有料記事 聞き手・増田勇介2023年7月9日 10時00分 関東大震災から間もなく100年。神奈川県は2015年に地震の被害想定調査をまとめ、様々な想定地震のなかで関東大震災と同様の「大正型関東地震」の被害が最も大きいと試算した。いま起きたら、どのような被害が起きるのか――。調査委員会の委員長を務めた吉井博明・東京経済大名誉教授(災害情報論)に聞いた。 想定は100年前と同じ死者3万人以上 ――関東大震災の特徴は 「8、9割は火災による死者です。建物被害も大半が延焼で、火災がなければ被害は一桁少なかったでしょう。ただ、神奈川県は震源地そのものだから、揺れも相当激しかった。列車が落ちた根府川地区(小田原市)の土石流の災害もあった。昼間の被災だったので、津波の犠牲者は意外と少なかったのかなという印象です」 ――県内は行方不明も含めて約3万3千人が犠牲になりました。被害想定も死者3万1550人です。100年たって都市化や耐震化は進みました。どういった被害を想定していますか 「建物被害による犠牲者は1万5110人という想定です。耐震化が進み、全壊住宅は減ります。火災による死者は昼間だと500人ぐらい。関東大震災の出火原因はかまどの火種などでしたが、今は電気やガスが火元なので消えやすいです」 「木造住宅が密集し延焼の危険性が高い地域も東京よりは少ないが、神奈川県内にも茅ケ崎市の南などに大規模な延焼危険地域があります」 津波被害が多い想定の理由は 「関東大震災で犠牲者が増え… この記事は有料記事です。残り1382文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
(番外 天声人語)ハマのドンの愛読紙
映画「ハマのドン」を劇場で見て、あっと驚いた。スクリーンに大写しされたのは、私が書いた天声人語の一つ。しかも主人公のドンその人が赤線を引いて精読中ではないか。ご本人を訪ねた▼港湾業界の重鎮、藤木幸夫(ゆきお)さん(92)。映画の収録中だった2年前のある日、たまたま朝刊に載った拙稿が話題に出たらしい… この記事は有料記事です。残り460文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「天下り御三家」で疑惑再び あっせん禁じる法改正、残った抜け穴
中央省庁の強い権限が、民間企業のあり方をゆがめてきた歴史は古い。 ときは数十年前にさかのぼる。 戦後の日本は、急速な経済の拡大で世界を驚かせた。いわゆる高度経済成長だ。 そのエンジンになったのが、企業間の競争を避け、官主導で産業全体を保護しながら拡大を図る「護送船団方式」だった。 「旗艦」の役割を担った大蔵省の官僚たちは、かつて自らをこう称したとされる。われら富士山、他は並びの山――。 実際、権限は強大だった。 国の予算を考えたり、税金を徴収したりするだけでなく、銀行、証券、保険など金融機関を監督する行政権限を幅広く与えられていた。 採用されるキャリア官僚は、ほとんどが東大法学部卒の「エリート」たち。 金融機関側では、そんな大蔵官僚らに対応する役目を、社内きってのエースたちが担った。 「MOF(モフ)担」。大蔵省の英語名「Ministry of Finance」の頭文字を取り、そう呼ばれた。 ミッションは大蔵省側の情報をつかむことだった。金融機関に対する検査の日程や行政の方針から、官僚の個人的な趣味に至るまで、ありとあらゆる情報を入手するためにMOF担たちが繰り返したのが接待だった。 レストラン、ゴルフ、料亭……。 官僚の側は、強大な権限を背景にしながらそれを享受し、次第に度を越していった。 スカートの女性従業員がテーブルの上に 象徴的だったのが、1990年代後半に社会問題となった、いわゆる「ノーパンしゃぶしゃぶ」だ。 国土交通省OBの人事介入問題の実態や背景に、関係者への取材や入手した記録で迫るA-stories「令和の天下り」の6回目。省庁と民間企業との関係について、歴史を振り返ります。 店はかつて新宿にあった。個… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あやかし課」の古賀大、京都府警の採用担当に 人気小説の主人公
神仏や精霊、化け物など「あやかし」の事件を担う京都府警の特殊部隊を題材にした人気小説の主人公が、7月から府警の採用活動に加わっている。府警によると、小説の主人公が採用活動にかかわるのは、全国の警察で初めてという。 人気小説は、京都市出身の作家天花寺(てんげいじ)さやかさんが執筆する「京都府警あやかし課の事件簿」。主人公の古賀大(こがまさる)は人外特別警戒隊ともよばれる「あやかし課」の新人隊員で、京都であやかしが絡む事件を人知れず解決している。 小説には古賀大のイラストが描かれている。このイラストがインターネット利用者の属性や検索内容などに合わせて配信する府警の「ターゲティング広告」の動画に出演する。府警の採用試験の競争倍率が下がるなか、仕事のやりがいをアピールする。 7月3日、府警本部で有馬健二警務部長から画面越しに委嘱状を渡された古賀大。「私の大好きな京都の街を守るために一緒に働いてくれる人を増やすことができたら、本当に素敵ですよね。がんばって活動します」と意気込んだ。 ターゲティング広告の動画では、祇園祭や鴨川などの映像を背景に「技術革新が進み、新たな世界が創造されようとも必要とされ続ける仕事」と警察官の魅力を伝える。 天花寺さんは「架空の存在として作ったが、実際に府警が受け入れてくれたので感謝している。もう私だけの大ちゃんじゃないんだなと思った」と喜んだ。 近年、府警の採用試験の競争倍率は下降気味。2019年度は5・9倍だったが、昨年度は4・4倍に落ち込んだ。 府警は3月にも、ネット上の仮想空間メタバースで業務説明会を開いた。ユニークな採用活動を展開して、志願者数を増やそうとしている。今年度の第2回試験の受付期間は8月14日まで。(西崎啓太朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松江で200ミリ超、九州北部は10日以降も大雨 土砂災害に警戒
2023年7月9日 19時59分(2023年7月9日 11時42分更新) 活発な梅雨前線が停滞している影響で、西日本から東日本の日本海側を中心とする地域は9日、激しい雨に見舞われた。10日以降も九州北部などでさらに雨が降り、局地的に非常に激しくなるおそれがある。気象庁は、土砂災害などに注意するように呼びかけている。 気象庁によると、9日午後6時現在の主な24時間降水量の最大値は、松江市208・0ミリ▽佐賀県鳥栖市186・5ミリ▽大分県日田市185・0ミリ▽山口県下関市180・5ミリだった。 大雨のため、JR西日本によると、山陽新幹線は9日午前8時半ごろから広島―小倉間の上下線で運転を一時見合わせた。山口県下関市に設置している雨量計が規制値に達したためだという。同日午後1時に運転を再開した。52本が運休し、98本が最大で5時間4分遅れ、約4万4千人に影響が出た。 気象庁によると、梅雨前線は10日以降も11日にかけて西日本から東北にわたって延び、停滞する見込み。前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定になるとしている。 10日午後6時までに予想される24時間降水量はいずれも多いところで、九州北部200ミリ▽東海と北陸、中国100ミリ▽関東甲信80ミリ▽東北と近畿、四国60ミリ。 気象庁は、西日本の日本海側はこれまでの大雨で地盤が緩み、土砂災害の危険度が高まっている場所があるとして、注意を呼びかけている。 低い土地の浸水、川の氾濫(はんらん)などへの注意も求めている。また、落雷や竜巻などの激しい突風への警戒も呼びかけている。 一方で、10日は東京都や埼玉県、愛知県のほか、九州南部などで気温が上昇するとして、熱中症への注意も呼びかけている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夏の暑さをぶった斬る! 手にした刀、その正体は冷たいあのスイーツ
荻野好弘2023年7月9日 12時00分 岐阜県高山市の「忍者カフェ高山」で、忍者の刀をイメージした「忍者刀アイス」(税込み1千円)を22日からテイクアウトで販売する。黒い柄(つか)の部分を含め、長さ45センチ。「日本一長いアイス」をうたい、「猛暑をぶった斬る」との思いを込めた。 刃の幅は2センチで、ミルク味。ホワイトチョコで刃に「忍」の文字、柄にひしをあしらっている。刀の部分が軟らかくなってぐにゃっと曲がるまでに、写真撮影はおっとり刀で行う必要がある。1日10本を販売する予定だ。 「丸泰」(岐阜市)がカフェを運営。店長の望月泰正さん(28)が開発にあたった。写真映えと食べ歩きを意識して、試作を重ねた。暑さで溶けて、手がベタベタにならないように粉末の寒天を混ぜた。 カフェの営業は土日祝日。望月さんは「刃の部分は曲がりやすく、チャンバラをするとポキッと折れてしまう。買ったらすぐにポーズを決めて下さい」と呼びかけている。(荻野好弘) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
肌に直接お灸は「暴行」 母親らに実刑「社会的に是認できず」
当時11歳と7歳の小学生の体に、火を付けたお灸(きゅう)用のもぐさを直接置き、やけどをさせたとして、傷害の罪に問われた母親(43)と内縁関係の男(33)の判決が福岡地裁であった。男はしつけの一環だとしたが、細川英仁裁判官は「暴行」と認定し、「生涯傷痕が残る可能性があり、児童の人格形成に悪影響を与えることも危惧される」「繰り返し犯行に及んでいる点で悪質」などとして母親に懲役1年4カ月(求刑懲役2年6カ月)、男に懲役2年(求刑懲役3年6カ月)の実刑判決を言い渡した。 判決では、2人とも刑の最終盤の4カ月を執行猶予期間とし、保護観察処分とする判断も加えた。 判決によると、両被告は2023年4月7~18日、自宅などで複数回にわたり、児童2人の手や腹部にもぐさを直接置き、線香などで火をつけて、黒色壊死(えし)を伴う2度熱傷という全治1カ月の重いやけどを負わせた。 今回の事件の前、男はこの児童の1人に対する傷害罪で罰金刑を受けており、これを機に男と母親は児童相談所からの指導を受けていたが、判決では「不適切な養育が根本的に改まることはなかった」とされた。 母親と内縁の夫にも「お灸」の過去 判決「同情すべき事情だが…」 裁判で検察側は、両被告は児… この記事は有料記事です。残り652文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR東海「キハ85系」が最終運行 初の特急用気動車にファン惜しむ
「ワイドビューひだ」などの愛称で知られたJR東海初の特急用気動車「キハ85系」が9日、最後の運行を終えた。デビューから30年超、力強いエンジン音や広い窓で親しまれた車両を惜しみ、ホームや沿線には多くの鉄道ファンが駆けつけた。 キハ85系は、国鉄民営化後の1989年に登場。「ひだ」(名古屋・大阪―高山・富山)や「南紀」(名古屋―紀伊勝浦)として活躍した。6月末で定期運転を終了し、ハイブリッド方式の新型車両「HC85系」にその座を譲った。 この日、ラストランをしたのは特別編成の特急「さよならキハ85系」号。高山―名古屋間を走った。 午後4時半すぎ、名古屋駅のホームに車両が滑り込むと、待ち受けたファンが次々とカメラのシャッターを切った。降車後、長い警笛を鳴らして車両基地に向かって発車すると、手を振ったり、パネルを掲げたりして見送った。「ありがとう」の声が上がり、拍手も起きた。 高山駅から乗車した名古屋市… この記事は有料記事です。残り82文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浅草寺・本堂の天井画「龍之図」、はがれて垂れ下がる 劣化が原因?
2023年7月9日 21時38分 東京都台東区の浅草寺本堂で8日、天井画の一部がはがれて垂れ下がっているのが見つかった。浅草寺は経年劣化が原因とみている。浅草寺は天井画を撤去し、9日は通常通り参拝を受け付けた。今後修復を進めるという。 浅草寺によると、8日午前11時ごろ、天井画が描かれた和紙が高さ天井(高さ9・5メートル)からはがれ、垂れ下がった状態になった。参拝客らにけがはなく、天井画の下に囲いを設置するなどして対応。その後、天井画を撤去した。 天井画は、近代日本画の巨匠・川端龍子(りゅうし、1885~1966)が1958年の本堂再建に合わせて描いた「龍之図」(縦6・4メートル、横4・9メートル)。色あせなどの劣化が進んでいたため、今秋に修復作業を予定していたという。 浅草寺教化部執事の清水谷尚順さんは、「天井画はただの絵ではなく、信仰のうえでも非常に大切なものだった。なるべく早く修復したい」と話している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
流された車を発見、運転の男性は見つからず 出雲の増水した河川
堀田浩一2023年7月9日 15時40分 島根県出雲市美野町で8日、車が増水した川に転落して流された事故で、県警出雲署は9日、川の中から車を発見したと発表した。転落時、車には同町の70代男性が乗っていたとみられるが、男性は見つからなかった。署が捜索を続けている。 署によると、9日午前11時ごろ、転落場所から約600メートル下流の川の中で車を発見し、引き上げたという。フロントガラスなどが破損していた。 事故は8日午後3時ごろ発生。男性が運転する車が同町の伊野川に転落するところを家族が目撃し、110番通報した。事故当時、線状降水帯による大雨の影響で川は増水していた。(堀田浩一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル