大阪大学は今春、外国にルーツを持つ子どもたちの学びを支える「複言語・複文化共存社会研究センター(阪大ふくふくセンター)」を大阪府箕面市の箕面キャンパス内に開いた。支援が必要な子どもがいる学校と、支える側の同大の学生らをつなぐ窓口としての役割を担う。 センターでは、外国にルーツを持つ子どもたちが、それぞれの言語や文化などを学ぶ「母語教室」の支援に力を入れる。 依頼があった教育委員会や自治体、学校に、「メディエーター(仲介者)」と名付けた学生や教職員、卒業生らを紹介・派遣する。メディエーターの学生向けに、月に一度のペースで学習会を開き、教える側の悩みや不安の解消をはかる。 学生や卒業生らを対象に、5… この記事は有料記事です。残り810文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
繁華街近くの夜道で目の前がチカチカ それ疲れじゃなくてホタルです
金沢市中心部の繁華街・香林坊から歩いて8分ほど。住宅街の用水路を見ると何やらチカチカと光る物が。目の疲れ? いいえ、それホタルです。なぜこんな街中の、用水路にホタルがいるのか。背景などを探った。 6月中旬。古くは江戸時代以前から市内を網の目のように流れる55本、全長約150キロの用水。住宅に囲まれた用水路に流れる水の音とともに、ふわりふわりと小さな黄緑の明かりが点滅する。散歩や帰宅中の人々が立ち止まり、スマートフォンのカメラを向けていた。 市立長町中学校(同市長町)脇の鞍月(くらつき)用水の風景だ。周囲には住宅や地元企業も立ち並ぶ。取材の数日前に用水を訪れた上司は当初ホタルとは気付かず、「目の前でチカチカと光る物があった。疲れたためかと思った」。 なぜ街中の用水路にホタルが… この記事は有料記事です。残り1094文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
邪魔者になったアクリルパネル 野生動物を救うガチャアイテムに変身
新型コロナウイルスの5類移行で、パーティションとして使われた大量のアクリルパネルが行き場を失っている。「頑張ったのに邪魔者扱いされるなんて。どうにかしたい」と、デザイナーの卵たちが一肌脱いだ。パネルにデザインの魅力を吹き込むことで新たな商品に生まれ変わらせ、その収益を野生動物保護に活用してもらうという。 福岡市東区の九州産業大で20日、芸術学部ソーシャルデザイン学科の学生たちが、パネルを型抜きしてつくった動物チャームをガチャガチャのカプセルに詰め込む作業に没頭していた。 チャームは全部で15種類… この記事は有料記事です。残り976文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
メロン生産量日本一はどこ? 知名度不足解消へ挑んだ「見た目」勝負
メロン生産量日本一の茨城県オリジナル品種「イバラキング」に特化したコンテストが、5月に初めて開かれた。 初代王者に輝いたのは、同県鉾田市のメロン農家、根崎直喜さん(44)。イバラキングと名前が付く前の試験栽培の段階から生産に関わってきた。「今までやってきたことが報われました」と喜びを語った。 イバラキングは、県の農業技術を結集して生まれた品種だ。「日本一の産地なのに全国では知られていない」という危機感から開発が進められた。 10年以上をかけて、ヨーロッパ出身のアールス系を父親候補に、約4万個体から選び抜いた茨城育ちのアンデス系を母親候補にした。さらに400通り以上の掛け合わせを経て、2010年に品種登録された。 果実が大きく、上品な香りと甘さ、なめらかな肉質が特徴だ。「極上のメロン」とうたう。 味はよくても安値で取引 だが、他の高級品種に比べると安く取引される。 高級フルーツ店では、静岡産のクラウンメロンには1玉2万円近くの値がつくが、イバラキングは3千~5千円前後。贈答用は、網の目やT字形のつるの美しさといった見た目の印象も値段を左右する。 県は今年度、いばらき高品質メロン創出事業として、県産メロンの生産技術やブランド価値の向上に取り組む。コンテストは、イバラキングの品質の高さを発信し、高級品市場にアピールするために企画した。 「King of IBARAKING」と名付けたコンテストには県内の生産者19人が応募。5月25日に水戸市であった最終審査までに5人に絞られた。 パティシエの鎧塚俊彦さんら食や流通の専門家が審査員を務め、メロンを実際に食べながら味や外観などの指標を点数化した結果、根崎さんのイバラキングが最優秀賞に選ばれた。糖度の高さや香り、網の目やつるの美しさといった点で高い評価を得たという。 「おいしいものを作りたい」という思いが結果に 根崎さんは父もメロン農家で、20年以上前に就農した。イバラキングの開発段階から生産に携わってきただけに、コンテスト参加への周囲の期待は高かった。だが、参加するかどうか迷いもあった。 イバラキングで過去最高の販売価格を記録した根崎さんの試行錯誤を取材しました。 「イバラキングは中身の味で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
給水所にメロン4500個 食べ放題のランニングイベントが放つ魅力
今春、茨城・水戸への転勤が決まり、記者(33)はスマートフォンで趣味のランニングイベントを探していた。 「茨城産メロンが食べ放題」 指先が止まった。 茨城がメロン生産量全国一だということも知らなかった。だが、メロンに加え、日本三名園の一つ「偕楽園」(水戸市)の借景とされてきた千波湖(せんばこ)の自然も堪能できるという。迷わず大会への参加ボタンをポチッと押し、10キロの種目に申し込んだ。 今年で6回目を迎えた「茨城メロンメロンラン水戸偕楽園」。コース途中にある補給所のメロンポイント(別名は給メロン所)は、茨城産メロンが食べ放題だ。一部ではメロンソーダも提供された。 2016年に始まったが、新型コロナ禍のため20年は中止になり、21~22年はそれぞれの場所で走り申告するオンライン開催のみだった。今年は、4年ぶりの千波湖での開催とあって、県内外から4229人がエントリーし、4500個のメロンが用意された。 3キロ、5キロ、10キロの3種目と、3キロの親子ランから選べる。メロンポイントは距離が長くなるほど多くなる。千波湖を1周する3キロコースは1カ所、偕楽園公園の梅林まで足を延ばす5キロコースは2カ所、10キロコースは4カ所のポイントがある。 6月11日の大会当日はあいにくの雨。午前10時、千波湖西側の徳川光圀公像広場前にスタンバイすると、号砲を合図に約千人のランナーと一緒に駆けだした。 スタート付近でカメラを構えていた後輩記者に笑顔で手を振ったものの、数百メートルほどで、すねに痛みが走る。ダイエットのため、4年前にランニングを始めたが、忙しいことを言い訳に3カ月ほどさぼっていた。 手元の時計で10分18秒… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中1自殺、顧問の電話が「契機」だが「不適切とは言えず」 第三者委
さいたま市立南浦和中学1年の男子生徒が2018年に自殺した問題で、第三者委員会の報告書が23日、公表された。顧問の生徒に対する指導は不適切とは言えないとする一方、「決定的な要因とは言えないまでも自殺に傾倒する大きな契機となった」とし、部活をめぐるやりとりが自殺に一定の影響を与えたことを認めた。 生徒は18年8月26日、バドミントン部の練習に出かけると言って家を出た後、自殺した。直後に学校側は両親の同意を取りつけた上で、外部には「不慮の事故」と説明した。これを前提に学校は生徒らに聞き取り調査をし、いじめを受けたり友人とトラブルになったりした様子はみられないと判断した。 しかし遺族は調査結果に納得せず、「顧問の行き過ぎた指導が原因ではないか」などと訴え、部活動でどんなことがあったかを明らかにするため外部の専門家による調査を要求。19年7月に第三者委が立ち上がった。 報告書では、顧問による強い言葉による指導や、夏休みの練習で顧問がこの生徒ら3人をステージに上げて素振りの練習をさせるなどしたことを認めたが、指導が不適切であったとは言えないとした。ただ、こうした指導で生徒が「部活動不適応」に陥ったとした。 自殺前日には、この生徒が部活を休んで遊んでいたとの報告を受けた顧問が、生徒宅に電話して事実確認をしていた。部活動不適応だったのに、この電話をしたことについては、「決定的な要因とは言えないまでも自殺に傾倒する大きな契機となった」と判断した。 報告書はA4判115ページ。大学教授ら5人が22年7月までの3年間で計74回の調査会を開き、作成した。報告書を昨年に公開する動きがあったが、黒塗りの部分が多すぎると遺族側から指摘があり、その後も検討を重ねていた。(大西英正) 生徒の母親「納得できない」 生徒の母親(49)も報道陣の取材に応じ、第三者委の結論について「顧問の電話が自殺の要因の一つと認めながら、因果関係がないとの結論は納得できない」と不満をあらわにした。 市教委の細田真由美教育長が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
部活顧問の体罰、異例の逆転認定 第三者委、県教委の対応を問題視
静岡県立高校の運動部顧問を務めた元教諭の不適切言動をめぐり、県教育委員会は23日、部員に対する体罰があったとした第三者委員会の報告書を公表した。体罰を認定しなかった県教委の調査内容に反して逆転認定した格好。文書訓告とした判断も「不適切」と指摘するなど、一連の対応を問題視する異例の判断を示した。 部員に対する体罰が三者委に事実認定されたのは、静岡西高(静岡市)で女子バスケットボール部顧問を務めていた元男性教諭。 報告書によると、元教諭による不適切な指導内容を列挙した調査嘆願書が2021年1月に教委に寄せられ、関係者の聞き取り調査が始まったが、教委は同年3月、「体罰があったと認定できない」として、不適切発言を理由に、懲戒処分に該当しない訓告とした。元教諭は同月に退職した。 第三者委、教委の「ガイドライン理解が不十分」 被害を受けた部員の保護者か… この記事は有料記事です。残り487文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アカハラ処分教員が学会役員に 「ありえない」の声、学会どうする?
ある文学系学会の東京支部で4月、会員である男性研究者が支部長に再任された。この研究者は3月、所属する都内の大学からアカハラをしたとして停職2カ月の懲戒処分を受けていた。大学院生3人に対し、研究者としての資質がないといった内容のメールを送ったり発言したりしたという。4月末、大学は匿名で処分を公表。男性研究者は現在、「一身上の都合」として支部長の仕事を自粛しているという。 「学会に安心して参加できない」――。アカデミックハラスメントが認定された大学教員が所属大学で懲戒処分されても、学会では役員を継続できる。そんな状況に、被害者を中心に疑問の声があがっています。専門家は「対応に難しさはあるが、学会にハラスメントに関する規定を設けるなど、できることはある」と指摘します。 学会メンバーによると、支部長は4月にあった支部総会で選ばれた。当時は大学の処分発表前だった。停職処分中であることについて、男性研究者から説明はなかったという。 大学の処分公表後に会員の間で問題視する声が上がったが、学会にハラスメントに対する規定などがなく、役員らで今後の対応を模索しているという。朝日新聞は学会と支部、男性研究者に取材を申し込んだが、23日までに返事はなかった。 被害学生ら「ありえない」 この男性研究者からハラスメ… この記事は有料記事です。残り1118文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガーシー容疑者、被害訴えた男性をさらに脅したか 異例の再逮捕へ
有料記事 山口啓太 福冨旅史2023年6月24日 5時00分 動画投稿サイトで著名人らを繰り返し脅したとして前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が逮捕された事件で、警視庁は、この著名人らの告訴を受け、別のSNS動画でさらに脅した疑いが強まったとして、同容疑者を証人等威迫容疑で24日にも再逮捕する方針を固めた。 捜査関係者への取材でわかった。SNSでの発信に証人等威迫容疑を適用するのは異例という。 東谷容疑者は昨年2~8月、ユーチューブ上で俳優、実業家、デザイナーの3人を繰り返し脅迫するなどしたとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑などで今月4日に逮捕された。 「告訴許さない」と言った動画が捜査される背景 捜査関係者によると、東谷容… この記事は有料記事です。残り520文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名作のタイトルから「妄想」を広げて 滝沢カレンさんが新著刊行
有料記事 文・田中ゑれ奈 写真・山本佳代子2023年6月24日 5時00分 名作のタイトルとあらすじをヒントに、似ても似つかぬ物語を生み出す。『みだれ髪』の主人公は「髪の毛がこんがらにもこんがり合う、絡まりボサボサ頭の女」に、『若きウェルテルの悩み』はコンタクトデビューを恥じらう高校生の話に変身した。 モデル・滝沢カレンさん(31)の著書『馴染み知らずの物語』がハヤカワ新書から発売されました。朝日新聞のウェブメディア「好書好日」の人気連載に書き下ろしを加えた1冊です。 読書好きだが、読破した本は多くはない。数十ページめくってはその世界に浸って手が止まり、別の本、また別の本へと興味も移ってゆく。いつしか内容がごっちゃになって、全部読んだ気分になってしまう。 空想は日常生活でも際限なく… この記事は有料記事です。残り550文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル