添田樹紀 川辺真改2023年7月27日 20時30分 岸田文雄首相は27日、今月発生した九州北部や秋田県の豪雨被害について、激甚災害に指定する考えを示した。指定されると農地やインフラ復旧事業の国庫補助率が引き上げられる。福岡県久留米市の被災地を視察後、記者団に「指定に向けた手続きを早急に進める」と述べた。 首相は、服部誠太郎知事や県担当者らから被災状況について説明を受けた。「被災された方々の生活再建、被災地の復旧支援に政府としてしっかり取り組んでいく決意を新たにした」と述べた。26日には佐竹敬久・秋田県知事や現地を視察した斉藤鉄夫国土交通相と意見交換した。 久留米市は10日からの大雨で大規模な土砂災害が発生し、土石流に巻き込まれるなどして2人が死亡し、少なくとも家屋約3700棟が床上や床下浸水した。秋田県では14日からの大雨で少なくとも3200棟が床上、床下浸水し、水田や農業施設も被害を受けた。 首相はまた、「災害復旧を急ぐことはもちろん大事だが、事前防災と減災対策に万全を期すとことも重要だ」とも述べ、28日に決定する新しい国土強靱(きょうじん)化計画を推進していく考えも強調した。(添田樹紀、川辺真改) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
空き家の2遺体、ビニールにつつまれ複数の刺し傷 70代夫婦か
2023年7月28日 5時00分 愛知県津島市宇治町の空き家の物置で26日に男女2人の遺体が見つかる事件があり、遺体にはいずれも複数の刺し傷があったほか、ビニールにつつまれた状態だったことが捜査関係者への取材でわかった。県警は殺人・死体遺棄事件として捜査を始めた。 県警は2人はこの家に住んでいた70代の夫婦とみて、身元の確認を急いでいる。同居していた40代の息子は27日朝、静岡県で死亡しているのが見つかったといい、3人が亡くなったいきさつを調べている。 1人の遺体は26日午後4時半ごろ、戸建ての空き家の解体作業をしていた作業員が物置で発見。県警が調べたところ、物置からさらに1人の遺体が見つかった。司法解剖の結果、遺体は死後6~9カ月程度経っていたという。 捜査関係者によると、この家には以前は夫婦と遺体で見つかった息子が3人で暮らしていた。昨年11月に差し押さえられて競売にかけられ、今年6月に不動産会社が落札していた。 近くに住む女性は「ここ1年ほどは姿を見ていなかった。どうしたのかな、と思っていた」と話した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電通、五輪本大会分の談合は否認も視野 テスト大会分は認める
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われた広告最大手「電通」の元スポーツ局長補・逸見(へんみ)晃治被告(55)と法人としての電通グループの初公判が27日、東京地裁であった。逸見元局長補らは、競争入札で発注されたテスト大会業務で談合したことは認めたが、随意契約だった本大会業務などについては認否を留保した。証拠を精査した上で12月の次回公判で認否を示すという。 関係者によると、電通側は随意契約分は否認する可能性があるという。全体の契約金のうち本大会などの随意契約分は約99%を占め、否認すれば大きな争点になる。 この日、電通グループは代表として曽我有信副社長が出廷し、「法令違反があったことをおわびしたい」と述べた。 大会組織委員会は、競技会場ごとのテスト大会の計画立案業務(契約金は約5億7千万円)を競争入札で発注。落札業者らは、その後のテスト大会実施業務と本大会運営業務(同計約431億5千万円)も入札を伴わない随意契約で受注した。 争う理由は 検察側は冒頭陳述などで、入… この記事は有料記事です。残り766文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋市、ビッグモーター3店舗聞き取り調査 店舗前の街路樹枯れる
2023年7月27日 20時30分 中古車販売大手・ビッグモーターの全国各地の店舗前の公道の街路樹が枯れたり、伐採されたりしているケースが相次いでいる問題を受け、名古屋市は市内の5店舗の前にある市管理の街路樹を点検した。 市によると、このうち3店舗では店舗前の街路樹が枯れ、一部は撤去されていた。同市名東区の店舗前では2019年に2本の街路樹が枯れていることが確認され、市が伐採したという。 市は27日、この3店舗への聞き取り調査を実施。いずれも除草剤の使用は否定したという。原因を調べるため、市は土壌調査の実施も検討している。 一方、愛知県によると、県が管理する道路のうち、18年度から西尾市の店舗前で、県が管理する高木1本とサザンカが枯れ、伐採したという。今後、店舗への聞き取りや土壌調査することを検討するという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「草1本残すな」ビッグモーター店での合言葉 除草剤は女子更衣室に
「『草1本残すな』が店舗での合言葉でした」 中古車販売大手ビッグモーターの店舗で昨年まで働いていた20代の女性は振り返る。 「除去するために除草剤は欠かせませんでした」と言い、除草剤は女性の更衣室にクレーム対応の書類などとともに保管されていたという。 同社の全国各地の店舗前で、公道の街路樹や植栽が枯れるなどのケースが相次いで分かっている。 「椅子の下はなめられるのか?」と迫る幹部 何のためにそこまでする必要… この記事は有料記事です。残り658文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学習院女子大、学習院大に統合へ 2026年、「150年の節目」
学校法人学習院は27日、同法人内の学習院女子大を学習院大に2026年4月に統合することを決めたと発表した。耀(あかる)英一院長は法人のホームページで、27年に創立150年となるのを前に、「伝統に革新を加え未来へ向けてより深化し発展するための第一歩として統合することを決めた」と説明している。 学習院女子大は1950年、学習院大短期大学部として開設。53年に学習院女子短大となり、98年に学習院女子大に改組された。国際文化交流学部と大学院国際文化交流研究科があり、1500人余りが在籍している。 同大のホームページによると… この記事は有料記事です。残り140文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電通、組織委元次長の「相棒」役 価格の「漏えい」も 五輪談合
有料記事 植松敬 川嶋かえ 横山輝 末崎毅2023年7月27日 21時51分 五輪談合事件で、広告最大手「電通」側の公判が27日始まった。検察側は、電通が大会組織委員会元次長の「相棒」として受注調整を手伝い、自社にも有利な状況を作ったと指摘した。 検察側の冒頭陳述などによると、スポーツイベントの運営経験が豊富な電通は2016年10月ごろ、テスト大会の準備の遅れに焦った大会組織委員会の大会運営局元次長・森泰夫被告(56)から協力を依頼された。 電通の元スポーツ局長補・逸見(へんみ)晃治被告(55)らは、組織委にイベント運営経験のある人材がほとんどいないことから、森元次長が「相棒」として協力を求めてきたと受け止めたという。 逸見元局長補、電通から組織委への出向者、森元次長らは、「定例会」を開き、協議を行うようになった。17年12月ごろには、手分けして各社の担当者と面談し、希望する競技や会場を確認。受注予定業者を一覧形式にした「割り振りリスト」を作り、更新しながら定例会で共有したという。 検察側は各社との面談の様子も一部明らかにした。 出向者が価格漏らす 電通社員は広告大手「東急エ… この記事は有料記事です。残り903文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「不起訴におわせ、検事が供述誘導」 取り調べ録音の元市議側訴え
2019年の参院選をめぐる買収事件で、河井克行元法相(60)=公職選挙法違反罪で実刑確定=から現金30万円を受け取ったとして、同法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議の木戸経康被告(67)の初公判が27日、広島地裁であった。元市議は「受け取ったものが現金との認識はなく、買収報酬の趣旨との認識もなかった」と無罪を主張した。 元市議側は、東京地検特捜部の検事に任意聴取を受けた際の録音データが存在すると明かしている。検事が不起訴処分を示唆した上で、現金は買収目的と認めるよう促すやりとりがあるといい、元市議側はこの日の初公判で「不起訴の可能性をにおわせながら供述を誘導した」と改めて訴え、公訴棄却を求めた。 弁護側は冒頭陳述で、元市議が現職だった20年3月、ホテルの一室で初めて聴取を受けた際、検事から「検察につくのか、河井さんにつくのか。はっきりしてくれ」と迫られたと主張した。 初公判後、弁護人の田上剛弁護士は記者会見を開き、元市議を聴取した検事の証人尋問を申請したと明かした。採否の判断は留保されているという。元市議は欠席した。 録音データの存在は、田上弁護士が21日に明らかにした。20年3~6月に計9回、検事の聴取を受けたうちの計約7時間分で、買収資金との認識を否定する元市議に対し、検事が「認識がないというのは否認になる」「できれば議員を続けてほしい」と言及。元市議が容疑を認める調書に署名した後に否定しようとすると、「全面的に認めて反省していることを出してもらい、不起訴や、なるべく軽い処分にという風にしたい」と言われたとした。 検察側は当初、元市議の「自白調書」を証拠提出する方針だったが、弁護側が録音データがあると伝えたところ、請求しなかったという。 元市議の起訴内容は、19年4月3日ごろ、元法相の妻の案里氏(49)=同法違反の罪で有罪確定=の選挙運動の報酬と知りながら、同市内で元法相から封筒に入った現金30万円を受け取ったというもの。 「検察が不起訴示唆」訴え相次ぐ 元法相の公職選挙法違反事件は、別事件の捜索で見つかった「買収リスト」が端緒とされる。 検察当局は2020年1月、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑いで、河井夫妻の自宅などを捜索。パソコンからデータを復元すると、夫妻がいつ、誰に、どれだけ現金を渡したかを記したとみられるリストがあったという。 検察は違法報酬事件を終えると、リストに名前がある地元政治家らの聴取に着手した。中心を担ったのが、東京地検特捜部から派遣された10人ほどの検事だった。 複数の議員が、長時間の聴取が何度も続いたと証言する。そうした議員から、検察が不起訴を示唆して「自白」を誘導したとの訴えが相次ぐ。 元広島市議の谷口修氏(76)=公判中=は、検事から「河井氏をあげるためで、あなたには迷惑をかけないから協力してくれ」と言われたと主張。元同市議の伊藤昭善氏(72)=同=も「(過去の事件で)情報をくれた者は起訴しない取引をした」と説明されたと証言した。「起訴しないという誓約書を書いて欲しい」と求めると、「それは書けない。検事を信じてもらうしかない」との話があったと訴えている。このほか、朝日新聞の取材に対し、河井氏の逮捕前から「不起訴を示唆された」と話す議員が複数いた。 一連の捜査・公判を経て、元法相は地元政治家ら100人に計約2900万円の買収資金を提供したと認定された。検察は当初、被買収側は全員不起訴としたが、検察審査会が起訴相当と議決した35人について、9人を在宅起訴、25人を略式起訴に。略式起訴のうち3人が正式裁判を求めた。 正式裁判となった12人中6人には地裁判決が出ており、いずれも現金を受け取った時期や状況などから有罪となった。 繰り返し聴取を受けた元県議が不当捜査と訴えた国賠訴訟でも、検事の「誘導」や「脅迫」が争点になったが、地裁判決は「自白を強要するための利益誘導とは評価できない」などと退けた。 検察内「組織的指示は、ない」、問題視する声も 今回の問題の主な焦点は、利益誘導による違法な取り調べがあったのかや、上司の指示といった組織性の有無となる。 関係者によると、録音データには「不起訴で終わるとの約束はできない」などという検事の発言も残っていた。法務・検察内では「個々の文言にまったく問題がないとは言えないが、全体をみれば明確な利益誘導とまではいえない」との見方がある。不起訴を約束して自白を引き出すようにという組織的な指示は「ない」としている。 一方、被買収側が客観証拠から相次いで有罪になっている中、「当時の調べは依然として自白への依存度が高く、無理をした。利益誘導と疑われかねない」と問題視する声もある。「買収リスト」に沿った供述が必要というプレッシャーを現場の検事らが感じていた可能性もあり、「問われるべきは一検事ではなく、特捜部のやり方」との指摘も出ている。 公職選挙法違反の罪は、捜査協力の見返りに刑を減免する「司法取引」制度の対象外だが、河井元法相側は「違法な裏取引をした」と訴えてきた。最高検は、元市議らへの判決を踏まえて調査し、「適切に対応する」としている。 元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は「裁判では、捜査当局が得た供述の任意性を争う例が絶えない」と指摘。現在は逮捕・勾留中に限定されている取り調べの録音・録画の範囲を「任意聴取にまで広げることも検討すべきだ」と話した。 検察の取り調べを巡る地元政治家らの主張 木戸経康・元広島市議 「全面的に認めて反省していることを出してもらい、不起訴やなるべく軽い処分にという風にしたい」と言われた=公判中 伊藤昭善・元同市議 「地方議員を追い込むことが目的ではない」と言われた=同 谷口修・元同市議 「あなたには迷惑をかけないから協力をしてくれ」と言われた=同 藤田博之・元同市議 公訴権の乱用があったと主張=同 木山徳和・同市議 「陣中見舞い(との趣旨)を認めるので協力してほしい」と言われた=同 三宅正明・同市議 「協力してくれれば正直者が馬鹿をみることは絶対にない」と言われた=同 渡辺典子・広島県議「このまま(否認)だと河井さんと沈んでいく」と言われた=一審有罪、控訴 矢立孝彦・安芸太田町議 「ターゲットは河井夫妻。あなたは大丈夫です」と言われた=一審、二審とも有罪 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
口に入れたスプーン、そのまま容器に 迷惑動画投稿容疑で2人逮捕
高橋淳2023年7月27日 22時44分 飲食店チェーン「ラーメン山岡家」の宇都宮市内にある店舗で、卓上のおろしニンニクを容器に備え付けのスプーンで口に入れそのまま戻す動画をSNSに投稿したなどとして、栃木県警宇都宮中央署は27日、男2人を威力業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。 逮捕されたのは益子町益子の風俗店店長(31)と上三川町上三川の飲食店従業員(22)。店長の男は「業務を妨害するつもりはなかった」と容疑を一部否認し、飲食店従業員の男は「間違いありません」と認めているという。 発表によると、2人は2021年10月1日から22年10月31日までの間、市内の店舗でおろしニンニクの容器に備え付けられたスプーンを直接口に入れて戻すなどの動画を撮影し、今年3月までインスタグラムに投稿して店の業務を妨害した疑いがある。(高橋淳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「虹のカーテン」抜けた先には? 標高600メートル、山の上に設置
金居達朗2023年7月27日 19時30分 琵琶湖を望む滋賀県高島市の箱館山スキー場に、地元特産の「高島ちぢみ」で織られた「虹のカーテン」が設置されている。27日は、全国914地点のうち251地点で今年最多を更新するなど全国的に猛暑日となった。標高600メートルを超える箱館山は平地より気温が数度低く、訪れた観光客らは風に揺れるカーテンがもたらす涼感を楽しんでいた。 「虹のカーテン」は2019年から始まった取り組みで、虹色と白色に染めたちぢみ195枚がつるされている。カーテンを抜けると、琵琶湖を見下ろす景色が一望できる。 「虹のカーテン」に向かう小道には、882個の虹色の風鈴が飾られている。場内ではピンク色の花を咲かせるペチュニアが見頃を迎えている。ジップラインなどのアクティビティーも楽しめる。 虹のカーテンの設置は、夏季シーズンの営業が終わる11月12日まで。入園料は大人2500円、小学生以下1200円、駐車場千円。問い合わせはスキー場(0740・22・2486)。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル