今村建二2023年6月14日 19時30分 熊本県人吉市出身のタレント、内村光良(てるよし)さん(58)が豪雨で被災したふるさとを舞台に撮影した短編映画「夏空ダンス」(47分)がいよいよ一般公開される。内村さんは14日、人吉市役所を訪れ、松岡隼人市長に映画の完成を報告した。 作品は、ダンサーを夢見る女子高校生が恋や進路に悩みながら、ひと夏を通じて成長していく青春物語。 監督の内村さんは、市役所勤務の父親役で出演もした。「昨年8月の撮影開始も市役所、設定も市職員、今日の報告もここ。もう少し頑張ったら本当に市の職員になれるかも」と話し、笑いを誘った。その上で「線状降水帯や台風が発生する嫌な季節になった。まずは日々を無事に過ごしていただいた上で、安全が確保されたら、ぜひ見にきてほしい」と話した。 24日に人吉市の人吉カルチャーパレス小ホールで開かれる「くまもと復興映画祭 球磨川特別編」で、全国に先駆けて一般公開される。上映は午前10時15分から。内村さんも出席し、観客と交流する。30日からは2週間限定で、熊本、福岡、佐賀各県内のイオンシネマで上映される。(今村建二) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
9歳に手術の事例も 強制不妊、深刻な被害浮き彫り 国の報告書原案
旧優生保護法(旧法、1948~96年)下で、障害や特定の疾患がある人たちが不妊手術を強いられたことをめぐり、立法経緯や被害事実などについて衆参の調査室などがまとめた報告書原案の全文が判明した。9歳の児童に手術が行われたり、法定の手続きを経なかったりと、深刻な被害の実態や法令逸脱の疑いがある運用が、国の報告書原案で裏付けられた。 旧法下では、約2万5千件の手術が実施された。法律に基づく報告書原案は12日に両院の厚生労働委員長に提出されたが、千ページ超の全文は週明けの議長提出までは非公表。報道機関には7ページの概要のみ公開されていた。ずさんな運用は、原案全体のうち、自治体や医療機関などへの調査から分かった。 原案には、自治体資料に基づき「最年少は、9歳の事例」と明記。昭和30年代後半に男児が、昭和40年代後半に女児が、それぞれ不妊手術を受けた。理由や背景は不明。最年長は当時57歳の男性だった。 旧厚生省は、手術にあたり、だますことが許されると通知。実際に「盲腸手術の時に本人にわからないうちに(手術を)した」といった事例があった。 旧法で認められていたのは、卵管や精管を縛るなどの不妊手術。規定以外で生殖不能を目的にした手術やX線照射は「故なく行ってはならない」と定められ、罰則もあった。旧厚生省は54年、法定外の睾丸(こうがん)摘出についての自治体からの照会に、正当な理由は「治療効果がある場合」「緊急避難行為」に限られると回答している。 だが子宮摘出や放射線照射といった法定外手術などが横行。原案には「福祉施設長が生理を止める目的で手術(子宮摘出)を希望した事例があった」と記載されている。 本人の同意不要とされた手術… この記事は有料記事です。残り695文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組合活動で似顔絵入りビラ配布 労組に賠償命令「個人への人身攻撃」
金子和史2023年6月14日 20時37分 労働組合「東京管理職ユニオン」に虚偽の事実や似顔絵が書かれたビラを配られ、名誉を傷つけられたとして、一般財団法人「あんしん財団」の理事長が組合と代表者に約1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、東京地裁(村田一広裁判長)であった。判決は、「組合活動として社会通念上許容される範囲とは認められない」として、組合側に88万円の賠償を命じた。 判決によると、財団は2015年、複数の職員に転居を伴う異動を命令。職員らは不当な異動だとして提訴し、組合にも加入した。組合は財団本部前や理事長の自宅の最寄り駅付近で「パワハラ理事長」「遠隔地配転を強行」といった言葉や理事長の似顔絵を載せたビラを配るなどした。 判決は、ビラは理事長の名誉を傷つけ、理事長個人が異動を強行したと受け取れる内容も真実とは言えないと判断。似顔絵も「パワハラをした人物として強く印象づける」と違法性を認めた。 また、理事長宅の最寄り駅付近での街宣活動は「心理的圧力を加えることを意図したと推認せざるをえず、必要性・相当性があるか疑わしい」と指摘し、「理事長の私生活上の平穏を侵害する」と認定した。 組合側は、財団の職員の地位向上を目的にした正当な組合活動の範囲内だと主張したが、判決は「理事長としての経営責任を問うことを超えて、個人に対する人身攻撃と評価できる」と退けた。(金子和史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都・仁和寺で傷害容疑、70代の男を逮捕 国宝の金堂に傷見つかる
西崎啓太朗2023年6月14日 21時29分 13日午後10時15分ごろ、世界遺産の仁和寺(京都市右京区)で、寺の職員が境内に立ち入った男に工具で殴られ、軽傷を負った。男はその場で職員に取り押さえられ、京都府警右京署が傷害容疑で逮捕した。国宝・金堂(こんどう)の木製扉に傷が見つかったため、寺は署に被害を相談している。 署の発表では男は70代。持っていた工具で職員の30代男性の頭を殴り、打撲を負わせた疑いがある。 寺によると、金堂近くを歩いていた職員が、入り口の木製扉の南京錠を工具で壊そうとしている男を発見。声をかけたところ、殴られた。その後、鍵穴付近の木が4センチほどはがれているのを確認したという。 金堂は、御所の紫宸殿(ししんでん)を江戸初期に移築した建物で、堂内には本尊などが安置されている。(西崎啓太朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自OB「銃のルール、破れば連帯責任」 発砲事件の射撃場も経験
陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で隊員3人が撃たれて死傷した事件で、元自衛官の20代男性が取材に応じた。殺人未遂容疑で逮捕された自衛官候補生の男(18)と同じ守山駐屯地(名古屋市)に数年前に所属していたという。 男性によると、自衛官候補生は隊員同士で共同生活を送りながら、自衛官となるために必要な、基礎的教育や訓練を受ける。その後、部隊勤務などを経て入隊から約2年間に及ぶ任期を迎える。その後は自衛官を続けるか、退職するかで分かれる。 訓練の中では、銃の扱い方や実弾の装備方法についても学ぶ。男性は実弾を使う射撃訓練を候補生期間の終盤に2回受けたといい、事件のあったこの時期は「春に入隊した自衛官候補生からしたら、基本的な訓練の集大成の時期」と言う。 男性は守山駐屯地に所属していた期間も含めて年に数回、今回の現場となった日野基本射撃場での射撃訓練に参加したことがあった。射撃場は室内で防音性が高く、外に音は漏れにくいという。 「直前まで指をかけるな」 訓練では5~10人が列とな… この記事は有料記事です。残り467文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
修正されたLGBT法案 参院での審議に反対 当事者たちが抗議活動
修正が加えられた「LGBT理解増進法案」は性的少数者への差別を助長するとして、当事者や支援団体が14日夜、東京・永田町の参院議員会館前で、参院で15日に予定される法案審議に抗議する集会を開いた。 集会ではまず、「STAND FOR LGBTQ+LIFE」の運営スタッフ、小林美咲さん(30)が、法案に「全ての国民が安心して生活することができること」という留意事項が加わったことについて、「LGBTは安心を脅かす存在だとされている」と問題視。「今の法案を廃案にして、立法事実に立ち返った差別禁止法を求めます」と訴えた。 参加者らは、「LGBT理解抑制法 いらない」「理解増進法は、差別増進法だ」などと書かれたプラカードを掲げて抗議した。 法案をめぐっては、自民党の… この記事は有料記事です。残り206文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
君が代を暗記する児童・生徒数を調査 大阪・吹田市教委、小中学校で
大阪府吹田市教育委員会が3月、全ての市立小中学校を対象に、国歌や校歌を暗記している児童・生徒の数を尋ねる調査をしていたことがわかった。「思想信条の自由を脅かす」などと複数の教職員組合が抗議文を提出した。取材に対し、市教委の担当者は「思想信条に関わる問題で、慎重に対応するべきだった」と釈明した。 吹田市教委によると、3月9日に「卒業式・入学式について」と題した文書を市立小中学校54校にメールで送付。君が代と校歌を暗記している人数を学年ごとに回答するよう求めた。2月の市議会で自民党市議から、指導の効果を確認したいなどとして暗記状況を聞く質問があったためという。2年前にも議会側から要請を受け同様の調査をした。 市教委によれば、学校側は、音楽の担当教諭に聞き取って大まかな数字をまとめたり、担任が子どもに挙手を求めて確認したりして、全校が回答したという。市教委は集計し、全体の学年ごとの割合を市議に伝えた。 君が代は、1999年に国旗… この記事は有料記事です。残り428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公文書2法案を立憲と維新が共同提出 国会協調は正式に終了
立憲民主党と日本維新の会は14日、行政文書の定義を見直す公文書管理法改正案と、独立性と専門性を持った新たな機関「公文書院」を設置する公文書管理適正化推進法案を衆院に共同提出した。両党による法案の共同提出はこれで最後となり、昨年の臨時国会から始まった国会協調は正式に終了した。 両党が立ち上げた「改革チーム」が提出する法案はこれで3本目。両党は先月、すでに協調路線を解消していたが、教員給与特措法改正案を除き、準備を進めてきた法案は共同提出するとしていた。 公文書管理法改正案では、行政文書の定義を見直し、国会議員の面会記録なども文書に残すよう義務づける。提出者の立憲・後藤祐一衆院議員は、過去に行政機関が文書を「個人メモ」と判断して非開示にするケースがあったと指摘。開示すべき文書の対象を広げるとした。法案には、文書改ざんを防止するためのデジタル保存や永久保存も書き込んだという。 公文書管理適正化推進法案では、新設する「公文書院」で公文書管理の企画立案推進や一元的な文書管理システムの整備を行うとしている。(木佐貫将司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自衛官候補生は「契約社員のようなもの」 入隊から任官までの3カ月
【動画】陸自射撃場で発砲か。3人が病院に搬送、18歳の自衛官候補生を逮捕=保坂知晃撮影 陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で陸上自衛隊の隊員3人が死傷した発砲事件で、逮捕されたのは、4月に入隊したばかりの「自衛官候補生」だった。候補生とはどのような存在なのか。 陸上自衛隊によると、中学や高校を卒業し、採用試験を経て4月に入隊した直後を自衛官候補生と呼ぶ。6月下旬までの約3カ月にわたって訓練を受け、候補生から自衛官に任官する。 それから約1年9カ月かけて陸士長まで昇任しながら様々な部隊での勤務に従事し、入隊から約2年間に及ぶ任期を迎える。その後は自衛官を続けるか、退職するかで分かれる。 今回の容疑者の男は事件当日、最後となる5回目の射撃訓練を受けていた。射撃訓練を経て、他の候補生と同様に6月中には新隊員教育を終えて任官する予定だった。 陸自によると、男は事件時、「指導部」とよばれる指導役の隊員らと訓練に臨んでいた。捜査関係者によると、男は指導役の隊員に向かって発砲したという。 元自衛官の20代男性が取材に応じた。数年前に、容疑者と同じ守山駐屯地(名古屋市)に所属していたという。 男性は、容疑者のような候補… この記事は有料記事です。残り1039文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自元隊員の性加害訴訟、国側「極めて深刻」 元隊員4人は争う姿勢
中村英一郎 手代木慶2023年6月14日 19時57分 陸上自衛隊に在職中、複数の男性隊員から性暴力を受けたとして、元自衛官の五ノ井里奈さん(23)が、元隊員5人=懲戒免職=と国に計750万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、横浜地裁であった。国側は「極めて深刻な事案」とした一方、請求の趣旨などが明らかになっていないとして、答弁を留保した。五ノ井さん側によると、元隊員5人のうち、4人は争う姿勢を示したという。 五ノ井さんは訴状などで、陸自郡山駐屯地(福島県)の部隊に所属していた2020年9月から約1年間、階級が上の元隊員から日常的に性暴力やセクハラを受け、相談窓口への申告などをしたのに十分な調査がなされず、精神的な苦痛を受けたと主張している。 国側は答弁書で、元隊員らが五ノ井さんに、警備所や整備場などで性的な身体接触をした▽21年6月に飲食中、胸を触ったり、ほおにキスをしたりした▽同8月、40代の元隊員の指示でベッドに押し倒し、覆いかぶさって性的な身体接触をし、うち1人が口止めをした――ことなどは認めた。 五ノ井さんは弁論後、報道各社の取材に応じ、争う姿勢を示した元隊員らについて「ショックだった。反省してほしい」と強調。「裁判をすることで闘っている姿を見せ、同じように苦しんでいる人に勇気を与えたい」と話した。 五ノ井さんへの性暴力を巡っては、強制わいせつ罪で在宅起訴された男性隊員3人の初公判が今月29日、福島地裁で開かれる予定。(中村英一郎、手代木慶) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル