阿部浩明2023年6月13日 8時00分 北海道函館市内のすべての市立小学校で、今年度の水泳授業が中止されることになった。プールのない学校の児童を近隣校のプールに移動させる必要があるが、送迎用バスの運転手を確保できないためという。 市教委によると、市立小39校のうち20校にはプール施設がない。この学校の児童たちはこれまで、プールのある近隣の拠点8校に行って、水泳の授業を受けてきた。コロナ禍で2020年からプール学習は中止していたが、感染症法上の「5類移行」により、今夏は4年ぶりに再開される予定だった。 ところが、移動に必要な延べ約350台分のバス運転手の確保が難しくなった。コロナ禍でバス需要が減って運転手の離職が相次いだことや、コロナ明けで観光需要が回復しつつあるなか、少ない運転手を観光業に回さざるをえないというバス会社の事情が背景にあるという。 授業のカリキュラムは校長の判断だが、市教委がプールのある学校の校長に意向を確認したところ、全校が「教育格差が生じかねないので、授業は見合わせる」と答えたため、一律中止を決めた。 学校の水泳学習では、泳法だけでなく、水に落ちたときの対処法など命を守るための安全確保についても学ぶ。市教委は「プールでの実習はできなくても、事故防止などの『心得』を取り上げる授業は必ず行う」としている。(阿部浩明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「弾丸登山」に気をもむ富士山 地元は夜間通行規制を要望、県は慎重
まもなく夏の登山シーズンを迎える富士山で、十分な休息をとらないまま徹夜で山頂をめざす「弾丸登山」の急増が懸念される中、新たな入山規制を求める地元と、山梨県の間で姿勢の違いが表面化している。ふもとの富士吉田市は夜間の登山道の通行制限を県に要望する一方、登山道を管理する県は通行規制には消極的だ。 山小屋への予約も殺到中 同市の堀内茂市長らは12日、県庁を訪れ、長田公副知事に要望書を提出した。夜間に入山者数が一定数を超え、弾丸登山の急増で危険を及ぼしかねない場合に、立ち入りを一時規制するなどの対策を求めた。 堀内市長は、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、山小屋への予約が殺到していると指摘。「今夏の登山者数は過去に類を見ない状況になる」との見通しを伝えた。 その上で、弾丸登山が増えれば、高山病や低体温症、転倒などの危険が高まるとの懸念を示した。市が富士山八合目に設ける救護所の閉所日を当初予定の8月28日から9月10日に延長する方針も示し、不測の事態への危機感を強調した。 要望書には同市のほか、西桂、忍野、山中湖、鳴沢、富士河口湖の各町村と、地元の観光連盟、山小屋団体などが名を連ねた。 県は追加の規制策には触れず 長田副知事はこれらの指摘や… この記事は有料記事です。残り528文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横浜でピンクのバッタ 昆虫好き5歳が発見「うれしくて跳びはねた」
手代木慶2023年6月13日 8時00分 横浜市旭区のこども自然公園で5月28日、ピンク色のバッタが見つかった。写真を見た専門家によると、ショウリョウバッタの幼虫で、「ピンク色の幼虫は珍しい」という。 見つけたのは同市に住む幼稚園児の嶋優陽(ゆうひ)さん(5)。家族によると、優陽さんは休みの日に必ず採集に行くほど昆虫好き。 この日は飼っているカマキリの餌になる虫を探していて、レストハウスの近くの草むらに潜むバッタを見つけた。素手で捕まえようとすると、ぴょんと逃げたため、虫取り網で捕獲したという。 成虫になるまでに体の色が変化する可能性も 捕まえたバッタは体長約2センチで全体がほんのりピンク色。片足が欠けていたものの、元気な様子だという。愛用の図鑑で確認すると、ショウリョウバッタだとわかった。優陽さんは「見つけたときはうれしくてバッタのように跳びはねた」と顔をほころばせた。 バッタの生態に詳しいあつぎ郷土博物館(神奈川県厚木市)の槐(えんじゅ)真史・学芸員は「ショウリョウバッタは通常は緑や茶色で、全体がピンクの幼虫は珍しい。あと4~5回脱皮して成虫になるのではないか」と話す。成虫になるまでに体の色が変化する可能性もあるといい、優陽さんは大切に育てる予定だという。(手代木慶) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
突然届いたメールで電話、25万円請求 記者が相手に直撃すると
変だな、とは思った。千葉県市川市の無職男性(76)は昨年12月、スマホで一通のメールを受け取った。 「A社(大手携帯会社)よりお知らせ ご利用料金につきましてお話ししたいことがあります。本日中に050・×××・××× こちらまでご連絡下さい」 男性は1年以上前、携帯会社をA社からB社に乗り換えていた。B社はA社の子会社だから、問い合わせがあってもおかしくないのでは――。 「よくあるメールアドレスへの連絡ではなく、電話番号を指示していたので、つい連絡をしてしまった」 電話に出たのは、コバヤシと名乗る男だった。 「お電話ありがとうございます。A社お客様サポートでございます。どのようなご用件でしょうか」 ゆっくりと、丁寧な口調だった。男性の名前と生年月日を聞き取ると、コバヤシは電話を保留にした。 「お待たせしました。昨年11月、ご利用の携帯電話より総合情報サイト『ウィズ』のご登録をいただいております。1年分の未納があり、解約金などを含めて24万9600円がかかります」 心当たりはなかった。普段の1カ月の利用料は1800円。これに比べて高すぎる。 県内で5300万円詐欺被害 「これもコバヤシが?」 「そんなふざけた話はない」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特殊詐欺で得た電子マネー360万円を売買か 大阪府警、社長ら逮捕
華野優気2023年6月12日 20時00分 特殊詐欺の被害品と知りながら電子マネーを不正に売買したとして、大阪府警は12日、大阪市中央区の不動産業「トリニティ」の社長、今西利行(41)と社員の鈴木龍太(34)の両容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の仮装)容疑で逮捕し、発表した。2人とも否認しているという。 特殊詐欺捜査課によると、同社はインターネットで電子マネーの買い取りサイトを運営。2人は昨年6~7月、計360万円分の電子マネーが特殊詐欺の被害品であると知りながら依頼者に買い取りを約束し、別の業者に転売して代金を支払うなどした疑いがある。依頼者は特殊詐欺グループの関係者とみられる。 特殊詐欺の被害者は府内の40~70代の7人で、有料サイトの未払い金名目などで電子マネーを購入させられたという。同課は、両容疑者が他に計約6800万円分の電子マネーを不正に売買した可能性があるとみて調べている。(華野優気) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
船頭支える器具やベスト型救命胴衣 保津川転覆事故で再発防止策
有料記事 西崎啓太朗 光墨祥吾2023年6月12日 20時00分 京都の観光名物「保津川下り」で29人が乗った船が転覆して船頭2人が亡くなった事故で、保津川遊船企業組合(京都府亀岡市)は12日、再発防止策を発表した。船頭の転落が事故を招いたとして、船頭の体を支えるよう船に器具を設置する。 事故は3月28日午前11時ごろに起きた。組合によると、乗客25人と船頭4人が乗船し、船の後方で操縦する「かじ」担当の船頭が水をかかずに空振りし、バランスを崩して落水。船は十数秒後に岩に衝突して転覆し、全員が川に投げ出され船頭2人が死亡した。 組合は「かじ」担当の船頭の落下を防ぐため、足元を固定するストラップや体を支えるロープを船に設置する。また事故時に乗客8人の手動式の救命胴衣が膨らんでいなかったことから、乗客には自分で膨らませる必要のないベスト型の救命胴衣などに切り替える。船頭は、操船の妨げにならないよう自動式のベルト型を着用する。 川下り、再開の見通し立たず 防止策には、出航前に船頭が… この記事は有料記事です。残り394文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋城のバリアフリー化、結論先送り 差別発言問題の対応を優先
有料記事 寺沢知海 三宅梨紗子2023年6月12日 20時00分 名古屋城天守の木造復元をめざしている名古屋市は12日、市民討論会であった差別発言への対応を優先するとして、議題に挙げる予定だったバリアフリー化案について有識者会議に提案せず、結論を先送りした。一方、石垣の保存方針については同会議で市の計画案が了承された。 復元後の木造天守のバリアフリー化については、新しく開発する小型昇降機を何階まで導入するかが、課題となっていた。 市が3月に示したバリアフリー化案では、天守台の石垣内部から1階まで小型昇降機を整備するとしている。上層階についての具体的な対応は未定だ。 市は当初、この日の会議でバリアフリー化も含めた整備基本計画案を示し、了承されれば、今月中にも文化庁に提出する予定だった。 だが、6月3日に市が主催した市民討論会で、最上階までエレベーター(EV)設置を訴えた車いすの男性に対し、EV不要の立場の参加者から「ずうずうしい。我慢せい」などと発言があった。別の参加者からは身体障害者への差別表現を含む発言もあった。 河村たかし市長は5日の定例記者会見で、差別発言を制止できなかった市の対応について謝罪した。だが市議会からは「(障害者への)いじめの場所になっていた」などと市の対応への批判が相次いだ。 こうした状況を受け、河村市長は12日、臨時の記者会見を開き、「丁寧に今回のことを名古屋市として総括する」などと話し、バリアフリー化案の最終決定を見送り、差別発言問題への対応を優先すると表明した。市議会への説明や差別発言を受けた男性への謝罪といった対応を進める。 「穴蔵石垣」は現天守の解体後に対策検討 この日の会議には、傷みが激… この記事は有料記事です。残り246文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「むしろ理解を抑制する」 LGBT法案をめぐり、国会前で抗議集会
9日に衆議院内閣委員会で可決された、性的少数者に対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」の修正案の内容に抗議する当事者らが12日夜、国会前で集会を開き、「『理解増進』ではなく、むしろ理解を抑制するための法案だ」などと訴えた。 法案をめぐっては、与党が幅広い賛同を得るために、性自認を「ジェンダーアイデンティティー」と表現するなど、日本維新の会などの主張を盛り込む形で法案を修正。自民、公明、維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決した。 修正案の中で当事者らが最も問題視したのは、「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」と定める条文や、学校教育に関して「家庭や地域住民その他の関係者の協力が必要」という条文が新設されたことだ。 「多数派の安心に留意しましょうとはどういうことか」 性的少数者に関する情報を発… この記事は有料記事です。残り397文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
店舗兼住宅で火災 中にいた80代男性は避難 福岡・久留米
西田慎介 小川裕介2023年6月12日 23時40分 12日午後9時45分ごろ、福岡県久留米市本町で「店舗が燃えている」と複数の110番通報があった。福岡県警久留米署によると、2階建ての店舗兼住宅が焼けた。出火当時、建物内に80代の男性がいたが、避難して無事という。 隣接する店舗や倉庫も焼け、地元消防が消火活動にあたっている。 現場は、JR久留米駅から約1キロの店舗やマンションが並ぶ一角。(西田慎介、小川裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
質問権行使7カ月、旧統一教会への調査長期化 解散請求いつ判断?
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令の請求を視野に入れた文部科学省の調査は、開始から7カ月近くが経ち、長期化している。宗教法人法にもとづく「報告徴収・質問権」の行使は6回を数え、12日には教団側から回答があった。衆院解散の臆測が広がる中、文科省が請求の可否をいつ判断するのか注目されている。 同省は先月の6回目の質問権行使の際、156項目の質問を送付。回答期限の12日に教団から届いたのは、封筒型の郵便物1通と宅配袋二つだった。昨年12月に届いた1回目の質問への回答では段ボール8箱分の資料提出があった。教団から届く資料の分量は減ってきている。 宗教法人法は、「法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などがあった場合、文科省などが、宗教法人への解散命令を出すよう裁判所に請求できると定める。また、そうした行為が疑われる場合、資料提出や質問への回答を求める「報告徴収・質問権」を行使できると定める。 この権限はオウム真理教事件… この記事は有料記事です。残り800文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル