熊本豪雨から3年を前に、自宅が全壊した中神ゆみ子さん(73)は、熊本県球磨村渡の茶屋地区にある小さな地蔵に塩むすびを供えた。 「避難所でもらった塩味の『にぎんめし』の味が忘れられない」と、毎年供えている。 球磨川沿いに位置し、30軒ほどが立ち並んでいた茶屋地区のほとんどが被害に遭った。堤防拡張計画のため、集落は更地となり、JR肥薩線の線路も草に埋もれている。 「地蔵さん」とよばれる子安… この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横須賀市長の「女性が虐げられ」発言、何が問題? 腑に落ちない人へ
「女性のDNAの中に常に虐げられた歴史がある」。神奈川県横須賀市の上地克明市長(69)が市議会でこんな発言をし、抗議を受けて謝罪した。 公式な場でいまだにこうした発言が飛び出すのは、何が問題か腑(ふ)に落ちていない人も多いためでは――。専門家はそう指摘する。変える鍵は何か。 上地克明市長が発言を取り消し 発言が出たのは、6月8日の市議会本会議の自民党市議の一般質問で、人口減少社会におけるまちづくりについて「女性に選ばれるまち」について問われた際のことだ。 上地市長は「女性のDNA、ミトコンドリアの中に常に虐げられた歴史があって。その怨念(おんねん)、無念さが今の社会を構成していると思っている」「だからこそ反動形成で男女共同参画社会という話が出ている」などと持論を展開した。 市民ら3人は21日、「非科学的で根拠がないにもかかわらず、女性と、怨念や無念さというイメージを公の場で結びつけたことは無責任」として、発言の撤回や謝罪などを求める約1400人分のオンライン署名を提出。上地市長は「配慮を欠いた表現により不快な思いをされた方々がいることについて率直におわびしたい」と述べた。発言は会議録から削除された。 ミクロ→マクロの問題点 問題になった中には、市役所で女性がいない会議があることについて問われ、「それが私よく分からないんですが、私、結婚してからすべて女房が決定権を持ってたんで。全く逆で」と自分と妻の関係を引き合いに出し、「私にとっては仕事でも何でも男女の区別はまったくない。だから女性の数をある程度(増やすなど)しなきゃいけないっていう意味が今でもよくわからない」と述べたやりとりもあった。 政策の議論の中で、唐突に持ち出される「うち」の話。関西大文学部の多賀太教授(社会学)は、「女房が決定権を持ってきた」という言い方は、「家では妻の尻に敷かれている」といった言い方と似て、「社会的に権力を持つ立場の男性が、ある種のガス抜きのために、言ったり言われたりしがちな表現」だと指摘する。 「今回のような発言は、残念ながら本当に多くの議会や企業である」ーー。背景と解決策を、3人の専門家に聞きました。 ほほえましくとらえられる場… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現首相も襲われ、問われる要人警護 政党に働きかけ 元首相銃撃1年
1年前に安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を教訓に、警察は要人警護の仕組みを変えた。しかし4月に岸田文雄首相が襲われ、更なる対策を迫られた。いずれも選挙演説会場での事件。来たる国政選挙を念頭に、警察は主催者である政党側への働きかけを始めている。 昨年7月8日に奈良市の参院選演説会場で起きた安倍氏銃撃事件を受け、警察庁は警護の運用方法を定めた要則を全面的に改正した。従来は原則、都道府県警に任せていたが、都道府県警が作成した警護計画案を警察庁が事前に審査する仕組みに改めた。 警察庁によると、審査件数は昨年8月26日の新要則施行後、今年6月末までに約3100件。修正の必要がない割合は当初1割に満たなかったが、累計では約3割になった。現場での警護員の配置や指揮官の任務などに関する指摘が多いという。警察庁は「講じるべき措置への理解は現場に浸透している」とする。 3D再現装置導入 職員の海外派遣も 体制の強化も図られてきた。事件後に17道県警で警護専門の組織が発足し、警護員は全都道府県警で増員された。装備資機材では、現場を撮影し3次元(3D)画像で再現できる装置が、今年中に大規模な警察に導入される見込みだ。立体画像を警察庁に送り、審査に活用する。 また、警察庁職員を米国など海外の警護機関に派遣。訓練視察結果を参考に、警護対象者の動きを流れでとらえる新たな形の訓練を始めた。海外機関との合同訓練も行う予定だ。 こうした取り組みのさなか、安倍氏銃撃から9カ月後の4月15日、和歌山市の衆院補選演説会場で岸田首相の近くに爆発物が投げ込まれ、警察庁は新たな対策を余儀なくされた。6月1日にまとめた検証結果では、聴衆エリアの出入りの確認を主催者側任せにしていたことなどが原因とし、今後は警察と主催者側の連携を強めることにした。 警察庁は幹部が各党本部を訪れ、働きかけを始めている。都道府県警も党県連への要請を開始した。演説会場をできるだけ屋内にすることや、屋外の場合は聴衆との距離をとること、手荷物や金属探知機を使う検査の実施、検査について事前に情報発信することなどを求めている。 「グータッチしない」と約束も…… 政党側からは、「会場が屋内… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インフルエンサー養成講座に100万円 コロナ下で契約トラブル急増
太田原奈都乃2023年7月4日 20時56分 あなたなら1年でフォロワーを増やせる――。ウェブ会議でこのような勧誘を受けて高額な契約をさせられるトラブルが増えている。「インフルエンサー養成講座」に100万円を支払った20代男性の事案について、東京都は4日、有識者らでつくる「都消費者被害救済委員会」に解決を付託した。同様の付託は初めてという。 都消費生活総合センターによると、男性には最初、「インフルエンサーになりませんか」というダイレクトメッセージがSNSに届いた。返信するとウェブ会議に誘導され、養成講座を勧められた。約80万円もする契約料にためらったが、「利益が出てすぐ取り返せる」などと説明され、分割払いで契約。1カ月後に解約したいと伝えると、「中途解約しても返金できない」と言われたという。 都はこの事案が、①特定商取引法が規定する電話勧誘販売に該当する②クーリング・オフが可能③「中途解約しても返金しない」とする事業者の主張は消費者契約法で無効と言える――などと判断した。消費者被害救済委は、都消費生活条例に基づき設置された知事の付属機関で、付託事案について弁護士らが審議し、当事者に解決をあっせんする。 新型コロナの影響もあってか、ウェブ会議を利用した契約に関する都内の相談件数は急増。2019年度は1件だったが、20年度は120件、21年度は231件、22年度は307件に上った。副業や就活などの講座をうたうものが多く、「軽い気持ちで参加した」という若い世代の被害が目立つ。 同センターは「話を聞くだけのつもりでも、高額な契約を勧誘されることがある」。高額な契約の場合、長期間の分割支払いを勧められることがあるといい、支払期間や総額、費用の内訳などを慎重に判断するよう呼びかけている。相談は、消費者ホットライン(電話番号188)へ。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
救えなかった14人の命 「共助の心」伝える灯籠の火 熊本県球磨村
今村建二2023年7月4日 21時00分 熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」の跡地で4日夕、近くの小川集落の住民が14個の竹灯籠(とうろう)に火をともし、犠牲者の冥福を祈った。 3年前は、住民が次々に駆けつけ、救助活動にあたったが、14人の命が救えなかった。 「悔しさとともに、みんなで何とかしようとした『共助の心』を伝えていきたい」。集落の自主防災組織で会長を務める小川豊明さん(69)は話した。(今村建二) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌のホテル遺体、女性のような服装の人物立ち去る 所持品残らず
札幌市の繁華街・すすきののホテルで頭部の無い男性の遺体が見つかった事件で、女性のような服装をし、大型のスーツケースを持った人物が男性と一緒にホテルに入っていたことが、捜査関係者への取材で分かった。北海道警は、この人物が事情を知っているものとみて行方を追っている。 道警は4日、遺体で見つかった男性は、北海道恵庭市の会社員、浦仁志さん(62)だと判明したと発表した。 捜査関係者によると、1日午後10時50分ごろ、この人物が浦さんと2人でホテルに入り、約3時間後の2日午前2時ごろ、スーツケースを引いて1人で出ていく様子が防犯カメラに映っていた。小柄な体形で、つばの大きい帽子をかぶっていたという。 この人物は入る時は白っぽい… この記事は有料記事です。残り220文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもの貧困率11.5% 3年前より改善 ひとり親は半数近く困窮
所得水準などに照らして貧困の状態にある18歳未満の割合を示す子どもの相対的貧困率は、2021年に11・5%となり、3年前(14・0%)に比べて2・5ポイント改善した。ただ、ひとり親世帯でみると44・5%にのぼり、半数近くが困窮にあえぐ状況が続く。厚生労働省が4日公表した国民生活基礎調査でわかった。 同調査では相対的貧困率を3年ごとに公表。子どもの貧困率は、所得が中間の人の半分未満の世帯にいる子どもの割合のことだ。基準改定で単純比較はできないものの旧基準だった15年以降、改善傾向にある。直近の経済協力開発機構(OECD)の平均12・8%よりも低くなった。 各世代を含む全体の貧困率も15・4%で、前回18年より0・3ポイント低下。同省は貧困率が改善した要因として、コロナ禍に経済的支援策として配った特別給付金の効果のほか、働く女性の増加などによって所得が押し上げられたとみている。 一方、ひとり親世帯の貧困率は、前回48・3%から3・8ポイント改善したものの、依然として半数近くが貧困状態にある高水準となっている。OECD平均の31・9%を大幅に上回り、43カ国中で貧困率が最も高いブラジル(54・8%)や南アフリカ(49・8%)などに次いで8番目に高い。 一方、同調査からは少子高齢… この記事は有料記事です。残り336文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
涼運ぶかれんな水中花 宿場町でバイカモが見ごろ 滋賀・米原
【動画】滋賀県米原市の地蔵川でバイカモが見ごろ=樫山晃生撮影 滋賀県米原市の地蔵川で、水中に咲くバイカモ(梅花藻)が見ごろを迎えている。 周辺は旧中山道の宿場町で、古い町並みが残る「醒井宿(さめがいしゅく)」。訪れた人たちは水温14度ほどの清流に揺れる、可憐(かれん)な白い花を見て涼を楽しんでいた。 今年は花の咲き始めが遅れているというが、8月いっぱいまでは楽しめるという。(樫山晃生) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸曹長を殺害した疑い、自衛官候補生を再逮捕 陸自警務隊
2023年7月4日 21時30分 岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で隊員3人が死傷した事件で、陸自の警務隊は4日、うち1人への殺人容疑で送検された自衛官候補生の男(18)を、別の1人への殺人容疑で再逮捕した。防衛省がこの日の会見で明らかにした。認否については、今後の捜査に支障を及ぼすとして明らかにしていない。 防衛省によると、男は6月14日午前9時10分ごろ、射撃場内の弾薬置き場にいた菊松安親陸曹長(52)に小銃を発砲し、殺害した疑いがある。菊松陸曹長は頭と背中を1発ずつ撃たれていた。 これまでの捜査に「殺すつもりはなかった」としつつ、「弾が欲しかった。(1発目で倒れた菊松陸曹長が)立ち上がって弾薬を奪えなくなったら困る」という趣旨の供述をしたという。 事件は射撃訓練中に発生。無断で弾倉を銃に装着した男が八代航佑2曹(25)の脇腹に発砲し、さらに弾薬置き場の菊松陸曹長と原悠介3曹(25)を撃った。八代2曹と菊松陸曹長は死亡し、原3曹は重傷を負った。八代2曹への殺人容疑について岐阜地検は4日、処分保留とした。今後は任意で捜査を続ける。 一方、警務隊による捜査とは別に、防衛省は原因究明と再発防止のための調査を続けている。浜田靖一防衛相は4日の会見で、男が岐阜拘置支所に勾留されていると説明。男は6月27日に自衛官候補生としての任期を満了する予定だったが、引き続き調査する必要があるとして任期を3カ月延長したことを明らかにした。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2階の飲食店、都市ガス契約せず 店内喫煙所付近が損傷 新橋の爆発
増山祐史 福冨旅史2023年7月4日 19時06分 東京・新橋の雑居ビル(地上8階、地下1階)が3日午後に爆発し、4人が重軽傷を負った火災で、火元とみられる2階の飲食店は東京ガスとの都市ガス契約を結んでいなかったことが、同社への取材でわかった。出火当時はガス濃度が高かったとみられ、警視庁は4日に現場検証し、原因を調べている。 東京ガスによると、2階の飲食店との契約はなかったが、ビルの別フロアには都市ガスを供給していた。捜査関係者によると、店長の男性(52)は「普段から調理でガスは使っていない。たばこを吸おうとしてライターをつけたら爆発した」と説明。4日の現場検証では、店内の喫煙所付近の損傷が激しいことがわかったという。検証は5日も続ける予定。 愛宕署などによると、店長の男性が全身やけどで重傷、店員の女性(53)や通行人の男性(53)も爆発の影響で重傷を負い、通行人の男性(75)が軽傷という。周辺の車5台も破損したという。(増山祐史、福冨旅史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル