必要に応じて自主事業「お泊まりサービス」も提供する宅老所「いしいさん家(ち)」(千葉県)では、デイサービスとして利用する「通い」から「泊まり」へ移行してきたお年寄りを、なじみのスタッフらが看取(みと)ることが多い。 しかし2020年秋、千葉市の有料老人ホームから移ってきた三喜子さんの場合は違った。コロナ禍で多くの施設が面会を禁じていた時期に、家族が「看取りの場」として選んだのだ。 当時、食事を受け付けなくなって緊急入院した病院で嚥下(えんげ)機能が落ち、「絶飲食」と告げられていた三喜子さん。家族が入所を頼んできた日のやりとりを、代表の石井英寿(ひでかず)さん(48)は鮮明に覚えている。 「『このまま病院にいたら… この記事は有料記事です。残り1962文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私がやった」 否認の死刑囚が手紙で告白 川崎老人ホーム転落死
川崎市の有料老人ホームで2014年、80~90代の入所者3人をベランダから投げ落としたとして殺人罪に問われ、公判では犯行を否認しながら死刑が確定した施設の元職員、今井隼人死刑囚(31)が、事件の取材を続けてきたノンフィクションライター宛てに、「私がやった」と告白する手紙を送っていたことがわかった。「自分の持っている(救命救急の)技術を周りに見せたいとの気持ちが強くありました」と記した。 確定判決によると、今井死刑囚は14年11~12月、87歳の男性と86歳、96歳の女性(いずれも当時)を施設の4階や6階のベランダから投げ落として殺害した。 上告取り下げ後、ライターに手紙 死刑囚は捜査段階で犯行を自供したが、公判では一転して無罪を主張。犯行を直接証明する証拠がない中、一、二審は、自白調書の信用性を認めて死刑とした。死刑囚側は上告したが、今年5月11日付で上告を取り下げ、死刑が確定した。 ノンフィクションライターの高木瑞穂さん(47)は1年3カ月ほど前から、死刑囚と手紙のやりとりや面会を重ね、手紙の内容を投稿サイト「note」に公開してきた。上告取り下げを知って死刑囚に手紙を送ったところ、5月22日に速達で返信が届いたという。手紙に書かれた最後の日付は、上告取り下げ後の5月20日だった。 つづられた「動機」と「否認の理由」 死刑囚は手紙で、事件は「実は私がやったことで間違いないのです」と告白した。 最初の被害者の殺害について… この記事は有料記事です。残り660文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
PAC3の沖縄配備、当面延長へ 防衛省が迎撃態勢継続の方針
成沢解語2023年6月11日 5時00分 北朝鮮が予告する軍事偵察衛星を積んだロケットの打ち上げをめぐり、防衛省は、通告期間に合わせて11日までとしていた迎撃部隊の配備を12日以降も当面続ける方針を固めた。5月31日の打ち上げに失敗した後、北朝鮮は「早い期間内」に2回目を行うとしており、態勢維持が不可欠と判断した。 打ち上げをめぐっては浜田靖一防衛相が4月22日、自衛隊に破壊措置準備命令を出し、自衛隊が地対空誘導弾「PAC3」の部隊を沖縄本島や先島諸島に、迎撃弾「SM3」を搭載するイージス艦を東シナ海に展開。北朝鮮が5月31日午前0時~6月11日午前0時に打ち上げると通告したため、5月29日に破壊措置命令を出していた。 防衛省は当初、命令を通告期間最終日の今月11日までとしていたが、2回目の打ち上げがなく、警戒を続ける必要があると判断した。(成沢解語) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「さらに向上心を求む」 芸人・島田秀平の危機を救った亡父のノート
有料記事 聞き手・高浜行人2023年6月11日 6時00分 手相占いや怪談語りなどで人気の芸人、島田秀平さん(45)には、大切にしている1冊の古いノートがあります。書かれているのは、高校2年の時に亡くなった父の言葉。芸人としての挫折から、引退まで考えた島田さんを救ったメッセージとは。父との思い出を聞きました。 ◇ いつも人のために動き回っている人でした。長野市役所で建設や道路などの担当をしていて、大雨で夜通し対応したり、1998年の長野五輪の誘致活動を頑張ったり。兼業農家で果物や野菜もつくっていたんですが、周囲に「取りに来い」と言ってあげちゃうんです。取りに来る人がいなくなると、わざわざ自分から配りに行っていました。 姉2人と僕の3人に、愛情深く接してくれました。夕食の時にニュースを解説してくれたり、庭にサッカーゴールを手作りしてくれたり。子どもの相手が大好きな人でしたね。 自宅の和室、父を背負ったわけ 僕が高校2年の時、父がおな… この記事は有料記事です。残り1337文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
町田ゼルビア快進撃、J1昇格なるか 前評判を覆した異色の指揮官
東京都町田市を拠点とするサッカーJ2のFC町田ゼルビアが首位を快走している。地元の少年サッカーチームを起源とするクラブにとって、長年の悲願だった初のJ1昇格が現実味を帯びている。 3日、アウェーでのジェフユナイテッド千葉戦。前節黒星だったゼルビアにとって連敗だけは避けたい大切な一戦。互いに無得点で迎えた終盤に試合が動いた。ブラジル出身のFWエリキ選手が頭でつないだボールをFW沼田駿也選手が押し込んで先制。さらに、エリキ選手のパスから追加点を奪い2―0で快勝した。 ゼルビアは9日現在、J2(全42試合)で19試合を戦い、13勝3敗3引き分け。2位の大分トリニータに勝ち点8の差をつけ、全22チームの中で堂々の首位に立っている。昨季15位に沈んだチームの快進撃の背景には、大きな二つの変化があった。 一つは、ゼルビアの親会社「… この記事は有料記事です。残り2070文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
シェアサイクルどんな場所で使われる? 利用者数トップは意外にも…
新しい移動手段であるシェアサイクルが広がっている。貸し出し拠点(ポート)は、都市部だけでなく、地方にも増加。利用者が、自転車をどこで借り、どこで返したのかの利用経路を調べると、単なる移動だけではない、特徴的な使われ方をしていることがわかってきた。 シェアサイクルは、電動アシスト付き自転車を30分で百数十円といった安価な利用料で借りられる仕組み。 スマホアプリから予約すればすぐに借りられるほか、レンタルと違って元のポートに戻す必要がなく、目的地近くのポートに乗り捨てできる気軽さが魅力の一つだ。 国土交通省によると、2005年ごろから全国の自治体で社会実験が始まり、NTTドコモなどの民間企業が参入。ポートは21年度までの5年で8倍に増え、43都道府県の7030カ所になったという。 利用者数最多は人気ユーチューバーの聖地 シェアサイクルは、どんなところで利用されているのか。 23都府県に約2万5千台を設置しているソフトバンク系の「オープンストリート」(東京都港区)の分析では、利用者数が最も多かった経路は、愛知県岡崎市にある名古屋鉄道の東岡崎駅前ポートで借り、同じポートに返す周遊利用だった。22年で最も多かった11月には、284人が351回利用した。 この経路が多かった理由について、担当者は「人気ユーチューバー東海オンエアの『聖地巡り』で利用されているのではないか」と推測する。 東海オンエアは、岡崎市を拠点とするユーチューバー。チャンネル登録者数は600万人超をほこる。 市観光協会によると、動画によく登場する飲食店や洋服屋などが、東岡崎駅から1キロほど離れたエリアに点在している。 協会の担当者は「シェアサイクルはタクシーより安く、バスほど時間に縛られず、目的地のすぐ近くまで移動できる。メンバーの名前をラッピングした『東海オンエア号』もあり、推しの自転車に乗りながら聖地巡礼する人も多い」と話す。 利用経路のトップは… 一方、利用者数でなく、利用… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クマ2匹から挟み撃ちも九死に一生 演歌で鍛えた声量、4年ぶりに
JR福島駅(福島市)から車で30分ほど。果樹園と住宅が点在するのどかな地区に、男性(74)は70年以上暮らしてきた。いまは、一人暮らしの身だ。 5日午後4時半ごろ。男性が母屋の勝手口から屋外に出て、約4メートル離れたトイレのドアノブに手をかけようとした時だった。 突然、トイレがある建物の脇から黒い物体が音もなく現れた。 「ぬいぐるみ?」「にしては大きすぎる」 目が合った。 体長約1メートルのツキノワグマだった。 静かに向かってくるのを、持っていた杖で追い払おうと試みた。 後ろに転倒、そこに… すると、建物の逆側から、今度は半分ほどの体長の子グマが現れた。 親子とみられるクマに両側から挟み撃ちにされ、追い込まれた男性は、思わず後ろに倒れ込んだ。 親グマが爪を立てて覆いかぶさってきた。額を2カ所引っかかれ、両手首にも3カ所、爪が当たった。 「死ぬかもしれない」 「あー! あー!」 そう感じた時、とっさに言葉… この記事は有料記事です。残り638文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「きょうのおんどく!」かけがえない思い出 投稿すると、つながった
たどたどしい声で、つまずきながら、小3の息子が昔話を1話、読み終える。 へとへとになった息子に、料理をしながら聞いていた女性は声をかけた。 ――ママ、○○くんの声が大好き。毎日聞きたいな。 息子は照れくさそうに笑う。「うん、いいよ。よんであげる」 十数年前のこと。大阪市に住む50代の女性にとって、食事の準備は親子のかけがえのない時間だった。 当時、息子は言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手だった。友達とけんかしてしまうこともあった。 SNSで投稿 思わぬ「再会」へ 学校の担任教師に相談してみ… この記事は有料記事です。残り1018文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京王井の頭線沿いのアジサイが見頃 2万4千株、斜面強化の狙いも
細沢礼輝2023年6月10日 18時30分 京王井の頭線(渋谷―吉祥寺)の線路脇に植えられたアジサイが見頃を迎えている。ピンクや青など色とりどりの大輪が、乗客らの目を楽しませている。 京王電鉄によると、アジサイの植栽が始まったのは1990年ごろ。景観の向上だけでなく、斜面に植物を根付かせることによって、雨による斜面の崩落を防ぐ狙いもあったという。 現在では約2万4千株に増え、新代田―東松原駅間や、西永福―浜田山駅間などが見どころだ。アジサイを描いたヘッドマークを付けた車両も1編成用意され、23日まで走るという。(細沢礼輝) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国会議員が「脅迫ビジネス」 ユーチューブが生んだガーシー容疑者
前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)容疑者(51)が、動画投稿サイトで著名人らを繰り返し脅迫した疑いで逮捕された。警視庁の捜査で、容疑者側が脅迫行為を含む動画で計1億数千万円を得ていたことが判明。捜査関係者は「もはや脅迫ビジネスだ」と指摘する。 Tシャツ姿の東谷容疑者がカメラに向かい、早口でまくし立てる。複数の芸能人の名前を挙げ、親しいとアピールする。一方で複数の男性の名を出し、詳しい根拠は示さないまま断定口調で言った。「極悪非道なことをしています」「最後通告です」「やってきたことを晒(さら)します」 動画投稿サイト「ユーチューブ」で2022年4月までに公開された動画だ。東谷容疑者は、滞在先のアラブ首長国連邦(UAE)で撮影したこの動画で、デザイナーの男性を脅迫したとする暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑などで今月4日、警視庁に逮捕された。22年2月と8月にも、ユーチューブ上で俳優と実業家を脅迫した疑いが持たれている。8月は参院議員だった。 捜査関係者は「逮捕の根拠には、口には出せないようなひどい言葉も含まれている」と明かす。 被害者のデザイナー男性「事実無根」 デザイナーは4日、「私に関する配信内容が事実無根であったことが一日も早く明らかになることを希望いたします」とのコメントを出した。 東谷容疑者の動画発信の裏では、多額のお金が動いていた。 ユーチューブで発信する人は、企業が運営会社側に出す広告料などの一部を受け取る仕組みがある。捜査関係者によると、東谷容疑者側には22年4~8月、運営会社側から1億円余りが振り込まれていた。 捜査の中で、東谷容疑者に「便乗」して稼いでいた人が少なくとも数十人いたことも判明した。 東谷容疑者の動画は、一度発信された動画を編集して再投稿する「切り抜き動画」の素材としても知られていた。再投稿した人も広告料などの一部を受け取れるためだ。 東谷容疑者らは、300~500人規模のグループLINEを作って切り抜き動画の作成を促し、得られた収入の半分を指定口座に振り込むよう求めた。数千万円が容疑者側に支払われていたという。 合計1億数千万円のお金は、東谷容疑者の知人が実質管理する合同会社の口座に集約され、容疑者のほか、個人や法人の複数の口座に流れていた。同庁は協力者がいたとみている。 3日夜、ドバイ。東谷容疑者は突然、UAEの当局者に囲まれて拘束され、空港に送られた。日本の警察がUAE当局に引き渡しを要請した1週間ほど後のことだった。 警視庁の捜査関係者は言う。「海外からの不法な発信で金を得るのは許されない。SNSでの発信の場が増え、起こるべくして起こった事件。これはゴシップではなく、もはや『脅迫ビジネス』だ」(山口啓太、福冨旅史) 過激動画で稼いだ1億数千万円 ユーチューブ側の対応は 東谷容疑者は、ユーチューブ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル