原田悠自 福田祥史2023年6月28日 20時30分 他人のデジタル地域通貨を使って、たばこなどをだまし取ったとして、茨城県警は28日、千葉県柏市に住む美容室従業員の少年(19)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。「お金を使わずに欲しいものが手に入るからやっていた」と容疑を認めているという。 サイバー犯罪対策課によると、少年は1月28日から2月4日までの間、茨城県守谷市内のコンビニエンスストア2店舗で4回にわたり、同市の女性(71)が保有する市のデジタル地域通貨「Morin(モリン)」の使用権限があるように装い、スマートフォンによる電子決済でたばこなど29点(約9900円相当)をだまし取った疑いがある。 Morinは、同市の公式アプリ「Morinfo(もりんふぉ)」を利用して、同市内の店舗で現金同様に使えるデジタルポイントの名称。昨年12月1日から利用が始まった。3千円で1万円分のポイントが購入できた「プレミアム付きデジタル商品券」と、高校生までの子どもに1人1万円分が付与された「子育て王国わくわくポイント」で、今年2月15日まで、市民に限って利用できた。 県警や守谷市によると、少年は市が高齢者などのためにアプリのダウンロードや商品券の購入などを支援するために設置した窓口で、派遣従業員として勤務していた。被害に遭った女性は商品券を購入するために窓口を訪れた。窓口では担当者がIDやパスワードを代わりに入力することがあったといい、少年はその際に個人情報を入手した可能性があるという。 今年1月、別の市民から「自分のMorinが勝手に使われた」という相談が市に寄せられ、市が調査する過程で不正利用の可能性が複数出てきたため、取手署に連絡したという。県警は、他の不正使用の疑いについても調べている。(原田悠自、福田祥史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「恨むべきは社会構造なのかな」 小田急線で胸刺された20歳女性
小田急線の車内で2021年8月、乗客3人を包丁で襲ったなどとして、殺人未遂などの罪に問われた住所不定、無職対馬悠介被告(37)の裁判員裁判の第2回公判が28日、東京地裁であった。重傷を負った女性が、事件に憤る一方で「恨むべきは犯人をそうさせた社会構造なのかな」と供述していたことなどが明かされた。 公判で検察側は、被告に胸などを刺されて全治3カ月の重傷を負った当時20歳の女性の供述調書を読み上げた。 電車で座っていたら これよると女性は、電車の座席に座り、イヤホンで音楽を聴きながらスマホを見ていたところ、「自分の右胸に刃物が突き刺さっていた」。 あまりに突然で何が起こったのか分からなかった。続けて左腕などを刺されたことについては記憶がなく、次に覚えているのは電車内を走ったことだった、という。 救急搬送された病院で緊急手術を受けたが全治3カ月の重傷で、左腕には後遺症が残る可能性があると診断された。記憶がない点については、大きな恐怖を体験した際などに起きる「解離」だと説明されたという。 「『勝ち組』の女性を殺そう」との供述に… 被告は逮捕後、「『勝ち組』の女性を殺そうと思った」などと供述したと報道された。 調書によると、ニュースでこ… この記事は有料記事です。残り328文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神宮外苑再開発、高木伐採は8月開始予定 今夏に住民説明会
東京都心の明治神宮外苑地区の再開発事業で、事業者側が8月から対象地域で高さ3メートル以上の木の伐採を予定していることが28日、分かった。同事業で高木の伐採は初めて。多数の樹木伐採を予定する同事業には環境破壊や景観悪化などの懸念の声があがっており、今夏実施を予定する住民説明会などで事業者側が理解を広げられるかも焦点となりそうだ。 再開発は、外苑にある神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替えたり、超高層ビル2棟を新築したりするもの。3月に着工し、2036年に完成予定。工事に伴い、837本を植樹する一方、高さ3メートル以上の木700本以上の伐採を計画する。 工事関係者によると、神宮球場に隣接する神宮第2球場の鉄塔の解体工事を27日に始めた。同球場周辺の高さ3メートル以上の木30本の伐採を8月に予定しているが、工事の状況によっては遅れる可能性もあるという。 新宿区によると、現地は都条… この記事は有料記事です。残り275文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「危機意識が希薄」な教諭 でも賠償責任を認めない理由は 那須雪崩
有料記事 高橋淳 村上友里 山下龍一2023年6月28日 21時27分 栃木県那須町で2017年3月、登山講習会に参加した県立大田原高の山岳部員7人と教諭1人が死亡した雪崩事故で、5人の遺族が県などに計約4億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、宇都宮地裁であった。浅岡千香子裁判長は「雪崩に対する危機意識の希薄さから、講習会を中止しなかったことが事故の一因」とし、県と県高校体育連盟に計約2億9千万円の賠償を命じた。指導役の教諭3人への請求は棄却した。 判決によると、雪崩事故は17年3月27日朝、雪崩注意報が出ている中、県高体連が開いた講習会中に起きた。犠牲になった部員と教諭は、スキー場近くの斜面を登っていたところ雪崩に巻き込まれた。前日からの積雪や降雪のため、指導役の教諭3人は登山の計画を中止し、雪上歩行訓練に変更したが、具体的な範囲を協議していなかった。 事故後、講習会本部にいた責任者の教諭が連絡用無線機から離れ、携帯電話を持っていなかったことなどから警察や消防への救助要請が遅れた。 判決「雪崩の可能性認識できた」 判決は、指導役の教諭らが遅くとも27日朝に気象情報などを確認していれば、雪崩が起こる可能性を認識できたと指摘。「漫然と講習会を続け、事故が起きた」とする遺族側の訴えを認めた。事故後の対応の遅れや参加者に落ち度がないことを踏まえ、賠償額を算定した。 県側は、亡くなった教諭について「大人であり身を守るすべがあった」とし、県側の責任を差し引く過失相殺を主張したが、判決は「抽象的な主張だ」として退けた。 指導役の教諭3人は、講習会の責任者だった1人と部員らを引率していた教諭2人。昨年2月に業務上過失致死傷罪で在宅起訴され、いずれも無罪を主張。地裁で刑事裁判が続いている。(高橋淳) なぜ教諭3人の賠償責任が認められなかったのか。 国家賠償法は、公務員が職務… この記事は有料記事です。残り1087文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
8年前の強盗強姦事件で容疑者の男を逮捕 福岡県警
2023年6月28日 22時22分 8年前に女性に性的暴行を加えて携帯電話を奪うなどしたとして、福岡県警は28日、北九州市小倉北区の会社員の男(44)を住居侵入容疑と強盗強姦(ごうかん)容疑で逮捕し、発表した。男は容疑をおおむね認めているものの、一部の盗品については「盗んだ記憶がない」などと話しているという。 小倉北署によると、男は2015年5月、福岡県内の当時20代の女性宅に侵入し、暴行や脅迫をした上で性的暴行を加え、携帯電話や下着計5点(約14万4500円相当)を奪った疑いがある。被害者の女性は、男と面識があったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フィリピン特殊詐欺「ルフィ」、強盗容疑で逮捕へ 京都の事件を指示
有料記事 増山祐史 遠藤美波 長妻昭明2023年6月29日 0時00分 フィリピンを拠点に60億円以上の被害を出した特殊詐欺事件で、2月に日本に移送、逮捕された詐欺グループの幹部4人のうちの1人が、京都市の時計店で2022年に起きた強盗事件を指示していたとして、警視庁はこの男を29日にも強盗容疑で逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。 4人は特殊詐欺の窃盗容疑で複数回逮捕、起訴されたが、強盗容疑での逮捕は初めて。警視庁は、各地で相次いだ強盗事件とグループの関わりについて捜査を進める。 男は住所不定、職業不詳の今村磨人(きよと)容疑者(39)。広域強盗事件では、「ルフィ」と名乗る指示役の存在が浮かんでおり、警視庁は今村容疑者がルフィと称していたとみる。 京都市の時計店では22年5月2日、高級腕時計41点(計約6900万円相当)が奪われた。20~40代の男女3人が強盗罪で起訴されている。 強盗に「ルフィ」の形跡 フィリピンと京都、口座を追った 3人とは別に、奪われた時計… この記事は有料記事です。残り348文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
硫化水素の理科実験で「気分悪い」中学生11人搬送 兵庫県豊岡市
2023年6月28日 22時00分 28日午後0時40分ごろ、兵庫県豊岡市の近畿大学付属豊岡中学校から「理科の実験で生徒が体調不良を訴えている」と119番通報があった。生徒11人が病院に運ばれ、診察を受けた後、全員が同日夕までに帰宅した。 同中学によると、同日午前、2年生1クラスが理科の授業で、鉄と硫黄を化合させて硫化鉄を生成し、薄めた塩酸をかけて硫化水素を発生させる実験をし、その後、男子6人、女子5人が気分が悪いと訴えたという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ性加害問題、報じなかったマスコミに批判 各社の見解は
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の所属タレントへの性加害問題について、新聞やテレビの報道が不十分だったと指摘されています。いつからどのように報じられ、何が、なぜ、足りなかったのか。報道各社と専門家に見解を聞き、今後の報道のありかたを考えます。 99年ごろに週刊文春がキャンペーン報道 喜多川氏の性加害問題については、1980年代に元タレントが被害を訴える手記を出版するなどしていた。99~00年ごろには、週刊文春がキャンペーン報道を展開し、被害者の証言などを詳しく報じる複数の記事を掲載した。 記事の内容をめぐってジャニーズ事務所などが発行元の文芸春秋を訴えた裁判では、02年、東京地裁が「セクハラ」があったとする記述を真実と認めない、とする判決を出した。一方、03年の東京高裁では認める判決が出され、04年に最高裁で確定した。 全国紙4社と在京のテレビ5局にこの時期の報道内容について聞いたところ、新聞は判決内容を報じていたが、テレビで報じたという回答はなかった。実態を独自に取材して報じたと回答した社はなかった。 朝日新聞は、一連の判決を報じたが、大きな扱いではなかった。 今年3月、英BBCが性加害問題についてのドキュメンタリーを放映。4月には元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが会見で被害を訴え、これを機に報じた社も多かった。「故人には反論の機会がないことを踏まえ、ジャニーズ事務所にコメントを求め、得られたため」(日本テレビ)といった理由があがった。 5月14日には、ジャニーズ事務所が公式サイトで、藤島ジュリー景子社長が謝罪を表明した動画を公開。それまでには全社が、何らかの形で問題を報じた。 大手メディアが早い段階から… この記事は有料記事です。残り4058文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ性加害問題の報道 新聞・テレビに欠けていたものは
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の所属タレントへの性加害問題については、1999年ごろから週刊文春がキャンペーン報道を展開するなどしていました。日本の新聞やテレビなど大手メディアが早い段階から十分に報じなかったことについて、批判の声があがっています。何が欠けていたのでしょうか。3人の専門家に聞きました。 問われた日本メディアの「横並び体質」 【音好宏・上智大教授(メディア論)】 ジャニーズ事務所の性加害問題と報道について考える際には、まず、ジャニーズ事務所という芸能プロダクションがどのようにして大きくなったのかを知ることが必要です。 ほかの芸能プロダクションとは違い、男性タレントの養成に特化。単に歌や踊りができるだけでなく、しゃべりもうまく、1990年代以降は音楽番組だけでなく、バラエティー、ドラマ、報道番組まで活動の場を広げていきました。テレビ局、ひいては時代のニーズともマッチしていました。 所属タレントのメディア露出が増えるほど、事務所は発言力を強めていきました。テレビ局にとっては、ジャニーズ事務所は視聴者を集めることができる有力プロダクションである一方、いろんな要求をしてくる相手でもあった。 それが顕在化したのが、2019年に発覚したSMAPをめぐる問題です。元メンバーをテレビ番組に出演させないよう圧力をかけた場合は独占禁止法に触れるおそれがあるということで、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対して注意しました。 テレビの場合は、こうした事情が「報道しにくさ」につながっていましたが、新聞の場合は、こうしたしがらみは少ないはずです。ただ、新聞社の社内的なヘゲモニー(覇権)として、芸能は、政治・経済・社会の話題の次という位置付けだった。そうした報道は週刊誌の役割だという意識もあったのではないでしょうか。 新聞の重要な役割の一つは権力監視ですが、ジャニーズ事務所も「権力」になっているということに気づけなかったのだと思います。 「ニュースかどうか」を判断する際の新聞社独自の姿勢も影響していると思います。例えば「疑惑の段階では記事化を控える一方、逮捕の執行や判決が出るなど、警察や司法の判断が記事化に強く影響する」といったことです。週刊誌などと比べて厳格な掲載基準があるからこそ、信頼につながっているという面もありますが、その論理やルールが市民感覚から離れていないかを議論してこなかったことは問われるべきです。 印象的だったのは、今年3月に英BBCがドキュメンタリーを放送した後は、報道各社が急に積極的になったことです。「誰かが報道を始めたから怖くないぞ」とばかりになだれ込む。この「横並び体質」も、日本のジャーナリズムの特徴だと思います。 今回は、加害側の当事者が亡くなっていて、反論できないといった事情もあります。ただ、現実に被害を訴える人が多く存在しています。なぜ報じてこられなかったのかをしっかり検証することには、意味があると考えています。 「触れられない」 テレビ局が自主規制 【民放元プロデューサーの吉野嘉高・筑紫女学園大教授(メディア論)】 90年代に週刊文春の報道があった頃、主にニュース番組を担当していました。具体的な事実を把握していたわけではありませんが、この問題に触れることができないことは、業界内の「暗黙の了解」でした。 人気タレントを多く抱えるジ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
戦後3番目の死者を出した福井地震から75年 遺族「風化させない」
3769人の犠牲者を出した福井地震から、28日で75年を迎えた。福井市の足羽山西墓地では追悼式があり、新型コロナウイルスの影響がなくなった今年は、遺族ら約40人が出席した。 福井地震は1948年6月28日午後4時13分(当時はサマータイムで午後5時13分)に起きた。現在の坂井市丸岡町を震源にマグニチュードは7・1だった。 福井市の930人を含む3769人の死者数は、東日本大震災、阪神・淡路大震災に次いで、戦後3番目に多い。 この日の式典では、東村新一… この記事は有料記事です。残り521文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル