立ち上がった時のヒグマはどれぐらいの大きさなのか――。北海道でヒグマ目撃情報が相次ぐなか、北国博物館(名寄市)が実寸大パネルを展示して注意を促している。 博物館の壁には、4種類のシルエットが貼りつけてある。 ▽独り立ち直後の若グマ(1.8m、体重80~120キロ)▽一般的なサイズのメス成獣(2m、同80~150キロ)▽一般的なサイズのオス成獣(2.3m、120~150キロ)▽最大級のオス成獣(3m、400キロ)。その大きさは、いずれも実物に近い。 学芸員の金田卓浩館長によると、市街地に出没するヒグマは「若グマ」と「メス」とされている。4区分の中では小さい方にあたるが、博物館スタッフに前に立ってもらうと、大きさは一目瞭然だ。 北海道北部に位置する名寄市は、中心部をのぞくほぼ全域でヒグマに遭遇する可能性があるという。5月には、西へ車で30分ほどの朱鞠内湖畔で釣り人が襲われて死亡した。 ミニ企画展「ヒグマ」は、こうした情勢を踏まえて企画したという。金田館長は「ヒグマの大きさを体感することで、注意や警戒につながれば」と話している。(原知恵子) □ 《ヒグマによる人身事故にあわないために》 ①事前に出没情報を収集し、危険な場所は避ける ②クマ鈴、ホイッスルなどを使って音を発することで、人間の存在に気づかせ、ヒグマがその場から離れるようにする ③複数人で行動する。 ④周囲の様子に気を配り、足跡やフンを発見したり、ヤブの中からゴソゴソと音が聞こえたり、動物の死体やその臭いを発見したら、その場を離れる 《ヒグマに出会ってしまったら》 ①絶対に走って逃げない。背中を見せて逃げると、ヒグマは追いかけようとする ②人間同士が静かに集まる。集まることで攻撃されにくくなる ③ヒグマ撃退スプレーをいつでも噴射できるよう準備する ④ヒグマをみながらゆっくり後ずさりして離れる。 ~北国博物館 ミニ企画展「ヒグマ」から~ Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
繰り返された激震、熊本城で火薬庫の爆発も 「地震少ない」は誤解?
江戸時代から明治にかけて熊本県内では大地震の多発期が6回あった――。こんな年表が、熊本大学永青文庫研究センターの稲葉継陽(つぐはる)センター長ら熊本の研究者によってまとめられた。熊大が今春出した「細川家文書 災害史料編」(吉川弘文館)にも収録された。 年表は「肥後熊本震災史年表」。個々の地震はこれまでも知られていたが、「発生に一定の規則性がある」と分析しているのが特徴だ。年表では後述の別表のように、熊本県内で地震が多発した時期を六つに分けている。地震は1度では済まず、数年間隔で3度ほど繰り返し、そのセットが数十年ごとに襲ってくる、と捉えている。 ①の期間内の1625(寛永… この記事は有料記事です。残り1681文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寝る時も「鉄道への愛を」 ローカル線の抱き枕、山口の企業が販売
大藤道矢2023年6月20日 12時18分 JR宇部線・小野田線の車両をあしらった抱き枕を、山口県宇部市のデザイン設計会社「西(さい)と合同会社」が販売している。ローカル線への郷土愛を込め、全国に誇れる土産品にしたいと企画した。 宇部線・小野田線を走っている105系と123系の車両をモチーフにした「現行色」の濃い黄色と、旧塗装の白色の2種類があり、二つの線のすべての駅名を英語表記で入れた。また、細部まで描写した貨物列車の抱き枕も作った。 JR西日本とJR貨物の承諾を得て、昨年12月から販売をスタートした。「エヴァンゲリオンの映画にも登場した車両で、鉄道ファンだけでなく、多くの人にローカル線を知ってもらえるきっかけにしたい」とデザインを担当した同社の東恭一さん(47)。「旅の思い出として、また訪ねたいと思ってもらえる一助になればうれしい」とも話している。 抱き枕は、宇部線・小野田線の車両がデザインされている2種類が7700円(100センチ×40センチ)で、貨物列車は1万1千円(150センチ×50センチ)。山口市阿知須の鉄道模型店「スモールワールド」で販売中。宇部市と山陽小野田市のふるさと納税の返礼品にも採用されている。(大藤道矢) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「見えない不安」が生んだ差別と敵意 先崎彰容さんが語るコロナ禍
有料記事 聞き手 シニアエディター・尾沢智史2023年6月20日 12時30分 コロナ禍は、日本社会にどんな影響を残したのでしょうか。思想史家の先崎彰容さんは、「日本全体が監禁されたような」3年間だったと総括します。人々が孤立し、つながりを失ったとき何が起きたのか。壊れた社会を立て直すには何が必要なのかを考えてもらいました。 コロナ禍の3年間、日本全体が宗教勧誘のような、監禁状態に覆われたと思います。 日本列島全体が一つの密室状態になり、閉じ込められた私たちに、メディアが毎日、感染者の数字を伝え、同じ映像を繰り返し見せた。宗教を勧誘する時、密室に隔離して教義を繰り返し説くのに似ています。そういう逃げ場がない状態に個人が追い込まれてしまった。 その結果、起きたのは個人の… この記事は有料記事です。残り991文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
老人ホームで首しめた疑い、91歳夫を逮捕「天国で再婚」 妻は死亡
宮脇稜平2023年6月20日 12時43分 入居する老人ホームで妻(92)の首を絞めて殺害しようとしたとして、警視庁は無職の男(91)=東京都羽村市栄町2丁目=を殺人未遂容疑で逮捕し、20日発表した。妻は死亡し、男は「高齢なので体の身動きがとれなくなり、妻を先に天国に送り、自分も死んで天国で再婚したいと思った」と供述しているという。 福生署によると、逮捕容疑は18日午後、同市栄町2丁目の老人ホーム「SOMPOケア そんぽの家 羽村」の一室で、妻の首を絞めて殺害しようとしたというもの。男は容疑を認め、「電気コードを使った」と話しているという。 同署によると、2人は昨年3月に入所し、同じ1室で暮らしていた。今月18日午後10時過ぎまでに、妻の呼吸や体の動きがないことを施設のセンサーが感知。介護職員が駆けつけ、ベッドの上で妻を発見し、間もなく死亡が確認された。男は室内におり、けがなどはなかったという。 施設を運営する「SOMPOケア」(東京都品川区)は取材に、2人についてのトラブルは把握していないと答えた。(宮脇稜平) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
許可あり、現金賭けず…でも注意必要 増えるアミューズメントカジノ
現金を賭けずにポーカーなどで遊べる「アミューズメントカジノ店」が増えている。風俗営業法上、ゲームセンターと同じような許可を得ている店がほとんどだが、5月には大阪で賭博場を開いた疑いで2店が摘発された。「グレーな店も多い」との指摘もあり、警察が注意を呼びかけている。 今月8日夜、大阪市内の歓楽街にあるアミューズメントカジノ約20店舗に府警が立ち入り検査に入った。警察官が配るチラシを見た店の関係者は驚いた。「多くの店がグレーかクロになってしまうのでは……」 チラシには、賭博や風俗営業法違反となり得る行為が列挙されていた。 「ゲームの勝敗や大会の順位に応じて、参加者が賞金などの得失を争う」「店内のトーナメント大会で、旅行券やゲーム機などを提供する」 この関係者によると、ポーカー大会の上位入賞者に店の割引券やポイントを配っている店は多い。数十万円を超える賞金を出す大会を開く店もあるという。 「店の競争が激しくなり、集客のために賞品を提供し、その価値もどんどん上がっている状態だった。今後は見直さざるを得ないだろう」 府警が立ち入り検査をしたきっかけは、二つのポーカー店を5月に摘発したことだった。経営者ら計10人を賭博開帳図利の疑いで逮捕。その中には「ポーカーの健全な普及」をめざすNPO法人「日本ポーカー協会」の理事(55)=当時=が含まれていた。さらに、客計11人も単純賭博容疑で逮捕された。 府警によると、店ではまず、客が1円当たり1~3点分のチップと現金を交換する。店は客がポーカーで獲得したチップに応じ、「ポーカー業界への支援」としてポーカー協会の銀行口座に現金を送金。さらに協会理事が手数料を差し引いた上で、「競技者への支援」の名目で客に現金を振り込んでいたという。 「利用客も注意しなければ、摘発対象となる恐れ」 2店は風営法でゲームセンタ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強制不妊の控訴審判決、誤って「義妹」と表記 弁護団「理解不十分」
根津弥2023年6月20日 9時59分 旧優生保護法(旧法、1948~96年)の下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、宮城県内の女性2人が国に損害賠償を求めている訴訟に関し、仙台高裁(石栗正子裁判長)は19日、6月1日に言い渡した控訴審判決の表記に「明白な誤り」があったと明らかにした。原告側弁護士によると、原告の義姉を誤って義妹と記していたという。 判決文を訂正する「更正決定」は15日付。高裁判決は旧法を違憲としつつ、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」を適用し、女性2人の賠償請求を退けていた。 原告側弁護士によると、誤っていたのは除斥期間を適用する理由を説明した部分。判決は原告の60代女性について、母親が1975年ごろに義姉に「子どもができないように手術した」と伝えていたことなどから、「優生手術を受けたことを認識し得た」と認定。「(提訴の)機会がなかったとまではいえない」とし、賠償請求権は消滅済みだと結論づけた。 ところが、判決文ではこの義姉を誤って「義妹」と記していた。弁護団長の新里宏二弁護士は「判決の大事なところで、被害に対する理解が不十分であることを象徴している」と批判した。原告側は判決を不服とし、最高裁に上告している。(根津弥) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネットで調べものする高齢者、5年で倍以上増え半数超 高齢社会白書
高齢者のうちインターネットで調べものをする人は半数を超え、この5年間で2倍以上に増えていることが、内閣府が20日に公表した2023年版の「高齢社会白書」で明らかになった。一方、高齢者の6割以上で人と直接会う機会が減っており、コロナ禍によるコミュニケーションへの影響も浮かび上がった。 調査は内閣府が22年度、65歳以上の男女4千人を対象に実施。ネットで「調べることがある」との回答は50・2%で、17年度の20・0%と比べて大幅に増えた。何を調べるか聞いたところ、「病気について」が最多の39・0%で、「病院などの医療機関」が30・1%、「薬の効果や副作用」25・1%と続いた。いずれも5年前から3~4倍程度増えた。 内閣官房の21年の調査によると、コロナ禍で人と直接会ってコミュニケーションをとることが「減った」とした人は61・6%。「増えた」は1・1%にとどまり、「変わらない」が34・9%だった。白書は「コロナ禍が非対面コミュニケーションのきっかけとなっている。ネットを活用した社会活動につながる可能性もある」としている。 2023年度版「障害者白書」も公表 内閣府は同日、23年版の「… この記事は有料記事です。残り123文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ジャニーズ陥れようとしている」 署名団体、実名さらされ誹謗中傷
ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題をめぐり、事務所に対して署名活動をした団体やメンバーに、誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。こうした問題に詳しい識者は、「タレント側の性被害を受け入れたくない」という一部のファン心理のほか、メンバーのこれまでの活動や賛同人に対しての敵対心などが背景にあるとみる。 事務所に署名を提出したのは、ファンら4人で作る「PENLIGHT(ペンライト) ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」。第三者委員会などの設置▽性暴力被害を訴えた人に対して事実を認め謝罪▽被害者支援――などを求め、4月からオンラインで署名を呼びかけた。事務所は外部専門家による「再発防止特別チーム」を設置し、被害の聞き取りや事務所の対応を検証するとしている。 発起人の高田あすみさん(仮名)は10年ほど前からジャニーズ事務所のタレントのファンで、これまでコンサートに遠征したことも数十回あったという。タレントを応援したいという気持ちと、性暴力は許せないという思いの葛藤に悩み、事務所に対応を求めて声を上げることが、二つの気持ちを両立させることになるのではと始めた署名活動だった。 ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐっては、被害を告白した元Jr.や署名活動をする団体に誹謗中傷が相次いでいます。記事後半では、署名団体のメンバーが活動を通じて伝えたかったことや、ネット上の誹謗中傷に詳しい専門家の意見を掲載しています。 しかし、ネット上には「ファ… この記事は有料記事です。残り1024文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ライバル同士が女性誌で語った気候変動 メディアは希望になれるか
メディア空間考 香取啓介 5月、気候変動報道にかかわる新聞記者を集めた座談会に参加した。 企画したのは、講談社の女性誌「FRaU」だ。同誌は、以前からジェンダーやSDGs(持続可能な開発目標)などのテーマも積極的に取り上げている。司会を務めたウェブ版の編集長、新町真弓さんは「いまを知ることは、ファッションやライフスタイルと同じぐらい、読者にとって大切だ」と話す。 ただ、気候変動は「誌面の記事をネットに切り出しても読まれない」と悩んでいた。それは新聞記者も同じだ。 気候変動の影響は将来にわた… この記事は有料記事です。残り916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル