西岡矩毅 太田悠斗2023年7月5日 19時56分 6月に入り、福岡県内で九州電力やNTTをかたる自動音声を使い、特殊詐欺を狙う不審電話が増えている。電話は、固定電話だけでなく、スマホにもかかっている。県警は「新手の方法」と注意を呼びかけている。 6月20日夕、新宮町の一人暮らしの70代女性が帰宅すると、固定電話に留守電が入っていた。「電気料金の未払いで2時間後に停電します」。自動音声だった。「『1』を押して担当につないでください」と続いた。女性は詐欺電話を疑い、粕屋署に通報。被害を免れた。 県警によると、1月から6月15日時点で、県内で確認した自動音声を使った特殊詐欺を狙う不審な電話は約50件。電話会社や電力会社などをかたった自動音声が多い。各社は自動音声で顧客に電話をかけることはないという。 固定電話だけでなくスマホにも 注意を 同様の電話の県内での認知件数は1~4月は数件だったが、5月は約10件、6月は約20件と急増している。こうした詐欺電話は固定電話にかかってくると思い込み、携帯電話やスマホにかかってくると「本物」と信じてしまう傾向もあるようだ。 実際に被害も出ている。3月、福岡市内の60代男性の携帯電話に自動音声で不審な電話があり、案内に従って番号を押すと、担当者をかたる人物につながった。この人物の指示通りにコンビニで電子マネーカードを購入し、90万円分をだまし取られたという。 県警担当者は「自動音声を使った手口はこれまで(県内で)少なかった。相手に不安を募らせ、焦らせてだまそうとしている。落ち着いて対応してほしい」と呼びかける。(西岡矩毅、太田悠斗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
歌舞伎町で売り上げ500億 違法カジノ店摘発の背景に「勘違い」
東京・歌舞伎町にあった国内最大規模の違法ネットカジノ店の収益を受け取ったとして、警視庁は5日、指定暴力団住吉会傘下組織幹部の金井忍容疑者(50)ら3人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕した。ネットカジノ店の収益を受け取ったとして暴力団組員が逮捕されるのは異例という。 捜査関係者への取材で分かった。金井容疑者は2019年~23年1月、東京都新宿区歌舞伎町2丁目にあったネットカジノ店「SEXY」などの売り上げのうち、約5千万円を「みかじめ料」として受け取ったほか、別の2人と共謀して他に「用心棒代」として約600万円を受け取った疑いがある。警視庁は5日、同区内にある傘下組織の事務所を同容疑で家宅捜索した。 警視庁が今年1月に店を摘発していた。同庁は、店が05年以降の17年間で500億円近くを売り上げ、一部が暴力団側に流れたとみている。 パソコン35台で24時間営業 捜査員に踏み込まれた店内では 捜査関係者によると、パソコンで完結するネットカジノ店は、違法賭博の証拠が残りにくく、捜査は「特に難しい」と言う。「SEXY」の摘発は、長期間の内偵に偶然も重なって実現した。 捜査関係者によると、店が歌… この記事は有料記事です。残り356文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
羽田の発着枠も… 人事めぐる会議、元官僚がちらつかせた古巣の権限
東証プライム上場の「空港施設」社。その代表取締役に誰が就くか。社幹部らによる会議は紛糾していた。 2021年5月31日。人事案を諮る「指名委員会」の開催が目前に迫り、タイムリミットぎりぎりだった。 引き金は、国土交通省OBで取締役(当時)の山口勝弘氏(64)が国交省側の意向だと主張し、自身の副社長就任を要求したこと。 同社の社長には長年、国交省OBが就いてきた。流れをかえて民間出身者を社長と会長に据え、新たなスタートを切る方向で議論が進んでいた矢先の要求だった。 「山口さんが副社長に自薦でなることについて、どういう理由を考えておられるかがよくわからない」 出席者の戸惑いを受け、山口氏が口にしたのは、航空大手2社の名前だった。 日本航空(JAL)とANAホールディングス(ANAHD)。空港施設社の主要株主だ。 趣旨はこうだった。 2社の「トップにつながる方」と話をしている。山口氏が代表取締役に就く案に「異議はない」と確認済みだ――。 「奴隷のように言うことを…」 民間出身者が社長に就けば、国交省側からみれば、半世紀にわたり省OBが占めてきたポストを失う形になる。 国土交通省OBの人事介入問題の実態や背景に、関係者への取材や入手した記録で迫るA-stories「令和の天下り」の2回目。民間企業に天下ったOBは会議の場で航空業界における古巣の強大な権限に言及しました。 「大丈夫ですかと、そこはも… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「市が水害対策怠った」 3年前の豪雨被災地の住民ら70人が提訴
2020年7月の豪雨で大きな浸水被害を受けた福岡県大牟田市三川地区の住民ら70人が5日、市が水害防止策を怠っていたなどとして、市に総額5億5440万円の損害賠償を求める訴えを福岡地裁大牟田支部に起こした。 大牟田市では20年7月6日に大雨のピークがあり、市内で2人が死亡。994棟の家屋が全半壊し、床上・床下浸水が2152棟にのぼった。 訴状などによると、三川地区ではポンプ場が配電盤とエンジンの浸水で停止し、甚大な被害が出た。ポンプ場の設備は40年以上更新されておらず、排水能力が市の計画値の43%だったことなどが被害拡大につながったと主張している。 長時間の浸水で健康被害や精神的被害を被ったり家屋の床や柱が腐食したりしたなどとして、36人が各1100万円、21人が各550万円、13人が各330万円の損害賠償を求めた。死亡した2人のうち1人の遺族も原告団に加わっている。 三川地区は鍋底状の地形で過去にも浸水被害があり、住民は20年の水害以前から市に対策を求めていた。 被災住民が今年1月に被害者会をつくり弁護団が発足。市と文書をやりとりして面会による説明の場を求めたが、市は文書回答のみだった。弁護団は「回答書では市は対策を怠っていたことを認めていないし、住民との協議の場さえ拒否し、誠意を欠いた対応と言わざるを得ない」と批判している。 大牟田市の関好孝市長は「訴状が届いていないためコメントは差し控える。市として真摯(しんし)に対応したい」とのコメントを出した。(西田慎介) ■原告団長「最後まで戦う」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「仕事のしすぎだと認めてもらえたよ」教諭過労死、妻が判決後に会見
有料記事 小西良昭 佐藤美千代2023年7月5日 20時00分 富山県滑川市立中学校の男性教諭が過労死した責任を、遺族が問うた裁判の判決で、富山地裁は市と県に賠償を命じた。遺族側は「パーフェクトな勝訴」と歓迎し、長時間勤務が当然視されてきた学校を「安心して働ける職場に変えるきっかけに」と訴えた。 判決後、原告で教諭の妻と代理人の弁護士らが富山市内で記者会見した。 裁判を起こすのはかなり勇気がいったという妻は「家族との時間を犠牲にして部活動指導などで働いたのを(教員の自主的な活動ではなく)仕事として認められたのはうれしい」と振り返った。 続けて、「こういう働き方はおかしいと、もっと早く夫自身や全ての教職の方が自覚してくれれば、こんなことは起きなかった」と悔やんだ上で、現場の教員たちに向けては、声を詰まらせてこう語った。 「働き方、生きているみなさんは変えられる」 「いま一度自分の働き方に疑… この記事は有料記事です。残り844文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川の水が蛍光色のような緑に…入浴剤に使われる成分出てきた 奈良
神田剛2023年7月5日 14時53分(2023年7月5日 20時15分更新) 5日午前5時ごろ、奈良県生駒市を流れる竜田川の水が緑色に変色していると、通行人から市に連絡があった。 同市環境保全課によると、水は蛍光色のような緑色で、同市西松ケ丘の市立生駒中学校の裏手付近のモチ川から、合流する竜田川に流入していた。川を管理する県が水質を調べたところ、入浴剤に使われる発色剤の主成分が検出された。毒性は認められず、死んだ魚なども見られなかった。 県水資源政策課によると、モチ川の擁壁には赤色の粉末が投棄された跡があり、水をかけると緑色に変色したといい、県警が粉末の分析を進めている。現場は県が高圧洗浄機などを使って清掃した。竜田川からは水道用の取水はしておらず、生駒市では「念のため農業用への使用や、水に触れることは控えてほしい」としている。 水の変色は下流数キロにわたってみられ、近鉄菜畑駅近くの橋を渡っていた女性は「気持ちの悪い色。こんなのは初めて見た」と驚いていた。(神田剛) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
PFAS含む泡消火剤、横田基地が漏出認める 10~12年に計3回
藤田大道2023年7月5日 20時19分 健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物(総称PFAS〈ピーファス〉)を含む泡消火剤について、米軍は2010~12年に3回、横田基地(東京都福生市など)で漏出した事案があったと明らかにした。都と基地周辺の自治体でつくる連絡協議会が、防衛省を通じて連絡を受け、5日に公表した。 都によると、米軍が横田基地での泡消火剤の漏出を認めたのは初めて。10年1月、12年10月と11月の計3回、保管容器やドラム缶から漏れ出た。米軍は、いずれも基地の外に流出した認識はない、と説明しているという。漏出量などの詳細も明らかにしていない。 連絡協議会は5日、漏出した場所や量の詳細な情報提供とともに、地下水への影響の調査を国に要請した。 基地がある多摩地域では、水道水に使われる一部の井戸で高濃度PFASが検出されている。PFASがどの程度健康に影響があるかはまだ明らかではないが、市民団体が22年から住民650人の血液検査を独自に実施したところ、55人のPFAS濃度が健康リスクの目安となる海外の基準を上回っていた。(藤田大道) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
遺体に争った形跡なし すすきのの首切断事件、無防備で襲われたか
札幌市の繁華街・すすきののホテルの一室で2日、頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、遺体には争った形跡がなかったことが捜査関係者への取材でわかった。北海道警は、現場の部屋から1人で立ち去った人物の行方を追っている。 捜査関係者によると、男性の致命傷は体への刺し傷で、死後に首を切断されたとみられる。抵抗した場合にできる「防御創」はなかったという。血痕は浴室内に集中していたといい、男性が浴室で無防備な状態で不意に襲われ、殺害された可能性があるという。 4日には、自宅から男性が運転してきたとみられる自家用車が札幌市内の有料駐車場で見つかった。男性は車をとめた後、ホテルに同行した人物と待ち合わせ、1日深夜に2人で入室。約3時間後、同行した人物が1人でホテルを出ていく様子が防犯カメラに映っていた。 亡くなった男性は、会社員の浦仁志さん(62)。3日夜に、親族が警察署を訪れて行方不明者届を出していた。家族には行き先を告げていなかったという。 近所に住む女性(79)はかつて、町内会の役員として会費の集金やごみの管理をしていた浦さんの姿を覚えている。嫌がる人もいる中「まじめにやってくれていた」と振り返る。 元同僚の男性(82)は、内装建材の製造会社で10年以上ともに働いたという。職場は3交代制で、交代する際に数分間の会話を重ねた。機械の調子などを尋ねてきた様子が印象に残っているという。「ちゃんとした人だった」と話した。 退職後も町内の集まりなどで顔を合わせていた。ニュースには驚いたが、被害者が知人とは思ってもみなかったという。「どうしてこんなことになってしまったのか」と声を落とした。(新谷千布美、古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ああいうことしなければ円滑にできたか」 五輪談合、元次長の苦悶
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で5日に初公判を迎えた大会組織委員会の元大会運営局次長・森泰夫被告(56)。罪を認める一方で、ではどうすればよかったのかと、悩める心境を明かした。 「間違いありません」 森元次長は裁判の冒頭、はっきりした口調で起訴内容を認めた。 大学までは陸上の中距離選手だった。卒業後、東急電鉄での勤務を経て日本陸上競技連盟に入った。14年に東京五輪・パラ大会の組織委に出向し、競技会場の運営を担う大会運営局を率いた。 この日は検察側の冒頭陳述などを聞いた後、被告人質問に臨んだ。 「初めての業者はやれない」 森元次長は「(スポーツ)イ… この記事は有料記事です。残り490文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外国人同士でトラブル 搬送先病院に100人集結し混乱、逮捕者も
浅田朋載2023年7月5日 20時30分 埼玉県川口市で4日夜、トルコ国籍の男性同士のトラブルを発端に、市内の病院付近に約100人の関係者が集まる騒ぎがあった。 県警は、この騒ぎで車両をパトカーに衝突させた公務執行妨害の疑いや暴行の疑いで、トルコ国籍の男2人を現行犯逮捕した。発端になったトラブルでも、男性が頭や首を刃物のようなもので切り付けられ大けがをしており、殺人未遂事件として捜査している。 4日午後8時30分ごろ、埼玉県川口市安行原で、「複数人がけんかしている」など複数の110番通報があった。 国際捜査課によると、住所、職業不詳のトルコ国籍の男性(36)が乗っていた乗用車が、追跡してきた複数台の車に停車させられた。その後、複数人に襲われたという。知人男性も同乗していたが、避難して無事だったという。 大けがをした男性は、川口市内の病院に搬送された。一方で、男性を襲ったとみられるトルコ国籍の男(24)も、腕をけがしてこの病院に救急搬送された。 そのため、病院付近に双方の関係者ら約100人が集まる事態となった。周辺では小競り合いが起き、逮捕者も出た。県警は、双方に何らかのトラブルがあったとみて捜査している。(浅田朋載) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル