高橋俊成2023年7月12日 20時56分 名古屋出入国在留管理局で約2年前に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)を巡る国賠訴訟の弁論が12日、名古屋地裁であり、死亡当日の様子などを記録した監視カメラの映像が上映された。上映は前回6月の弁論に続き2回目。 対象となったのは、国側が証拠提出した5時間分の映像の一部。この日は、入管の看守がウィシュマさんに繰り返し声をかけても全く動かない様子など体調が深刻化した状況が法廷の大型モニターに映し出された。 一方、着替えの様子や死亡直前の姿などが映った一部の場面は、傍聴席からは見えないように配慮する措置が取られた。その理由について、裁判所は「支障がある」と説明した。(高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災の教訓、胸に刻む 祈りの奥尻島、北海道南西沖地震から30年
1周80キロ余りの小さな離島に、慰霊の明かりがともされた。12日、北海道南西沖地震から30年を迎えた北海道奥尻町。町民らは亡き人を悼むとともに、防災意識の大切さをあらためて胸に刻んだ。 正午、追悼のサイレンが島に鳴り響いた。観光で訪れていた女性(53)は「そんな大きな災害があったなんて知らなかった。奥尻ブルーの海からは想像できません」と驚いて、手を合わせていた。 津波と火災で被害が集中した青苗地区。島の犠牲者198人の名前が刻まれた慰霊碑「時空翔(じくうしょう)」では、献花台に花を手向け、海に向かって黙禱(もくとう)する町民の姿があった。ある男性は「(亡くなった)みなさんの顔が浮かんできて胸が詰まる。奥尻の未来を見守ってほしい」。 時空翔や津波館の前では、1500本のろうそくを島の形と追悼メッセージ「7・12 30年の今 天と海の青に いつも抱かれ」の文字に並べ、夕暮れを待って火をともした。10年以上続けてきた制野征男さん(79)は「(三陸地方の教え『津波てんでんこ』のように)まずは早く逃げて、自分の命を守ることを最大限優先させる。その大切さを伝えたい一心で続けてきた」と話す。だが、体力などを考慮して今回で最後にするつもりだ。「若い世代に引き継いでもらいのだが……」 島出身で東京在住の詩人麻生直子さん(81)も駆けつけ、自作の詩「憶(おぼ)えていてください」と「よみがえる故郷・奥尻島」を朗読した。「一瞬の大地の鳴動が 破壊しつくしたあの夜の津波の恐ろしさ 連れ去られた家族たち かなしいその光景に失意して 未来を拒んだりしないでください――」。時空翔に語りかけるように読み上げた。 21メートルの津波が襲い、34人がのみ込まれた初松前地区。慰霊碑の周りに漁具のガラスの浮き玉を犠牲者と同じ数だけ並べ、ろうそくをともして法要を営んだ。 親族6人が犠牲になった遺族会長の阿部元大(もとひろ)さん(61)は「30年たっても亡くなった人たちを忘れることはないし、遺族に風化はない。慰霊祭を見て震災を思い出してくれる人もいるので、できる限り長く続けていきたい」と話した。 家族7人のうち両親を含む6人を亡くし、島北端の稲穂地区で営んでいたみやげ物店も流された桜花綾子さん(71)は、あの日の「奇跡」を忘れない。 地震直後、両親を案じて青苗へと車を走らせていると突然、「綾子!」と叫ぶ母の声がはっきりと聞こえた。驚いて車を止めた。「そのお陰で私は津波にのまれずに助かったんです」 震災の教訓として心がけていることがある。家族が今日はどんな服装なのか、色や柄をちゃんと覚えておくようにしている。「人は自然の脅威にはかなわない。万が一、災害に巻きこまれて行方不明になっても、すぐに探し出してあげたいから」(阿部浩明) 「忘れ物あっても戻らない」 奥尻町立青苗小学校(全校23人)では12日、「一日防災学校」が開かれた。 ベルを合図に避難訓練が始ま… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「CAは盗撮に苦労してきた」航空業界 新法施行歓迎も、残る懸念
性的な部位や下着姿の盗撮、画像の提供などを処罰する「性的姿態撮影等処罰法」も13日に施行される。客室乗務員(CA)への盗撮行為が問題となっていた航空業界には歓迎の声がある。 羽田空港では12日夕、機内での盗撮行為が違法となることを知らせるポスターが設置された。全日本空輸(ANA)の西嶋直子・客室センター長は「盗撮行為に客室乗務員は非常に苦労してきたと思う。大変ありがたい」と話した。 盗撮行為はこれまで都道府県… この記事は有料記事です。残り439文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都成章高の元ラグビー部員らを大麻所持などの容疑で逮捕 京都府警
西崎啓太朗2023年7月12日 21時00分 京都府警は12日、京都市と神戸市の18~19歳の男5人を大麻取締法違反の疑いで同日までに逮捕したと発表した。捜査関係者によると、京都成章高校の元ラグビー部員3人が含まれる。いずれも容疑を認めているという。 組織犯罪対策3課などによると、元部員の1人は3月30日、京都市伏見区の運転免許試験場で大麻草約1・7グラムを所持していた疑いがある。当時高校3年だった。 この元部員は3月中旬、同法違反(営利目的所持など)の疑いで逮捕された男ら2人から大麻草約3グラムを1万5千円で入手。府警に対し「高校2年の夏ごろから大麻を数回~数十回使った。音楽がよく聞こえるようになった」などと供述したという。 この元部員から大麻草の一部を譲り受けたとして同学年の元部員が、譲り受けようとしたとして1学年上の元部員が逮捕された。 同校ラグビー部は2020年度の全国高校ラグビー大会で準優勝し、昨年度も4強入りした。(西崎啓太朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
約6千頭飼育の養豚場で火災、けが人なし 千葉県野田市
2023年7月12日 21時27分 【動画】千葉県野田市の養豚場で火災=遠藤雅彦撮影 12日午後3時半ごろ、千葉県野田市関宿台町の養豚場の従業員から「豚舎から煙が出て、爆発した」と119番通報があった。市消防本部は午後8時現在も、消火作業を続けている。 県警野田署によると、敷地内には平屋建ての豚舎が複数あり、一部が焼失したとみられる。約6千頭が飼育されていたという。プロパンガスボンベ付近から出火したとの情報もある。けが人の報告はない。 出火直後に付近を通りかかった男性(72)によると、付近一帯が真っ黒な煙に包まれ、豚舎からは豚の鳴き声などが響き渡っていた。従業員とみられる男性が、養豚場の入り口付近でぼうぜんとした様子で煙を見ながら、立ち尽くしていたという。 現場は野田市北部で、茨城県と埼玉県との県境に近い利根川右岸付近。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸6歳児死亡「棒で殴った」 死体遺棄容疑で4きょうだい再逮捕へ
神戸市西区の草むらからスーツケースに入った穂坂修(なお)君(6)の遺体が見つかった事件で、修君の祖母(57)への監禁と傷害の容疑で逮捕された実子4人の一部が「他のきょうだいが修君を棒のようなもので殴った」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。 一方、スーツケースが放置された段階で修君が死亡していた可能性が高いことも判明。兵庫県警は13日にも4人を死体遺棄容疑で再逮捕する方針を固めた。県警は、修君が死亡した経緯についても4人が事情を知っているとみて調べる。 捜査関係者によると、再逮捕されるのは、いずれも無職で、祖母の長女の穂坂沙喜(34)、次男の大地(32)、次女の朝美(30)、三女の朝華(30)の4容疑者。一家は祖母と修君を加えた6人暮らしで、修君は沙喜容疑者の息子にあたる。 4容疑者はスーツケースに入れた修君の遺体を6月19日、自宅から約1キロ弱離れた神戸市西区の草むらに遺棄した疑いがもたれている。 朝日新聞が入手した4人の自宅近くの防犯カメラの映像には、19日午後5時前ごろ、厚手の長袖に帽子をかぶった4人の人物がスーツケースを運ぶ様子が記録されていた。県警もこの映像を入手し、映っている4人は容疑者らの可能性が高いとみて捜査してきた。 修君の死因は司法解剖の結果、外傷性ショックの疑いと判明。遺棄されたのと同じ19日ごろに死亡したとみられている。 捜査関係者によると、これま… この記事は有料記事です。残り362文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネパール料理店で経営の男性が死亡 女性1人も搬送 大阪・池田
2023年7月12日 21時45分 12日午前9時半ごろ、大阪府池田市住吉1丁目のインド・ネパール料理店で、経営者でネパール国籍の男性(47)=兵庫県尼崎市=と、同国籍の40代女性が倒れているのを府警池田署員が発見した。男性は死亡が確認され、女性は搬送先の病院で意識を取り戻したという。 署によると、発見の約1時間前、男性の息子から「父親と連絡が取れない」と110番通報があった。出入り口が全て施錠された店内に荒らされた様子はなく、2人に外傷もなかったという。署は事件と事故の両面で調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「建てちょったら死んどる」 豪雨後かさ上げした宅地にまた土砂
有料記事 渡辺純子 板倉大地2023年7月12日 21時49分 九州北部を襲った10日の大雨は、2017年の九州北部豪雨の被災地にも再び被害をもたらした。福岡県朝倉市では、6年がかりで宅地のかさ上げなどの復旧・復興工事が進んだが、そこに今年再建した家々も被災。住民も市もショックを隠せないでいる。 17年豪雨で死者・行方不明者が35人に上った同市。今回の大雨で人的被害は確認されていないが、床上浸水13件、床下浸水6件などの被害が出た。 特に被害が目立つのが寒水(そうず)集落だ。17年は筑後川支流の寒水川があふれ、土石流で20戸以上が全壊などした。その後、市が住宅用地を1~2メートルかさ上げしたが、10日の大雨で再び川が氾濫(はんらん)した。かさ上げした宅地や道路を厚さ数十センチ前後の土砂が埋め、人が抱えられないほどの大きさの石も無数に散らばった。 「まさか。2メートルもかさ… この記事は有料記事です。残り1625文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
家出少女を駐在所に泊まらせ、わいせつ行為 警察官を容疑で逮捕
上山崎雅泰2023年7月12日 23時00分 駐在所に家出中の少女を泊め、わいせつな行為をしたとして、岡山県警は12日夜、同県警児島署の巡査部長、浜名啓(ひろむ)容疑者(49)=同県倉敷市児島赤崎2丁目=を県青少年健全育成条例違反(非行助長行為の禁止)と強制わいせつの疑いで逮捕し、発表した。浜名容疑者は「駐在所に引き入れたことは間違いないが、わいせつ行為はしていない」と容疑を一部否認しているという。 監察課によると、浜名容疑者は3日午前9時40分~翌4日午後1時10分ごろ、公園にいた少女が18歳未満で家出中であることを知りながら「駐在所で休もう」と声をかけ、勤務先の同市内の駐在所に宿泊させたうえ、4日午前8時~同11時半ごろの間に駐在所の居室で抱きつくなどした疑いがある。浜名容疑者はこの駐在所に1人で暮らしており、3日は勤務だったが、4日は休みだった。 県警に4日、児童相談所から「少女から駐在所に寝泊まりしているという連絡があった」と通報があり、発覚したという。県警の河合弘文・首席監察官は「職務執行の流れの中、警察施設内でこのような犯行に及び逮捕されたことは極めて遺憾。今後、捜査で全容解明を図り、厳正に対処する」とのコメントを出した。(上山崎雅泰) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「捜査機関は発想の転換を」 斎藤梓准教授に聞いた改正刑法の今後
性犯罪規定を大幅に見直す「改正刑法」と新法の「性的姿態撮影等処罰法」が13日に施行されます。性犯罪の加害者を適切に処罰することはできるのか。法相の諮問機関「法制審議会」の部会メンバーとして改正の議論に加わり、性犯罪被害者と向き合ってきた斎藤梓・上智大准教授(心理学)に話を聞きました。 ――改正刑法と新法をどう評価していますか。 まず「強制性交罪」が「不同意性交罪」に改正された意義は大きい。客観的に同意がないかどうかを証明する必要はあるものの、今後は、まさに同意についてが問われることになると思います。 性被害に直面した時の反応「捜査現場も理解を」 性行為に同意するかを自分で… この記事は有料記事です。残り1593文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル