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
江戸期の農民たちが造った石橋、国宝に 災害乗り越え170年間現役
【動画】国宝に指定される見込みの石造りのアーチ橋「通潤橋」=山都町提供、杉浦奈実撮影 土木構造物として初の国宝が今秋にも誕生する見通しとなった。 熊本県山都町の石造りのアーチ橋「通潤橋」。豪快な放水風景で知られるが、江戸時代から利用されてきた現役の水路橋だ。 橋は、熊本地震や大雨の被害を乗り越えて今も台地の約100ヘクタールの水田を潤し続けている。 「国宝の中には時の権力者が権威づけにつくったものもあるが、通潤橋は私利私欲ではなく布田(ふた)さんが農民のためにつくったもの。うれしい」 「通潤地区土地改良区」総括監事で橋を先祖代々管理してきた中村豊光さん(72)は23日の文化審議会の答申に、笑顔を見せた。 「布田さん」とは、地元の惣庄屋(現在の町長)だった布田保之助(やすのすけ)(1801~1873)のこと。通潤橋を企画して工事の責任者を務めた。 台地潤すため、近世最大級の橋造り 四方を谷に囲まれた白糸台地は、谷から水を引くことが難しく、農民は慢性的な水不足に悩まされていた。 その台地に約6キロ離れた笹… この記事は有料記事です。残り1007文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
父の「行くな」で生き延びた 沖縄戦の元学徒が誓う平和への願い
戦後78年の「慰霊の日」を迎えた沖縄では23日、犠牲者を悼み、平和を祈る行事が各地で行われた。沖縄での防衛力強化をめぐり、玉城デニー知事が平和宣言で「苛烈(かれつ)な地上戦の記憶」と重ねたのと同様に、沖縄戦に動員された元学徒らは懸念を示した。 那覇市の上原はつ子さん(94)はこの日、沖縄戦で学徒動員されて犠牲になった同級生ら約60人を悼む糸満市の「梯梧(でいご)之塔」を訪れた。 78年前、那覇にあった昭和高等女学校の3年生だった。授業はなく、陣地構築にかり出されたり、包帯の仕方など看護の講習を受けたりした。帰り道に友人と軍歌を歌い「国や天皇のために私たちも戦う」と疑わなかった。 米軍が沖縄に迫った1945年3月末、空襲があった。兵隊の宿舎になっていた学校に看護のため向かおうとすると、父に「行くな」と止められた。看護に加わった同級生の中にはその後、戦闘に巻き込まれて亡くなった人もいた。「ショックでね。焼け野原を見ていると、自分も死んだ方が良かったんじゃないかと悩んだ」 沖縄戦で戦場に動員された県… この記事は有料記事です。残り561文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今年も会いに来ました 沖縄「慰霊の日」 激戦地を訪れた人の思い
有料記事 棚橋咲月 小野太郎 比嘉展玖 伊藤和行2023年6月23日 23時00分 今年も会いに来ました――。最後の激戦地となった沖縄本島南部の糸満市摩文仁(まぶに)には、約24万人の犠牲者の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」がある。旧日本軍の組織的戦闘が終わった日とされる「慰霊の日」の23日、多くの人たちが花束や泡盛を手に訪れ、犠牲になった家族に思いをはせた。 「ここに来ると、会いに来たような気がします」 浦添市の安里恵美子さん(79)は、父の名前が刻まれた礎の前にたたずんだ後、そう語った。 防衛隊に召集された当時20代の父は1943年、戦死した。安里さんは翌年に生まれ、父の顔も、どんな人だったかも知らない。 だが、父は戦時中に腕を負傷し、傷痍(しょうい)軍人の申請ができたにもかかわらず再び戦地に赴き犠牲になったと、育ての親から聞いた。なぜ再び戦地に行かせたのか、育ての親は何度も悔やんでいた。 戦争の映像を見るのも、礎に足を運ぶこともつらくてできなかったが、孫が生まれてからは戦時中の出来事と向き合わなければと思うようになった。安里さんは礎を埋め尽くした名前を見渡し、「これだけの犠牲者がいる。伝えなきゃ」と力を込めた。 宜野湾市の福地陽子さん(85)は、平和の礎に刻まれた父、比嘉定昭さんの文字に触れ、つぶやいた。「4人の孫たちに自分と同じような経験をさせたくない」 思い出すのは、明るくユーモ… この記事は有料記事です。残り1028文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
6歳児の死因は外傷性ショックの疑い 兵庫県警、虐待の有無を捜査
有料記事 杉山あかり 高木智也2023年6月23日 23時23分 神戸市西区の草むらで22日、近くに住む穂坂修(なお)君(6)の遺体が見つかった事件で、兵庫県警は23日夜、修君の死因は外傷性ショックの疑いと発表した。背中を中心に皮下出血が広がっているという。県警は虐待がなかったかどうか調べる。 捜査関係者によると、修君は22日夕、草むらにあったスーツケースの中から見つかった。司法解剖の結果では、発見の3日前の19日ごろ死亡したとみられるという。 体のあざは背中が中心で、捜査幹部は「打撲とみられる痕はいっぱいある印象だ」と話す。身長や体重から、発育状況は6歳の平均的な水準だという。 事件をめぐって県警は22日… この記事は有料記事です。残り411文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「納得できないが一石投じた」 神戸高2刺殺判決、被害者父が会見
神戸市北区で2010年、堤将太さん(当時16)が殺害された事件を巡る裁判員裁判。神戸地裁は23日、事件当時17歳だった被告の男(30)に懲役18年(求刑懲役20年)の判決を言い渡した。裁判後、将太さんの父・敏さん(64)が判決の受け止めを語った。 被害者参加制度を使い、意見陳述や被告人質問に臨んだ、敏さんたち家族。 判決文には、「この裁判には被害者の両親や兄姉の計5人が参加し、悲痛な心情と激しい処罰感情が述べられた。理不尽かつ残忍な犯行で被害者を奪われた遺族の心情として十分理解できる」と記された。 判決後に会見を開いた敏さんは「懲役18年で許されるものではないですが、家族みんなの意見が裁判官や裁判員に届いたかなと思います」と評価した。 将太さんへは「この程度やったよ、というのじゃなしに、ここまでやってくれたよ、という説明をしたい」と話した。 被告に対しては「公判の初日… この記事は有料記事です。残り329文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
江戸の農民たちが造った石橋、国宝に 災害乗り越え170年間現役
【動画】国宝に指定される見込みの石造りのアーチ橋「通潤橋」=山都町提供、杉浦奈実撮影 土木構造物として初の国宝が今秋にも誕生する見通しとなった。 熊本県山都町の石造りのアーチ橋「通潤橋」。豪快な放水風景で知られるが、江戸時代から利用されてきた現役の水路橋だ。 橋は、熊本地震や大雨の被害を乗り越えて今も台地の約100ヘクタールの水田を潤し続けている。 「国宝の中には時の権力者が権威づけにつくったものもあるが、通潤橋は私利私欲ではなく布田(ふた)さんが農民のためにつくったもの。うれしい」。 橋を先祖代々管理してきた「通潤地区土地改良区」総括監事の中村豊光さん(72)は23日の文化審議会の答申結果に、笑顔を見せた。 「布田さん」とは、地元の惣庄屋(現在の町長)だった布田保之助(1801~1879)のこと。通潤橋を企画して工事の責任者を務めた。 台地潤すため、近世最大級の橋造り 四方を谷に囲まれた白糸台地は、谷から水を引くことが難しく、農民は慢性的な水不足に悩まされていた。 その台地に約6キロ離れた笹… この記事は有料記事です。残り1007文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇、皇后両陛下、「未来志向」印象づけた旅 インドネシアから帰国
インドネシアを公式訪問していた天皇、皇后両陛下が23日、7日間の日程を終えて帰国した。若者と交流し、天皇陛下がライフワークとして研究する水問題と関連した視察も重ねるなど、「未来志向」の姿勢を印象づけた。 即位後初の国際親善のための外国訪問で、訪問先に選ばれたのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国で、東南アジアで政治的、経済的にリーダーシップを発揮するインドネシアだった。 若い世代と懇談 かねて若者の教育に心を寄せている両陛下は20日、日本へ留学した人らが創設したダルマ・プルサダ大学や、日系企業も入る工業団地内の職業専門高校を訪問。同大で日本語を学ぶ学生と懇談した際には、「私の好きなアニメは『NARUTO(ナルト)』です」と言う学生に、陛下が「私は徳仁(なるひと)です。いや、特に関係はないんですけど」と返して周囲の爆笑を誘った。皇后さまとともに一人ひとりに気さくに声をかけ、話を引き出した。 陛下は22日、若い世代との… この記事は有料記事です。残り1686文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「暴力に訴える社会につながりかねない」 ヤジ排除、男性逆転敗訴
有料記事 新谷千布美 上保晃平2023年6月23日 18時00分 「ナンセンス!」。閉廷直後、法廷に原告男性(35)の鋭い声が響いた。2019年夏の参院選で選挙演説中にヤジを飛ばした男女2人が道警に排除された問題で、札幌高裁は22日、一審・札幌地裁の判決を一部取り消し、男性の訴えのみ退けた。原告側は、上告を検討するとしている。 記事後半では、豊崎七絵・九州大学大学院法学研究院教授(刑事法)と内藤光博・専修大学教授(憲法学)の見方を紹介します。判決要旨も掲載します。 「安倍晋三元首相や岸田文雄首相の襲撃事件があった。それを裁判所は大きく意識したんじゃないか」 判決後、札幌高裁前で報道陣の質問に応じた男性は、硬い表情で語った。 22年3月の一審判決後に起きた二つの事件。この日の高裁判決は触れていなかったが、男性は言わずにはいられない様子だった。 控訴審では、道側が男性に関… この記事は有料記事です。残り2128文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル